強制的「委嘱研究」の弊害 -上平小の実態から(1)- 

上平小では、明日(11/28)「英語」の教科化を先取りしての委嘱研究発表会が実施されるとのことです。今記事では、その弊害についてお伝えします。

記事No.42

■「委嘱研究」発表会のパターン
 現在、上尾市内小中学校33校は、例外なく市教委による「委嘱研究」を強制的に受けさせられています。
委嘱の内容は様々ですが、研究主題やサブテーマには「主体的に行動できる児童」や「豊かな心があふれる○○っ子の育成
〇〇には学校名が入ります)
」など、耳触りがよく、情緒的なキャッチフレーズが並びます
委嘱研究発表とは、「研究授業」の担当となった教員の授業を市教委の「指導主事」や他校の校長や教員が参観し、終了後は研究授業者を囲んでの研究協議&全体会での講評、というのが通例のパターンとなっています。準備段階で、発表校の先生方は全員が授業の「指導案」を市教委に提出し、checkを受けます。
このとき、小学校経験しか無い「指導主事」が中学校のベテランの先生の指導案を見るということも起きているのです。
発表前日には指導主事が学校に来て、掲示物や下足箱の来賓表示の位置を確認することもあります。つまり完全に「イベント化」しているのが実態です。

■「主催者」が最も気にすることとは
 主催者である発表校の校長や市教委の最大の心配事は「参観者が集まるかどうか」ということです。なぜなら、せっかく発表するのに、指導主事の人数よりも参観者が少なくては「盛り上がらない」からです。
市教委事務局委指導課が考えた方策は「各学校から強制的に人を集める」ことです。参観者は確保できるかもしれませんが、参加する側は大変です。いくら校長でも、年度内に11回も研究発表を見に行く暇は無いということで、近頃は同一日に2校発表となりましたが、もともと無理筋だったという証でもあります。

■「教員の働き方改革」に逆行する校長の態度
 上平小学校では、研究委嘱を受けるに際し『研究紀要』を作成しています。その冒頭、校長あいさつの中身を見て、ブログ筆者は非常に驚かされました。

(以下、H30・31年度上平小『研究紀要』から一部引用)
とりわけ、本市小学校においては、外国語活動の先行実 施に取り組むこととなり、本校でも、週時程・日課の編成に創意工夫を重ねながら、3・ 4年生においては週1時間、5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり 抜いてまいりましたこの実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使 命感と授業力の向上に繋がったものと考えております」

 つまり、上平小の校長(石塚昌夫氏)は、教員の長時間勤務を少しでも解消していくことよりも、自分が市教委から受けた委嘱研究を重視し、「業務の負担軽減には逆行」することを自ら認めているのです。
「とにかく四の五の言わず働け。そうすれば教員の使命感につながるから(=校長の思い込みの強要)」というわけです。まさにブラックの働き方であり、こんな横暴な校長の態度が許されるものではありません。しかも、『研究紀要』を受け取った市教委も、校長に対して何も言わないのは同罪と言わざるを得ません。
さらに、先生方に無理を言って「外国語活動の授業をやり 抜いてまいりました」という石塚校長の弁の結果は数字にも表われています。

■文科省の基準を大幅に超えている年間授業数
下の表は、上平小の昨年度の年間授業時数です。

    1学期   2学期   3学期     年間

計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 年間計画
時数
年間実施
時数
文科省の基準 超過授業時数
1年 275 317 350 369 225 238 850 924 850 +74
2年 312 338 364 380 234 256 910 974 910 +64
3年 335 355 392 403 253 274 980 1032 945 +87
4年 347 369 405 415 263 282 1015 1066 980 +86
5年 347 369 411 415 257 270 1015 1054 980 +74
6年 345 358 409 415 261 271 1015 1044 980 +64

 このデータを見れば、各学年とも明らかに文部科学省の定めた年間授業数を大幅に上回っています
授業時数が多いということは、取りも直さず先生方の負担が増え、授業をこなすのに精一杯で、余裕が無くなるということなのです。結局はひとりひとりの子どもたちに向き合う時間も削られることになります。
一方、学力はどうかと言えば、向上しているという成果は実証的データとして公開されていません。
委嘱研究は、結局先生方の余裕を奪うことに繋がるのです。
校長も市教委事務局も、執拗に「授業数確保を」と言いますが、大幅に超えた授業数に関して言及することはありません。

■研究委嘱は希望制にすべき
 強制的な委嘱研究(特に小学校の英語)は、以上の観点以外にも弊害が認められます。それらのことについては、別の機会にお伝えしたいと思います。

今、上尾市教育委員会として真剣に考えるべきことは「強制的な委嘱研究がもたらしている弊害は何か」を
検証し、学校側からの希望制に変えること
また、委嘱研究発表の際に来校する「指導主事」に対する学校現場側からの評価のシステムを構築すること、すなわち、本当に現場の先生方の授業を「指導」する力のある指導主事が来校しているのかどうかを見極めることではないでしょうか。

 

「指導主事削減」を選挙公約に掲げている候補者が一人だけいました。

 明日は上尾市議選の告示日です。このブログ「上尾オンブズマンの館」で主張してきた「上尾市教委の指導主事の削減」を公約に掲げている候補がいました。

記事No.41

■教員の長時間勤務を解消していくためには
 今や国民的な課題ともいえる「教員の長時間勤務」の問題。上尾市教委事務局によるこの問題へのとりくみは、残念ながらいずれも「対処療法」と言わざるを得ません。なお、
ここでわざわざ「事務局」と言っているのは、「教育委員会=すなわち教育長と教育委員の合議体」から具体的施策提言がされることはなく、事務局案についてほんの少しの質問をするだけで追認しているからです。

 教員の長時間勤務を解消していく最も効果的な方法は、市教委事務局の学校への関与を極力減らしていくことです。具体的には、現在おこなわれている強制的な研究委嘱を、学校の希望制へと変えることです
 そのためには、市教委事務局指導課に11名いる指導主事を5名程度に減らすことです。同時に、学務課の指導主事(課長を含む)3名・学校保健課の指導主事1名(いずれも教員出身)を一般行政職員で充当することも必要です。
 そして、ここが重要ですが、市教委事務局からの関与が薄まれば、学校現場は全く困らないだけでなく、今までよりもずっと余裕が生まれるのは確実です。

■「指導主事」削減を掲げる意味
 今までも上尾市議会で教員の長時間勤務の問題に関連して、研究委嘱発表の行き過ぎを指摘した質問は確かにありました。ただ、そうした質問は、研究指定そのものが強制的に行われていることに対して、希望制にすべきだという主張ではありませんでした

 ブログ筆者は、現在指導課にいる指導主事は、学校に対する「不必要な権威の序列性」を見せつけるために置かれていると考えています。前記事「学校での隠れたカリキュラム(こちら)」でも書きましたが、子どもたちは「今日は先生がペコペコしているな」と感じ、そこで不必要な権威の序列性が刷り込まれることにもつながると考えられます。それは決して担任教師にも子どもにとっても良いことではありません。
しかも、中学校のベテランの先生に対して小学校勤務の経験しか無い指導主事が「指導」できるものではありません。

■「指導主事削減」を公約にしている候補に期待
 宮入勇二候補の法定ビラ(こちら)では、教育政策で「指導主事削減と先生の働き方改革」とあります。
もちろん、他にも大切な公約が掲げられていますが、 
今まで、はっきりと「指導主事削減」を公約に入れた候補者はいなかったのではないでしょうか。
宮入候補が当選した後、本会議で教育施策についての本質的な質問がされることを期待するものです。

■ブログ発信の意味
 このブログは、もともと「上尾市教育委員会の不都合な真実」を市民のみなさんにお伝えし、共有することによって、市民的アクションが起き、そのことで現在の上尾市教委が少しでも改善の方向に向くのではないかということで始めたものです。
 宮入候補が当選すれば、さらに市民と上尾市の教育行政や市政との距離が近くなると確信しています。

 

上尾市教育委員会の不都合な真実 ーいじめ調査委員の選出経緯の闇ー 

 2014(H26)年の9月から「上尾市いじめ問題調査委員会」が設置されました。その委員の選出経緯等について調べていくと、またもや上尾市教育委員会の不都合な真実が浮かび上がってきました。

記事No.40

■いじめ問題調査委員会設置の経緯と委員の役割
 上尾市いじめ問題調査委員会は、もともと2013年に国が「いじめ防止対策推進法」を定めたことを受けて上尾市でも設置されたものです。
調査委員(定員5名)の活動内容は、委員推薦の依頼状によれば次のように説明されています。

 重大事態に該当するいじめが発生し、各上尾市立小・中学校での調査が困難な場合に、当該重大事態について他4名の委員とともに調査をおこなう。

 ただし、結論から言えば、上尾市いじめ問題調査委員会が発足してから丸5年間、実際に委員が「重大事態」を調査したということは、一度もありません。

■委員の中には不可解な人選も
調査委員の任期は2年。2014(H26)の発足時から、2016(H28)・2018(H30)と2年毎に発令されていますが、メンバーはほぼ変わりません。

以下、委員会発足時の調査委員名
○大澤一司氏(アーク法律事務所 弁護士)=「弁護士」枠
○平山優美氏(県立小児医療センター 精神科医=「医師」枠
○相川章子氏(聖学院大学人間福祉部 教授)
=「心理、福祉に関し専門的知識を有する者」枠

○井川    隆氏(元 上尾市立上尾中学校長)=「識見を有する者」枠
○和氣昭祐氏(上尾市人権擁護委員会 委員)
=「その他教育委員会が必要と認める者」枠

 前記の人選については、情報開示の結果、5名の内4名の方は、それぞれ所属されている機関等に推薦依頼を出し、推薦された人物を委員として委嘱しています。たとえば「弁護士」枠であれば、「埼玉弁護士会 会長」宛に推薦依頼を出し、大澤一司氏が推薦されています。
 ただし、ひとりだけ例外がいて、それは「識見を有する者」枠で委員に委嘱された井川 隆氏です。
井川氏については、元 上尾市立上尾中学校長という「役職」になっていますが、校長会(or退職校長会)に推薦依頼は出していないそうです。情報公開開示の担当者(市教委事務局指導課職員)も、どうして井川氏が委員になったのかは不明であると言っています。

 井川氏を除く4名の方は、現在も調査委員として継続しています。井川氏は、2016(H28)年も調査委員となっていますが、その際の「役職」は、「国際学院中学・高等学校 副校長」に変わっています。この時も推薦依頼の文書はありません
2018(H30)年に井川氏の後を継いだのは、柿崎登氏で、「役職」は、井川氏と同じ「国際学院中学・高等学校 副校長」となっています。同様に推薦依頼の文書は無く、不可解な人選と言うほかはありません。
まさに「上尾市教育委員会の不都合な真実」です。

■わずか1時間ほどの会合で15,000円の報酬
この調査委員5名には、年度1回の会合とはいえ、報酬が支払われています。上尾市の「支出命令票」が開示されましたが、それによれば、各報酬支払額は、
委員長の大澤氏には 16,000円、他の4名(出席者)は 15,000円ずつとなっています。
担当の指導課職員に尋ねたところ、会合に要した時間は(正確ではないが)およそ1時間位であろうということですので、委員さんたちは、時給 15,000円ということになります。

■市教委は調査委員の人選について再考を
 5年前に設置されて以来、一度も活動の実績が無いいじめ問題調査委員会。上述のとおり「重大事態に該当するいじめが発生」しない限り、実際の活動をすることはありません。では、「重大事態」とは何か。
「いじめ防止対策推進法」では、次のように定義しています。
◇いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重 大な被害が生じた疑いがあると認めるとき

 もちろん、こうした事態は無いほうがよいですが、以上述べてきたとおり、少なくとも調査委員の不可解な人選を再考し、透明性を確保することが、上尾市教育委員会に求められているのではないでしょうか。

市教委は子どもを守る観点での迅速な防犯情報を

 上尾市教委HPのトップページには、「防犯情報」の見出しがあります。今月になって、それまでの具体的な不審者情報等が表示されなくなりました。それはなぜなのか、今記事では、その経緯を検証します。

記事No.39

■情報公開請求したら消された「防犯情報」
 ある市民の方から、このブログの「お問い合わせ」経由で「上尾市教委HPの防犯情報が、丸5年以上更新されていないが、何か理由があるのだろうか」との指摘を受けました。市教委のHPを見てみると、最新の配信日が2014(平成26)年9月9日になっています。
そこで、館の住人(このブログの筆者)は、
どのような防犯情報が市教委HPに掲載されるのか
5年以上も更新されていない理由
学校から保護者への防犯情報の流し方
それぞれについて判別できる文書・資料等の開示を求めて、
情報公開請求をおこないました。

 ところが、情報公開請求をした数日後、市教委HPから「5年前の防犯情報」が消えてしまいました。

 後日判明したことですが、「5年前の防犯情報」を消したのは、市教委事務局指導課でした。ただ、以下の手順で、消された内容は見ることが可能です。

■HPの内容の復元と、防犯情報が消された理由
HPの内容を復元するには、まず、
国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」を検索します。
出てきたキーワードの枠に「上尾市教育委員会 防犯情報」と入力することで過去の画面を調べることができます(他の全てのデジタル・アーカイブが調べられるわけではないようですが)。それがこちら
「保存日」を選べば、それぞれの時点での記載内容がわかるようになっています。
ちなみにこの調べ方は、上尾中学校の根拠ないHPの文言<地域No.1校 上尾中の取組>が書かれたのはいつかという前記事(こちら)で、harukaさんから教えていただいた方法です。

 では、なぜ市教委のHPから防犯情報の内容が消えたのでしょうか? 公開請求の「処分」の際に、市教委事務局指導課の職員と面談し、事情を聞いたところ、「防犯情報の更新がされていないということを忘れていました」ということでした。つまり、「5年前から
市教委HPの防犯情報を見ていない」というのです。
これは、にわかには信じがたい話ですが、事実です。

■では、現在はどうなっているのでしょうか。
防犯情報の内容が消された今は、「上尾市 安心・安全メールへの登録はこちらから」とあり、教育委員会以外の機関(交通防犯課など)と合わせて、メールマガジンの配信を登録する案内が示されています。

保護者にとって重要なのは、リアルタイムで送られる防犯情報です。この点に関して、情報公開請求の過程で判明したのは、次のようなことでした。

防犯にかかる事案が発生

警察から「市教委学校保健課」にFAXが届く

学校保健課から「各学校」にFAXが送信される

各学校の判断」で保護者に流す(メール配信等)

FAXを使う理由は、「校長(教頭)宛のメールだと、必ず伝わるとは限らない」からだそうです。
ここで問題なのは、「各学校の判断」というところです。場合によっては、学校保健課から流れてきた内容が薄められて伝えられることもあるからです。
たとえば、東の端にある学校が、西の端で起きた防犯情報をあまり重要視せずに、文言を省略して流すということも考えられます。
しかしながら、西の端で起きた不審者の事案でも、移動手段は様々あるわけですから、防犯情報は略されることなく伝えられなければなりません。
あるいは、近隣の地域でも学校によって保護者に流す内容が異なるということもあり得ますが、各学校の「さじ加減」で防犯情報の内容が異なるということはあってはならないことです。

■現在の方法を見直し、防犯情報の改善を望みます。
 保護者や市民にとっては、「防犯情報を市教委や役所のどの課が担当するのか」ということより、「正確な情報を迅速に流してもらいたい」ということのほうが大切です。そのためには、現在のようなやり方をできるだけ早く見直し「一斉に、同じ内容で、迅速に」防犯情報を伝えてほしいものです。

日々の所感 -こんな今だからこそ読んでみたい小説-

 今記事では、明後日(11/10) に東京都内で予定されている、天皇の交代を喧伝するパレードを念頭に置いて読んでみたい小説(柳美里『JR上野駅公園口』)について書いていきます

記事No.38

■小説のあらすじ
 柳美里(ゆう・みり)の小説『JR上野駅公園口』に登場する主人公は、1933(昭和8)年生まれ、福島県相馬郡八沢村出身です(1933年とは、前天皇の〈明仁〉と同じ年の生まれである点に要注目)。
 12歳で終戦を経験し、国民学校卒業後いわき小名浜漁港で住み込みでのホッキ貝採り、北海道浜中での昆布の刈り取り労働などの後、1963(昭和38)年には、東京に出稼ぎに来ています。仕事は翌年の東京オリンピックで使用する体育施設の土木工事でした。
 男には弟妹が7人います。妻の節子との間には浩一と洋子の二人の子がいますが、家族はとにかく貧しい生活を送ってきました。息子の
名前である浩一の「浩」の字は、同じ日に生まれた「浩宮」から一字取ったものです(浩一の生年月日は1960年2月23日、つまり現天皇〈徳仁〉と同じ日の生まれというのがふたつ目の注目点です)。
 この小説は、極貧の生活の中で郷里の家族を養うために出稼ぎを繰り返してきた、ひとりの男の人生を描いています。男にとって、突然訪れた一人息子である浩一の死は到底受け入れられないものであり、続いて妻をも亡くしたことから、生きる意味を失っていきます。
 男はその後上野「恩賜」公園でホームレスとなり、そこで天皇家の人々が博物館や美術展に来る際などに≪山狩り≫と称するホームレス排除を目の当たりにします。そして最期は山手線内回りの電車に飛び込んでの自死、ラストは、孫娘までが東日本大震災の犠牲になる様子が描かれています。小説の最初から最後まで、絶望的な貧困と、生まれながらの環境による〈不条理〉が描かれている作品です。

■上野公園での「山狩り」
 美術館や博物館などが多いこともあり、天皇家は頻繁に上野公園付近を訪れています。この小説の中では次のように書かれています。

 「天皇家の方々が博物館や美術館を観覧する前に行われる特別清掃「山狩り」の度に、テントを畳まされ、公園の外へ追い出され、日が暮れて元の場所へ戻ると「芝生養生中につき入らないでください」という看板が立てられ、コヤを建てられる場所は狭められていった」

 作者の柳美里は、小説の中で、声高に天皇制に対して異を唱えているわけではなく、地道な取材に基づいた事実を淡々と描いています。この作品の「あとがき」で柳美里は次のように述べています。

「2006年に、ホームレスの方々の間で「山狩り」と呼ばれる、行幸啓(注:天皇の外出)直前に行われる「特別清掃」取材を行いました。「山狩り」実施の日時の告知は、ホームレスの方々のブルーシートの「コヤ」に直接貼り紙を貼るという方法のみで、早くても実施一週間前、二日前の時もあるということです」

 このことに関連して、「台東区が路上生活者の避難所利用を拒否」という出来事がありました(概要はこちら)。「明らかな格差で、命に差別をつけている」ということから批判を浴びました。
そして、報道されることはないものの、上述の「山狩り」はいまだに継続されているだろうことは、容易に推測できます。

[追記]NHK NEWS WEB(2019.11.11)より

「上皇ご夫妻は、上皇后さまが皇居で育てられた蚕の繭を使って復元した正倉院事務所所蔵の弦楽器などを紹介する特別展をご覧になりました。特別展「正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー」は、天皇陛下の即位を記念してNHKなどが開いたもので、上皇ご夫妻は、午後4時半前、東京 上野の東京国立博物館に到着されました

 前天皇夫妻が11/11(当日は東博休館日)に東博に行ったことにより、小説の中で描かれているホームレスの人たちを排除する「山狩り」がおこなわれたことは、ほぼ間違いないでしょう。

■天皇交代パレードの陰で
 おそらく、11/10の夜のニュースでは、パレードの様子と、誰が配っているかもわからない(推測はつきますが)日の丸の小旗を振りながら”感激”した観衆の声を流すことでしょう(館の住人=このブログ筆者は、そのような報道は見ないようにしていますが)。
 国民の受け止め方は様々なので、めでたいことであると考える人もいるでしょうが、ブログ筆者にとって、「天皇の交代を祝わなければならない」という空気は、何かとても居心地が悪いように思えます。
華やかなパレードの一方で、路上生活者の生存権が脅かされていることも、忘れてはならないと思います。

■天皇を意識したと思われる、行事などでの「礼」
パレードほどあからさまではありませんが、様々な場面で、天皇を意識したとしか思えない振る舞いが目につきます。例えば、学校行事(入学式や卒業式など)で、ステージの後ろには日の丸が掲げられています。あいさつのために登壇した校長は、まず、そちらに向かって一礼します。明らかに日の丸に「礼」をしているわけです。
「何に向かって頭を下げているだろう?」と思う間もなく、式は「厳粛に」進んでいくので、参列者は疑問を抱く暇もありません。
こうした「儀式的行事」で、参列者が「おかしいのでは?」と声をあげることは、ほとんど無理な空気が支配するのです。

 小説『JR上野公園駅口』は、ホームレスの人たちを排除する事実や、天皇に対する祝意を半ば強制する雰囲気の危うさを、柳美里の淡々とした語り口で私たちに突きつけている小説ではないかと思います。天皇の交代を機に様々な行事が「これでもか」と組まれている今だからこそ、読む価値のある作品です。

これから市議を目指す方に実現してもらいたい、上尾に必要な教育政策

 上尾の池野教育長は、自らは休暇届を出さずに公的予定表には「お休み」などと記入させる一方、学校の教職員には「厳正な服務規律を」などと厳しい通知文を何度も発出し、かと思えば政治的中立が強く求められている立場にもかかわらず「市議会特定会派(旧新政クラブ)との夜の懇親会」に出るなど、「本当に教育長のすることなの?」との疑念が生じていました。
直近では、9月の教育委員会定例会で、なんと、自分の行状について指摘されている議案にもかかわらず、厚顔無恥にも自ら司会進行し、教育委員もそれについて何も言わないという事実が会議録で露見しました。
(これについては、地教行法(※)14条第6項に抵触している可能性が大であると指摘されています)
  (※)地教行法=「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」

 館の住人(このブログの筆者)による住民監査請求の結果、「休む時は休暇届等を提出する」など、当たり前のことが少しだけ改善されるようになりました。そんな態度の池野氏に何も言わず、質問すらしなかったのは、教育委員のお歴々ばかりではありません。
市議会で質問ひとつせずに
<全員一致>で再任を認めた今の議員のみなさん方には失望を禁じ得ません。

 次に市議になる方には、「上尾の教育行政のどこがいけないと言われるのか」をじっくりと検証したうえで「現状を変えるために必要なことは何か」を提案していっていただきたいと思います。

記事No.37

■余裕ある学校現場にするために
 「教員はとにかく忙しすぎるので、何とかならないか」という意見や、「先生方が今よりももっと子どもたちと向き合う時間が必要」という意見は、今や市民はもとより、国民的課題とも言えます。
ただし、その対策はと言えば、残念ながら上尾では「その場しのぎ」(実効性のほとんど無いお盆のときの学校閉庁や、市内で2名だけのスクールサポートスタッフの配置などというのが実態であり、とても根本的な解決策になっているとは言えません

市内の学校の先生方が忙しい原因は、大きく言って次の二つです。

①上尾市教委からの不必要な指示や提出書類が多すぎること。「委嘱研究発表会」とその準備等が典型。

②文科省で定められた標準授業数を大幅に超えての授業数。学力向上の効果無し。成績は横ばい状態。 

<余裕ある学校とするための具体的な施策とは?>

■現在、3年サイクルで市内の各学校に有無を言わせずに実施されている「市教委による委嘱研究発表会を任意の希望制にあらためる」ことです。それには、上尾市教委事務局指導課に現在11名置かれている「指導主事」を6名に減らすことです(減った人員は、制度上自動的に学校に配置されます)。

市教委による「委嘱研究発表」が<希望制>になっても、学校現場は全く困りません。むしろ、学校現場では市教委からのプレッシャーが無くなり、余裕が生まれることは確実です。このことは、残念ながら、現市議の方々からは、一度も提案されていません。

■現在大幅超過状態にある年間授業時数を、文科省が定めた年間授業数まで適正化します(現状は、校長はやたらと「年間授業数」という〈数字〉ばかり気にします)。適正化により、先生方に真の意味で余裕が生まれ、子どもたちと向き合う時間を増やすことができます。なお、「学力」が下がる心配はありません。むしろ今よりも余裕を持って授業の準備に時間を使えるので、「学力」の向上が期待できます。


■市民活動家による教育政策への補足

  今の現職議員たちに期待できないとしたら、市議会には市政や教育行政に対する監視の目が必要です。その代表でもある、図書館問題や住民監査請求で知られる市民活動家の宮入さんの政策(こちら)を補足するとしたら、次のようなことが考えられます。

学校選択の自由について
 すぐ目の前に学校(他市)があるのに、徒歩30分以上かけて上尾市内の学校に通わなければならない地域があります。これは児童・生徒にとって大きな負担です。学区の選択制など、柔軟な対応をするため「上尾市立小・中学校通学区域検討協議会」での緊急の課題とし、市境撤廃を視野に入れた論議の場を設定する必要があります。

■小中一貫校について
従来の市議会等の答弁や見解をよく検証する必要があります。

○2018(H30)年3月 保坂教育総務部長の答弁から
「今後、学校施設更新計画を策定していく中で、魅力ある学校づくりや学校規模の適正化という観点からも検討してまいります」

◎この答弁にある「検討」がどの程度進んでいるのか市教委に確かめることが必要です。柔軟な通学区の実現のためには、まず、小中一貫校のメリット・デメリットの検証をする検討会議の設置が必要です。

■置き勉問題
 これについても、市議会答弁などをよく検証する必要があります。

○2018(H30)年9月 今泉学校教育部長の答弁から
「児童生徒の荷物が登下校の負担となっている場合があることは認識しておりますので、対策について検討してまいります」

◎「その後どう検討し、どう具体化していくのか」を市教委に確認していくことが重要です。児童・生徒の物理的な負担を軽くするために、各教室に鍵付きロッカーを設置するのは、すぐにでも可能です。

 

■<教育機関>としての図書館行政の見直し
 宮入さんの図書館行政の政策は「築39年の図書館本館は、椅子の買い替えやテーブルの配置替えなど、インテリアの変更で滞在空間を広げます。それほど予算をかけずに、高齢者の居場所づくりや、学習をサポートするための機能を充実させます」という内容です。

 図書館行政についての政策は、ブログ筆者は、次のように補足提案したいと思います。

残念ながら、上尾には図書館法による専門的職員としての「司書」&「司書補」が置かれていません(前記事上尾の図書館をもっと充実させるには、法律で定められた専門職員を置き、専門的見地から市民のための〈図書館奉仕〉に取りくむことが重要です。
また、文科省の告示で示されているとおり、専門性を高めるためにも、図書館長には〈司書有資格者〉を配置する必要があります

■カウンター業務担当者については、現行の上尾都市開発(株)への業務委託から、上尾市の直接雇用に改めます(担当者のシフト業務の円滑化のためです)。

■現在、週に1~2回程度の頻度で各小・中学校に配置されている、非正規の「図書館支援員」を、市費負担の正規職員とさせます(岡山市の実践に学ぶことが有効です)。

■『上尾市図書館要覧』から、理由も無く昨年度から突然削除されてしまった「上尾市図書館の基本理念」と「図書館の自由に関する宣言」を復活させます


■「教育長」・「教育委員」選任についての見直し
■以前の記事にも書きましたが、池野和己氏は、逮捕前の島村前市長が指名し、教育長に就任しています。
その経緯について情報公開請求しても、文書不存在として扱われます。就任後は今記事の冒頭にあるような服務関係のデタラメさなどが目立つ人物であり、住民監査の対象となった岩手への「出張」には数々の疑念があります。
ブログ筆者は「9月の教育委員会議案が非公開とされた件で教育長に直接お伺いしたいので、電話を取り次いでほしい」と伝えたところ、市教委事務局(教育総務課)の拒絶にあいました。池野氏は、市民と直接話をするのは拒否しているようです。
教育長として市民から直接話を聞く機会が無いとすると、結局は市教委事務局からの「忖度話」か、あるいは抑制的なことは何も言わない教育委員との話ばかり聞くことになってしまうのではないでしょうか。
教育長には、市民と対話する機会を設けることが絶対に必要です。

■教育委員についてですが、例月の教育委員会定例会の会議録を見てもおわかりのように、会議の中で本質的で活発な議論がされているとは、全く言えません。
また、法定の「点検評価報告書」では「識者の意見」を求めることになっていますが、その「識者」に前の教育委員であった吉田るみ子氏は絶対に充てるべきではありません。教育委員のみなさんは、これが「身内の、身内による、身内のための点検評価報告」になっているのがわからないのでしょうか?
教育委員の資質が問われますが、「教育委員となった経緯が判別できる文書等」の情報公開を求めても、「文書不存在」の処分がされます。
教育委員に就任または再任の際は「教育委員として上尾の教育行政にどうかかわっていくのか」という論文を書いてもらい、市民に公表すべきです。

 とりあえず以上ですが、今後の市議会においては、新しい議員となった方から、以上述べたような観点に立った質問や提言がされることを期待しています。