上尾市図書館のイベント〖図書館まつり(書評合戦)〗に参加しました

11月9日、上尾市図書館の〖図書館まつり〗のイベント【書評合戦】に参加しました。
この企画が始まった2022年から3年連続の参加になりますが、今回も楽しい時間を過ごすことができました。今記事では、このことについてお伝えします。

No.344

🔸〖図書館まつり〗のイベント【書評合戦】
上尾市図書館では、読書週間に合わせて、〖図書館まつり〗として各種イベントをおこなっています
(詳しくは『みんなの図書館 あき号』を参照してください)。

今年の【書評合戦】のテーマは、〖図書館まつり〗の全体テーマと同じく、「カウントダウン昭和100年」でした。

上尾市図書館の【書評合戦】は、参加者がそれぞれ「おすすめ本」について5分間プレゼンした後、観客も含めて「一番読みたい本」を投票し、1冊の「チャンプ本」を決める、というルールです。すすめ方は「ビブリオバトル」とほぼ同じと言えるでしょう。
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🔸今回私が選んだ本は
今回の私のおすすめ本は、吉野万里子『100年 見つめてきました』です。
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(以下は、私のプレゼンの概要です)

私がおすすめするのは、吉野万里子さんの書いた、
『100年 見つめてきました』という本です。
「児童図書」ということですが、読み方によっては、内容が深く、
あと、字も大きいのでとても読みやすいです。

さて、この本ですが、最初のほうにこう書かれています。
これから、「わたし」がこの山のてっぺんから見つめてきた、
「百年のできごと」をお話したいと思います。
話のはじまりとしては興味深いですが、
では、「わたし」って、いったい、だれなんでしょうか。
実は、児童遊園地の乗りものの、「飛行塔」なんですね。
「飛行塔」がある児童遊園地は、現在全国でわずか2か所。
ひとつは、上尾のお隣、大宮の児童遊園地。
もう1か所は、奈良県生駒市の山の上の児童遊園地です。
この本の中の「わたし」とは、生駒の「飛行塔」のことです。
「飛行塔」は、真ん中に鉄塔があって、子どもたちが乗ることができる4台の飛行機が
ワイヤーで吊るされているんです。
本の中に絵があります。この絵は川上和生さんが描いています。
生駒の「飛行塔」は、飛行機が回りながら上にどんどん上がっていくんです。
山のてっぺんにあるので、景色がいいんですね。
遠くは淡路島や、大阪湾まで見ることができます。
この「飛行塔」、誰とでも話せるんです。言葉はいりません。
以心伝心というのでしょうか。意思の疎通ができるんですね。
人間の子どもや、動物、蝶々や、遊園地のすぐ下の、街から上がってくるケーブルカーとも話すことができます。
さて、昭和の初めからの100年の中で、「飛行塔」が最も心を痛め、つらい思いをした「大きなできごと」とは、いったい何だったのでしょう。
ー  それは、「戦争」です。
戦時中、多くの金属は戦争のために回収されました。
さっき言ったケーブルカーは、4本のレールの内、2本。「飛行塔」の飛行機は4機とも回収されてしまいました
(でも、戦争が終わると、元に戻されました)。
鉄塔の部分は、軍隊の「監視所」として利用されたので、回収を免れたのです。
この本には、「飛行塔」と「祐作」という男の子との出会いや、戦争が激しくなってからの遠くに見える街の様子、あるいは、動物たちとの会話についても書かれています。
ではー
☆「飛行塔」は「祐作」とどのように知り合ったのでしょうか。
そして「祐作」は戦争が終わった後、再び「飛行塔」の前に姿をあらわすでしょうか。
☆「飛行塔」は、ケーブルカーに何を教わったのでしょうか。
☆動物たちは、「飛行塔」に何かを伝えるのですが、何を伝えたのでしょうか。
☆実は、生駒の「飛行塔」は、遠く離れた東京・浅草の「花やしき」とはお互いにリスペクトする間柄なんですが、どうやって連絡を取りあっているのでしょうか。
☆昭和百年カウントダウンと言われている今、「飛行塔」はいったいどのような思いでいるのでしょうか。
などなど、この本には、気になることがたくさんあります。
続きはぜひこの本を実際にお読みになっていただければと思います。

🔸他のエントリー本と、今回のチャンプ本は?
今回私は児童図書を「おすすめ本」に選びましたが、【書評合戦】の参加者によるエントリー本と、関連本は次のとおりです。
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今回のチャンプ本は?
近いうちに、上尾市図書館のHPに掲載されると思われますので、お楽しみに。
(設定されたテーマに近い本が選ばれたように思えます)

今回は、前回よりも参加者は若干少なくなりました(8人)が、観客の方は増えたことから、イベントしては盛り上がったのではないかと思います。

◎上尾市図書館の「カウントダウン昭和100年展示」は12/1まで。
「図書館まつり」のイベントとして、これから開催されるのは、
☆講演会「多様な子どもたちの読書について」11/16   10:00~
☆使ってみませんか? 電子図書館 11/16   12:00~ スマホ持参
(いずれも上尾市図書館本館。詳しくは前掲の『みんなの図書館 あき号』を参照)

これからも、「図書館の利用者の意向に重きを置いた企画」が続くことを望みます。