上尾市教育委員会の不都合な真実 ー点検評価報告書の実態ー
No.5
🔷「点検評価」の義務は法定
前記事で、上尾の現教育長である池野和己氏の「教育長就任」についての不明瞭さについてお伝えしました。
これは、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(地教行法と略す)という長い名前の法律が一部変更され、市長が教育長を任命するようになったことが背景としてあります。
この変更も含め、地教行法は県や市町村の教育行政について規定していますが、そのひとつに「教育委員会の事務に関する点検評価報告書」があります(第26条)(ここでいう「事務」とは、教育委員会による施策や事業実施のことを意味します)。
すなわち、≪教育委員会は、権限に属している事務について自ら点検評価し、議会に報告し公表しなければならない≫というものです。
地教行法の変更に関して周知を図る目的で文科省から出された通知文には、次のように明記されています。
『点検及び評価の客観性を確保する観点から、法律において、教育に関し学識経験を有する者の知見を図るものとされてている趣旨に鑑み、学識経験者として、保護者や地域住民の意見を聴くことにするなど、更なる改善を図ることも考えられること』
では、この観点からみたとき、上尾市教育委員会はどうでしょうか?
🔷あり得ないことが起きてしまった
このように、「教育委員会の事務に関する点検報告書」については、『点検及び評価の客観性を確保する観点で』学識経験者の意見を聴く、ということが文科省の通知でも言及されています。
ところが、上尾市教委では、次のような信じがたいことが実際起きているのです。
H29年度の「上尾市教育委員会の事務に関する点検評価報告書」は、前年度(H28年度)の施策事業を対象として点検・評価するものです。
ところが、<客観性を確保する>はずの「学識経験者」の中に、なんとH28年度上半期まで教育委員だった吉田るみ子氏が入っているのです。
もともと、「教育委員会」とは、教育長と教育委員の合議体であり、執行機関としてすべての自治体に置かれ、上尾も例外ではありません。
上尾市教委のHPにも「教育委員会のあらまし」としてそのことが書かれています。つまり、吉田るみ子氏は、「自分が教育委員だったときに執行した対象事業を、自分で評価している」ことになります。
🔷身内の、身内による評価
以上の実例は、上尾市教委による「身内の、身内による点検評価」そのものであり、<客観性を確保する>姿勢など微塵もありません。
では、どうしてこのようなことになってしまうのでしょうか。
おそらく、「適当な人がいない=探す努力をしていない」ことが原因でしょうが、自分たちの《ムラ(集団)》の中だけで解決しようとするから<人がいない>のです。
文科省の通知にもあるように、「学識経験者」の定義自体があいまいなのですから、市民から公募するという手もあります。そうした本来的な意味での市民的視座を取り入れることが、現在の上尾市教委には求められているのではないでしょうか。
これは前もらった原稿でしたかね・・・
さて、自己採点が客観性を損なうと思わなかった点で、
その人は 学識経験者ではないよね。
教育委員会とは、教育関係者の出世双六の上がりなんでしょうか・・・。
コメント、ありがとうございます。
以前BGの館に投稿した原稿を手直ししたものです。
このあと、上尾の教育長や教育委員の実態を指摘する記事が続きますので、その前提として知らせる必要があると考えています。
教育委員はともかく、教育長になりたがっている人は多いでしょうね。たとえば、教育センターに行くにも、文化センターに行くにも、徒歩や自転車でなく、これみよがしに公用車を使って行くのですから。「権威の序列性」を見せつけたい人にはうってつけかも。時給も高いですしね。