来年度から上尾市の小・中学校の夏休みが「延長」される見込みです

教育委員会10月定例会(10/24)を傍聴しました。
その中の「報告事項」で、来年度から市内の小・中学校の夏休みを延長する見込みであることが市教委事務局(指導課)から報告されました。
今記事では、以前「秘密裏に」夏休み短縮を強行した際の経緯も含め、上尾市教委の対応などについてお伝えします。

No.342

🔸現行の「上尾市立小・中学校管理規則」では
学校における現行の「休業日」等は、学校管理規則ではどう定められているのかを見ていきましょう。

「上尾市立小・中学校管理規則」より

このとおり、現行では上尾の小中学校の夏季休業日(夏休み)は、基本的には7月21日から8月24日までとなっています。
上尾市教育委員会のHPには、今年度の予定として次のように掲載されています。


土・日や休日が入る関係で、今年度の1学期終業式と2学期始業式は、上記のとおりとなっています。

🔸「教育委員会10月定例会」での報告は?
では、10月定例会ではどのような「報告」がされたのでしょうか。
配布資料には次のように記述されています。

つまり、来年度(令和7年度)から学校の夏休みを延長する、ということが「報告」されているのです。その理由は次のとおりです。

*学校では、標準授業時数を上回っており、さらに削減できる余地がある。
※このことについては、定例会で以下のような報告がありました。

(昨年度の授業時数の状況)小4~中3 標準授業時数=1015時間のところ
小4 → 1052時間   中1 → 1059時間
小5 → 1050時間   中2 → 1063時間
小6 → 1039時間   中3 → 1029時間
※いずれの学年も、標準授業数を上回っています。

 *気温の上昇により、猛暑日が増え、一層の注意と配慮が求められている。
こうした記述をする際には、せめて「埼玉県気候変動適応センター」が公表しているデータ「猛暑日等の推移」なども示すべきでしょう。でないと、「裏付け」が無い、ただの感想となってしまいます。

*学校における働き方改革にも配慮した対応を検討することが重要である。
これは当然なのですが、対応の時期が遅いのではないか、もっと早く「標準授業日数を超える必要は無い」旨各学校に周知すべきであったのではないでしょうか。

🔸延長期間は何日になるのか?
上記「報告」の最後に、「学校、児童生徒、保護者にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえて検討する予定」とあります。
延長日数は3日なのか、5日なのか、それとも以前のように8月末まで夏休みとなるのか、結果が示されるのは早くとも来月以降と思われますが、要注目です。

🔸「夏休み短縮」を決めた際の対応と比べると
上尾市の小中学校の夏休みは、2013(平成25)年度から変更され、短縮されました。
ですが、その決め方は、次に示す通り、大変問題が多いものでした。

*「教育課程検討委員会」を設置し、そこで決められた「夏休み短縮」について、年度末ギリギリまで㊙扱いとされたことから、各学校の一般の教職員には知らされず、決定済みの次年度の年間予定を変更するなど、大変混乱しました。
*中身を審議する教育委員会定例会が、非公開でおこなわれました。
※その時の会議録は、現在では、次のとおり公表されています。


(中略)※原本は「教育委員会定例会会議録(H25年1月)」を参照してください。

指導課長(当時)はこのように発言していますが、「夏休みの短縮について、ごく限られた者たちだけで非公開で決めた結果、学校現場は大混乱した」という事実は決して消すことはできません。
また、「学習時間が増すことにより、学力向上を図ることができる」については、その後、教育委員会として検証はしたのでしょうか? 「とって付けた理屈」としか聞こえません。

🔸これから注目すべき教育委員会の動きは?
今記事では、教育委員会10月定例会で「学校の夏休み延長」についての報告がされたことを中心にお伝えしました。
夏休みが延長されることについては、次のような疑問が生じます。

*今回は「教育課程検討委員会」は設置しないのか?
*学校、児童生徒、保護者への「アンケート結果」は?
*以上のことについて、すべて公開の会議で報告や審議がされるのか?
*12年間の夏休み短縮による「教育的効果」の検証は?

当ブログでは、これらの疑問について、情報公開請求も含め、教育委員会の動きを注目していきます。

【追記】
昨日投開票された衆議院選挙は、「落ちて当然」という候補者がいた一方で、不可解な結果もありました。できれば、当ブログでも、今回の選挙について考えていくつもりです(プラス面・マイナス面をすべて検証するのは難しいでしょうが)。