市図書館への情報公開請求の<結果>
県の調査で「上尾市図書館は、指定管理者制度導入を含めて検討している」と回答をしていることについて、詳細を知りたいので情報公開請求したところ、ブログ筆者に<処分の通知>がありました。
記事No.60
■上尾市への情報公開請求(電子申請)
上尾市のHPに〈電子申請・届け出サービス〉があります。内、ブログ筆者が利用しているのは行政文書の公開の請求(つまり、情報公開請求)です。このシステムで一度「利用者登録」をしておくと、次からはログインすれば行政文書公開請求の画面に進むことができます。
「文書の名称又は内容」には、直接記述する場合の字数は400字制限ですが、Word ファイル等の添付も可能。ブログ筆者は、ほとんどの場合「別紙1-7のとおり。閲覧後、必要に応じてコピーさせていただきます」などと記し、別に作成したファイルを添付しています。
必須事項に「宛先」として上尾市長/上尾市教育委員会/上尾市議会…などが並んでいて、 check をするようになっています。今回は〈教育機関である図書館への指定管理者制度の導入についての状況調査〉なので、迷わず[上尾市教育委員会]にcheck を入れました。
■図書館=教育委員会に情報公開請求したら…
以前の記事No.58で公開請求の内容はお伝えしましたが、ブログ筆者は2月1日に教育委員会あてに電子申請しました(土・日・休日関係なく申請できます)。それについて、情報公開請求窓口である総務課から週明けの2月3日に「申請には不備がないことを確認しました」というメールが送られてきました。
電子申請した情報公開請求とその結果は、以下のとおり。
[朱書きは「処分(=公開・非公開)」の結果です]
埼玉県ホームページ「県内市町村における地方行政サービス改革に関する取組状況等の調査結果(平成30年度)」/「地方行政サービス改革の取組状況等(平成30年4月1日現在)」には、 (2)指定管理者制度等の導入 という項目があります。 これについて、上尾市の図書館を見ると、 公の施設数 9 制度導入施設数 0 と計上されており、「前年度以降、導入が進んでいない理由」には、次のように記載されています。 「多様なサービスの提供・コスト削減の観点から指定管理制度の導入も含め検討している。」 このことを踏まえて、以下のことについて情報公開請求いたします。 (1) 上記「県内市町村における地方行政サービス改革に関する取組状況等の調査」についての文書・資料等。→ 文書不存在のため非公開。 (2) この調査の回答で「多様なサービスの提供・コスト削減の観点から指定管理制度の導入も含め検討している。」とした経緯が判別できる文書・資料等。 → 一部公開(後述)。※非公開部分は〈担当者のメールアドレス〉 (3) 「検討している」と述べられていることから、検討会議等が開かれていることが考えられますが、その会議録またはそれに類した話し合いにかかる文書・メモ等。 → 文書不存在のため非公開。 (4) 「多様なサービス」とは何を指すのかが判別できる文書・資料等。 → 文書不存在のため非公開。 (5) <上尾市で指定管理者制度を導入すると、どの程度「コスト削減」が見込まれると判断したのか>が判別できる文書・資料等。 → 文書不存在のため非公開(後述)。 (6) 上記文言は「平成30年4月1日現在」となっていますが、それ以降、つまり2018年4月2日から2020年1月31日までに、指定管理者制度について上尾市図書館内部で検討したことが判別できる文書・資料等。 → 文書不存在のため非公開(後述)。 (7) 2020年1月31日以前に、上尾市図書館の利用者および市民から「指定管理者制度」の導入を求める声があるということが判別できる文書・資料等。 以上ですが、設問に対する開示文書等が同一の場合は、重複を避けていただいてかまいません。開示文書については、閲覧のうえ、必要に応じてコピーをとらせていただきます。→ 文書不存在のため非公開(後述)。 |
上記請求の内、 (1)・(3)・(4) については、上尾市図書館の指定管理者導入に関してですが、担当は行政経営課ということで非公開となりましたが、この「処分」については疑問が生じます。
どうやら、図書館についての事項ではあるものの、行政改革の関連なので、行政経営課が図書館に代わって調査に回答している、ということのようです。もしそうなら、情報公開請求の窓口である総務課が請求人に対してその旨説明し、「上尾市長あてにcheckを入れ直す」旨連絡をするべきなのです。結局、図書館から「非公開処分」と伝えられたので、上尾市長あてに出し直すことになりましたが、2週間待たされたあげく、さらに2週間待ちという対応となりました。
■「一部公開」文書について
上記 (2) は「一部公開 」処分でした。請求した「多様なサービスの提供・コスト削減の観点から指定管理者制度の導入も含め検討している」とした経緯が判別できる文書・資料等とは、2018(H30)年4月に行政経営課に提出した「行革実施計画進捗管理シート」の図書館としての控です。以下、公開された内容です。
(行政改革実施計画 進捗管理シート)
※2018(H30).05.10 上尾市図書館 → 行政経営課に提出したもの。
行革項目 | 民間事業者への委託 |
経緯・課題 | 図書館窓口業務については民間事業者への委託を行っているが、平成31年度予定の新図書館の供用開始に合わせ、多様なサービスの提供、コストの削減のため、更なる委託化を検討する必要がある。 |
数値目標等 | 民間事業者等への指定管理者制度を含めた委託化を検討する。 |
平成27年度 の状況 |
図書館費 391,509千円(平成27年度決算額) (職員16名 非常勤職員4名 短時間再任用1名) |
平成28年度実施内容(予定) | 平成28年度実施内容(結果) | 進捗状況 |
民間事業者等への指定管理者制度を含めた委託化について、図書館協議会で検討する。 | 図書館協議会に対して管理運営体制に関する諮問を行った結果、直営体制を基本としながらも、市民の意見を参考に検討していく趣旨の答申がなされた。 | 順調 |
平成29年度実施内容(予定) | 平成29年度実施内容(結果) | 進捗状況 |
図書館協議会の答申に基づき、市民会議等で意見も参考にしながら、市としての方針を決定する。 | 市民会議で意見聴取をしてきたものの、新図書館複合施設建設事業が一時中止になったことから方針の決定に至っていない。 | 遅れ |
これらの〈行革進捗管理シート〉を見る限り<新図書館複合施設の建設>が頓挫するまでは、図書館への指定管理者制度の導入を視野に入れていたことが読み取れます。一方、「多様なサービスの提供」について具体的内容は書かれていません。
別の見方をすれば、図書館側は、行革を推し進めようとする行政経営課向けに進捗状況を提出した、とも言えると思います。
ブログ筆者は、上尾市長(つまり担当である行政経営課)に対して上記で非公開とされた文書・資料の開示を求めています。行政経営課の職員から説明を受ければ、新たな事実がわかるかもしれません。
■残りの「文書不存在による非公開」の処分について
上記 (5) の「コスト削減」については、<行政文書としては図書館は保有していないが、市役所の情報公開コーナーで関連資料を閲覧することができる>という説明を図書館職員から受けたので、後日確認する予定です。
(6) ・(7) はいずれも「文書不存在のため非公開」とされました。
図書館が実施した市民向けアンケート(回収数971票)の中に「指定管理者制度導入」の記載が見られたと図書館側は言っていますが、ブログ筆者が調べた限り、「指定管理者」という文言を使用したアンケート回答はゼロでした。わずかに1名、「民間活力導入(PFI)等で市内のシンボルとなるような図書館を」という意見があったので、そのことを捉えての図書館側の説明だと思われます。
図書館関連の問題については、後日行政経営課からの「処分」と説明も含め、今後も引き続き記事にしていきたいと考えています。
相変わらずの”文書不在”ですね〜(-_-#)
本当に無いのか〜(ヾノ・∀・`)
探すのが面倒なのか〜((((;゜Д゜)))
仕事しましょうよ〜w
市民から情報公開請求があったら、窓口である総務課は、担当課に振るだけでなく、市民(請求人)がどのような情報を求めているか、市民の立場に立って文書の特定をすすめなくてはいけません。残念ながら、それが欠落しているのが、上尾の現状です。何とか変えていかなければならないと思います。