市の「交際費」に関しての市民的視座からの疑問や問題点の検証(2)
前記事の後編です。
市の「交際費」について検証していくと、現市長が市政についてどのように向き合っているのか、どのような姿勢であるのかが、かなりわかってきます。
私(当ブログ館主)は、市長は「政策」や「市の課題」のテーマで、市民との意見交流(=タウンミーティング)に積極的に取り組んでもらいたいと考えています。
しかしながら、実際には、夜の「懇親会」「懇談会」には積極的に顔を出すものの、市民とのタウンミーティングにはまったく取り組まない市長の姿勢が見えてきました。
No.378
🔸今年の1月、ほぼ連日「新年会」に顔を出している市長
上尾市のHPの「市長のページ」の片隅(最後)のほうに「市交際費の公開」と「市長行動記録の公開」(←青字クリックで掲載ページに飛びます)が公表されています。
今年(2025年)の「1月分交際費明細書」を見てみましょう。
表中、市の交際費を支出している「新年交流会」「新年会」「賀詞交歓会」等は、今年の1月だけで24回を数えています。これらの「新年会」のうち、「市長行動記録の公開」により、市長は21回出席していることがわかりました。
…市長さん、「新年会」への参加が ちょっと多すぎませんか?
🔸「カラオケ喫茶」での夜の懇談会が1年半に6回!
2023(令和5)年10月から2025(令和7)年7月までの「会費を伴う会合」について、会場と参加費が分かる資料等を情報公開請求しました。「2023年10月から」としたのは、前記事で言及したとおり、「慶祝」が廃止され、「会費」に変更されたからです。
この情報が開示されるまでに、市の担当課から1か月半以上待たされました(探さないと資料が無い、ということでしょうか? それもおかしな話ですが)
調べていくと、案の定、「これはどうなのか?」という事実が浮かび上がってきました。
以下は、ある地区の「自治会連合会」から市長にあてた案内文です。
実際には、情報公開請求により、印影以外はすべて公開されていますが、ここでは地区名・日付(〇日)・市の担当者名は伏せてあります。
また、会場となった店は、「カラオケ喫茶」であることが判明しており、17:30とか18:00開始の「懇談会」は酒席であることは誰でもわかることです。

驚いたことに、開示された資料の中から、同じ地区から市長へ宛てた「懇親会」等の案内文が6枚見つかりました。整理してみましょう。
R6年1月「新年会」、R6年4月「懇親会」、R6年7月「懇談会」、R7年1月「新年会」、R7年4月「懇親会」、R7年7月「懇談会」と続きます。
共通しているのは、
会場は上記の案内と同じ店(カラオケ喫茶)であること。
市長が毎回出席していること。
会費は毎回4千円。
市長の参加費(会費)は市の「交際費」から支出されていること。
となっています。
しかし、市長が毎回出席しているという事実にも驚いてしまいます。
そこで私は、この件について次のとおり情報公開請求しました。
| 〇〇地区自治会連合会主催の「新年会」「懇親会」「懇談会」は令和6年1月から令和7年7月の1年半の間に6回開催されています。また、別途情報公開請求により、会場は「カラオケ喫茶」であることが判明しています。 その一方で、政策やテーマに沿った市長と市民とのタウンミーティングはただの一度も開催されていません。 これらの事実を踏まえて、畠山稔市長は、〇〇地区自治会連合会主催のカラオケ喫茶での懇親会・懇談会には1年半の間に6回も出席しながら(しかもその参加費は公費)、その一方で、要望の多い市民とのタウンミーティングはなぜ開催しようとしないのか、それについての合理的な説明が判別できる文書・資料等(の開示を求めます)。 |
この情報公開請求について、どのような「回答」が届くのでしょうか。おそらく、11月17日までには何らかの動きがあると思います。まさか、上述のように1か月半も市民を待たせるということはないと思いますが…。
🔸職員は「公務外で自費参加」という問題
もうひとつ、見逃せない、市(長)にとっての「不都合な真実」があります。
上記案内文の右下に、(担当)〇〇支所 ◆◆ ◆◆ という記述があるのがわかります。
そこには、この地区の自治会連合会の事務局として、市職員の名前が記されていました。
すでに述べたとおり、上記の「懇談会」では、市長の参加費(会費)は市の交際費から支出されています。
では、担当する市の職員はどうでしょうか?
別途情報公開請求の過程で担当課と面談して確認したところ、上記「懇談会」の参加と参加費については、次のとおりであることがわかりました。
市長は「公務」で、参加費は「市交際費(公費)」
担当職員は「公務外」で、参加費は「自腹」
うーん…これって、気の毒なのは職員の方たちですね。
実は、「公務外」である場合、市の職員は次の書類を提出します。

これは、「利害関係者との飲食の届出書」です。
字が小さくて読みづらいですが、職務との関係が「公務外」とされています。
つまり、同じ懇談会への参加でありながら、市長は市の交際費を使って「タダ」、市職員は自腹で参加ということになります。 おかしくないですか?
私はこのことについても次のとおり情報公開請求しました。
| 別途情報公開請求の結果、令和7年7月〇日の「懇談会」には、市の職員が2名参加しており、参加費の4000円については「自腹」であることが判明しています。 おそらく、他の5回の「懇親会」「懇談会」についても同様だと思われます。 すなわち、〇〇地区自治会連合会事務局となっている〇〇支所に異動となり、市長との「懇談会」の担当者となると同時に、年に何回もの「懇親会」への出席と、自腹で参加費を支払うことが前提となってしまう実態があると考えられます。 そこで、こうした事実について、畠山市長がどう考えているのか、職員にどう伝えているのかが判別できる文書・資料等。 |
市長さんは、自分は市の交際費から参加費が出ているので何とも思わないでしょうが、「公務外」で参加を余儀なくされている職員の苦労も少しは考えたほうが良いのでは?
今記事では、市民との直接の対話集会(=タウンミーティング)をどうしても開催しようとしない市長が、市の交際費を支出する形で「懇親会」等に出席していることについてお伝えしました。
以上のほか、市の交際費の明細の公開の中でわかったことですが、教育長が発出している「謎の文書」の存在も明らかになりました。
そのことについても情報公開請求していますので、わかりしだいお伝えしていきます。