聞いていて情けなくなる、9月議会での教育長答弁

上尾市議会9月議会の一般質問が始まっています。当ブログの記事の内容からお分かりだと思いますが、私の現在の関心事は、上尾市の教育行政、とりわけ学校統廃合計画や給食費無償化、あるいは図書館における利用者サービスの問題などにあります。
昨日までの一般質問の中では、私が関心を寄せる問題について質問をしたのは鈴木茂議員でした。今記事では、鈴木議員の質問とそれに対する市長&教育長の答弁についてお伝えします。

記事No.184

🔷「9月議会一般質問」質問議員数は?
昨日(9月22日)までに一般質問に立った議員は15名。
明日以降9名予定されていますので、議長・副議長を除き、一般質問をおこなう(おこなった)議員は全部で24名となります。したがって、9月議会で一般質問を行わない議員は4名尾花瑛仁・田中一崇・深山孝・渡辺剛一の各議員。いずれも上尾同志会。この会派は、7名中3名しか9月議会での一般質問をしていません)ということになります。

今までのところ、私の関心事について質問したのは、鈴木茂議員です。
こちらが鈴木茂議員の質問と市長&教育長答弁の様子(9月21日)

🔷市長への質問と答弁
上の動画が見えにくい、あるいは全部を見る時間が無いという方のために、質疑答弁の概要を次にまとめてみました(質問の後半部分。強調のため色替えしてあります)。

Q.(鈴木茂議員)(録画 30:20~)市長への質問
子育て支援・若者の定住化促進と学校施設更新計画について伺う。
市長は、学校施設更新計画の地域説明会には参加していないと思うが、内容の報告は受けているか。市民の意見はどうだったのか。感想は。
A.(畠山市長)(録画 30:50~)
地域説明会の結果については、どのような意見があったのか、教育総務部から随時報告を受けている。感想としては、それぞれの地域において、「学校施設は大切な場所であり、大変重要である」と深く認識したところである。
Q.(鈴木茂議員)(録画 31:13~)市長への質問
地域説明会(平方地区)で出された次の意見に対する市長の見解は?
*平方小学校は開校150年の伝統と歴史のある、平方地区の中心的な存在である。その学校を廃校にするのか。
*太平中と平方東小で小中一貫校をつくるというが、太平中は平方ではない。
A.(畠山市長)(録画 31:55~)
平方地区の住民の多くは、平方小学校を卒業していて、「平方小学校を残してほしい」という意見を伺っている。この地域説明会でいただいた意見や、このあといただく市議会からの提言等を踏まえて、課題を解決し、学校施設更新計画については、いったん凍結したうえで見直しをはかっていく
Q.(鈴木茂議員)(録画 32:25~)市長への質問
地域説明会(大石地区)で出された次の意見に対する市長の見解は?
*この統廃合の案は、お金のことだけを問題にしていて、子どもの教育よりもお金のことを優先していると感じる。
畠山市長は、「子どもの教育」と、「公共施設管理計画に基づく学校統廃合」とどちらを優先しようとしているのか。
A.(畠山市長)(録画 33:30~)
未来の子どもたちのために、より良い教育環境を提供することは、上尾市教育委員会のつとめである。そのため将来に過度な負担を残すことがないように計画的に学校施設の更新をはかることも行政のつとめである。長期的な視野のもとに、これらのバランスを保ちながらすすめていくことが重要である。
Q.(鈴木茂議員)(録画 34:00~)市長への質問
地域説明会(原市地区)で出された次の意見に対する市長の見解は?
*この学校統廃合の問題は、教育総務部の課長や部長レベルで回答できる問題ではない。市長・教育長が答弁すべき大変大きな問題だ。
A.(畠山市長)(録画 34:25~)
今般の説明会の趣旨は、計画の周知を図ることを目的に開催したもので、その対応を担当部局に指示している。週末に開催した説明会の結果については、週明けに報告を受け、更なる指示もおこなっている。
Q.(鈴木茂議員)(録画 34:50~)市長への質問
(市長答弁の)更なる指示とはどのようなものか。
A.(畠山市長)(録画 35:00~)
地域説明会での意見をしっかりと検討し、経費35%削減の枠にとらわれずに、適正な規模での学校施設更新計画として、見直すべきところは見直すよう、担当部局に指示をしたところである。

以上の質問と答弁により、市長は、学校施設は大変重要な場所であること、経費35%削減の枠にとらわれずに、見直すべきところは見直すと明言しているものの、具体性に欠ける答弁であるとも言えます。

「学校施設更新計画=学校統廃合計画」の地域説明会については、最初は「担当部局」とされた教育総務課がすすめてきたものの、計画は教育の中身に関係するとの市民からの指摘により、途中から学校教育部も出席せざるを得なくなったのが事実経過です。
ところが、市長の答弁を聞いていると、「担当部局」は教育総務部しか考えていないようです。これらは、市長や教育長が一度でも地域説明会に出席していれば、市民からの疑問や要望などの「生の声」を聴くことができたはずです。

🔷教育長への質問と答弁
市長への質問の流れで、鈴木茂議員は教育長にも質問をしています。

Q.(鈴木茂議員)(録画 35:25~)教育長への質問
これについては、録画での発言のまま掲載いたします
原市地区の説明会ですけれども、「小中一貫校にメリットがあるならば、なぜ上尾の全地区に導入しないのか」というご意見もありました。
この市民の意見に対して、池野教育長はどのようにお答えするのかお聞かせください。
また、池野教育長が、小中一貫校導入が上尾市の子どもたちのためになる、上尾市の教育の発展につながる、という強い信念があるならば、その強い思いをお聞かせください。
繰り返します。教育長の強い信念があるならば、その強い思いをこの場で語ってください
A.(池野教育長)(録画 36:05~)
小中一貫校の設置につきましては、現在、先進都市の事例研究や、視察の実施、本市小中学校における現状の調査分析をしているところでございます。
なお、現在も進めております、あの、本市における小中連携はさらに進めてまいりたいと考えております。
教育長の答弁に対する鈴木茂議員の意見(録画 36:31~)
今の教育長の答弁ですと、小中一貫校導入が上尾の子どもたちのためになるという、教育長の熱い思いが私には受け止められませんでした。
教育長には小中一貫校導入に対しての強い思いはないと解釈したいと思います。

市議会の中継録画を見る限り、教育長の発言は、弱々しく、頼りなく、はっきり言えば「情けない」答弁でした。
今後見直されるという「学校更新計画基本計画
」には、随所に「小中一貫教育」を前提とした記述があります。
ところが、教育長の答弁は、「事例研究」「視察」「調査分析」をするというものです。その程度の段階でありながら、基本計画にはシレっと
「小中一貫教育」を前提とした記述があり、それを教育委員会定例会において認めているというのは、どう考えてもおかしな話です。

この情けない教育長答弁を聞いた鈴木茂議員の「教育長には小中一貫校導入に対しての強い思いはない」という意見は、まさにその通りだと私も思います。
当ブログで再三指摘していますが、池野教育長には、上尾市の教育行政のトップとしての資質は無いと言わざるを得ません。

上尾市電子図書館の「不都合な真実」

9月1日から<上尾市電子図書館>サービスが始まりました。すでに利用をしている方も多いと思いますが、その内容をよく見てみると、数々の「不都合な真実」が浮かび上がってきます。
今記事では、このことについてお伝えします。

No.183

🔶一見すると便利そうですが…
コロナ禍で、館内の滞在時間に制限があり、今は図書館に行きにくいという利用者にとっては、<上尾市電子図書館サービス>は確かに便利な面もあります。
ただ、実際に本を読むのと、画面を通すのでは、「本を読んでいる感じがしない」という方も多いのではないかと私は思うのですが、実際は、電子図書館のトップ画面に掲載されている「新しく追加された作品」の中には、「予約可能」つまりすぐには見られない本(資料)もあり、それらについては順番待ちという状況です。
しかしながら、選書などの点についてはどうでしょうか。本当に利用者向けになっているのでしょうか。

🔶電子図書館利用の際の「ルール」とは?
まず、確認しておきますが、上尾市電子図書館利用の「ルール」とは、おおむね以下のとおりです。
🔷上尾市図書館の利用カードが必要。
🔷カード番号とPW(西暦誕生年月日)でサインイン。
🔷サインインは初回のみ。
🔷貸出点数・予約点数 ともに3点以内。
🔷貸出期間 2週間以内。
🔷借りている資料の予約者がいない場合、延長可。
🔷予約者がいる場合、再予約可。
🔷期限を過ぎた資料は自動返却(自分で返却も可)。
これらを見る限り、利用すること自体は簡便であると言えます。

🔶<電子図書館>の「不都合な真実」
ここからが「不都合な真実」のオンパレードになるのですが、資料の中身を見ていくと、大いに疑問符がつきます。

*「新しく追加された作品」って何?
電子図書館トップ画面に掲載されている「新しく追加された作品」は1000件となっています(1000件以上無く、実数のようです)。

8月の「お試し期間」の後、9月1日から<電子図書館>の利用が開始されています。「新しく追加された作品」とは、いったい何時から見て「新しく追加された」のでしょうか。少なくとも、9月1日のサービス開始日の時からは、画面が変わった様子はありません。
また、「追加された日付」というメニューが<電子図書館>の中にあるのですが、7日以内=0,14日以内=178,30日以内=237,3か月以内=1000,6か月以内=1000となっていますので、総計は、軽く1000点を超えてしまいます。つまり、数が合わないのです。

*資料の多くは「青空文庫」から
私が<電子図書館>の「不都合な真実」のひとつだと考えているのは、資料の多くが「青空文庫」から引っ張ってきたという点です。
電子図書館トップ画面には、【テーマ】と【コレクション】とあり、それぞれ資料(本)が区分されています。
コレクション】→【新しく追加された作品】→【フィクション】に進むと、読める本の総数は787冊となっています。ですが、実際には、694冊は「青空文庫」からの本であり、<上尾市電子図書館>として独自に掲載している本は93冊しかないことになります。率にすると、僅か11.8%に過ぎません。

もっと驚くのは、【テーマ】をクリックすると、「全31,361作品」とあり(これも数が全く合いませんが)、その中に【文学 11,396件】と記載されています。この11,396件の内訳は以下のとおりです。
〇独自掲載資料 64件 〇洋書 118件 〇青空文庫 11,214件
なんと、青空文庫が98.4%を占めているのです。

*「青空文庫」とは?
<上尾市電子図書館>の本の大半を占める「青空文庫」とはなんでしょうか。青空文庫のサイトでは、次のように説明されています。

青空文庫は、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、図書館のようにインターネット上に集めようとする活動です。
著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストとXHTML(一部はHTML)形式に電子化した上で揃えています。

もっと詳しい説明や、どんな本が読めるかは⇒「青空文庫」サイトへ。

「青空文庫」から入った場合は、読み放題・無料です。
<上尾市電子図書館>の青空文庫の本は、冊数・期間に制限が設けられています。そこが大きな違いと言えます。

具体的に夏目漱石の作品を例に見てみましょう。

「青空文庫」で読める漱石の作品数は110冊です。

<上尾市電子図書館>で「夏目漱石」を検索すると448件と表示されます。ところが、実際の漱石の作品数は77件しかないのです。
残りの本は、「漱石論」はまだしも、夏目漱石の「夏」や「石」を含む全く別の作品が掲示されます。これも「不都合な真実」と言えます。

おそらく、漱石だけでなく、他の作家について検索しても同様の結果となると思われます。つまり、漱石を電子版で読もうと思ったら、実際の「青空文庫」サイトのほうが使い勝手が良い、ということになります。

*他にもこんな点が…
資料の全体を見ても、洋書(英語版)の割合が多いように思えます。
もちろん、日本語よりも英語のほうが読みやすい、という利用者もいるでしょうが、実際には洋書は「貸出可能」となっており、洋書を借り受けている人は今のところほとんどいないようです。

また、【テーマ】や【コレクション】の区分が、何を基準にしているのかよくわかりません。「アフリカ系アメリカフィクション 1冊」とあるので見てみると、『Uncle Tom’s Cabin』(アンクル・トムの小屋)の洋書が掲載されています。これも「貸出可能」の本です。


◎以上、今記事では、<上尾市電子図書館>サービスの「不都合な真実」を見てきましたが、『上尾市図書館第3次サービス計画(R3~R7年度)』の中では、次のように謳われています。

非来館型サービスとして有望な電子書籍を導入します。

冒頭で述べたように、実際に本を手に取って読むのと、PC画面などで見るのは違いますが、コロナ禍ということもあり、資料(本など)が豊富に揃っていて、図書館に行かずに自宅のPCなどで読めることは便利であるとも言えます。

まだ始まったばかりのサービスですが、現状のように、「青空文庫」に頼るのではなく、資料の充実を望むものです。

給食費無償化に道を開く請願が市議会・文教経済委員会で可決されました

9月市議会が始まっています。9月6日の「文教経済常任委員会」では、市民からの請願2件がともに採択・可決されました。
とりわけ、給食費無償化に道を開く請願が委員会で採択・可決したことは、大変画期的なことです。
今記事では、このことについてお伝えします。

No.182

🔶文教経済常任委員会で可決された請願とは
上尾市議会のHPで、同委員会の録画が配信されています。
それがこちら⇒「9月6日 文教経済常任委員会 録画」
01:01~ 請願第11号 図書館における無線LAN設置に関する請願
09:57~請願第12号 小中学校給食費無料化に関する請願(約38分

これらの請願は、9月30日(木)の市議会最終日の本会議で採決されます。

 🔶「図書館における無線LAN設置に関する請願」
市民からこの請願は、全会一致で可決されましたが、図書館の「第3次上尾市図書館サービス計画」では、その基本方針として、次のように述べています。
「公衆無線LANの導入など多くの利用者が活用できるネットワーク環境整備について調査・研究を進める」
今回の請願は、「調査・研究を進める」とした図書館の基本方針を前倒しして、無線LAN設置を求めるものとなっていますので、今後の図書館の対応が見ものです。
何事もそうですが、「調査・研究」だけでは、いつになったら実施になるのかわかりませんから、具体的な対応が求められます。

🔶「小中学校給食費無料化に関する請願
この請願については、3名の委員が賛成、3名の委員が反対でした。
結局、鈴木茂委員長が賛成して、4対3で可決したものです。
まず、委員の賛否を確認しておきましょう。

役職 氏名 会派 賛否
委員長 鈴木 茂 政策フォーラム・市民の声あげお 賛成
副委員長 秋山 かほる 無会派 賛成
委員 尾花 瑛仁 上尾同志会 反対
委員 矢口 豊人 政策フォーラム・市民の声あげお 賛成
委員 大室 尚 彩の会 反対
委員 前島 るり 公明党 反対
委員 平田 通子 日本共産党 賛成

以下は、各委員から出された主な質問と、それに対する市教委(学校教育部・教育総務部)の回答の概要です。

委員からの質問 市教委の回答
給食費無償にかかる年間費用は。 7億7千万円(774,225,740円)
(要保護・準要保護世帯を除く)
上尾の給食費が高い要因は。 安全確保のために食材を選んでいる。
冷凍食品を最小限にしているため。
県内他の自治体の状況は。 完全無償(4町)滑川町・小鹿野町・神川町・東秩父村。
一部減免(15市町村)坂戸市・秩父市・久喜市・行田市・幸手市・戸田市他
学校給食法との関係は。 無償化しても法的に問題はない。自治体が予算化するだけで可能。
無償化による一般会計での占有率は。 1.18%である(R2年度ベース)

🔶賛成討論・反対討論
次に、委員からの討論について示します。討論に参加した委員は3名。それぞれの発言は要点を記述してあります(発言順)。

前島るり委員【反対討論】概要
まず、執行部(教育委員会)は、本委員会への資料の準備が足りないことを指摘する。(注:滞納額等の資料を持ってきていないなど)
私たち公明党は、子どもたちの生活の困窮を支えるものは給食費だけでないと考える。教材費・医療費などはどうなのか、劣悪な学習環境にいる子たちはどうなるのか、そういったことを考えたとき、生活に困窮している人たち、そしてそれに準じる家庭の子どもたちの支援がまずは優先されるのではないか。
ついては、今回のこの請願には、その困窮世帯の子どもたちを優先するという考えから、反対とさせていただく。
平田通子委員【賛成討論】概要
学校給食は、生涯を通じて健康で文化的な生活を送り、望ましい食生活の基礎・基本を養い、感謝の心や、伝統的な食文化の理解を深めるなど、本当に大事な学ぶ機会となっている。ところが、今、上尾市の給食費は、消費税が上がった際に小学校400円、中学校700円値上げされ、県下一、二の高額となっている。
もちろん、調理員さんや、手づくりの美味しいものをという努力には感謝するが、高い給食費は全ての子どもや子育て世代には大きな負担となっている。
光熱水費も大変な中、コロナの状況になって、非正規やパートの方は十分な仕事がない。就学援助制度はあるものの、本当に子育て世代にとって大きな負担となっている中で、給食費を無料に、一部でも補助していくのは、子育て世代にとって大きな応援となる。学校給食が唯一のまともな食事という子どもさんも見受けられ、貧困対策からも給食の充実・無償化は、気兼ねしないで食べられる、大事なことだと考える。全国でも大阪市や明石市など、上尾市と同規模でも無料化をしている。さきほど県内の状況が話されたが、春日部市も補助をしている。
子どもの心身の発達に非常に大きな影響がある給食を無償化することは、憲法にも「義務教育は無償とする」とあることから、ぜひ採択してほしい。
秋山かほる委員【賛成討論】概要
日経新聞の今年6月の記事に、人口増加の市町村のランキングが出ている。それによれば、滑川町が全国8位になっており、2015年と比較して、人口が8.1%増加している。流山市は全国1位で、14.7%増えている。人口減の現在、子育て世代が移住してくる。子育て世代が引っ越してきて、子どもを育てると言うことは将来の人口増につながる。若い人たちが増えると、税収が増える。家を建てたり、住むところを探すと、土地の値が上がる。
明石市長と話をしたが、4年間で3千人増やしたという。一期目で若い世代を増やして、税収を増やして、二期目から高齢者の福祉を底上げするという計画を立てているが、上尾市はそういう計画がない。
滑川町が県内で初めて給食費を無償化した。現在は、保育所の給食費も無償化している。だからますます人が集まる。上尾市は、将来的な見通しを立てて、どうやったら上尾市が発展するかを考えるべきである。
国がデジタル庁を作り、テレワークやIT通信はますます増える。東京に住まなくともいい人たちをどう呼び込むかという時に、給食費無償は非常に大きな武器となる。上尾市の発展と給食費との相関関係についてはちゃんと調べてほしい。
この請願は、無償化に向かって段階的に取り組むとなっているが、私は一気にやるべきだと思う。しかし、将来の上尾市を考えれば、とりあえず段階的ということであっても、この請願に賛成する。

市民や保護者の要望を「請願」という形で議会に届けることは、非常に重要な取り組みだと思います。
私は今回は「陳情」という形で自分の考えを市議会に提出しましたが、今記事でお伝えした、二つの「請願」の本会議での採決(9月30日)には注目していきたいと考えています。

市民の「知る権利」への対応に歴然の差

ある事柄について知りたいと考えたとき、私の場合は、ネット検索はむろんのこと、関係機関に聞いたり、情報の開示を求めたり(情報公開請求)しています。最近、自分の知りたいことを様々な方法で調べてみたところ、興味深いことがわかりました。
今記事では、これに関連したことをお伝えします。

No.181

🔶私の疑問
私が「知りたい」と考えたのは、次の疑問です。

住民から提出された「陳情」を審議して採択・不採択を議決する埼玉県内の全ての自治体名を知りたい。

このような疑問が生じた理由ですが、以前の記事で述べましたが、6月市議会の際、私は[東京2020オリンピック聖火リレー実施に伴う「上尾市独自イベント」の中止を求める陳情]を市議会議長宛に提出しました。念のため、議会事務局の職員に「この陳情が出されたことを、教育委員会としても把握しますよね?」と尋ねると、返ってきた答えは、「議員に配布するだけです」というものでした。
つまり、教育問題にかかわる「陳情」であっても、教育委員にも、教育委員会事務局にも市民からの陳情の内容は伝わらないというのです。
「それはどう考えてもおかしいでしょう。市民からこうした陳情が出ていることを教育委員会は把握すべきです」という私からの要望で、結局は教育委員会事務局(スポーツ振興課)に渡されることになりました。
ただし、あくまでも「陳情人から要望があったので」教育委員会事務局に渡す、というのです。
こうして経緯もあり、市民から提出された陳情自体が「低い扱い」を受けているのではないか>&<他の自治体ではどうなっているのか>という疑問が生じたのは自然な成り行きだったと言えます。

🔶調べてみると
まず、ネット検索で、朝日新聞デジタルの記事(有料版)[埼玉 陳情、採択・不採択するのは6市議会だけ]が見つかりました。
そこには、次の記述がありました。
 

(ネット検索・朝日新聞デジタル)
請願は委員会や本会議で審議され、採択または不採択という扱いがされるが、陳情は議会ごとに対応が分かれている。
埼玉県内の全40市議会を調べたところ、陳情も審議して採択・不採択を議決するのは6議会にとどまっている。

 この記事から、埼玉県内の40市のうち、6市議会は「陳情も審議して採択・不採択を議決している」ことがわかります。朝日新聞デジタルは「6市議会しかない」との論調ですが、私は「6市議会もある」という率直な感想を持ちました。ただし、有料版のため、記事全部を読んだわけではありません。

🔶上尾市議会事務局の回答
では、私がこの記事に関して、どのように調べていったかを、時系列で書いていきます。
8月24日、前記事の「陳情書」を提出した際、手続きに間違いがないかを含め、上尾市議会事務局の職員と面談しました。
そのときに、冒頭の質問をしました。以下が議会事務局の回答です。
 

(上尾市議会事務局の回答)県内の自治体での「陳情」の扱いについては、全くわかりません。調べたこともありません。

🔶埼玉県議会事務局の回答
上尾市議会事務局の回答が前記のとおりだったので、同じ日、埼玉県の

情報公開システム経由で情報の開示を求めました。
翌日(8月25日)、県の情報公開担当から電話がありました。内容は

(埼玉県議会の回答)請求された内容については、県議会事務局では情報がありません

というものでした。続けて、「このまま続けても、文書不存在で非公開になります」というので、webで取り下げの手続きをしました。

🔶埼玉県立熊谷図書館からの回答
次に、図書館の「レファレンスサービス」を利用しようと考えました。
埼玉県立図書館HPには、「あなたの調べるを応援します」という表題で、「ウエブサイトからのレファレンスお申込みについて」という案内があります。私は初めてでしたが、迷うことなく送信できました。
◎なお、申し込みの際には、「自分で調べた範囲で分かったこと」も記入する必要があるため、私は朝日新聞デジタルの記事を参考にした、と書き添えました。
送信したのは8月26日でしたが、2日後の8月28日には、県立熊谷図書館から回答が寄せられました
それは次のような、詳細かつ丁寧な内容でした
 

(県立熊谷図書館からの回答)※概要

(市について)
 ご質問時にご連絡いただきました朝日新聞デジタルの記事は、有料会員用のため、お客様の方で全文をご覧いただけなかったものと推察いたしました。当該記事が、紙媒体の朝日新聞にもありましたので、以下にご質問に関係する部分を抜き書きします。「陳情、議決は6議会のみ 31市、基本は全議員に書面配布だけ /埼玉県」『朝日新聞 2020年8月7日 朝刊 埼玉首都圏・1地方面 p21』 「一方で委員会に付託して審議し本会議でも審議して採択・不採択の決定をするのが  加須志木和光新座富士見と6市議会であった。東松山と久喜、春日部の各市議会は決定はしないものの委員会で審議か意見交換は行う。」

上記根拠=40市議会が陳情をどう取り扱っているかをホームページや議会事務局に取材して調べた。

(町・村について)
各自治体のウェブサイトを確認しました。ご質問に関係するウェブページ等を以下に記録しましたので、ご確認ください。なお、議会録を確認すれば実際に陳情の採択があるかわかるかもしれませんが、県内全自治体の情報の網羅的調査は、レファレンスでは行えませんので、ご了承ください。

伊奈町「伊奈町議会会議規則(平成元年3月29日議会規則第1号)(https://www1.g-reiki.net/town.ina/reiki_honbun/e345RG00000013.html#e000000975
「第9章 請願」の「第95条(陳情書の処理)」に「陳情書又はこれに類するもので議長が必要があると認めるものは、請願書の例により処理するものとする。」とあり。なお、請願書の処理については、上記URLでご確認ください。「請願と陳情」(https://inamachi.gsl-service.net/doc/2019122700017/ 伊奈町議会)議会での扱い方については記述なし。

◎以下、伊奈町と同様に、小鹿野町・小川町・越生町・神川町・上里町・川島町・杉戸町・ときがわ町・長瀞町・滑川町・鳩山町・松伏町・美里町・皆野町・宮代町・三芳町・毛呂山町・吉見町・寄居町・嵐山町・東秩父村についての丁寧な説明が記述されていました。

 🔶上尾市立図書館からの「回答」は?
上尾市立図書館のHPには、「メールレファレンス」というページがあり、そこを経由して、県立図書館と全く同じ質問をしています。
そのページには、次のような記述があります。

※以下、上尾市立図書館HP「メールレファレンス」より引用
(回答について)
*質問の内容によっては時間がかかる場合があります。その場合は、その旨をご連絡いたします。
*回答が長文になる場合がありますので、携帯電話のメールアドレスはご遠慮ください。
1週間過ぎても連絡がない場合は、ご指定のメールアドレスに返信できなかった場合も考えられますので、お手数ですがお問合わせください。

上尾市立図書館に「メールレファレンス」を申し込んだのが8月26日ですから、「1週間過ぎ」は9月2日か3日です。上述のとおり、埼玉県立図書館からは、レファレンス申込から2日目に詳細な回答の返信がありましたが、さて、どのような対応がされるでしょうか。

◎以上のとおり、今回わかったのは、「埼玉県立図書館のレファレンスサービスは、迅速で、しかも大変役に立つ」ということです。
上尾市議会事務局と県議会事務局には正直がっかりさせられました。

上尾市図書館と県立図書館の差は……やはり、「職名(職種)としての司書・司書補がいるのか、いないのかの差」ではないでしょうか。