「議会改革度調査 2021」への上尾市議会事務局の回答とは?

上尾市議会6月議会の一般質問が始まっています。私は議会場での傍聴はしませんが、関心を寄せている質問について、中継録画で質疑を聞いています。

上尾市議会事務局への情報公開請求の結果、早稲田大学マニフェスト研究所による「議会改革度調査」に対して、議会事務局がどう回答したのかが明らかになりました。
今記事では、前記事の続編としてこのことについてお伝えします。

No.226

🔶議会事務局の判断で最新版が公開されました
私が情報公開請求したのは、早稲田大学マニフェスト研究所がおこなった「議会改革度調査 2020」についての上尾市議会からの回答でした。
ですが、請求した時期がちょうど最新版(2021年度の調査)と重なったため、市議会事務局の判断で、直近の資料(2021年度版)が公開されました。

「議会改革度調査 2021」の質問事項はこちら(青字をクリック)
    議会改革度調査 (maniken.jp)

今回の同調査の質問事項は全部で53問あります。
分量の関係もあり、上尾市議会事務局からの回答の幾つかは略してありますが、以下、主な回答について見ていきます。

🔶上尾市議会事務局からの回答は?

Q1~Q5(議会の連絡先や議員数など)
Q6・Q7(議員の平均年齢と平均期数) 平均年齢 54歳    平均期数 3期
Q8(議員報酬と政務活動費月額 ※一人当たり) 議員報酬 435,000円 政務活動費 25,000円
Q9~Q12(選挙方法・広報等)
Q13(議会基本条例の制定) 制定していない
Q14(会議等の住民への周知) 議会HPで事前に周知
Q15(会議等の配信) 配信している=本会議,常任委員会,特別委員会,法廷協議等の場
配信していない=議会運営委員会
Q16(住民は会議資料を容易に入手できるか) ネット事前=首長提出議案,附属参考資料
入手できない=議会提出議案,請願書
Q17(住民は議案・請願の審議の進展状況を容易に知ることができるか) ネット(広報紙)媒体で公表=審議議了した議案等の結果,議員ごとの議案等賛否
公表していない=審議調査中の議案等の経過状況
Q18(住民は、会議の議事録を容易に見ることができるか) ネットで公開=本会議,常任委員会,特別委員会,法廷協議等の場
公開していない=議会運営委員会

上記設問のポイントは「住民が資料を容易に見ることができるか」だと思います。
容易に」というのは、HPで閲覧可能、あるいは市役所や支所・図書館等に行けば誰でも見ることができるという意味だと思われます。その意味で、「議会運営委員会」についての扱いは上尾市議会としても再考したほうが良いのではないでしょうか。

Q19(住民は、政務活動費による会派や議員個人の活動のようすを容易に知ることができますか) 活動・取組内容等が分かる書類=議会図書室に配架
収支報告書=ネットで公開
証拠書類=公開していない
使途基準・ガイドライン=議会図書室
Q20(議員の政策や選挙公約) 議会として関与していない
Q21(議員の人物基礎情報) 議会HPで公開
Q22(住民と議会が情報共有するための取組) 本会議はライブ配信後、当日のうちに録画映像の速報版を公開している。常任委員会、特別委員会及び全員協議会の録画映像は、会議があった日の翌日夕方以降に公開し、速やかに議会活動を共有できるよう取り組んでいる。
Q23(会議への傍聴参加状況) 自由入場(児童・乳幼児も自由)
Q24(住民は会議に参加し発言できたか) 該当する取組なし
Q25(住民は会議に参加し議員に発言を求めることができたか) 該当する取組なし
Q26(住民は議会の会議以外にも、議会に参画できる機会や制度はあるか) 該当する取組なし
Q27(住民が主権者としてより育まれるよう、議会として主権者教育・シティズンシップ教育への貢献活動を行っているか) 活動をおこなっていない

「住民が会議に参加し発言できたか」という設問にはハッとさせられます。
しかし、残念ながら、上尾市議会ではこうした取組は皆無です。
Q27の「シティズンシップ教育」は、上尾東中で取り組んでいる「グローバルシティズンシップ教育」とは異なるようです。世界に視野を広げることも重要ですが、学校としても、足元のシティズンシップ教育も大事なのではないでしょうか。

Q28(住民が議会に「住民参画」しやすくなるため、工夫している点や特徴的な取組は) 無回答
Q29(議員同士が互いに意見や考えを引き出し合い(聴き合い)ながら話し合う、議員間討議が行われたか) 無し
Q30(議員間討議がし易くなるための取組) 無し
Q31(説明員として出席した首長等は議員に発言を求めることができるか) 発言を求めることはできない
Q32(首長から提出される議案とその説明以外に、議会として情報源を活用しているか) 活用しているものはない
Q33(総合計画等への議会としての関わり方) 法96条2項の議決事件に総合計画を追加している

「議員間討議」が設定され、しかも住民も参加することができれば、より民主的な議会となるのではないでしょうか。
※Q33の「法96条2項」とは、地方自治法第96条2項「前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる」を指すと思われます。

Q34(首長提出議案に対する議会の代案提示など原案可決以外の意思表示の有無) 委員会提案の修正案を可決し、原案を否決
Q35(特定の政策課題の解決・立案に向けた調査活動や政策研究を議会が行なう場合、常任委員会の所管事務調査の取組方法) *調査を踏まえ、政策案(条例案や提言書など)に取りまとめている
*調査活動そのものや提案提言した政策の成果を評価検証している
Q36・Q37(委員会提案または議員提案による条例の制定・改廃の状況,その条例名) 無し
Q38(政策課題について調査研究しようとする場合、議会図書室の活用・機能があるか) 図書室での図書閲覧が住民にも認められている

Q38の「議会図書室」については、回答自体、間違いではありません。しかしながら、私の経験では、利用する場合は申請書の提出が求められ、しかも目を通したかった『逐条解説 地方教育行政の組織及び運営に関する法律』が置いてありませんでした。すなわち、市民としての使い勝手は良いとはいえません。

Q39(政策課題について調査しようとする場合、議会事務局の体制・機能があるか) 該当する取組は無い
Q40(事務局の独立性確保や業務の状況) 該当する取組は無い
Q41・42(議会と他機関・団体との連携と名称) おこなっていない
Q43(通年的な運営体制の有無) 該当なし
Q44(議会基本条例や議会活動に関する評価・検証) 該当する取組は無い
Q45(非常時の議会・議員の行動指針) *議会版BCPを定めている
*災害対策本部の情報が常時共有されるよう執行部との連携がある

 Q45のBCPとは、(Business Continuity Planning)すなわち、災害などの緊急事態における「事業継続計画」のことです。

Q46(議員の裾野を広げることに資する取組) 一般質問の通告受理・登壇者に人数制限をかけていない
Q47(議長選挙にあたって、志願者が所信やマニフェストを表明する機会があるか) そのような取組は無い
Q48・49(ICT活用を図るPC・タブレット端末の利用状況)(端末の所有元と利用形態) PC・タブレット端末の会議利用を認めていない・取り決めがない
Q50(デジタル・オンラインの対応状況) 該当する取組は無い
Q51(政策立案やICT活用など議会の機能強化として、工夫している点や取組) 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、タブレット端末の導入及びWi-Fi環境の整備を進めた(令和3年度中に完了予定)
Q52(上記の各分野・各設問に属さない独自の取組や力を入れている点) *本会議、委員会の傍聴自粛のお願いと、傍聴者の体温の確認、マスク着用、消毒のお願いをした。
*サーマルカメラを設置し、議員、議会事務局職員、傍聴者の体温を確認できるように努めた。
*通常よりも出席する議員数を減らし(最小限)、こまめに休憩を取り、換気を心掛けた。
*パーテーションの活用やマイクの消毒などを徹底し、傍聴席の距離を取った(席を空けて座る)。
Q53(本調査・設問に対する意見等) なし

Q47の設問は、上尾市議会にとっては耳が痛いのではないでしょうか。議長就任にあたっての所信表明は聞いたことがありません。また、市長が提案した教育長や教育委員からも、所信表明や決意は語られません。
Q48・49については、この質問自体が2021年のものであること、現在はQ51で議会事務局が回答しているとおりです。
Q52への回答が新型コロナウィルス感染症対策だけであるのは、物足りなさが残ります。

今記事では、「議会改革度調査」の選択肢の回答に挙げられている具体的な取組をすべて引用することはできませんでした。冒頭に掲げた調査の設問のサイトから、選択肢にはどういうものがあるのかについて目を通していただければ、議会改革には様々な取組があるということがお分かりいただけると思います。

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