聞いていて情けなくなる、9月議会での教育長答弁

上尾市議会9月議会の一般質問が始まっています。当ブログの記事の内容からお分かりだと思いますが、私の現在の関心事は、上尾市の教育行政、とりわけ学校統廃合計画や給食費無償化、あるいは図書館における利用者サービスの問題などにあります。
昨日までの一般質問の中では、私が関心を寄せる問題について質問をしたのは鈴木茂議員でした。今記事では、鈴木議員の質問とそれに対する市長&教育長の答弁についてお伝えします。

記事No.184

🔷「9月議会一般質問」質問議員数は?
昨日(9月22日)までに一般質問に立った議員は15名。
明日以降9名予定されていますので、議長・副議長を除き、一般質問をおこなう(おこなった)議員は全部で24名となります。したがって、9月議会で一般質問を行わない議員は4名尾花瑛仁・田中一崇・深山孝・渡辺剛一の各議員。いずれも上尾同志会。この会派は、7名中3名しか9月議会での一般質問をしていません)ということになります。

今までのところ、私の関心事について質問したのは、鈴木茂議員です。
こちらが鈴木茂議員の質問と市長&教育長答弁の様子(9月21日)

🔷市長への質問と答弁
上の動画が見えにくい、あるいは全部を見る時間が無いという方のために、質疑答弁の概要を次にまとめてみました(質問の後半部分。強調のため色替えしてあります)。

Q.(鈴木茂議員)(録画 30:20~)市長への質問
子育て支援・若者の定住化促進と学校施設更新計画について伺う。
市長は、学校施設更新計画の地域説明会には参加していないと思うが、内容の報告は受けているか。市民の意見はどうだったのか。感想は。
A.(畠山市長)(録画 30:50~)
地域説明会の結果については、どのような意見があったのか、教育総務部から随時報告を受けている。感想としては、それぞれの地域において、「学校施設は大切な場所であり、大変重要である」と深く認識したところである。
Q.(鈴木茂議員)(録画 31:13~)市長への質問
地域説明会(平方地区)で出された次の意見に対する市長の見解は?
*平方小学校は開校150年の伝統と歴史のある、平方地区の中心的な存在である。その学校を廃校にするのか。
*太平中と平方東小で小中一貫校をつくるというが、太平中は平方ではない。
A.(畠山市長)(録画 31:55~)
平方地区の住民の多くは、平方小学校を卒業していて、「平方小学校を残してほしい」という意見を伺っている。この地域説明会でいただいた意見や、このあといただく市議会からの提言等を踏まえて、課題を解決し、学校施設更新計画については、いったん凍結したうえで見直しをはかっていく
Q.(鈴木茂議員)(録画 32:25~)市長への質問
地域説明会(大石地区)で出された次の意見に対する市長の見解は?
*この統廃合の案は、お金のことだけを問題にしていて、子どもの教育よりもお金のことを優先していると感じる。
畠山市長は、「子どもの教育」と、「公共施設管理計画に基づく学校統廃合」とどちらを優先しようとしているのか。
A.(畠山市長)(録画 33:30~)
未来の子どもたちのために、より良い教育環境を提供することは、上尾市教育委員会のつとめである。そのため将来に過度な負担を残すことがないように計画的に学校施設の更新をはかることも行政のつとめである。長期的な視野のもとに、これらのバランスを保ちながらすすめていくことが重要である。
Q.(鈴木茂議員)(録画 34:00~)市長への質問
地域説明会(原市地区)で出された次の意見に対する市長の見解は?
*この学校統廃合の問題は、教育総務部の課長や部長レベルで回答できる問題ではない。市長・教育長が答弁すべき大変大きな問題だ。
A.(畠山市長)(録画 34:25~)
今般の説明会の趣旨は、計画の周知を図ることを目的に開催したもので、その対応を担当部局に指示している。週末に開催した説明会の結果については、週明けに報告を受け、更なる指示もおこなっている。
Q.(鈴木茂議員)(録画 34:50~)市長への質問
(市長答弁の)更なる指示とはどのようなものか。
A.(畠山市長)(録画 35:00~)
地域説明会での意見をしっかりと検討し、経費35%削減の枠にとらわれずに、適正な規模での学校施設更新計画として、見直すべきところは見直すよう、担当部局に指示をしたところである。

以上の質問と答弁により、市長は、学校施設は大変重要な場所であること、経費35%削減の枠にとらわれずに、見直すべきところは見直すと明言しているものの、具体性に欠ける答弁であるとも言えます。

「学校施設更新計画=学校統廃合計画」の地域説明会については、最初は「担当部局」とされた教育総務課がすすめてきたものの、計画は教育の中身に関係するとの市民からの指摘により、途中から学校教育部も出席せざるを得なくなったのが事実経過です。
ところが、市長の答弁を聞いていると、「担当部局」は教育総務部しか考えていないようです。これらは、市長や教育長が一度でも地域説明会に出席していれば、市民からの疑問や要望などの「生の声」を聴くことができたはずです。

🔷教育長への質問と答弁
市長への質問の流れで、鈴木茂議員は教育長にも質問をしています。

Q.(鈴木茂議員)(録画 35:25~)教育長への質問
これについては、録画での発言のまま掲載いたします
原市地区の説明会ですけれども、「小中一貫校にメリットがあるならば、なぜ上尾の全地区に導入しないのか」というご意見もありました。
この市民の意見に対して、池野教育長はどのようにお答えするのかお聞かせください。
また、池野教育長が、小中一貫校導入が上尾市の子どもたちのためになる、上尾市の教育の発展につながる、という強い信念があるならば、その強い思いをお聞かせください。
繰り返します。教育長の強い信念があるならば、その強い思いをこの場で語ってください
A.(池野教育長)(録画 36:05~)
小中一貫校の設置につきましては、現在、先進都市の事例研究や、視察の実施、本市小中学校における現状の調査分析をしているところでございます。
なお、現在も進めております、あの、本市における小中連携はさらに進めてまいりたいと考えております。
教育長の答弁に対する鈴木茂議員の意見(録画 36:31~)
今の教育長の答弁ですと、小中一貫校導入が上尾の子どもたちのためになるという、教育長の熱い思いが私には受け止められませんでした。
教育長には小中一貫校導入に対しての強い思いはないと解釈したいと思います。

市議会の中継録画を見る限り、教育長の発言は、弱々しく、頼りなく、はっきり言えば「情けない」答弁でした。
今後見直されるという「学校更新計画基本計画
」には、随所に「小中一貫教育」を前提とした記述があります。
ところが、教育長の答弁は、「事例研究」「視察」「調査分析」をするというものです。その程度の段階でありながら、基本計画にはシレっと
「小中一貫教育」を前提とした記述があり、それを教育委員会定例会において認めているというのは、どう考えてもおかしな話です。

この情けない教育長答弁を聞いた鈴木茂議員の「教育長には小中一貫校導入に対しての強い思いはない」という意見は、まさにその通りだと私も思います。
当ブログで再三指摘していますが、池野教育長には、上尾市の教育行政のトップとしての資質は無いと言わざるを得ません。