教育委員の一番の関心は<上尾シティハーフマラソンのコース変更>でした。

 6月の定例教育委員会の会議録が公開されました。前記事で「教育委員の発言に変化の兆し」と書きましたが、6月の会議では、教育委員の関心は<上尾シティハーフマラソン>、とりわけスタート位置やコース変更にあったようです。その一方で<住民監査請求の報告>には全く関心を示さなかったことが会議録で露見しました。

記事No.101

■教育委員会の会議録の公開時期は?
 例月の教育委員会の会議では、冒頭で前月の会議録を承認します。直近の例では、7月定例会(7/28)に6月定例会(6/24)の会議録が承認され、翌日市教委のHPで公開されました(ちなみに、会議録が不承認になったことは一度もありません)。ブログ筆者は6月の会議を傍聴していないので、文字化された内容は初めて目にしました。

■定例教育委員会での<画期的な報告>
 6月定例会で、急遽追加された報告として「住民監査請求に係る監査結果について」がありました。当ブログをお読みの方はお分かりかと思いますが、これは<画期的な報告>と言えるものです。
なぜならば、同じく教育長の行状に疑問を呈した前回(2019年4月)の〈住民監査の結果〉は教育委員会で報告されることはなかったからです。そうした市教委事務局の対応について、ブログ筆者は情報公開請求等の処分通知の手交の際などに「なぜ住民監査請求の結果を報告しないのか」と言ってきましたから、今回報告がされたということは、一歩前進と捉えることができます。

■教育委員の関心は別のところに…?
 では、6月の教育委員会の会議の中で、教育委員はどのような発言をしているでしょうか。6月の定例会の会議録はこちら ⇒ 6月定例教育委員会 会議録(9頁に住民監査請求の報告、10~13頁に教育委員の発言が記載されています)

 どうやら、教育委員のみなさんの関心は<上尾シティマラソン>の名称変更や、折り返し地点やスタートの位置がどうなるかにあったようです。
シティ(ハーフ)マラソンについては、とりわけ大塚委員は関心が高かったようで、たとえば、「折り返し地点に関する質問ですが、小泉地区スーパーバリューの地点よりも東側になるということなのか伺います」などと質問しています。こうなると、もはや教育委員と言うより、ただの参加予定者からの発言です。しかも、今年度はコロナ禍の影響でシティマラソンは中止との報告がされています(会議録7頁)。それにもかかわらず、このような発言は、開催されるかどうかも怪しい来年の11月のイベントのことについて、興味深く質問していることになります。

 ちなみに、この教育委員さんは上尾シティマラソンに何度か参加しているようです。上尾市のHP(トップページ)の最下部のバナー広告をクリックすると、この方が社長となっている会社のHPに飛びます。右肩の「社長からのメッセージ」を開くと、「アクティブな社長の社外活動はこちら」とあり、そこを見ると、「平成28年10月上尾市教育委員就任」や「マラソン」の記事があり、上尾シティマラソンに出場したとあります。さらに「社長からのメッセージ」に戻ると、「上尾市長より感謝状をいただきました」との記事が目を惹き、クリックすると、「本市の教育行政に深く理解を賜り多額の寄附をされました」と書かれた〈感謝状〉を、畠山市長と二人で笑みを浮かべながら抱え持つ大きな写真があります。その下の説明にもシティマラソンの話が出ているので、よほどマラソンに関心があるのでしょう。

 マラソン以外では、他の教育委員から図書館の報告について若干質問がされています。この報告(手交式)は、図書館のHPにも掲載されています。図書館協議会を傍聴すればわかることですが、図書館協議会委員からの「答申」の原案は、実は図書館側によって作成されており、協議会の席で協議委員からの質問に答えるのは図書館長、という摩訶不思議な事実を、質問した教育委員は知る由もないでしょう。

■住民監査請求の結果は「スルー」
 会議録を全部読んでも、住民監査請求の結果については、教育委員からの質問も意見も全くありませんでした。つまり、来年の11月に開催される予定(それも怪しいですが)のマラソンのコース変更等には執拗な関心を寄せても、<教育長の行状についてのcheck機能>という教育委員の責務(レイマンコントロール)は、全く果たしていないということになります。
ブログ筆者が手紙で質問し、それを教育委員が受け取ったのが6月の定例教育委員会当日であると思われます。後日送られてきた返事は「教育委員としての意見は定例会で示す」というものでした。
しかしながら、今記事で見てきたように、実態としては教育委員の誰も<教育長の行状に対するcheck機能>を果たしておらず、質問はおろか、何の意見も表明しないということが6月の会議録から明らかになったと言えます。

住民監査請求に関しての教育総務課長からの発言について、会議録では次のように記載されています。

 「本件請求がなされた事実に鑑みれば、今後はそうした観点も踏まえた上で総合的に判断するなど、公用車の使用にあたって市民に疑念を与えることのないよう、適正な運用が行われるよう望むものである。」と付言されてございます。今般の住民監査請求は、結論としては棄却となっておりますが、市民が疑念を抱いたことで住民監査請求がなされた訳でございますので、教育委員会といたしましては、今回の住民監査請求があったという事実を真摯に受け止め、疑念を持たれるようなことがないよう、公用車の使用や事務執行を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

 ここに記載されているように、「疑念を持たれることのないように公用車の使用や事務執行をおこなっている」かについてcheckするのは、自分たちの責務でもあることを教育委員は自覚していただきたいものです。