「あげお未来創造市民会議」の不都合な真実 ー矛盾だらけの資料ー

[記事No.4]

 前回「あげお未来市民会議」の問題点について指摘しましたが、第2回までの会議録に目を通したところ、さらにおかしな点が浮かび上がってきました。今回はそれが何なのかについてお伝えします。

■矛盾だらけの資料
 第2回「あげお未来創造市民会議」では、「話し合いの進め方」なるプリントが配布されています。その中で、「話し合いのルール」として、『公平に、建設的に話し合いましょう』『広い視野で話し合いましょう』『特定の団体に利益につながることではなく…市の全体を見渡しながら話し合いましょう』などと書かれています。

 しかしながら、次の項目では、「わからないことがあったら」として、『日ごろの生活の中でお考えになっていること・感じていることで構いませんので、積極的にご意見をおっしゃってみてください』と、委員の発言を促しています。
 一方では「広い視野で市の全体を見渡しながら」としながら、もう一方では「生活の中でお考えになっていること・感じていることで構わないから積極的に発言をしてください」とするのは、明らかに矛盾しており、結局は委員の発言をためらわせたり、制限することにつながるのではないでしょうか。

■「協働会議」って何?
 同じプリントには、次のように書かれています。

「協働会議は、市民の皆さまのご意見・ご提案を、未来の上尾市のまちづくりに役立てていくための会議です。」
 あれれ? この会議は「あげお未来創造市民会議」では?
公開された資料等を全部見ましたが、「協働会議」などという名称はどこにもありません。そもそも「協働」とは、「協力して働く」ことなので、今回の「あげお未来創造市民会議」との整合性は認められません。
 どう考えても「協働会議は…」などという書き出しは唐突であるとしか言いようがありません。

■互選ではなかった「委員長・副委員長」の選出
 会議録を読むと、事務局(課長)の発言として、「一般的な会議は、行政側で案を作り、出席者に示した上で意見をうかがうといった形式が多いとみられますが、本市民会議ではあくまでも皆さまのご意見をくみ上げていく形式を取りたいと考えています」と書かれています。

 しかしながら、第2回会議録の最後には、「委員長を矢島(通夫)様、副委員長を刀根(正克)様にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか」(拍手多数)とあります。
 後日行政経営課長に確認したところ、「委員長・副委員長の人選は、委員同士の互選ではなく、行政経営課のほうで決めた」と明言しています。つまり、委員長・副委員長の人選は「皆さまのご意見をくみ上げていく」形式などではなく、「行政経営課から一方的に降ろされてきた人選」であることは明白です。

■本気で「委員の意見をくみ上げる」のであれば、4つのグループがあるのですから、まず、各グループで1名ずつ代表を互選し、さらに選ばれた4名による互選で委員長・副委員長を決めればよいのです。
 副委員長の刀根氏は、第1回の会議に欠席していることから、「刀根氏の出席を待って発表したのであろう」ことは容易に推測がつきます。もしも委員長・副委員長の人選が委員同士の互選であったならば、「超ベテラン」の方が委員長・副委員長に就任するのではなく、30代・40代の「若手・中堅」の方を中心とした会議になっていたかもしれません。