どうにかして市民提出の『請願』から逃れようとする教育委員会って??

当ブログで再三お伝えしてきましたが、市民から提出された『請願』を上尾市教育委員会が無視し続けているという問題。
私(当ブログ館主)はもうひとりの市民の方とともに、市政相談員に『苦情申し立て』をおこないました(詳しくはNo.358記事をごらんください)。
その結果、市政相談員が教育委員会に対して調査をしたことがわかりました。
今記事では、この問題についてお伝えします。

No.363

🔸教育委員会(事務局)の市政相談員への説明とは?
「市政相談員への説明(弁明)の際に使用した資料」を求めて情報公開請求した結果、教育総務課が作成した説明資料が開示されました。
パワーポイントで14ページにわたる資料ですが、中身の多くは文科省HPの引用となっています。ですので、ここでは上尾市教育委員会の「オリジナル」と思える資料について見ていきます。

(教育委員会での審議内容の決定)

教育委員会事務局(担当は教育総務課)が作成したこの資料では「教育委員も議案及び動議を提出することができる」と説明していますが、少なくとも過去20年以上にわたり、教育委員が議案や動議を提出したことは、ただの一度もありません
市政相談員には「やればできるのに、実は一度もやっていません」と説明すべきです。

(教育委員会に提出された請願の対応について)

市民(国民)に請願権があることは認めながら、教育委員会宛てに請願が出された場合の対応について、上尾市教育委員会は規程などを定めていません。
教育委員会への請願についての規則や規程を設けている自治体は多く、たとえばさいたま市では、「さいたま市教育委員会請願等処理規程」を定めています。
つまり、上尾市では、市民が教育委員会に請願を提出することを想定していなということが明らかになりました。
次は、他の自治体も含めた『請願』への対応です。

(近隣市町の教育委員会に提出された請願の対応)


この資料で、以前は上尾市も一度請願の審査をしたことがわかります。
また、新座市・鴻巣市・桶川市は教育委員会への請願が提出された際の規程があります。
資料では「近隣市町」とされていますが、さいたま市の規程の説明がありません。

(市民が提出した請願の取り扱いについて)

資料に「?」をつけましたが、ここでも「教育委員は議案(つまり請願の審査のこと)を提出することができる」とだけの説明になっています。定例会での議案は、すべて事務局からの提案であるにもかかわらず、です。
正直、「よくそういうことが言えますね」と思わずにはいられません。

(教育長・教育委員と市民が直接対話する機会について)


( )内の記述に要注目です。
まず、「(教育委員が)市民と直接対話する機会としては、市PTA連合会懇談会のみ」と説明されています。そのような機会があったとしても、市P連側から出席するのは、市教委と極めて親和性の高い役員であろうことは、容易に想像がつきます。市民が『請願』で言及している「教育懇談会」とは、テーマや参加者が異なります。
当ブログでは、「市P連との懇談会」でどのような話がされているのか、情報公開請求していきます。

さらに、「教育委員の選任の際に、法令で定める要件の他に、居住地区に偏りがないように配慮もしている」との説明ですが、まず「法令で定める要件」を見てみましょう。
(読みやすいように省略・加筆してあります)

「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第4条第5項
市長は、教育委員の任命に当たつては、教育委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、教育委員のうちに保護者(親権を行う者及び未成年後見人をいう)である者が含まれるようにしなければならない。

元の法律はこのとおりですが、一度でも教育委員会定例会の傍聴をした市民の方ならお気づきだと思いますが、少なくとも教育委員の「年齢」は偏りが見られます(男性3名の年代はほぼ同じだと思われます)。性別については、5名中2名が女性なので、やっと4割になりました。
なお、杉並区は上尾市の3倍近い人口ですが、教育委員は4名で、内3名は女性です。
教育委員の居住地区については、市民が検証するのは困難です(情報公開請求しても、個人情報を盾に非公開とされるのではないでしょうか)。

🔸どうしても市民からの『請願』から逃げたい市教委
『苦情申し立て』のポイントは次の2点でした。

①昨年6月に提出の『請願』について、9か月間審査がされていないことは市民として耐え難い思いです。教育長・教育委員の判断で審査を望みます。
②せめて、「なぜ教育委員会定例会・臨時会で『請願』を審査しないのか」について教育長および教育委員から理由を教えていただきたい。

教育委員会事務局の説明資料でも、この2点とも市民の願いは無視されています。
『請願』の審査はまったくされていませんし、そのことについて教育長も教育委員も口を開こうとしません。

上の資料の中で唯一『請願』(2019年度使用中学校道徳教科書の採択に係る請願)が審査された例を見てみましょう。
平成30(2018)年7月定例会では、「最初から『請願』を否決する気十分」であったことは『会議録』からも伝わってきます。ただし、この『請願』は、教育委員が提出したものではなく、指導課が議案として提出したものです。


細野宏道・教育長職務代理者(当時)のみが「私は、この請願については不採択とすべきだと考えます」と発言した以外は、教育委員からの発言はありませんでした。しかも、極めて珍しいことですが、池野和己教育長(当時)が「賛成の方は挙手願います」と聞いています。結局賛成者無しで、この『請願』は否決されました。

今記事でお伝えしたことを考えれば、私ともう一人の市民の方が昨年6月に提出した仮称「教育懇談会」開催に関する請願については、教育委員の方たちが審査したら「否決する理由が無い」ので、審査をしないと考えざるを得ないのです。
残念ながら、これが今の上尾市教育委員会の実態ですが、当ブログでは、教育行政が抱える問題などを引き続き深掘りしていきます。

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