「上尾を暮らしやすく」 ━《大石中学校3年生から市長宛ての手紙》

上尾市の大石中学校の3年生264人が、上尾市長に宛てて「将来のために一人一人の意見を大切にしてほしいです」との手紙を書き、市に提出しました。このことは新聞でも取り上げられたので、ご存知の方も多いかもしれません。
今記事では、大石中での素晴らしい実践についてお伝えします。

No.314

🔸新聞にも取り上げられた素晴らしい実践
2月7日付けの東京新聞(TOKYO Web)
に「3年後は有権者だから 上尾を暮らしやすく 大石中3年・264人が市長に手紙」という記事が掲載されました。

記事によれば、
「私たちはあと3年以内に有権者になります。自分たちが暮らしやすい街を考えていきます。将来のために一人一人の意見を大切にしてほしいです」
ー 上尾市立大石中学校の3年生264人が、同市の畠山稔市長に宛てて手紙を書いた。より良い学校やまちづくり、子育てや高齢者支援の充実など、市への要望や提案をつづった ー
とあります。

この実践は、社会科「公民」の授業の一環で実施されたものです。
新聞記事には次のように書かれています。
憲法や政治について学ぶ中で、地方自治の仕組みや住民の権利、住民自治について学習し、身近な市の課題について考えたという。264通のどの文面にも「自分自身で身近な問題を考え、解決していきたい」という思いがあふれている。

🔸「生徒たちから市長への手紙」から
この大石中の実践について、私(当ブログ館主)は過日開催された「楽しい学校にするためにはどうしたら良いの? 上尾市民学習会」の中で知りました。
では、生徒から市長に宛てた手紙は、どのような内容だったのでしょうか。指導された先生の許可を得た範囲で、4通紹介します。 

私は公民の授業で、地方自治は民主主義の学校ということを学びました。そこで、2つの要望を手紙に書かせていただきます。
1つめは、上尾市全ての中学校の特別教室にエアコンを設置するということです。私たち大石中学校の体育館にはエアコンがありますが、理科室、美術室、給食調理室にはエアコンがありません。そのため夏場は暑く、熱中症になりやすいため非常に危険です。また、暑くて授業に集中できません。なので、特別教室にエアコンを設置してほしいです。
2つめは、道路に街灯を設置してほしいことです。私の通学路には街灯が少なく、夜になると暗くなって周りが見えにくくなります。冬場の部活帰りはいつも暗く、一人で帰る時はとても怖かったです。そのように思っている人は他にもいると思います。
市の予算を一度見直し、学校を実際に訪れて私たちの『声』を聴いてほしいです。難しい要望だと思いますが、ぜひ、より良い上尾市を作っていくためにも検討してください。
これは、上尾市を全ての人にとってより良い街になるように書いた提案の手紙です。
私の提案は『上尾市に緑を増やすこと』です。
近頃竹林や畑などが少なくなり、近くの公園の巨木たちが切り倒されてしまうことが多々あります。また、もとは竹林だったところに新しく家が建ち、他の家に日当たりが悪くなったりしています。さらに、家と家をほとんど隙間なく建てることで庭も少なく、日当たりが悪いから庭で木を育てることも困難になっています。
私の家の周りでも緑が段々と失われています。私も家族も自然が大好きなので、この光景を見ていると、とても胸が痛みます。私が求めているものは、みんなが遊んだり散歩したりできる、林のような緑いっぱいの空間です。そんな場所がこの街にできたら、たくさんの人が癒されるのではないかと私は思います。
ぜひ、上尾に住んでいるみんなが緑に囲まれて自然を満喫できる空間を作ってください。
この3年間、私たちは上尾市を見て調べ、そして考えてきました。上尾市はとても良い所だなと思いました。でも、少し気になる所もありました。
1つ目は、市内循環バスのぐるっとくんについてです。先日、駅まで乗ろうとしたのですが、他のバスに比べると本数が少ないと感じました。高齢化が進んでいる今、歩いたり自転車で移動したりするのが辛いという方も多いのではないでしょうか。高齢者だけに限らず、障がいのある方や子育て中のお母さんなどもです。1時間に来るバスの本数を増やし、誰でも気軽に乗れるようなバスになってほしいと思います。
2つ目は医療費助成制度についてです。周りの市は高校生を対象とした医療費助成制度が充実していますが、上尾市は高校生になると入院のみの助成となり、通院に対しての助成はありません。これから私たちも高校生になるので、もしケガをして通院することになったと考えると、私も親も不安になります。助成制度を見直していただけると安心して過ごすことができると思います。
地方公共団体について学習した際、小中学校の給食費を無償にする自治体が全国で増えてきていることを知りました。私は、この取り組みがとても素晴らしいと思いました。
給食費を1年で約6万円、9年の義務教育期間で約50万円以上を払うことになり、かなりの額になります。それを無償にすれば、子どもがいる家庭の負担が軽くなるからです。
しかし、上尾市ではまだ給食費が無償化されていません。これは、他の自治体と比べて遅れているのではないでしょうか。市民が暮らしやすく、過ごしやすい環境を作っていくのが市長の一番の仕事ではないのですか。このような考えは、私の両親や友人、担任の先生までもが持っています。
近くの北本市では、今年の4月から無償化を行っています。上尾市の更なる発展のためにも、すぐに行うべきです。無償化することで喜ぶ人はたくさんいます。私はもうあと数か月で高校生になりますが、自分たちの後輩やこれから入学する子どもたちのためにも、給食費を無償化していただきたいです。

🔸もっともな要望ばかり
生徒たちから市長に宛てた手紙を4通だけ紹介しましたが、これを見ただけでも、次のような要望があるのがわかります。

*上尾市すべての中学校の特別教室にエアコンを設置すること
*通学路に街灯を増やしてほしい
*上尾市に緑を増やすこと
*「ぐるっとくん」の増便を
*医療費助成制度を高校生まで拡充を
*給食費の無償化を

いかがでしょうか。いずれも「もっともな要望」ばかりです。
なお、以上の要望を「令和6年度予算(案)のポイント」で見ると、「子どもの医療費無償化を18歳まで拡充」については実施される見込みのようです。

一方、「特別教室へのエアコン設置」は、給食調理室へのエアコン設置と合わせて、市議会の請願で採択されたものです。これについては、「小中学校給食配膳室へのエアコン設置」にとどまっています。また、給食費無償化は、この2月と3月は緊急支援ということで無償になりましたが、4月からも継続してほしい施策です。

🔸「3年後は有権者だから 上尾を暮らしやすく」
今記事では、大石中学校の素晴らしい教育実践についてお伝えしました。

ただ、上述の新聞記事に掲載された写真を見ると、市長宛ての手紙であるにもかかわらず、受け取っているのが学校教育部長であるという点が気になります。市長宛ての手紙なのですから、市長自らが受け取り、施策に反映させていくべきではないでしょうか。
新聞記事の見出しに「3年後は有権者だから」とありますが、若い世代の声を市政や教育行政に生かしていくことは重要なことだと思われます。

上述の新聞記事には「生徒代表5人が教諭らとともに市の教育委員会を訪れ、全員分の手紙を提出。市長からの返事を待っている」とあります。
市長は、生徒たちからの要望や意見について、正面から向き合って答える必要があるのではないでしょうか。

“「上尾を暮らしやすく」 ━《大石中学校3年生から市長宛ての手紙》” への2件の返信

  1. 教育委員会制度について、文部科学省は

    教育委員会制度の意義として

    〇地域住民の意向の反映

    教育は、地域住民にとって身近で関心の高い行政分野であり、専門家のみが担うのではなく、広く地域住民の意向を踏まえて行われることが必要。

    教育委員会制度の特性として

    〇住民による意思決定(レイマンコントロール)

     住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する、いわゆるレイマンコントロールの仕組みにより、専門家の判断のみによらない、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現。

    としています。

    しかし、現在の上尾市教育委員会は、住民の意向を反映させるレイマンコント
    ロールの仕組みになっているでしょうか。

    住民からの請願、市民の代表である議員からの要望を、教育委員会が取り入れる
    か、取り入れないかを決定し、教育行政を進めている現状。

    明らかにレイマンコントロールからかけ離れていると思います。

    議会でもこの点を厳しく追及して頂きたいと思います。
     

    1. いつも適切なコメントをありがとうございます。

      ご指摘の点、すなわち
      教育委員会制度の意義 ⇒ 地域住民の意向の反映
      教育委員会制度の特性 ⇒ 住民による意思決定(レイマンコントロール)
      これらの本質的要素について、現在の上尾市教育委員会(=教育長+5人の教育委員の合議体)がその役割を果たしているかについては、非常に疑問です。

      今年の初めに教育委員会宛てに連名で提出した請願について、どのように扱うのか教育長からも教育委員からも連絡すら無いので、場合によっては「行政不服審査」を求めようと現在準備していますので、よろしくお願いいたします。

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