「指導主事削減」を選挙公約に掲げている候補者が一人だけいました。

 明日は上尾市議選の告示日です。このブログ「上尾オンブズマンの館」で主張してきた「上尾市教委の指導主事の削減」を公約に掲げている候補がいました。

記事No.41

■教員の長時間勤務を解消していくためには
 今や国民的な課題ともいえる「教員の長時間勤務」の問題。上尾市教委事務局によるこの問題へのとりくみは、残念ながらいずれも「対処療法」と言わざるを得ません。なお、
ここでわざわざ「事務局」と言っているのは、「教育委員会=すなわち教育長と教育委員の合議体」から具体的施策提言がされることはなく、事務局案についてほんの少しの質問をするだけで追認しているからです。

 教員の長時間勤務を解消していく最も効果的な方法は、市教委事務局の学校への関与を極力減らしていくことです。具体的には、現在おこなわれている強制的な研究委嘱を、学校の希望制へと変えることです
 そのためには、市教委事務局指導課に11名いる指導主事を5名程度に減らすことです。同時に、学務課の指導主事(課長を含む)3名・学校保健課の指導主事1名(いずれも教員出身)を一般行政職員で充当することも必要です。
 そして、ここが重要ですが、市教委事務局からの関与が薄まれば、学校現場は全く困らないだけでなく、今までよりもずっと余裕が生まれるのは確実です。

■「指導主事」削減を掲げる意味
 今までも上尾市議会で教員の長時間勤務の問題に関連して、研究委嘱発表の行き過ぎを指摘した質問は確かにありました。ただ、そうした質問は、研究指定そのものが強制的に行われていることに対して、希望制にすべきだという主張ではありませんでした

 ブログ筆者は、現在指導課にいる指導主事は、学校に対する「不必要な権威の序列性」を見せつけるために置かれていると考えています。前記事「学校での隠れたカリキュラム(こちら)」でも書きましたが、子どもたちは「今日は先生がペコペコしているな」と感じ、そこで不必要な権威の序列性が刷り込まれることにもつながると考えられます。それは決して担任教師にも子どもにとっても良いことではありません。
しかも、中学校のベテランの先生に対して小学校勤務の経験しか無い指導主事が「指導」できるものではありません。

■「指導主事削減」を公約にしている候補に期待
 宮入勇二候補の法定ビラ(こちら)では、教育政策で「指導主事削減と先生の働き方改革」とあります。
もちろん、他にも大切な公約が掲げられていますが、 
今まで、はっきりと「指導主事削減」を公約に入れた候補者はいなかったのではないでしょうか。
宮入候補が当選した後、本会議で教育施策についての本質的な質問がされることを期待するものです。

■ブログ発信の意味
 このブログは、もともと「上尾市教育委員会の不都合な真実」を市民のみなさんにお伝えし、共有することによって、市民的アクションが起き、そのことで現在の上尾市教委が少しでも改善の方向に向くのではないかということで始めたものです。
 宮入候補が当選すれば、さらに市民と上尾市の教育行政や市政との距離が近くなると確信しています。

 

“「指導主事削減」を選挙公約に掲げている候補者が一人だけいました。” への4件の返信

  1. 政策について記事にされていただき、ありがとうございます。お礼が遅れました。
    ただし、ご期待に沿えず誠に申し訳ございませんでした。
    いいわけではありませんが、有権者は「あなたのは政策は?」と問うものの、実は政策を見ていません。議員も政策をまともに書いていません。それは選挙公報を見れば分かります。あんな小さい字で誰が読みますか?
    書かれた内容も抽象的が多いです。書き手も読み手もハナから参考にしていないということを、かまちょ図書館11/29選挙公報は省エネで喝破しています。
    ●教育主事制度の建前ではない本当の存続動機についてもぜひ書いてほしいものです。

    1. コメント、ありがとうございます。 そして、大変お疲れ様でした。
      有権者は何を基準にして投票するのか、ということについては、ご指摘のように、「議員の政策や公約で誰に投票するのか決めているわけではない」と私も思います。とりわけ、今回の選挙を通じてその思いを強くしました。「地域」のしがらみなのか、宗教団体の強いプッシュなのか、それとも前の選挙で入れた候補者だからなのか…… 本来であれば、それぞれの候補者の主張を比較検討して、地域的なしがらみを排し、全市的な視野から、上尾市に今最も必要な候補を選択すべきだと思うのですが……。 残念ながら、有権者の2/3が投票すらしないという現実の壁は大きいものがあります。教育行政に目を移せば、上尾市の教育委員会(=教育長と教育委員の合議体としての教育委員会)も、それを「支える」はずの教育委員会事務局も、本質的な教育議論(例えば、「そもそも、修学旅行はどうあるべきか?」や「無言清掃が流行っているが、その教育的意義は?」など)がされることはありません。こうした議論は、むしろ保護者や市民を巻き込んで行われるべきです。いつの日か、市政や教育行政が本来あるべき姿になるはずであると考えたいですね。

  2. 我が町に浮動票はなかった。これからも変わることはないだろう。
    元議長、議会で暴言した男、政策仲間を裏切り相手方(現市長)を支援した男が落選したことだけが救いです。ところで、70過ぎのおばあさんの魅力って何。

    1. 今回の選挙で「壁」を感じたのは、投票率35%、すなわち市民の3人に2人は投票に行かなかったということにつきます。今朝の朝日新聞に「上尾市議選、激戦なのに低投票率」との記事があったように、一部では「激戦」に見えましたが、問題は「無関心層」「シラケ層」に対して、上尾市が抱えている問題や課題を、いかに問題意識として共有していくかだと思います。
      私は、小さな声かもしれませんが、とりわけ上尾の教育行政が「まとも」な方向に行くことを少しだけ期待して、このブログで発信していこうと考えています。

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