こんなにある、上尾市教育委員の「センター給食試食会」への疑問

11/21の「教育委員会11月定例会」を傍聴しました。
驚いたのは、学校保健課から出された上尾市学校給食施設基本計画(案)」についての協議の中で、「給食試食会」に出たという何人かの教育委員が「おいしかったのでセンター給食でもいいのでは」と言い出したことです。
その中には、9月の定例会で「今の自校式やセンターサテライト方式を維持した上で、諸課題を解決していく方法はないのか」と発言していた教育委員も含まれています。
今記事では、教育委員と「給食試食会」にまつわる疑問の数々についてお伝えします。

No.346

🔸教育委員会定例会で出された意見への疑問
「教育委員会11月定例会」の議題で、私(当ブログ館主)が強い関心を持ったのは2件ありました。その一つは、私がおこなった情報公開請求に対し、「文書不存在による非公開」処分とされた件です。その処分が不服だった私は「審査請求書」を提出しましたが、当然ながら私の主張が「認容」されました(定例会議案第63号)。
端的に言えば「教育委員会事務局は、市民に発出する文書について、誰も check しないのか」ということに尽きますが、裁判
で言えば私の全面勝訴ということになりました。

二つ目は、今記事の冒頭で紹介した「上尾市学校給食施設基本計画(案)」を協議の席での教育委員の発言です。
すなわち、「学校給食は、市民アンケートでも自校給食を望むという意見が多かったが、試食会に出たらおいしかったので、センター給食でもよい」というものです。

ここで、学校保健課(&中学校給食共同調理場)が設定した「給食試食会」については、問題点が多々あります。私は疑問点について情報公開請求しましたが、問題点を整理してみましょう

①教育委員を対象とした『給食試食会』(以下、『試食会』)が実施された日程、場所、時間帯、参加した教育委員名、同席者(上尾市の職員など)は?

*おそらく、教育委員に向けて実施された『試食会』の会場は上尾市中学校給食共同調理場で、教育委員会事務局の職員が何名か同席したと思われます。調理終了時刻と、教育委員が実際に食べた時間帯も確認する必要があります。

②『試食会』で提供された給食のメニューは?(できれば画像も)
③『試食会』当日の上尾市内中学校(東側・西側)の献立の内容は?
④上記③で、どの献立をセントラル(共同調理場)とサテライト(各学校)とで分けているのか?
⑤『試食会』当日に教育委員に提供されたメニューのうち、どれをセントラル(共同調理場)で調理したのか、また、調理後どのくらいの時間で提供したのか?

*通常、上尾市の中学校給食の献立は、セントラル(共同調理場=上平公園の隣り)で調理された献立が各学校に運ばれ、サテライト(各中学校)で調理された分と合わせて配膳され、生徒に提供されます。なお、東側・西側で提供日は異なります。
*つまり、セントラルで調理された献立は、生徒が食べるまでに、ある程度時間が経過していることになります。教育委員が食べて「おいしい」と思った献立は、「出来立て」が出されたのでは?という疑問が生じます。
*中学校給食の詳しい説明は、発行されたばかりの冊子『上尾の教育』P58-61に詳しく説明されています(給食盛りつけの画像もあります)。

⑥教育委員に向けた『試食会』は、上尾市内の小学校(自校方式)でも実施したのか(あるいは今後実施する予定があるのか)? もし実施していない(予定もない)場合、その理由は?
⑦今後、上尾市の教育委員として小・中学校ともに自校給食を実施している近隣の自治体(例:桶川市)の給食施設の見学や、試食などを予定しているか?

*教育委員に向けた『試食会』は、「センター給食」だけなのか、もし、近隣の自治体を含め、自校方式の給食の『試食会』を実施しないのであれば、まさに「センター給食を食べてもらう」ことだけが目的であったと言わざるを得ません。

⑧『試食会』で試食をした教育委員&教委事務局職員は、きちんと1食分の給食費を支払ったのか?

*教育委員も教委事務局職員も、当日の給食費実費を支払うのは当然ですが、念のため確認する必要があります。

🔸市民からのコメントは生かされたのでしょうか?
令和6年上尾市教育委員会8月定例会では、「上尾市学校給食施設基本計画(素案)に関する市民コメント結果」が報告されています。


寄せられた市民コメント(130人・178件)のほぼすべてが「現状の給食提供方式を望む」という内容でした。
しかしながら、『上尾市学校給食施設基本計画(案)』では、「自校方式の継続には、学校給食衛生基準への適合のために、これまでよりも広い敷地や多くの給食調理員が必要になるなど、課題が多いため、給食施設の再整備はセンター方式を基本とし」とされ、この文言は(素案)と全く変わっていません。

では、いったい何のための市民アンケートだったのでしょうか?

私は、次の点についても情報の開示を求めています。

⑨市民コメントに寄せられたほぼ全部の「センター給食反対・自校給食の継続を望む」という声は、『上尾市学校給食施設基本計画(案)』にどのように生かされたのか(生かすつもりなのか)が判別できる文書・資料等(の公開を求めます)。
⑩「自校方式の継続には、学校給食衛生管理基準への適合のために、これまでよりも広い敷地や多くの給食調理員が必要になる」という文言は、(素案)においても(案)においても変更されていません。では、なぜ市民コメントを実施したのか、その合理的理由が判別できる文書・資料等(の公開を求めます)

*上尾市教育委員会(事務局)が、「自校給食」の継続には素案提出時点から否定的であったにもかかわらず、市民コメントを実施したのは、「自校給食は継続せず」という着地点は決まっていたが、「一応、市民の声は聞きました」という「実績」づくりのためであったのでしょうか? だとしたら、ずいぶんと市民の意見を軽く見ているのではないでしょうか。

🔸教育委員は9月定例会では「自校給食の継続を」という意見でした
以下は、教育委員会9月定例会での谷島委員の発言です(会議録より)


このとおり、教育委員も現在の自校給食を望んでいるのがわかります。「自校給食の継続を願う」市民や保護者にとって、何と心強い発言であったことでしょう。

もともと、教育委員とは、法律(地教行法)で、次のように定められています。

「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)」第4条2項
委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。

この間の教育委員の発言の変化を見ていると、「教育、学術及び文化に関し識見を有する」という法律の文言に疑問が生じます。

🔸毎回、新教育委員就任のたびに情報公開請求していますが…
私は、教育委員が交代する度に、毎回、次に示す情報公開請求をおこなっています。

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結果は、毎回判を押したように「文書不存在による非公開」の処分とされてしまいます。
では、地教行法の定めは、いったい何のためにあるのでしょうか?
根拠も無く人選をしているのであれば、上尾市の教育委員とは、いったい…??

教育委員は、毎回、市教委が人選をし、議会の同意のもとに市長が任命しています。
委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する」という文言が虚しく見えてしまいます。

当ブログでは、先述した疑問を含め、教育委員の『試食会』について情報公開請求していますので、結果が出た段階で、記事としてお伝えしていきます。