「返事」の文言は、教育委員お得意の〈全員一致〉でした。

ブログ筆者は、6月初めに教育委員・教育長職務代理者計5名の方々に手紙で質問をしました。それから約1か月ほど過ぎた頃から、手紙の「返事」がバラバラと届きましたが、その内容とはどういうものであったのでしょうか? 今記事では、そのことについてお伝えします。なお、記事の後半で挿入した、ブログ筆者による〈第二の書簡〉は、A4で8枚と少しあり、かなり長目です。時間の許す方は、ゆっくりとお読みください。上尾市教育委員会の抱えている「不都合な真実」の一端を垣間見ることができると思います。

記事No.99

■教育委員宛の手紙での質問とは?
どんな質問だったかは、前記事のとおりです。これを整理すると、次のようになります。

質問その1
池野教育長の「服務関係」や「公用車の恣意的使用」について、昨年と今年の2回にわたって<住民監査請求>が出されたのをご存じか。
質問その2
2019年2月の<住民監査請求>について、市の監査委員から池野教育長に対して厳しい指摘がされたことをご存じか。
質問その3
文科省が「教育委員会制度のあり方」で言及している「レイマンコントロール」についての意見を聞かせてください。
質問その4
コロナ禍の影響で、6月からの小中学校の再開は、土曜授業実施や夏休み大幅短縮などとされていますが、このような非常に重要な決定の際に、臨時の教育委員会が開催されていません。地教行法では教育委員2名以上が請求すれば臨時の教育委員会を開催できると定められているにもかかわらず、なぜそうしなかったのですか。

■質問に対する「返事」は<全員一致>。
5名の教育委員(内1名は教育長職務代理者)からは、次のような「返事」が届きました。中身がほぼ<全員一致>をいうのは、例月の教育委員会の議案に対する裁決が、少なくともここ20年にわたって<全員一致>となっている=つまり、異論を許さないことと、軌を一にするものと言えます。

【教育委員からの返事】※全員ほぼ同文。
 様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行う合議制として(の)教育委員会の趣旨に鑑み、教育委員会委員としての意見につきましては、その議事の中で示してまいりたいと思いますので、個人としての意見を個別に行うことは控えさせていただきます。

 これらの「返事」は、わずかな字句の違いはあるものの、全員が同じ文言と言えるものでした。ただ、(の)が入らないと意味が通じにくい点や、「個人としての意見を行う」という表現そのものに疑問が残ります。それらの「国語的な点」を無視したとしても、矛盾に満ちた文言となっています。

 まず、<様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行う合議制として(の)教育委員会>という表現は、文部科学省のこちらのサイトにも示されており、そこには「多様な属性を持った複数の委員による合議により、様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行う」とあるので、おそらく、ここからの「引用」でしょう。
 文科省がここで述べているのは、<個人の精神的な価値の形成を目指して行われる教育においては、その内容は、中立公正であることは極めて重要である。教育行政の執行に当たっても、個人的な価値判断や特定の党派的影響力から中立性を確保することが必要>ということです。

■市教委HPには何と書かれているでしょうか?
地方公共団体が処理する教育関係の事務については、その政治的中立を維持することが強く要請され、また行政の安定性、継続性も求められていることから、すべての都道府県、市区町村などに合議体の執行機関として教育委員会が置かれることとされています」と上尾市教委のHPには書かれています。

 つまり、教育委員会は「政治的中立」を維持することが強く求められているのです。その意味では、当ブログの No.8の記事 や、No.35の記事のような、教育長や学校教育部長・教育総務部長の行状(市議会特定会派=「保守系会派」との酒席参加)は、絶対にあってはならないことです。
 情報公開請求や審査請求もされていて、しかも教育委員会の議案となっているにもかかわらず、会議の席上でも何も言わない教育委員のお歴々。これでは、「check機能」としての役割を放棄していると言われてもしかたないでしょう。教育委員の皆さんは、市教委HPに次のように掲載されていることの意味を今一度かみしめる必要があるのではないでしょうか。

上尾市教育委員会は教育長と5人の委員により組織され、教育、学術および文化に関する事項について大所高所からその基本的な方針などを決定します。

■ブログ筆者からの〈第二の書簡〉
 今回、<全員一致>とはいえ、返信があったことから、ブログ筆者は教育委員全員に新たな書簡を上尾市教委教育総務課経由で出しました。それがこちら⇒ 〈第二の書簡〉

この〈第二の書簡〉でブログ筆者が述べたポイントは、まず、<市教委事務局や教育長に対する
check機能(すなわち、レイマンコントロールとしての役割)を上尾市教育委員の皆さまが果たしているか>ということと、もうひとつは、<定例教育委員会の会議の席上、教育委員として何を語り、何を語らなかったか>ということです(むしろ、教育委員として「何を語らなかったか」のほうが、事の本質を突いているとも言えます)。

 7月の教育委員会定例会は、7/28(火)9:30より市役所7階大会議室にて開催される予定です。ブログ筆者からの〈第二の書簡〉は、当日教育総務課職員から教育委員全員に手渡されるはずです。
教育委員の皆さまは、いずれ当ブログをお読みいただくでしょうから、ぜひ<ご自分の言葉で>ご意見や反論をお寄せください。そのことも含め、教育委員サイドから何らかの〈反応〉があれば、当ブログを読んでいただいている方々にお伝えいたします。