上尾市の幻の企画《市民判定人による事業レビューの実施》の復活を
上尾市役所内部で実施されている「政策企画提案制度」をご存知でしょうか。
2018(H30)年度から始まったようですが、各年度にどのような企画が提案されているのかは、残念ながら一部分しかわかりません。
当ブログでは、市役所内部でのPT(Project Team)により幾つかの案が提出・検討され、「政策企画提案制度」により実現されていることに注目しました。
中には、案が示されたものの、政策企画提案まではたどり着かなかった企画で、市民からしたら「もったいない」企画もあります。
今記事では、その「幻の企画」とも言うべき案を見ていきます。
No.393
🔸PTによる政策提案とは
市のHPに、「プロジェクトチームによる政策提案」が掲載されています。
2023年9月に、市役所内で2つのプロジェクトチーム(以下、今記事ではPTと略します)が作られ、それぞれが次のような政策提案をしたというものです。
※太字の企画はR5年度の政策提案にエントリーされ、採択されたものです。
| 【Aチーム】 |
| 1 上尾市LINE公式アカウントを活用し、LINE上で各種行政手続きを行えるようにする事業 |
| 2 保育所おむつのサブスクリプションのサポート事業 |
| 3 市内学童保育所への学校が夏休みなど長期休み期間中のお弁当配送サービス事業 |
Aチームプレゼン資料 [PDFファイル/5.27MB]
↑ 上の青字クリックで、Aチームの企画資料を見ることができます。
| 【Bチーム】 |
| 1 市民判定人による事業レビューの実施 |
| 2 市内公立保育所における英語教育の導入 |
| 3 市内公立小学校放課後学習支援事業の導入 |
Bチームプレゼン資料 [PDFファイル/5.47MB]
↑ 上の青字クリックで、Bチームの企画資料を見ることができます。
🔸PTによる提案の企画は3つとも「採択」
上の6つの企画の内、太字で示した3つの企画は、R5年度の「政策企画提案制度」にエントリーされ、3つとも採択されました。その状況を見てみましょう。
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エントリーした企画は全部で17件の応募があり、内13件が採択されています。
PTによる企画(「部」の欄にPTと記載されています)は3つとも採択されていますが、Bチームの企画「市内公立保育所における英語教育の導入」については、ギリギリ最下位での採択となっています。
🔸提案に至らなかった「幻の企画」に注目
当ブログでは、提案までには至らなかったBチームの企画「市民判定人による事業レビューの実施」に注目しました。以下、その概要をみていきましょう。
※上述の「Bチームプレゼン資料」から(パワーポイント資料)

「市民判定人による事業レビューの実施」と名付けられたこの企画は、いわゆる「事業仕分け」に市民にも参加してもらう、というものです。
中ほどに記載されているとおり、「市民判定人が判定を行う」というのがポイントです。
では、「市民判定人」とはどのように選ばれるのでしょうか?
上記で、「市民判定人は、無作為抽出により案内を送付し、参加希望のあった市民(20名程度)」と説明されています。

「仕分け前」に比べて、「仕分け後」の市民判定人の意識や行動の変化が顕著であることがわかります。この資料は、字が小さいのでわかりにくいですが、次のように書かれています。
2009年~2012年に実施した事業仕分け市民判定人方式(のべ35自治体)において
判定人を務めた2,846人が対象。
つまり、説明資料には根拠があることがわかります。

他市町村での実績について、この資料では「埼玉県A市」と「東京都B市」が挙げられていますが、調べたところ、滋賀県では、大学との共同で「事業仕分け」を実施。結果的に市民判定人制度を導入する自治体が増加しています。
また、和歌山県かつらぎ町では、2022年度に「自分ごと化会議(事業仕分け)」として町民判定人方式を初の試みとして実施しています。

上の資料により、この事業を実施する効果として、「歳出削減・事業改善」や「職員の意識改革・負担減」が見込まれると説明されています。
🔸「もったいない」企画は生かしてほしい
今記事では、「政策企画提案制度」の裏側で「ボツ」になった提案の中に、市民にとって有益な企画があったことを指摘しました。
気になるのは、「なぜこの企画がボツになったのか」という点ですが、上述のHPでは次のように説明されています。

「プレゼンした6つの提案事業の内容を各担当にて精査し」と書かれていますが、どのように精査したのでしょうか。「なぜこの企画をボツにするのか」については、ぜひ知りたいところです。
何よりも、「市民判定人による事業レビューの実施」という企画自体、市民が市政に実際に参画するという意味で、極めて有効な施策であることは明らかです。
当ブログの今記事を読んでいただいた多くの市民の方や議員の方々が、この「もったいない」企画を生かしてもらえるよう、市に働きかけていただくことを望むものです。