上尾市内小・中学校の「いじめ重大事態は現在6件」という深刻な事態

上尾市小・中学校の「いじめ」問題を考える「上尾市いじめ問題対策連絡協議会」。
5/16に開催された第1回協議会の『会議録』が公表されました。
しかしながら、この『会議録』から、上尾市における「いじめ問題」を考える際に見逃せない問題が浮かび上がってきました。
今記事では、このことに関連してお伝えします。

No.329

🔸「現在のいじめ重大事態は6件」の深刻さ
公表された会議録』を読んで驚いたのは、次の記述です。

第1回上尾市いじめ問題対策連絡協議会『会議録』P2より

5/16現在「いじめ重大事態が6件もある」ことは極めて深刻な事態と言えますが、この現状について、出席している委員の誰ひとりとして、学校や教委事務局の対応等について質問をしないというのも、大変疑問です。
私(当ブログ館主)は、この『会議録』が公開された翌日、情報公開請求をしました。

🔸『会議録』の記述に関して情報公開請求
私が情報公開請求した内容は、次のとおりです。

(1)上記のとおり,事務局は「令和6年5月16日現在,6件のいじめ重大事態について対応しております」と発言しています。この発言にあるいじめ重大事態6件のうち,「いじめ防止対策推進法」第28条に基づく「いじめ問題調査委員会」が設置されている(または設置される予定)の件数,あるいは被害者側(生徒本人・保護者等)が「第三者委員会」の調査を求めている件数が判別できる文書・資料等。
なお,学校名・個人名は除き,件数のみ判別できる文書・資料等で可

 当ブログでは、上尾市の「いじめ重大事態の問題」(No.288記事など)についてお伝えしてきました。「いじめ重大事態」が起こったことにより、上尾市では「第三者委員会=いじめ問題調査委員会」が設置されました(現在は「再調査委員会」が調査)。
したがって、「上尾市いじめ問題対策連絡協議会」に出席した委員は、「いじめ重大事態が6件ある」ことを知ったならば、「6件のいじめ重大事態のうち、いじめ問題調査委員会で何件調査しているのか」といった質問をするのが当然です。
つまり、この情報公開請求は、出席委員に代わって私が聞いていることになります。

(2)事務局は「令和6年5月16日現在,6件のいじめ重大事態について対応しております」と発言しています。しかしながら,請求人の知る限り,教育委員会(令和6年)5月定例会において,「いじめ件数」の報告はされたものの,「いじめ重大事態が6件となっている」との報告はされていません。そこで,「なぜ教育委員会5月定例会でいじめ重大事態の件数について報告がされていないのか」その理由が判別できる文書・資料等。

以前から、教育委員会定例会において、「いじめ件数」については報告されるものの、「いじめ重大事態」については、その状況はおろか、件数さえ報告されていません。
教育委員会6月定例会(私は体調悪く傍聴できませんでしたが)でも、同じような状況であったと考えられます。
6月定例会報告事項P9~P11)参照

(3)公表された上記『会議録』を読むと,委員の中には「いじめ防止対策推進法」や文科省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」はもとより,「上尾市いじめの防止のための基本的な方針」にさえ目を通していないと思われる発言も散見されます。そこで,「第1回上尾市いじめ問題対策連絡協議会」開催にあたって,事前に目を通すべき法令やガイドライン・上尾市の方針等を委員に教示している(すなわち,「この関係資料は事前に目を通したうえで協議会に臨んでもらいたい」と伝えている)ことが判別できる文書・資料等。

「いじめ問題対策連絡協議会」の委員の責務として、市教委の「いじめの防止の取り組みに向けて」の資料に目を通してから協議会に出席するのは当然だと私は考えています。
残念ながら、協議会委員の発言を見ると、資料等を読んだうえで出席したのか疑問が生じたため、情報公開請求をしました。

◎これら3件の情報公開請求についての結果は、教委事務局から近日中に伝えられると思われます。

🔸市内中学校で起きた「重大事態」は解決していません
2022(R4)年7月に「いじめ重大事態」とされた事案については、現在「いじめ問題再調査委員会」が再調査しています。
この「いじめ重大事態」について、被害者側から提出された『保護者からの所見』が公表されていますが、いまだに解決に至っていません。
中でも「関係職員の処分」については、進捗状況も含めて「闇の中」であると言えます。
私は昨年度、関係職員の処分についての進捗状況について情報公開請求しました。
その結果示されたのが次の資料です。

IMG_20240621_0001

このあと、処分がどうなっているのか、指導課に確認しても明確な答が返ってきません。

いじめ重大事態が起きたにもかかわらず、すぐに対応しなかった中学校の責任者(校長・教頭)については、すでに2年度が経過していることから、もしかしたら退職(あるいは県教委や他の自治体等に異動)してしまった可能性も考えられます。そうした場合には、退職前に遡って処分がおこなわれるのでしょうか。

引き続き、当ブログではこの問題については高い関心を寄せていきますが、上尾市や教育委員会による、真の意味での「被害者側に寄り添った対応」が求められています。

“上尾市内小・中学校の「いじめ重大事態は現在6件」という深刻な事態” への2件の返信

  1. 〇6件のいじめ重大事態への教育委員会の対応について

    学校・教育委員会がいじめ重大事態ガイドライン及びいじめ防止対策推進法に沿って対応しているかを確認するために、下記の公開請求をおこないました。
    *( )内は開示請求の根拠となるガイドライン・いじめ防止法該当箇所

    (1)調査主体を学校にするか教委にするかを判断した経緯がわかる文書
    (いじめ重大事態ガイドライン P6)
    (2)第三者による調査にするか、しないかを判断した経緯がわかる文書
    (いじめ重大事態ガイドライン P6)
    (3)出席停止を命ずる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講じたことがわかる文書
    (いじめ防止対策推進法26条)
    (4)直ちに所轄警察署に通報すべき事案であったかどうかを調査した文書
    (いじめ防止対策推進法23条6)
    (5)教育委員会会議において議題として取り扱い、 総合教育会議において議題として取り扱うことも検討したことがわかる文書
    (いじめ重大事態ガイドラインP12)
    (6)いじめの重大事態に関する調査結果を公表するか否かをどのように判断したか経緯がわかる文書
    (いじめ重大事態ガイドラインP13)

    開示請求の結果は全て不存在で、ガイドライン・いじめ防止推進法に沿った運用が
     なされていないことがわかりました。

    〇教育委員会の第三者委員会が調査不十分とされたことについて

    2022年7月に「いじめ重大事態」とされた事案について、教育委員会による第三者委員会調査が、調査不十分等され、市による再調査がおこなわることとなりました。
     
    このことについて、教育委員会がどのように考えているかを知るために、第三者委員会調査のどこに問題があったのかを教育委員会内で検証した文書を開示請求しました。

    開示請求の結果は予想通りの文書不存在で、第三者委員会調査の問題点を検証していないことがわかりました。

    なぜ、検証しないのかを担当の指導課の職員に質問したところ「教育委員会としては
    今でも第三者委員会調査に問題は無かったと考えている。ただ市長が再調査したいというのであれば、それはそれでやってくださいという感じなので検証はしない」との返答でした。

    あまりにも酷い返答だったので「検証をしなければ、将来教育委員会が再度第三者委員会を立ち上げたときに、また再調査になる可能性が高い」と指摘したところ、さすがに黙りましたが・・・

    1. 上尾市教委が、なぜ「いじめ重大事態」について、件数や進捗状況をひた隠しにする理由が、市民として全く分かりません。
      考えられるのは、「とにかく現場の校長を守る」という姿勢があるからでしょう。
      市教委事務局(とりわけ指導課)と市内の小中学校の校長との異常なまでも親和性は、人事異動があるからだと考えています。
      本当に市教委の「隠ぺい体質」は何とかしないとダメですね。

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