上尾市教委の不都合な真実 ー何も言わない教育委員のお歴々ー

 市民として到底看過できない池野教育長の行状について、2019年9月の定例教育委員会の会議を非公開にして「審議」したにもかかわらず、質問も無ければ意見も全く言わない「教育委員」の方々。あなた方は、自分たちの姿勢に全く疑問を感じないのですか?

記事No.35

■市民にとっての情報公開制度とは
 情報公開制度は「市民の知る権利」や「市民が積極的に市政に参画すること」を保障する制度です。行政側はこれを最大限尊重する義務があり、その根拠は法令等でも明確に定められています。
ここで重要なのは、情報公開制度は、単に「文書の存否」を問うものではなく、情報公開請求を通じて、市政や教育行政が改善されるひとつの契機になる、という点です。このことは、住民監査請求に対する意見として監査委員も指摘していることで
す。
今記事では、2019年9月の定例教育委員会の会議録が10月18日に市民に公開されたことを受けて、同会議で(個人情報が含まれるため)非公開とされた[議案第49号]≪行政文書非公開決定処分に係る審査請求に対する裁決について≫を
、これまでの経緯なども含めて取り上げます。

■今回の情報公開請求から審査請求に至るまで
2018.08.14[情報公開請求](情報公開条例による)
①教育長は、距離的にどこの範囲まで公用車を使用するのか(あるい
は公用車使用が可能なのか)が判別できる文書・資料等。
※電車ならばずっと安く行けるにもかかわらず、わざわざ都内の自宅まで公用車で迎えに来させ、横浜市の駅前にあるホテルまで送らせ、その日は上尾まで公用車を戻させ、翌日またホテルまで迎えに来させ、自宅まで送らせたという事案。
②池野教育長は、当時の新政クラブとの「夜の
懇親会」に出席したうえ、公用車を使って都内自宅まで送らせている(つまり公務)。その行状が正当化されるには、何らかの文書等があるはず。
※市教委HPに≪教育委員会は政治的中立を維持することが強く要請されている≫ と記載されているにもかかわらず、あえて特定の市議会会派との「夜の懇親会」に出るからには、それが正当化されるための文書があるはず、という事案。

2018.08.27[市教委による処分の通知
「文書不存在により非公開」との処分が通知されました。備考欄への記述は全くありませんでした。

2018.09.21[審査請求](行政不服審査法による)
「このような池野教育長の行状については、文書や資料等が無ければ到底説明がつかないのではないか。文書等は必ずあるはず」ということから、審査請求をおこないました。

2018.10.26[弁明書が届く](市教委による)
「文書や資料等が無いことは事実である」とだけ述べられている「弁明書」が届きました(全く弁明になっていません)。

2018.12.10[弁明書の一部訂正](市教委による)
「上尾市車両管理規程(公用車は公務でしか使用できず、それも勤務時間に限るという規程)がありましたので、それを提出します」という、「訂正文」が届きました(そうであれば、酒席のあと都内の自宅まで送らせるというのも、公務ということになります)。
なぜ最初の情報公開請求の際にこの規程を示さなかったのか、つまりは市民に対してろくに調べもせずに「非公開」としている証です。

2019.01.08[反論書と証拠の提出](請求人による)
 A4版8ページにわたって、いかに池野教育長が恣意的に、かつ合理的な経路を無視して公用車を使用しているか、また、市教委事務局は池野氏をかばうために言いつくろっているか反論し、かかった経費が市民の血税から支払われていることの証拠を提出しました。

2019.03.08[意見陳述と聴取](請求人・市教委)
 口頭意見陳述の機会がありましたが、このときの審査会長の議事の進め方は全くひどいものでした。請求人であるブログ筆者が何か発言しようとすると、「それは文書の存否に関係ありません!」と大声で口を挟み、発言を阻止してきたのです。事前に質問の要旨は文書で伝えてあったにもかかわらず、です。いかに審査会が名ばかりであり、なんとか市教委をかばおうとする姿勢がはっきりと示されました。

2019.07.24 [答申書が届く](審査会長から)
 市教委を全面的に擁護する「答申書」であり、なおかつ「教育長の公用車使用と新政クラブ懇親会に出席したことの適切性については言及しない」というものでした。

2019.08.05[審理手続きの終結](上尾市教委から)
 一連の「審査」の手続きは、上尾市教育委員会がおこなっているので、市教委から「終結しました」という文書が届きました。
 でも、考えたら奇妙な話ですよね。「文書非公開」という「処分」を下すのは市教委(処分庁と言います)。その手続きを審査するのも市教委(審査庁と言います)。審査会を開く事務局は市役所総務課。
市民には、とにかくわかりにくいシステムになっています。
はっきりしているのは、市教委・審査会が「市民に背を向けている」ということが今の上尾の実態であるということです。

やっと今年9月の教育委員会の「非公開議事」に
 審査請求から1年以上経過した2019.09.25、この「事件(審査請求で扱われる事案は「事件」と呼ばれます)」は、教育委員会の会議に「非公開」で審議されました。
この議案について公開されたのは、先週(10/18)のことです。
請求人が審査請求に1年かけた案件ですが、教育委員のお歴々からは質問も意見もゼロでした(会議録はこちら。最後のほうをごらんください)。非公開にする意味がありませんね。

■教育委員の方々は、なぜ、何も言わないのですか?
9月の定例会で、この議案審議についてわざわざ「非公開」としたにもかかわらず、教育委員のみなさんからの質問も意見も無しというのは、どういうことなのでしょうか。大変疑問です。
教育長の公用車使用については、どう決めているのですか?
市議会の特定会派との酒席に教育長が出るのはなぜですか?
などの質問が教育委員から出てもいいと思うのですが、「教育長の行状については、何がなんでも目をつぶる」「怪しいと思っても、そのことについては触れない」という姿勢がはっきりとした会議でした。
住民監査請求の際に、監査委員から教育長に対して様々な事項(市内の教職員に対して厳しいことを言いながら、自らの服務関係の手続きは全くいい加減であったことや、岩手などの遠方に行っても教育委員会に対してなんらの報告もされていなかったことなど)が指摘されたということを、教育委員は全く気づかずにいるということも考えられます。池野教育長や教育委員のお歴々、加えて市教委事務局の、こうした「不都合な真実」は、これからも逐一明らかにしていく必要があります。さもないと、上尾の教育は少しも良くならないでしょう。

 池野教育長や教育委員の方々がこのブログを読んでいたら、「ここが違う」などの反論や反証も含めて、ぜひコメントをいただきたい思います。
また、市教委事務局職員の方で「実は、こういう事実もある」などの情報をお持ちの方は、このブログの「お問い合わせ&情報提供」経由でご連絡ください。
もちろん、情報提供に関する秘密は絶対に守ることをお約束します。

 

“上尾市教委の不都合な真実 ー何も言わない教育委員のお歴々ー” への6件の返信

  1. なるほど10月18日は、そういう日だったのですね。なるべく来て欲しくなかった。公にしたくなかったと言うことですね。

    教育長は都内にお住まいで、上尾の防犯状況はどの程度、ご存知なのでしょう?
    教育委員会H.Pの防犯情報は、平成26年9月を最後に掲載はストップです。
    今、保護者には、学校からのメール配信で情報が届くことがありますが、その流される情報は、学校ごとに違う場合があり、かなりムラがあるように見受けられることが最近、分かりました。
    上尾警察署からの防犯情報をそのまま流す学校もあれば、そうではなく、中身が全く伝わらないような内容で流す学校もあります。市内の何処でどの様なことが起きているのか、注意を促すことは大事なのではないでしょうか。
    あまりに声かけ事案など多過ぎて、メールを流すことも仕事が増えて、各学校現場は嫌になっているのでしょうか?
    明らかな警察沙汰の事件でも、近隣の学校が注意を促さないことに、保護者達は驚かされます。

    1. 教えていただき、ありがとうございます。まめさんのご指摘どおり、防犯情報がこの5年間更新されていませんね。おそらく、「所管」がはっきりしないので、教育委員会事務局のどの課も責任を持たないのでしょう。
      「学校教育部内のどこにも属さないこと」であれば、学務課ですし、さらに全部の課のどこにも属さない業務であれば、教育総務課ですね。機会を見て確認してみる必要があると思います。

      (追記)
      防犯情報の一番下を見ると、指導課となっています。ですから担当課は指導課ですね。おそらく、前任者からの引き継ぎは全くされていないのでしょう。だから、どのタイミングで防犯情報を掲載したらよいのかわからないのですね。
      指導課はしばらく前、「教師力アップ講座」なる講習会?を何度か企画したことがありましたが、いつのまにか消えてしまいました。それも、担当者が変わったから「自然消滅」したのだと思います。

  2. いま、神戸市の学校現場、教育委員会の問題が全国ニュースですが、神戸方式とか言われています。教育委員会はたんなる追認のお飾り、人事権が教育委員会になくその下の事務局・校長などに握られているとか。ようするに既得権益を守る多いのだと思いますが・・・
    それを神戸方式というと特別ですが、意外と他の自治体も似たようなところがあるのではと思います。その点での比較考察を今後時間があったらお願いしたいですね。

    1. 神戸の教員間イジメ問題は、当然ですが、教育の現場で「あってはならないこと」です。上尾との差異もありますが、共通点もあると考えられます。
      今日の報道では、自宅謹慎(服務上は有給休暇)の間、給与は支払われないようにする条例が提出されるとか。それでも保護者や市民(国民)は納得できないでしょう。
      この問題については、私なりの観点から記事にするつもりでいますので、今しばらくお待ちください。

  3. 高校生の頃、東の千葉、西の兵庫が管理教育の先進県ですした。埼玉は、日教組の天下でした。「神戸なんか生徒1人1人に背番号が付いてるらしい」という教諭もいました。(熊高ですが)
    点数で輪切りにして管理する、子供の人格形成がおかしくなる環境らしいって。
    そのうちおかしい事件がおきるんじゃないかって言っていたことを思い出します。
    サカキバラの事件を思い出します。
    今は埼玉も昔のような自由な教育環境はないでしょうね。生徒たちが可哀そうです。
    日の丸掲揚台設置反対で、校庭で座り込みをしていた同級生を思い出します。
    今の時代では想像できない環境でした。

    1. 「埼玉は、日教組の天下」というのがよくわかりませんが、連合と全教とに分かれる前の、いわば「古き良き時代」の組合活動のことかと思います。
      畑和県政のもと、「15の春は泣かせない」というスローガンで、高校の数が増えたときでしょうね。
      今は、いかに市民の声を教育行政に反映させるかが課題となっています。

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