ONE TEAM(ワンチーム)の重さと軽さ

 〈第一生命〉が恒例の<サラリーマン川柳>優秀作 100句を発表しました。思わず笑ってしまうような作品が多い中、句の意味を考えさせるようなものもありました。

記事No.55

■ラグビー人気を象徴する句ですが…
筆者が「なるほど」と思ったのは次の句です。

「ONE  TEAM」 にわかに課長が   言い始め
※川柳作品の著作権は全て第一生命に帰属するため、
の句の「初句(上五)」はカタカナを英語表記にしてあります)

 この句は「ONE  TEAM(ワンチーム)」という、ラグビーワールドカップ以来流行した言葉と「にわか」ラグビーファンを揶揄している点、さらには「(今までそんなことを言わなかった)課長が、急にワンチームと言い始めた」ことを、多少の皮肉を込めて読んでいる点が優秀作品に選ばれた理由だと思います。

■市役所HPで「ワンチーム」を検索すると…
 おそらく上尾市役所(市教委・学校関係を含む)内でも、誰かが「ワンチーム」と言っているだろうとブログ筆者は推測し、市役所サイト内のキーワード検索したところ、最上位に出てきたのが これ
なんと、〈 141時間超え時間外勤務問題で昨年12月議会質問でも取り上げられた上平小学校のHPでした。「学校だより11月号(P1)」には、<上平小も「One Team」で>と掲載されています。

 …私たち職員も、保護者も、地域も、一人一人が自己の役割と責任を果 たす中で、みんなが健全な子供を育てるという一つの目的に向かってワンチームとなり、邁進していきたいという思いでおります。

 表面的に見れば、「そうかもしれない」と思う方もいるかもしれません。ただし、「ONE  TEAM」というフレーズが生まれた経緯に関する別の特集記事を読んだ後では、印象はかなり違ってきます。

■「ONE  TEAM」の本当の意味での「重さ」
 前記特集記事によれば、チームのキャプテンのリーチ・マイケルは
ONE TEAM と言っても、一夜にして出来るものではないですよ」と述べています。それは、新しい日本の指導者になったジェイミー・ジョセフに対する信頼感がすぐに醸成されたものではなかったことによります。チームの発足当初は、ジェイミー・ジョセフと選手の間にはチーム運営・戦術の方向性について溝があったからです。
その状況を変えたのは、ジェイミーが日本人と海外出身の選手たちとの相互理解を促したことによります。

 海外出身の選手たちは、日本の選手たちがミーティングで発言せず、消極的なことが理解できない。『そんな姿勢でチームに参加して意味があるのか?』となる。反対に、日本の選手たちは外国人選手が時間にルーズだったりすると、それにイラッとしたりする。そのほかにも様々なカルチャーギャップがあることを認め、話し合ってその溝を埋め、しっかりとしたチームの土台を作ろうと選手たちに話しました」 そこからチームは変身した。(特集記事より)

 リーチ・マイケルはこう言います。

 「日本の代表なのだから、やっぱり日本の文化を表現しているべきです。海外の指導者が日本にやってきて、自国のスタイルをそのまま導入しようとするとうまくいかないと思います。その点、日本代表の選手たちはレセプティブ(receptive)、受容性が高かった。バックグラウンドの違う相手を受け入れるところからチーム作りはスタートして、最後は全員がジェイミーが立てた戦略を100パーセント信じることが出来たと思います」 (特集記事より)

 つまり、「ONE TEAMの完成に至る道には、山があり谷があった」ということなのです。

■自分勝手な解釈をする校長の「軽さ」
 このように、「ONE TEAM(ワンチーム)」という言葉の持つ本来的な意味を知ったあとで、もう一度上平小の校長の文章を読んでみると、「なんて言葉の使い方が軽いのだろう
」と思いませんか?

 たとえば、上尾市教委による強制的「委嘱研究発表」とその準備のために、過労死ラインをはるかに超える時間外勤務を強いられてきた職員と、なぜそのようなことになるのか、その要因について徹底的に校長は話し合ったのでしょうか?
また、市教委の「委嘱研究」が、長時間勤務の温床となっているという事実について、校長はきちんと市教委に意見を述べましたか?
結局、校長が「責任を果たす」のは職員にではなく、市教委に対してだけではないでしょうか。 まさに、

「にわかに 課長(校長)が   言い始め」

ということなのです。
リーチ・マイケルが言う「ONE  TEAM」の重みと、上平小校長の言う「ワンチーム」は、本質のところで全く違うものであり、上平小のほうは、「軽さ」ばかりが表出していることになると言えます。
上平小の校長は、市教委にこう提言するべきです

上平小では、市教委による委嘱研究発表の準備のため、月に141時間を超える時間外勤務を強いられています。このような委嘱研究は、そろそろ根本的に見直しませんか?

 校長が「ワンチームで云々」と言いたいのであれば、きちんと市教委に対して長時間勤務が強いられている状況を説明し、改善を求めるべきであるとブログ筆者は考えます。市議会の質問がされた後ではありますが、今からでもそれは出来るのではないでしょうか

 

投稿者: 館の住人

上尾市民。 「ひとりでもできる行政参画」を目指しています。 とりわけ、上尾市教育委員会や上尾市についての情報公開請求を契機として、教育行政や市政が改善の方向に向かって行けばと考えています。

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