上尾市教委による「委嘱研究」の闇/上平小の実態から(2)

前記事では、市教委による委嘱研究の弊害について、上平小の実態を示してお伝えしました。情報公開請求等で調べれば調べるほど、上平小の石塚校長の発言のいい加減さがますます浮き彫りになってきました。

記事No.43

 市教委による強制的な「委嘱研究」を受けた上平小は、『研究紀要』を作成しています。その冒頭の校長あいさつ(こちら)の中身に問題点があることは前記事でもお伝えしましたが、今記事では前回指摘できなかった内容について、さらに触れていきます。

■校長の言い分と異なる現実
 『研究紀要』冒頭で、石塚校長は「もとより教員には職責を果たすために、研究と修養に励むことが求められています」と述べています。この「研究と修養」(「研修」と言う場合が多い)は、教育公務員特例法(教特法21条)にその根拠を求めることができます
また、教員の職務の専門性に着目して、同22条では「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる
と定められています。
石塚校長が英語の早期教育について、先生方に対して「研究と修養=研修」に励むよう求めるのならば、英語の教科化について、推進・批判的双方の研究会等に積極的に出かけるよう保障すべきなのです。
あるいは、小学生の英語早期教育に対する批判的な文献(例:鳥飼玖美子『英語教育の危機』、永井忠孝『英語の害毒』など多数)を、国立国会図書館や大学図書館に調べに行くなども考えられます。旅費が無くて出張に出来ないのであれば、まさにこの教特法22条を根拠に、研修できるはずです。英語早期教育に批判的な考えも含めて研究しなければ、子どもたちへの英語教育は、非常に偏ったものになってしまいます

ところが、教特法22条に係る上平小関係の書類の開示を求めたところ「文書不存在」という処分でした。つまり、石塚校長は、『研究紀要』ではあれこれ言うものの、実際のところは、先生方に対して教特法22条による研修を保障してはいないのです。

※館の住人(このブログの筆者)は、現在おこなわれている市教委による強制的な委嘱研究発表は、以上のようなことだけでなく、弊害が多いと考えていますので、次回以降も、情報公開請求に基づいた事実をお伝えしていく予定です。

 もし、市教委による委嘱研究の弊害や関連する情報をお持ちの方は、このブログの「お問い合わせ」経由でご連絡ください。内部告発的な情報提供についての秘密は必ず守ります。また、委嘱研究を推進する立場の方(上平小の石塚校長を含め)からのご意見もお寄せください。お待ちしています。