安倍首相の「退陣表明会見」への違和感

安倍首相の「退陣表明会見」が行われました。TV中継を見ていて感じたのは、強烈な違和感でした。

No.107

■なぜ会見に医師が同席しないのでしょうか
退陣表明をどう演出するかは、相当考えたと思います。以前のような「政権投げ出し」というイメージは避けたかったのでしょう。それがありありと分かる会見でした。
ただ、2007年9月のときは、退陣表明が自身の体調悪化が要因だったと記者会見で慶應大学病院長の同席のもとに明らかにしており、場所は信濃町の慶應義塾大学病院でした。

コロナ対策であれほど「専門家の意見や知見を伺って判断する」と言い、尾身氏が記者会見に同席したこともあるにもかかわらず、今回はなぜ医師は同席してもらわなかったのでしょうか。患者が全国に22万人いるという「潰瘍性大腸炎」についての症状や原因について医師がわかりやすい説明をして多くの人の理解を得ることも必要なことだと思います。結果として「病気なら批判しても仕方がない」と思わせる退陣表明だったように思えます。

■疑惑はそのままですか
この8年の間に起きた数々の強権的政治や疑惑を数え上げたら、きりがありません。モリ、カケ、公文書改ざん、花見を見る会、数に任せた安保法制や共謀罪の強行採決、民意を無視した辺野古への強引な土砂投入、「県民に寄り添う」・「真摯に受け止める」などの空虚な言葉、東京オリンピック誘致のための「アンダーコントロール」などのウソ、首相在任中10人もの閣僚の辞任、河井夫妻へ投じた1億5千万円の金の流れ、etc…
数々の疑惑は、そのまま闇に葬られてしまうのでしょうか。そんなことが許されてよいはずがありません。

■共感できる意見
多くの人が、安倍首相の辞任会見前後に様々な意見を発出しています。ブログ筆者が現在最も共感できるのは、『論座』での白井聡氏の意見です。それをいくつか紹介します。

腐敗は底なしになった。森友学園事件、加計学園事件、桜を見る会の問題などはその典型であるが、安倍政権は己の腐りきった本質をさらけ出した。不正をはたらき、それを隠すために嘘をつき、その嘘を誤魔化すためにさらなる嘘をつくという悪循環。それはついに、一人の真面目な公務員(財務省近畿財務局の赤木俊夫氏)を死に追い込んだ。高い倫理観を持つ者が罰せられ、阿諛追従して嘘に加担する者が立身出世を果たす。もはやこの国は法治国家ではない。
悪事の積み重ね、その隠蔽、嘘に次ぐ嘘といった事柄が、公正と正義を破壊し、官僚組織はもちろんのこと、社会全体を蝕んできたのである。その総仕上げが、黒川弘務を検事総長に就任させようという策動であったが、これが国民の意思の爆発的な噴出(ツイッター・デモ)によって阻止されたことの意義は巨大であると言えよう。公正と正義が完全に葬り去られ凡庸な悪による独裁が完成する事態が、民衆の力によって差し止められたのである。
安倍晋三によって私物化された日本を取り戻すという民衆のプロジェクトは、いま確かにひとつの成果をあげたのである。私たちは、選挙はもちろんのこと、デモ、SNS等、あらゆる手段を通じて声を発し、公正と正義の実現に向けてさらなる努力を重ねる必要がある。安倍政権とは、腐食してしまった戦後日本の産物であり、その腐食を促進加速させる動力ともなった。腐食から破滅に向かうのか、それとも急カーブを描いて上昇気流を摑むことができるのか。私たちはいまその瀬戸際に立っているのである。

■辞任会見の質問から
「病気と治療を抱え、大切な政治判断を誤ることがあってはならない」ならば、なぜ会見後も首相の座に居座るのか、そもそも、今までは政治判断を誤ったことは無いのか、会見ではその説明は無く、メディアからの質問もありませんでした。

それどころか、会見で出た質問は、「後任の決め方は?」(日テレ)「後継候補の評価は?」(朝日新聞)「政権で成し遂げたことのなかでレガシーと思うものは?」(読売新聞)「総理・総裁に必要な資質とは?」(産経新聞)など、聞いていても甘く歯がゆい質問が大半でした。

その中で少しはましかな、と思ったのは次の質問でした。

(東京新聞) 歴代最長政権となり、官僚の忖度や公文書の廃棄・改ざんなど負の側面も問われた。国民に疑問を持たれた問題に十分な説明責任を果たせたか。
(首相) 公文書管理はルールを徹底していくことにしている。国会では相当長時間にわたり、問題について答弁した。十分かどうかは国民が判断すると思う。
(フリーの江川紹子氏) コロナ禍で日本がIT後進国だと露呈した。
(首相)IT分野における問題点、課題が明らかになった。反省点だ。
(西日本新聞) 森友、加計問題など政権の私物化という批判がある。
(首相) 政権の私物化はあってはならないこと。反省すべき点はあるかもしれないし、誤解を受けたなら反省しなければいけないが、私物化したことはない。

西日本新聞の質問に対して「誤解を受けたなら」という言い方は、この政権が得意とするところですが、「自分はそうは思わないが、受け取る側が誤解をしたのなら」という、上から目線であり、「私物化したことはない」に至っては、「では、桜を見る会は私物化ではないのか?」と聞きたくなります。

これからしばらく「安倍首相の後任は誰か?」などという報道が続きそうですが、メディアには「このような政権が長期にわたって続いた真の理由」(たとえば、小選挙区制の欠陥などの選挙制度の問題)を取り上げてもらいたいものです。

<あげお未来創造市民会議>の提言とは

「コロナ感染防止」をあたかも〈錦の御旗〉にして、市民が参加するイベントや会合の大半が中止を余儀なくされています。<あげお未来創造市民会議>も例外ではありません。今記事では、もはや「忘れられた感」もある同市民会議のその後についてお伝えします。

記事No.106

■資料や会議録はHPどこにある?
上尾市のHPから、あげお未来創造市民会議>の資料や会議録を見つけるには、トップページ → 組織でさがす → 行政経営部(行政経営課)→ 総合計画(第6次上尾市総合計画の策定経過)→ あげお未来創造市民会議、と辿って、やっと資料を見ることができます。
むしろ、トップページのキーワード検索であげお未来創造市民会議と入力したほうが早いかもしれません。ただしこの会議が上尾市にとってどのような施策に位置づいているかは分かりにくいですが。

■「書面会議」となった中身とは
コロナの影響で、会合を開かず「書面会議」となった市民会議の結論ともいうべき中身は、こちら⇒【別冊】分野別施策に対する提言
これは、第12・13回の「書面会議」を経ているものということですが、資料では「分野別施策に対する提言」として、「理想の状態」と「必要な取組み」を含む次の10分野についての記述があります。

1.健康・医療
2.協働・コミュニティ
3.行財政運営
4.防災・防犯・交通安全
5.福祉
6.都市基盤・公共交通・環境・緑地・公園
7.子育て
8.文化・スポーツ
9.教育
10.産業

この中から、ブログ筆者が関心を寄せている【教育】についての「理想の状態」と、「必要な取組み」のいくつかを見てみましょう。

分野別施策 【教育】 ※朱書きはブログ筆者によります。
理想の状態
自由な雰囲気の教育環境があり、発想が豊かな子どもが育つ
教育環境
誰もが学びやすい環境をつくるために、少人数学級の実現に向けた取り組みや、……教員の負担軽減に努めることが、子どもたちの教育の質の向上につながると考えます。
必要な取り組み)〈抜粋〉
🔶給食費の無料化を実現する
🔶教員の質の向上のため教員の増員を図り、研修のための期間を設けて、教育内容の向上をはかる(原文ママ)
🔶教員がなりたい職業になるような取組み
🔶研修内容の見直し(いつでも、どこでも、だれでもできる)
🔶少人数学級を作る    etc.

これを見ると、「理想の状態」と「必要な取り組み」で〈給食費の無償化〉や〈少人数学級の実現〉が挙げられています。理想の状態を想定するのは良いことですが、そのためには、現状や経緯がどうなっているのかを把握したうえで「どうするか」の議論が必要です。

では、これらの問題について、市当局はどのような姿勢なのか、昨年6月の市議会一般質問と答弁を確認してみます。

◆(戸口佐一議員)この間、市民から給食費の無償化を含む減額の要望が出されていると思いますが、市民要望を実施できなかった理由は何か伺います。

◎学校教育部長(伊藤潔) 本市におきましては、これまで学校給食法の規定に基づき、学校給食に係る全体経費の中で食材費のみを保護者負担と考えているからでございます。なお、経済的な支援が必要となるご家庭につきましては、就学支援制度等の施策を講じてきております。

◆15番(戸口佐一議員) 今の答弁ですと、学校給食法の規定に基づき、経費の中で食材費のみを保護者負担と考えているから、こういうことだと思います。学校給食法の食材費のみを保護者負担について文科省は、学校給食法の規定はあくまでも負担のあり方を示したものであり、補助金を出すことによって実質無償化を禁止するものではないという見解が示されています。上尾市においてはどうしたら無償化の方向が出せるのか、さまざまな文科省の通達などを研究し、給食費の無償化をしていただくことを強く要望します。

給食費無償化については、今年の6月議会においても取り上げられ、この問題の関心の高さが伺えます。

◆(矢口豊人議員) 改めて畠山市長にお伺いいたします。給食費を無償化することは、保護者や児童生徒の生活不安払拭、教員が教育へ集中できる環境を整える上でも大変有効と考えます。市長のご見解はいかがでしょうか。

◎市長(畠山稔)生活に影響を受けている子育て家庭を支援していくことは大変重要なことであると考えており、本市では給食費の無償化ではなく、ひとり親家庭等への新たな支援を講ずることとしたところです。給食費につきましては、本市では学校給食法の規定や受益者負担の観点から、食材費は保護者負担としており、支援が必要な世帯に対しましては、生活保護家庭はもちろん、準要保護家庭に対しても給食費を含めた負担軽減の支援を行っております。

また、少人数学級(30人程度学級)の実現についても、今までも何度か市議会で質問が出されています。

◆(池田達生議員) 上尾市は、以前全国に先駆けて小学校1、2年生と中学1年生は30人学級が実施されていました。一人一人の子どもたちに行き届いた教育を進める上で、30人程度学級は非常に有効であると、学校現場や保護者からも大歓迎されていました。30人程度学級の復活は、現場の先生方からも強く要望が出されています。また、ほとんどの校長先生訪問のときに、校長先生の方からも教員の増員を求める声がありました。教職員の過密労働の解消にもつながりますが、実現への見解を伺います。

◎学校教育部長(伊藤潔) 30人程度学級を実施する予定はございません。

◆(池田達生議員) あっさり言われてしまいました。これはぜひ検討してほしいと思います。 かつて上尾市は30人程度学級で非常に有名でした。全国から見学に来るほどでした。しかし、2012年4月、当時の島村前市長時代に突然廃止してしまいました。一人一人の子どもたちに目が行き届く教育のために、ぜひこれは復活を要望いたします。

伊藤潔/学校教育部長(現・上尾中校長)の発言は、冷たいばかりでなく、過去の実績も無視した答弁であると言えます。
上尾市は、2011(平成23)年度までは、小学1・2年生と中学1年生について30人程度学級を実施していました。その時の上尾市教委による<点検評価報告書>には、次のような自己評価(つまり、市教委による自らの評価)がされています。

本事業は、幼稚園・保育所から小学校へ校種が移る際の「円滑な移行」と、学級担任制の小学校から教科担任制の中学校へ移る際の変化を少しずつ解消することを狙いとしたもので、平成14年度から本市が全国に先駆けて実施している事業である。 昨今の教育現場においては、いわゆる小1プロブレムや中1ギャップ、学力低下の問題が顕在化しており、また、生徒指導面の課題等も複雑多様化している。これらの解決策の一環として、少人数学級によるクラス編制を行うことにより、きめ細やかな指導を行うとともに個別の発表学習の機会を多く与えることによって、児童生徒の表現力、個性発揮などの効果が表れるとともに、不登校の出現率も低位で推移してきた

このように「高い自己評価」しているにもかかわらず、少人数学級を投げ出した市教委であることをまず確認し、「では、どうするか」の議論を巻き起こしていく必要があると言えます。
<あげお未来創造市民会議>で「理想の状態」や「必要な取り組み」を提言するのも良いのですが、まずは、現在、上尾市教育委員会や市長がどのような姿勢であるのか、あるいは、以前はどうだったのかについて、市議会での会議録や市教委が発出している資料等を検証してから、それらを踏まえて「どうするか」を考えるのが筋ではないでしょうか

そうした客観的な視点から上述の<分野別施策に対する提言>を見ていくと、残念ながら<あげお未来創造市民会議>の提言では、現状把握の議論無しに「理想の状態」や「必要な取り組み」が語られていると言わざるを得ません。

反・安倍政権の立場から

ここ数日来、首相の取り巻きの面々や安倍政権擁護のメディアを中心に「首相は<連勤>で疲れているので休んで」の声が喧(かまびす)しく聞こえてきますが、ブログ筆者は非常に違和感を覚えます。今記事では、安倍政権に批判的な(というより事実を指摘している)意見やメディア掲載記事の紹介も含めてお伝えします。

記事No.105

■「首相は休んで」という前に説明責任を
甘利明前経済再生担当相が、自身のツイッターで、「何で次から次へと日程を入れて総理を休ませないんだ!疲れ切っているのに!」と総理秘書官に言ったと得意げに発信しています。

この甘利という男は、都市再生機構(UR)へ移転補償金の値上げを「口利き」した見返りに、賄賂を受け取っていたという疑惑があったのは周知の事実です。しかも、甘利のケースは、要件をすべて満たしており、「あっせん利得処罰法のど真ん中のストライクの事案」とまで言われていた事案でもあります。

このことについて、リテラの記事が詳しく報じています。中でも、例の黒川元検事長が甘利を助けたというのは信憑性があります。

リテラの記事より:
甘利氏は、大臣を辞任すると「睡眠障害」を理由に約4カ月にわたって国会を欠席。「(秘書の問題は)しかるべきタイミングで公表する」などと言って大臣を辞めた人間が参考人招致や証人喚問から逃げて雲隠れし、通常国会が閉会する前日に不起訴処分が発表されると、それから約1週間後に活動再開を表明したのだ。

このような男が、自らの説明責任も果たさず、総理秘書官に向かって「首相をなぜ休ませないんだ!」などと吠えている図は、どう見てもおかしな話です。映画『新聞記者』でも有名になった東京新聞の望月衣塑子記者も、次のように発信しています。

■安倍内閣の「支持率」は本当でしょうか?
NHKの直近の「内閣支持率」の調査で、内閣支持が34%、不支持率は47%だそうです。ブログ筆者は、この数字には非常に懐疑的です。支持する理由として挙げられている「他の内閣より良さそうだから」の意味もわかりません。「他の内閣」って一体どういう内閣でしょうか??

また、支持しない理由の「人柄が信頼できない」の「人柄」とは誰を指すのでしょう?内閣支持率なので内閣全員?それとも首相だけ?
「安倍内閣を支持する」と答えている人には、「147日休まないで働いたことないんだろう?」とすごむ、尊大な態度の財務大臣も容認しているのですか?と聞きたくなります。※麻生財務大臣の発言については、「安倍首相147連勤の正体」という『女性自身』の記事が参考になります。執務時間2時間でも「連勤」にカウントしていることがわかります。

少し前に露見した、例のフジ・産経グループの内閣支持率調査不正もそうですが、RDD方式という電話調査もかなり怪しいといえ、世論調査の不正に警鐘を鳴らす記事もあります。

■「反安倍 ブログ」で検索すると
ヤフーやグーグルで「反安倍 ブログ」を検索すると、拙ブログが上から6番目か7番目に出てくるのには少し驚きました。対象となった記事はこちら。4月に投稿した記事ですが、<今日の内閣支持率>のサイトは現在もあり、今日の時点では次のようになっています。

8月20日の内閣支持率 支持 1.4% 不支持 98.6% 有効投票 5,571票
8月20日の内閣総理大臣支持率 支持 1.4% 不支持 98.6%
過去一週間の内閣支持率 支持 5.4% 不支持 94.6% 有効投票 69,239票
過去一週間の内閣総理大臣支持率 支持 3.9% 不支持 96.1%
過去30日間の内閣支持率 支持 6.1% 不支持 93.9% 有効投票 320,102票
過去30日間の内閣総理大臣支持率 支持 3.9% 不支持 96.1%
2020年8月20日、13時51分現在の支持率調査結果。
総投票数  2,883,521票

この支持率調査は、「内閣支持率」と「内閣総理大臣支持率」とに分けている点に特徴があります(両者はもともと違います)。ブログ筆者は、NHKの内閣支持率よりも、こちらの数字のほうが信用できると思います(総投票数が288万票であることにも注目です)。

「何であるか」と「どうするか」

記事No.104

■大学通信教育課程での学び
若い頃に大学生だった時代は、日々アルバイトに明け暮れていたせいもあり、真剣に学んだ記憶がほとんどありません。その反動のせいか、ここ10年ほど、大学の通信教育課程で学んでいます。最初は京都の芸術系の大学で美術史を学びました。ちなみに卒論テーマは[鈴木其一《夏秋渓流図》考]でした。江戸琳派の絵師であり、酒井抱一の高弟でもある鈴木其一の作品を題材にしたもので、関連する美術展に何度も足を運んだ覚えがあります。

今は都内の某大学文学部の通信教育課程で学んでいます。何年か続けていれば履修単位が増えていくのは当然ですが、卒業要件の単位はほぼ取得し、来年9月の卒業を目指して卒論(図書館情報学関連)に取り組んでいるという状況です。

そうした学びを続ける中で、考えさせられることがあります。それは「何であるか」と「どうするか」という二つの〈問い〉です。

■普遍的な二つの〈問い〉
上述の二つの〈問い〉は汎用が可能です。たとえば、「教育とは何であるか」&「どう教えるか」、あるいは「政治とは何であるか」&「政治的課題をどう解決していくか」、「戦争とは何であるか」&「戦争を無くすにはどうするか」など、狭義・広義を問わず、多くの事柄やテーマがこの二つの〈問い〉に収斂されます。

では、ブログ筆者の関心事でもある「(上尾市)教育委員会とは何であるか」&「教育行政をどうするのか」という二つの〈問い〉についてを考えてみます。

■教育委員会とは「何であるか」

(上尾市)教育委員会(事務局を含む)とは何であるか 
※市教委HPと情報公開請求等に基づくブログ筆者の見解を含みます。
🔶上尾市教育委員会は教育長と5人の委員により組織され、教育、学術および文化に関する事項について大所高所からその基本的な方針などを決定します。
🔶逮捕市長が池野氏を教育長に選んだ理由が分かる文書は不存在。
🔶各教育委員が就任の際、なぜその人の名が出たのか、その理由が分かる文書も不存在。
🔶教育委員各氏が自ら企画立案した案件は一度もありません。
🔶上尾市教委は、基本的には市教委事務局の方針を追認する装置であり、議案の採決は過去20年にわたり<全員一致・異議なし>です。
🔶6月からの学校再開の際、臨時の教育委員会を招集すること無しに土曜授業や夏休みの大幅短縮を決めてしまいました。
🔶以前夏休みを1週間短縮した際の教育委員会会議は、市民には非公開とされました。
🔶学校教育部長の学校への異動は上尾小や上尾中(池野氏の上平中への異動は別の理由=逮捕市長の地元への異動)に偏っていますが、そのことの不自然さを指摘する教育委員はいません。
🔶教育長の行状に対するcheck機能(文科省が示すレイマンコントロール)は、教育委員各氏は全く果たしていません。
🔶上尾市教委は各学校に対して「委嘱研究」を強制しており、上平小では本発表の前月、141時間以上の時間外勤務をしている職員がいることが市議会本会議の質問で露見しました。
🔶上尾市教委は給食費の無償化について否定的です(議会答弁)。
🔶市独自の30人程度学級について、市教委は以前高い自己評価をしていましたが、現在はその方針を取っていません(議会答弁)。

以上のように、視点によって様々な面が指摘できますが、「上尾市教育委員会とは何であるか」と問われれば、<基本的に教委事務局の方針を是認したうえで、表面をそっと撫でるような質問や意見を述べ、議案は例外なく全員一致で採択する装置>と定義できるでしょう。

■「では、教育行政をどうするのか」
以上見てきたように、様々な視点から「上尾市の教育委員会とは何であるか」ということについて定義することができます。しかし、子どもたちを学校に預けている保護者や市民にとっては、何と言っても次代を生きる子どもの成長が一番大切です。それゆえ、「教育行政は、これ以上先生方を忙しくしないでほしい」などの保護者や市民の願いを率直に受け止め、改善の方向に向かってほしいと考えるのが自然です。では、そのためにはどうすればいいのでしょうか。

上尾市の教育行政をどうするのか(どう改善させるのか)。
上尾市の教育行政の実態を市民に知らせることです。その方法としては、ブログやツイッターでの発信、市民団体のニュース(紙媒体含む)、学習会、市議会での質問、あるいはテーマごとの署名活動(給食費無償や30人学級実現要求)などが考えられます。
情報公開請求や住民監査請求も有効です。当ブログでも書いてきましたが、情報公開請求は単に文書の存否を確認するものではなく、教育委員会側に市民からの視点に基づくまっとうな指摘を気づかせる役割があります。
市民と教育長・教育委員との懇談を実現させることが必要です。その場合、要望や要求を伝えるのとは別に、教育論に発展するようなテーマ設定が良いと思います。「上尾の教育について」などと範囲を広げてしまうと、中身が薄くなってしまいます。たとえば「中学校の制服は必要か」などであれば、メディアも関心を持つかもしれません。大事なのは、教育問題について市民的議論を巻き起こすことです。

■バランスが大事
今記事で取り上げた二つの〈問い〉で大事なことは、「何であるか」と「どうするか」のバランスを考えることだと思います。とりわけ教育の問題については、ともすれば「どうするか」「どう教育するか」という〈問い〉が先行し、「教育とは何か」という基本的な〈問い〉が抜け落ちる可能性があります。現在の上尾市教育委員会の実態を市民や保護者に知らせ、市教委をより良い方向に向かわせるために、ブログ筆者も引き続きこのことについて考えていきたいと思います。

上尾市図書館に望むこと

前記事で書いたとおり、今年度、「上尾市図書館の今後のあり方」について図書館協議会等で検討がされるようです。今記事では、同協議会の委員や図書館の職員が触れない重要な点についてお伝えします。
※今記事の途中で、日本図書館協会『図書館の自由』ニューズレター(無料購読)の紹介があります。

記事No.103

■「基本理念」&「宣言」の復活を望みます
 上尾市図書館HPの新着情報には、「上尾市図書館要覧の最新号(令和2年度)を作成しました」とあります。実はこの『図書館要覧』に2017(平成29)年度まで記載されていた、図書館運営にかかわる基本中の基本とも言うべき大事な視点が今年度も消されたままなのです。

その一つは<上尾市図書館の基本理念>です。

<上尾市図書館の基本理念>
くらしに役立ち、市民とともに歩む図書館
🔶誰もが本と出合うよろこびを感じられる居心地の良い図書館
🔶くらしに役立ち、市民の知る権利を保障する図書館

🔶市民文化創出の礎(いしずえ)になる図書館を目指して市民とともに歩んでいきます

そしてもうひとつが「図書館の自由に関する宣言」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今後の図書館のあり方を考えるというのであれば、<上尾市図書館の基本理念>に基づいて議論されるべきですし、「図書館の自由に関する宣言」は図書館としての基本姿勢と言えるものです。

なぜこの二つが『要覧』から消されたのか、ブログ筆者にはその意図が分かりません。上尾市図書館の今後のあり方を考えていくうえで、これら二つは基本となるはずです。2017年度から消されてしまった理由については情報公開請求でも「文書不存在」とされ、明らかになっていませんが、何らかの意図が働いたと考えるのが自然です。

「理念」にしても「宣言」にしても極めて重要な視点であり、今後も必要であるとブログ筆者は考えます。図書館の目立たない場所にひっそりと掲示するのではなく、図書館内でもHPでも、目立つところに堂々と掲載すべきだと思います。

ところで、日本図書館協会<図書館の自由委員会>では、年4回「図書館の自由」ニューズレターを刊行しています(購読料:無料)。
最新号はこちら図書館の自由109号(2020年8月)
毎回読みごたえがある内容となっていますので、興味のある方は次のサイトを検索してみてください。⇒『図書館の自由』ニューズレター電子版のご案内

■「望ましい基準」についての県内の実態
前記事で、文科省の「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」について触れました。中でも、市町村立図書館の職員についての望ましい配置について、発行されたばかりの『日本の図書館 2019 』によれば、埼玉県内の市立図書館の館長の半数以上は〈図書館司書有資格者〉であることがわかりました。

2019 埼玉県内市立図書館 司書有資格者である館長
県内市立図書館(分館分室含む)=143館 
上記のうち、館長が司書有資格者= 77館(53.8%)
※複数兼任館があるので、司書有資格者館長の実数は 54名。

たとえば、川越(4館)や春日部(3館)の図書館では、それぞれ館長が異なり、全員が司書の有資格者です。また、北本(2館)・富士見(3館)・三郷(3館)も同様です。さいたま市は兼任館がありますが、22館すべて司書有資格者が館長となっています。

上尾市は全部で9館(5分館・3図書室を含む)ありますが、館長は同一人物であり、司書有資格者ではありません9館も兼任していて司書資格を持っていない館長は上尾だけです。鶴ヶ島も7館兼任ですが、館長は司書有資格者です。
こうした県内の現状を把握したうえで、少なくとも館長は司書有資格者を配置し、同時に職名としての司書・司書補を採用すべきであるとブログ筆者は考えます。そのことが上尾の図書館の今後のあり方を考えていくうえでの重要な点ではないでしょうか。

図書館協議会を傍聴して

8月3日、上尾市図書館協議会を傍聴しました。そこでは、昨年度図書館協議会からの「答申」(=上尾市図書館の今後のあり方について)に基づき、今後の図書館サービス計画をどうするか等が話し合われました。しかしながら、ブログ筆者にとっては物足りなさを感じさせるものでした。今記事ではそのことについてお伝えします。

記事No.102

HPの〈お知らせ〉に掲載されない「協議会」
8月3日に開催された今年度第1回図書館協議会は、上尾市図書館HPの「お知らせ」はおろか、市教委HPの新着情報にも掲載されませんでした。
ブログ筆者は、そろそろ図書館協議会の開催があるのではないかと考え、図書館HPの<図書館協議会>を開き、協議会開催の日程を知りました(これは7月27日に更新されています)。
本来であれば、少なくとも図書館と市教委両方のトップページに掲載されるべきです。会議が始まる前に、そのことを図書館職員に指摘すると、図書館の「お知らせ」に掲載されていなかったことに気づかなかったようです。つまり、大切な情報が図書館職員の間で共有されていないということなのです。

そのせいもあり、当日の傍聴者は3名。ブログ筆者の他には、たまたま市役所の貼り紙を見た方と、その方から連絡を受けた方でした。
市民が傍聴できる他の会合では、例えば8月5日には、市教委関連で〈臨時教育委員会〉が開催されている他、文化センターで〈あげお未来創造市民会議〉が開催されています。とりわけ後者は、会議の開催に気がついた市民の方は極めて少ないでしょう。以前〈市長へのはがき〉で要望したこともありますが、市民が傍聴できる会議等については、市役所HPのトップページにまとめて掲載するべきです。

■第1回図書館協議会から
今年度は、来年度からの10年間(前期第3次・後期第4次各5年ずつ)を見据え、上尾市図書館のあり方を考えていくということのようです。
ブログ筆者が関心を持ったのは、図書館のあり方を考えていく際、前記5年については、文科省が2012年に示した「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(以下、「基準」と略記)を参考にしていくということです。

この「基準」が示されてから8年近く経過していますが、特筆されるのは、配置される職員についての以下の記述です。

(職員の配置等)
1 市町村教育委員会は、市町村立図書館の館長として、その職責にかんがみ、図書館サービスその他の図書館の運営及び行政に必要な知識・経験とともに、司書となる資格を有する者を任命することが望ましい。
2 市町村教育委員会は、市町村立図書館が専門的なサービスを実施するために必要な数の司書及び司書補を確保するよう、その積極的な採用及び処遇改善に努めるとともに、これら職員の職務の重要性にかんがみ、その資質・能力の向上を図る観点から、関係機関等との計画的な人事交流(複数の市町村又は都道府県の機関等との広域的な人事交流を含む)に努めるものとする。
3 市町村立図書館には、前項の司書及び司書補のほか、必要な数の職員を置くものとする。

今年度の図書館協議会がこの「基準」を参考にし、これらの記述を念頭に置くというのであれば、「上尾市図書館には職名としての司書や司書補が一人も置かれていない」ことや、「館長は司書有資格者ではない」という現状について、どの程度踏み込んだ議論がされるのか(あるいは全くスルーしてしまうのか)を見ていきたいと考えています。

■本質的議論は期待できる?
さらに、今後の上尾市図書館のあり方を考えるうえで重要な観点があります。そのひとつは<現在の施設をどうするのか>であり、もうひとつは<運営管理のあり方は現状のままでよいのか>です。

しかし、施設設備に関しては、<「市のマネジメント計画」の進捗状況を見ながら考える>とされました。これはある意味〈逃げ〉の姿勢とも言えます。「こういうサービス計画があるから、これだけの配架のスペースが必要」あるいは「このような企画には、そのための部屋がこれだけ必要である」といった議論は当然必要だと思われます。

そのためには、『駅前の商業施設のワンフロアが使えれば、これだけのことが出来る』など、施設面での極めて具体的な提案が図書館協議会からされれば、その是非について市民的な関心を呼び、新たな議論が生まれるのではないでしょうか。「市のマネジメント計画を見ながら」というのは、つまりは「具体的なことには言及を避けている」ということになってしまうと言えます。

また、運営方式についても、現在のようなカウンター業務の民間委託の方式で良いのか、別の方式(完全直営方式や指定管理者方式)は考えられないのか、についても本質的な議論がされるべきです。

現状の運営方式(とりわけ、職名としての司書・司書補が配置されていない状況)をそのままにしておいて<上尾市図書館には、司書有資格者が何人いるか>といった議論は、あまり意味が無いということを認識する必要があります。
給与面や労働条件、あるいは職の内容が変わらなければ、責任ばかり「有資格者」に押しつけられることになりかねません。そうした本質的な議論を、今年度の図書館協議委員会に期待するのは無理なことでしょうか。

次回〈第2回図書館協議会〉は10月12日(月)の予定だそうです。どんな話がされるのか、ブログ筆者は引き続き関心を寄せていきたいと思います。

教育委員の一番の関心は<上尾シティハーフマラソンのコース変更>でした。

 6月の定例教育委員会の会議録が公開されました。前記事で「教育委員の発言に変化の兆し」と書きましたが、6月の会議では、教育委員の関心は<上尾シティハーフマラソン>、とりわけスタート位置やコース変更にあったようです。その一方で<住民監査請求の報告>には全く関心を示さなかったことが会議録で露見しました。

記事No.101

■教育委員会の会議録の公開時期は?
 例月の教育委員会の会議では、冒頭で前月の会議録を承認します。直近の例では、7月定例会(7/28)に6月定例会(6/24)の会議録が承認され、翌日市教委のHPで公開されました(ちなみに、会議録が不承認になったことは一度もありません)。ブログ筆者は6月の会議を傍聴していないので、文字化された内容は初めて目にしました。

■定例教育委員会での<画期的な報告>
 6月定例会で、急遽追加された報告として「住民監査請求に係る監査結果について」がありました。当ブログをお読みの方はお分かりかと思いますが、これは<画期的な報告>と言えるものです。
なぜならば、同じく教育長の行状に疑問を呈した前回(2019年4月)の〈住民監査の結果〉は教育委員会で報告されることはなかったからです。そうした市教委事務局の対応について、ブログ筆者は情報公開請求等の処分通知の手交の際などに「なぜ住民監査請求の結果を報告しないのか」と言ってきましたから、今回報告がされたということは、一歩前進と捉えることができます。

■教育委員の関心は別のところに…?
 では、6月の教育委員会の会議の中で、教育委員はどのような発言をしているでしょうか。6月の定例会の会議録はこちら ⇒ 6月定例教育委員会 会議録(9頁に住民監査請求の報告、10~13頁に教育委員の発言が記載されています)

 どうやら、教育委員のみなさんの関心は<上尾シティマラソン>の名称変更や、折り返し地点やスタートの位置がどうなるかにあったようです。
シティ(ハーフ)マラソンについては、とりわけ大塚委員は関心が高かったようで、たとえば、「折り返し地点に関する質問ですが、小泉地区スーパーバリューの地点よりも東側になるということなのか伺います」などと質問しています。こうなると、もはや教育委員と言うより、ただの参加予定者からの発言です。しかも、今年度はコロナ禍の影響でシティマラソンは中止との報告がされています(会議録7頁)。それにもかかわらず、このような発言は、開催されるかどうかも怪しい来年の11月のイベントのことについて、興味深く質問していることになります。

 ちなみに、この教育委員さんは上尾シティマラソンに何度か参加しているようです。上尾市のHP(トップページ)の最下部のバナー広告をクリックすると、この方が社長となっている会社のHPに飛びます。右肩の「社長からのメッセージ」を開くと、「アクティブな社長の社外活動はこちら」とあり、そこを見ると、「平成28年10月上尾市教育委員就任」や「マラソン」の記事があり、上尾シティマラソンに出場したとあります。さらに「社長からのメッセージ」に戻ると、「上尾市長より感謝状をいただきました」との記事が目を惹き、クリックすると、「本市の教育行政に深く理解を賜り多額の寄附をされました」と書かれた〈感謝状〉を、畠山市長と二人で笑みを浮かべながら抱え持つ大きな写真があります。その下の説明にもシティマラソンの話が出ているので、よほどマラソンに関心があるのでしょう。

 マラソン以外では、他の教育委員から図書館の報告について若干質問がされています。この報告(手交式)は、図書館のHPにも掲載されています。図書館協議会を傍聴すればわかることですが、図書館協議会委員からの「答申」の原案は、実は図書館側によって作成されており、協議会の席で協議委員からの質問に答えるのは図書館長、という摩訶不思議な事実を、質問した教育委員は知る由もないでしょう。

■住民監査請求の結果は「スルー」
 会議録を全部読んでも、住民監査請求の結果については、教育委員からの質問も意見も全くありませんでした。つまり、来年の11月に開催される予定(それも怪しいですが)のマラソンのコース変更等には執拗な関心を寄せても、<教育長の行状についてのcheck機能>という教育委員の責務(レイマンコントロール)は、全く果たしていないということになります。
ブログ筆者が手紙で質問し、それを教育委員が受け取ったのが6月の定例教育委員会当日であると思われます。後日送られてきた返事は「教育委員としての意見は定例会で示す」というものでした。
しかしながら、今記事で見てきたように、実態としては教育委員の誰も<教育長の行状に対するcheck機能>を果たしておらず、質問はおろか、何の意見も表明しないということが6月の会議録から明らかになったと言えます。

住民監査請求に関しての教育総務課長からの発言について、会議録では次のように記載されています。

 「本件請求がなされた事実に鑑みれば、今後はそうした観点も踏まえた上で総合的に判断するなど、公用車の使用にあたって市民に疑念を与えることのないよう、適正な運用が行われるよう望むものである。」と付言されてございます。今般の住民監査請求は、結論としては棄却となっておりますが、市民が疑念を抱いたことで住民監査請求がなされた訳でございますので、教育委員会といたしましては、今回の住民監査請求があったという事実を真摯に受け止め、疑念を持たれるようなことがないよう、公用車の使用や事務執行を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

 ここに記載されているように、「疑念を持たれることのないように公用車の使用や事務執行をおこなっている」かについてcheckするのは、自分たちの責務でもあることを教育委員は自覚していただきたいものです。