市教育行政が「市民の行動でやっと気づいたこと」と「遅すぎる対応」

今記事では、大きく分けて二つのことをお伝えします。
一つは「市民の行動により、教育委員会がやっと気づいたこと」です。
教育委員会4月定例会での「住民監査請求の結果」の報告と、教育委員がどういう反応をしたのかに注目しました。
二つ目は「意見募集についての情報不足」の問題です。
『広報あげお 5月号』に、「上尾市学校給食施設基本計画」への意見募集が掲載されていますが、市民が考える際に、必要な情報が公表されているとは言えない状況があります。
これは、担当課の「遅すぎる対応」と言えるでしょう。

No.321

🔸教育委員が「住民監査請求」について初めて言及
教育委員会4月定例会(4/23)を傍聴したところ、「住民監査請求に係る監査結果について」が報告事項となりました。3名の監査委員から示された「住民監査請求に係る監査結果について」の文書に基づき、指導課長が報告していました。
この件を含めて「報告事項」についての質問や意見が教育委員から出されました。
たとえば、
「小学校の駅伝大会をもっと盛り上げてほしい」(内田委員)
→(聞いての私の感想)どのような趣旨での発言なのか、意味不明。
「中央小以外の朝読書支援はどうなっているのか」(矢野委員)
→図書館長への質問。朝読書は指導課が担当であることを理解していない。
正直に言って「少し自分でも調べてから質問してほしい」と思います。

定例会の中で、教育長職務代理者の大塚崇行教育委員が、私が起こした住民監査請求について言及しました。
大塚委員が指摘したのは、次の2点についてです。

(教育委員会決裁の有無に関して:関連部分)

(監査委員の意見に関して)

監査委員から「指導課職員は行政の事務に不慣れ」「前例踏襲で事務手続きを行っていた」との指摘がされたこと、また、「上尾市いじめ問題調査委員会委員」の委嘱において手続きの不備があったことは請求人の指摘するとおりである」との指摘に、大塚教育委員は「(事務局は)連携をとりながら事務を進めていただきたい」と発言していました。

過去を含め、住民監査請求についての報告に、教育委員が言及するのは初めてです。
今までは、大塚委員以外の教育委員のように、「当たり障りの無い」発言ばかりで、市民による住民監査請求に関してはひと言も発言していなかったというのが事実です。
その意味では、大塚委員の発言は貴重だと思いますが、住民監査請求の件について西倉教育長が全く自分の考えを言わない、というのは教育長の識見を疑います。
本来、「教育委員会決裁」なのかどうかは、教育長や教育委員は当然知っているのが当たり前であり、とりわけ教育長は「自分は知らなかった」では済まないはずです。

市民からの住民監査請求によって、指導課では「やっと」重い腰を上げて教育委員会決裁と教育長(部長・課長)の専決事項などについて「研修」を実施するようです。
上尾市教育行政の担当課としては、遅きに失した感は否めませんが、今回の一連の対応は、「市民の行動でやっと気づいたこと」と言えるでしょう。

🔸学校給食施設基本計画」への意見募集について
自宅の郵便受けに『広報あげお 5月号』が入っていました。
中を見ると、市民の意見募集が掲載されています。
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この頁の2つの意見募集ですが、実は違いがあります。

(上尾市図書館本館更新方針(案)への意見募集)
図書館本館更新方針(案)については、
2024(R6)年3月教育委員会定例会の報告事項
上尾市図書館本館更新方針(案)」として提示されています。
関連しての図書館長の発言(関連部分)は以下のとおりです。

このとおり、市民コメント募集も含め、今後のスケジュールを示しています。
すでに「上尾市図書館本館更新方針(案)」も公表されているので、市民がコメントするには、必要な資料等は示されていると言えるでしょう。

(上尾市学校給食施設基本計画(案)への意見募集)
図書館本館更新方針(案)と比較すると、「上尾市学校給食施設基本計画」とは違いがあります。
まず、(案)について、5/1~5/31に公表するとしています。
昨年12月の教育委員会定例会では、学校保健課長は次のように述べています。


この時に示されたのが、A4版1枚の「上尾市学校給食施設基本計画(骨子案)」です(青字クリックで資料に飛びます)。
では、「協議をする」と言った2月定例会での課長の発言です。


このとおり、課長は「基本計画の素案作成のための調整が現在も継続しております」ために「来月以降にあたらめて進捗状況の報告をさせていただきます」と発言しています。
しかしながら、3月・4月の定例会に「進捗状況の報告」はありませんでした。
また、図書館長とは異なり、「市民コメントを募集する」旨の発言もありません。

🔸重要な情報としての「第4回会議録」が公表されていません
「上尾市学校給食施設基本計画」について市民がコメントをする際に、「上尾市学校給食運営委員会」での資料や、話し合われている内容は非常に参考になります。
ところが、2月9日に開催された「第4回上尾市学校給食運営委員会」で配布された資料や会議録がまだ公表されていないのです(下のスクリーンショットは4/27現在)。


市民コメントを募集するからには、教育委員会側は、直近の正しい情報を含めて公表したうえで、意見を求めるのは最低限の責務ではないでしょうか。そうでないと、「遅すぎる対応」と言われても仕方がないでしょう。

5月1日から始まる意見募集の前に、「第4回上尾市学校給食運営委員会」に配布された資料と会議録の公表を求めるものです。

“市教育行政が「市民の行動でやっと気づいたこと」と「遅すぎる対応」” への2件の返信

  1. 文部科学省は2019年に「新たに教育長・教育委員になられた皆様へ」
    と題した文書を公開しています。

    その中で
    教育委員に求められる役割

    教育委員は執行機関の一員であり、教育委員会の重要事項 の意思決定を行う責任者であるという自覚を持ち、教育委員会における審議を活性化させるとともに、教育長及び教育委員会事務局のチェックを行うこと。

    教育行政のプロでは持ちにくい、それぞれの視点から、地域の抱える課題を捉え、 地方公共団体の長や教育長、事務局とともに、より一層民意を反映した教育行政を実現していくこと。そのために不断の研鑽に努める必要があること。

    としています。

    果たして上尾市の教育委員は文部科学省が求めているように、「教育長及び教育委員会事務局のチェック」を行っているのでしょうか。

    「地域の抱える課題を捉える」、「不断の研鑽に努める」ということをしているのでしょうか。

    極めて疑問です。

    1. コメント、ありがとうございます。
      ご指摘の文科省の文書は知りませんでした。
      現在の上尾の教育長と教育委員は、この文書で謳われている check機能を果たしていませんね。
      とりわけ、西倉教育長は、事務局に対する checkは全くしていないように思えます。
      機会を捉えて、この点についても追及していきたいと思います。

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