「浅学非才」を地で行く、上尾市教委の「教育長職務代理者」

4月1日に開催された「上尾市教育委員会第3回臨時会」では、「教育長職務代理者の指名」と「新しい教育委員の紹介」がされました。今記事では、このことについてお伝えします。

記事No.152

🔷「何、これ?」ばかりの教育委員会の臨時会
事前に知らされた臨時会の開催について「何、これ?」と思ったのは、まず、「会場の都合で傍聴者は2名まで」とされたことです。

※最下段に注目。「会場の都合により、傍聴者は2名」とあります。

次の職務代理者が誰になるのか、新しい教育委員がどんな発言をするのかについて関心があっても、「人数制限があるのなら、傍聴はやめておこうか」と考えた市民の方もいるのではないでしょうか。
結局、市教委の指示通り、私を含めて2名の市民の方が傍聴しました。ところが、「会場の都合」というのは、単にパーティションで教育委員室を2つに分けただけであり、片方は使用していないというお粗末さ。
つまり、全くの教育委員会側の都合ということが判明しました。これはまさに「傍聴する市民を少なくする」意図がありありと分かる対応であると言わざるを得ません。しかも、市役所7階大会議室(市教委事務局の手前の広めの会議室)は、使用されている気配はありませんでした。

狭い会場に入ると、すでに教育長や教育委員、市教委事務局職員は席についており、池野教育長の隣には、中野委員が着席していました。
議事に入る前から、ひと目見れば、池野教育長のすぐ隣の中野委員が「教育長職務代理者」になるのが見え見えの席順となっています。
実際、そのとおりに池野教育長から指名されました。

🔷「浅学非才」は決して謙遜ではなく、事実そのもの
さて、以前の記事でもお伝えした「いじめは絶対に許さないとする方針とは真逆の発言を繰り返している細野宏道氏」に代わって「教育長職務代理者」になった中野委員ですが、池野教育長から職務代理受領者に指名されたことを受けて、「浅学非才ではありますが…(教育長職務代理者を受ける)」と発言しています。

「浅学非才 (せんがくひさい)」とは、「学問・知識が浅く未熟で、才能が劣っている」という意味です(浅学菲才とも書きます)。
「浅学」と同様に、自分の事を謙遜して言う場合に用います。
(出典:https://docoic.com/9561)

通常であれば、聞き流すような表現ですが、中野委員の場合は、とても謙遜しての発言とは思えません。

🔷「市立幼稚園は無くなった」と発言した中野委員
先月(3月4日)開催された教育委員会第2回臨時会の席上、「上尾市教育振興計画案」について、幼稚園・保育所などから小学校への学びの接続に関して、中野委員は、「市立幼稚園は無くなりましたけど」という、驚くべき発言をしているのです。
周知のとおり、3月市議会では「平方幼稚園閉園条例」は継続審査となり、まだ今後どうなるかは定まっていません。それを規定事実のように発言した中野委員は、「浅学非才」そのものだと言えます

この中野委員の発言には、まわりから「まだ無くなっていない」との小さな声もありましたが、私が聞いた限り、特に中野委員は訂正する様子もありませんでした。
この臨時会の会議録はまだ公表されていませんが、中野委員のこの無責任極まる発言について、正確に記述されるかどうかは要注目です。

🔷教育委員の人数は法定の4人で十分では?
上述のように、「教育長職務代理者」は教育長が「指名」することになっています。根拠となる法律は「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)」であり、関連する条項は次のとおりです。

地教行法 条文
第3条 教育委員会は、教育長及び四人の委員をもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、都道府県若しくは市又は地方公共団体の組合のうち都道府県若しくは市が加入するものの教育委員会にあつては教育長及び五人以上の委員、町村又は地方公共団体の組合のうち町村のみが加入するものの教育委員会にあつては教育長及び二人以上の委員をもつて組織することができる。
第4条
教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。
2 委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。
第13条
教育長は、教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表する。
2 教育長に事故があるとき、又は教育長が欠けたときは、あらかじめその指名する委員がその職務を行う。

上尾市教育委員会の定例会・臨時会においては、20年間にわたって全ての議事が「全員一致・異議なし」であることは、以前の記事でお伝えしたとおりです。加えて、3月4日の臨時会での中野委員の発言や、前教育長職務代理者であった細野氏の発言等を考えれば、地教行法第3条の規定により、上尾市の教育委員は5人でなく、4人で十分ではないかと考えるところです。

それと同時に、新しく教育委員に任命された谷島委員について、地教行法第4条第2項で謳われるように、本当に「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関して識見を有する者」であるのか否かについても、情報の開示を求めていくつもりです。

“「浅学非才」を地で行く、上尾市教委の「教育長職務代理者」” への2件の返信

  1. この中野という人、前にどこかの小学校の校長だったかな?

    1. ネットで調べると、以前市内の小学校の校長だったようですね。
      上尾市の場合、校長と市教委事務局(とりわけ指導課と学務課)は極めて親和性が高く、自分がいつ市教委の職員になるかもしれないことから、校長による市教委への「批判的意見」は皆無です。
      その一方で、市教委事務局も「学校の意見・要望」は校長を通してしか聞かず、現場の一般の先生方の意見を把握することは絶対と言っていいほどありません。
      ここをなんとかしないと、上尾市の教育行政は「正常化」されないでしょう。

      ところで、件の中野氏が市教委HPに寄稿している「教育委員リレーエッセイ」は、とても教育委員が書いた文とは私には思えません。

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