「上尾市長等政治倫理条例(案)」についての意見

記事No.98

■現在の<市民コメント募集>は
 現在、上尾市のHPには、2件の<市民コメント募集>が掲載されています。(市役所HP→市民の声→市民コメント制度)
そのうちのひとつが「上尾市長等政治倫理条例(案)」です。
※募集案件一覧表を参照。

 この条例を制定しようとする背景には、例の市長・議長のW逮捕がありますが、ブログ筆者が注目しているのは、条例案の第1条に「市長、副市長及び教育長(=市長等)が、その権限又は地位の影響力を不正に行使して自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を講ずる」という「目的」が示されている点です。つまり、この条例(案)により、市長や教育長の資質そのものが問われるとも言えます。

■市民への情報提供は十分でしょうか?
 条例案について、市議会では「政治倫理条例制定特別委員会調整会議」なる会合が、3/24から7/21まで12回開催されています。そこで様々な意見が議員から出され、行政の執行部とやり取りをするという構図になっています。

 しかしながら、実態としては、調整会議での論議や意見の相違点などが整理されたり文章化されることはないまま「市民コメント募集」に至っています。もちろん、それぞれの会議の様子は、市議会HPの録画で視聴可能ですが、長時間にわたる(7/21の会議は2時間以上)ため、普通の市民にとってはハードルが高くなります。

■それでも市民としての意見を出すべき
 もしコメントが少ないと、市の執行部(総務課など)から「コメントを募集したが、少数だった」と言われかねません。「何が論点で調整会議でどのような議論になっているのか」等について十分な情報を提供しないのは市側であるにもかかわらず、市民の姿勢にあるとされる可能性があり、むしろ、市側はそれを狙っているとも言えます。

市側から市民に向けての情報が十分提供されていないという問題はあるものの、こうした市民コメント制度では、それぞれのテーマについて、意見や要望を、たとえ一行でも二行でも書いて出すことが大切ではないでしょうか。今回ブログ筆者が提出した意見書はこちらです ⇒ 政治倫理条例(案)への意見書

■条例案には、多くの問題があります
条例案では、第12条で「審査会の委員は、3人とし」となっていますが、上尾と人口規模があまり変わらない草加市では審査会の委員は「8人」となっているなど、他の自治体を参考にしているようには見えません。7/14の調整会議で、総務課長は「情報公開審査請求の委員や、監査委員は3人だからそれと同数の3人とした、と説明しています。これについては、7/21の調整会議でも「3人は少なすぎる」という意見が議員側から出されています。

 また、条例案(第17条)では「有権者100分の1以上の連署」を<審査請求要件>としています。これは約1,900人の市民の連署が必要ということになり、総務課長の説明とは決定的に矛盾します。なぜならば、情報公開請求における審査請求も、あるいは住民監査請求も、ブログ筆者は実際に当事者となりましたが、どちらも市民ひとりでも起こせる請求行為だからです。よって、「有権者総数の100分の1以上の連署」を、「有権者として登録されている者は」(つまり連署不要、市民ひとりでも行動を起こせる)に変更すべきです。

 条例案では、市民が情報公開請求等の過程で「市長、副市長及び教育長(=市長等)が、その権限又は地位の影響力を不正に行使して自己又は特定の者の利益を図った」ことが露見した場合、審査請求をしようとすると、1,900人もの「連署」を集めねばならず、実質的に「ひとりの市民の活動にはさせない」という意図が透けて見えます。
もしも「市民による濫用」を心配しているのであれば、たとえば住民監査請求においても、証拠書類が添付されているかどうかを見て要件審査をしているのですから、<事前の審査>の段階で「妥当性はあるか」「証拠は十分であるか」等を審査すれば良い話です。

 必要な観点は、「市民による政治参加の権利」であるとブログ筆者は考えます(7/21の調整会議では、池田委員はひとりの市民としての政治参加の権利を主張。これに対して、彩の会の議員を中心に、多数の市民の連署が必要であると主張しています)。

 当ブログをお読みいただいている方はお分かりだと思いますが、教育長に対する「給与の一部返還を求める措置請求」の結果、教育委員会は条例を制定せざるを得なくなりました。
これは、ブログ筆者が<市民としてひとりだけの行動>を起こしたことによります。

 その意味で、今回の条例案は、こうした市民による活動について制限を加えるものになりかねません。

 以上のような点を考えると、この条例案が原案のまま市議会で通ったとしたら、真の意味で「政治倫理を問う」ということに実効性があるかどうかは甚だ疑問です。今記事に掲載したブログ筆者の意見書などを参考に、字数が多いか少ないかなどは気にせず、多くの市民が意見表明していくことが大切だと思います。
※市への提出期限は7月末日となっています。

投稿者: 館の住人

上尾市民。 「ひとりでもできる行政参画」を目指しています。 とりわけ、上尾市教育委員会や上尾市についての情報公開請求を契機として、教育行政や市政が改善の方向に向かって行けばと考えています。