上尾市教育委員会として取り組むべき「学校のきまり」&「隠れ教育費」問題

市長選の結果、上尾市教委が強引に推し進めようとしている「学校施設更新計画=学校統廃合計画」については、「見直すべきところは見直し、再編計画はゼロベースで考える」とした現市長が再選されました。
しかしながら、何を見直すのかについては、いまだ不透明な状況です。

現在、「学校統廃合計画」以外にも、上尾市教委の姿勢が問われる問題は山積しています。今記事では、その中で、「学校のきまり」&「隠れ教育費」問題の「ほんの一部分」についてお伝えします。

No.195

🔷市内中学校の「校則」の問題
市内中学校には、各校が定めた「生活のきまり(校則)」があります。
現段階で、「生活のきまり」を学校のHPで公開しているのは、原市中と大石南中だけなので、他の中学校については情報公開請求で資料等を入手しました。
中には、「これはどうして?」というものも見受けられます。
ここでは、上尾中学校の例を見てみましょう。

[令和3年度 上尾中学校 生活のきまり]から、ごく一部を引用

項目 内容
通学靴 白のスポーツシューズ(安全上、スニーカー不可)。
(今年度から)かかとに男子は黒、女子は赤で名字を記入
上履き 上尾中学校指定のもの。
(今年度から)クラス・氏名を「かかと部」と「つまさき部」に男子は黒で、女子は赤で記入。
カバン 黒・紺・灰・茶系を基調としたリュック型。 カバンにキーホルダー類をつける場合は1つまで可。
以下、制服など 「きまり」が延々と続いていきます。

すでにここまで見て、「ツッコミどころ満載」ではないでしょうか。
スポーツシューズは安全で、スニーカーは安全じゃない?
なぜ記名を「男子は黒、女子は赤」とするの?しかも今年度から?
カバンにキーホルダーは1つまでって、どういう意味ですか??

このあと、「生活のきまり」は、制服、くつ下、セーター、頭髪、その他の服装、持ち物、荷物、体育着・ジャージ、登下校などと続きます。
たとえば、「セーターは黒・紺系統のもの。カーディガンは不可
など、堂々と「生活のきまり」に入っています。

<校長先生、なんでセーターはOKで、カーディガンはダメなのですか?>

ぜひとも、上尾中校長(現:伊藤潔氏)に聞いてみたいものです。

また、頭髪について「中学生らしい髪型とする」と書かれていますが、では、中学生らしい」とはどういう意味でしょうか?
中学生の頃は自分の髪型に関心を持つのは当たり前。むしろ、染めたりヘアスタイルを変えたりするのが「中学生らしい」ということでは?という考えもあると思います。

大変なのは、「指導」する先生方だと思います。不必要に細かく決めることは、余計な仕事を増やすことになるのでは?
なんで、カバンにキーホルダーを2個つけたんだ?」などと生徒に聞くのですか? 本当に校長はそれでいいと思ってるのでしょうか

「校則」の問題は、今年3月の市議会一般質問で、佐藤恵理子議員が取り上げています。その中で、性的マイノリティ生徒への制服についての学校の対応について質問しています。

3月市議会一般質問 (佐藤恵理子議員)
…本市では、性的マイノリティ生徒への制服についての学校の対応、教育委員会は学校へどのような指導をしているかお聞かせください。
答弁 学校教育部長(瀧沢葉子)
……市内中学校では、本人、保護者の意向を尊重し、制服を選択できるようにするなど、性的マイノリティも含めた人権に配慮した対応を行っております。女子のスラックスにつきましては、6校が導入済み、5校が来年度(注:2021年度のこと)以降導入を予定しております。また、教育委員会といたしましても、中学校の制服など学校生活全般において、性自認に沿った人権に配慮した対応を行うよう指導しております。

このように学校教育部長は答弁していますが、情報公開請求で入手した資料では、今年度は必ずしも市内11校全校が「女子のスラックス併用可」とはなっていないようです。
これらの疑問点等を含め、引き続きこの問題については掘り下げていくつもりでいます。

🔷市内小中学校の「隠れ教育費」の問題
ここで言う「隠れ教育費」とは、小中学校に入学する際に、保護者が実際に支払わなければならないお金の内、あまり表面には出てこない集金や現物購入の費用などのことを指します。これらの費用は、額としても思いのほか保護者の負担が大きいものです。

このことについて、秋山もえ県議がツイッターに投稿しています。


確かに、「学年費」って何でしょうね?
私はこの「隠れ教育費」の問題について、上尾市教育委員会がどのような姿勢でいるのか知るために、次の情報公開請求をおこなっています。

◎上尾市内の小中学校において、2021(令和3)年度の入学時・在学時に、当該小中学校の児童・生徒(保護者)が支払わなければならないとされる諸費用とその項目が判別できる文書・資料等。なお、市内全校の小中学校別に情報の開示を求めるものですが、以下の(開示の対象となる費用)の範囲であること。
(開示請求の対象となる費用)
*小中学校入学時・在校時に、学校で必要であるということから、入学児童・生徒(保護者)を対象にして支払うとされた費用であること。
*「学年費」「学級費」「児童会費」「生徒会費」「図書費」名目の費用も計上します(2022年3月までの見込み費用も計上します)。
*就学援助を受けている場合も計上します。
*きょうだいが在校していて、どちらか一方が支払う場合も計上します。
*PTA会費については、選択制(入会自由)の場合以外は計上します。
*計上するか否か判断がつかない費用については、項目と費用について開示をお願いします。さらに疑問のある場合は、文末の請求人連絡先までご一報ください。
(開示請求の対象とはならない費用)
*給食費  *部活動のユニホームや用具等にかかる費用で、学校・学年の全員一律徴収ではないもの。 *予防注射等の費用

これら「学校で保護者から集金している費用」については、当然市教委は把握していると考えていました。ところが、保護者への集金額については、上尾市教委は全く把握していないということから、情報の開示が1か月先延ばしにされました(12月中旬開示の予定です)

*「学校のきまり」については、市内全部の中学校における問題点の検証を私なりにおこなっている最中です。また、「隠れ教育費」問題に対して、市教委がどう対応していくのか、あるいは何もしないのか、など情報の開示でわかったことについては、当ブログの記事としてお伝えしていく予定です。

*さらに、「給食費の無料化に向けて」については、具体的な進捗状況を随時情報公開請求していくことにしています。
また、「オリパライベント」(担当は市教委事務局スポーツ振興課)に関し「不適正」と思われる支出の問題についても、今後関係文書・資料等が開示される予定ですので、詳細は当ブログで発信していきます。