上尾のコロナ専門家会議。「会議録の原本」は存在しない?!(6/3 追記あり)
「歴史的緊急事態」に指定された新型コロナ問題。この対策を検討する政府の専門家会議の議事録が作成されていないという、とても信じがたいことが現在問題になっています(この問題は、リテラの記事に詳しく載っています)。
一方、上尾市でも「新型コロナウイルス専門家会議」が立ち上げられました。ところが、その会議録については、国と同じような状況であり、大変「お粗末」であることが明らかになっています。今記事ではそのことについてお伝えします。
(6月3日 追記)記事へのコメントをいただきました。このブログを読んでくださっている皆さんと共有したいので、以下、コメントを追記として掲載いたします(ごく一部文章整理のため加筆しました)。
上尾市のコロナウイルス対策について疑問点があったため4月1日に市長へのはがきで何点か質問しましたがそのうちの一部です。 (問) 上尾市の新型コロナウイルス対策は、「上尾市新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づき進めるとのことですが、その計画のなかで、発生段階ごとの対策が示され海外発生期に「電話相談窓口設置」とありますが、設置されていないのは何故ですか。 (回答) 電話相談窓口といたしましては、上尾市保健センターを中心として市にいただく相談に対応していきます。 (コメント主の感想)「上尾市新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づき対策を進めるとし「新型コロナウイルス対策本部会議」を2月28日に立ち上げながら、計画通りに業務を進める気はないようです。 (問) 上尾市新型インフルエンザ等対策行動計画に目的として「市民生活及び地域経済に及ぼす影響を最小となるようにする」とありますので、当然そのことについて新型コロナウイルス対策本部会議で話し合われているはずですが、公開されている議事録に全く記載がありません。議題に上がっているのか、上がっていないのかご回答ください。議題に上がった場合は、詳細な議事録をお示しください。 (回答) 4月7日に開催した第17回新型コロナウイルス対策本部会議において、緊急経済対策として国が決定した経済対策の内容の確認と当市における所管課の決定をしております。 また、4月10日に開催した第17回新型コロナウイルス対策本部会議においては、新型コロナウイルス感染症の影響による困りごとの各種相談窓口について、広報あげおでの周知を検討し、5月号に掲載をしました。 (コメント主の感想) ①国の政策を待っているだけで、市としては何も真剣に考えていない。 ②アリバイ作りのため会議をやったという事実が欲しいだけなので、議事録を作成する必要性を感じていないということが伝わってくる回答だと感じました。 |
※この問題についての市民の関心の高さと、上尾市の「いい加減さ」がはっきりと分かります。コメント、ありがとうございます。
No.85
■上尾市の「会議録」とはどういうものか
ブログ筆者は5月13日付で「上尾市コロナウイルス対策(専門家)会議」関連で情報公開請求をおこないました。最初は次のことについてです(朱書きはブログ筆者)。
①上尾市が主催する会議における「会議録」とはどういうものであるかについて、健康増進課として承知している内容が判別できる文書・資料等の開示請求。 |
(非公開処分通知)上尾市が主催する会議における「会議録」とはどういうものであるかについて、健康増進課として承知している内容が判別できる文書・資料等は存在しない。よって公開できない。 |
まず、上尾市が定義している「会議録」とはどういうものであるかを確認しました。これについて、上尾市では「会議録」を作成するための要領が示されています ⇒ 上尾市会議録作成要領。
行政側としては、市民からこうした情報公開請求がされた場合、「作成要領がwebで公開されているため非公開とする」との処分を通知するのが当然なのです。ところが、はからずも「健康増進課は会議録のことについて何も知らない」ことが露見してしまいました。
「上尾市会議録作成要領」によれば「市の業務の遂行に当たって、問題が発生し、又はそのおそれがある場合についての解決等の検討若しくは計画立案」の際は会議録を作成することになっています。まさに今の状況は「歴史的緊急事態」なのですから、会議録を作成するのは当然で、「特に詳細な記録が必要な場合」にあたることは明白であり、だからこそ「会議録作成要領」では、発言者についても「〇〇委員」などと表記するようにと書かれているのです。
■上尾市「専門家会議」の「会議録」とは?
次は「新型コロナウイルス専門家会議」関連の開示請求です。
②4月28日の「第1回新型コロナウイルス専門家会議」の「会議録」の原本(発言者の職・氏名と発言内容が判別できる、市議会や教育委員会の会議録と同様の会議録のことです)の開示請求。 |
(非公開処分通知)「新型コロナウイルス専門家会議」の「会議録」の原本は存在しない。よって公開できない。 |
まさに、国で問題となっていることが、上尾市でも起きています。つまり、webで公開している専門家会議「会議録」が、「会議録のすべて」だと言うのです。
これは「上尾市会議録作成要領」で謳われる発言者の氏名はおろか、発言そのものがわからないものです。強いて言えば「議事概要」とでも呼べばいいでしょうか。これでは、後世になって検証することができなくなってしまいます。
■ハンコがベタベタ押された「起案文書」
もうひとつの情報公開請求は以下のとおりです。
③公開されている「会議録」が、「合議の上、決裁を受けている」ことが判別できる文書の開示請求。 |
(公開処分通知)「コロナ対策本部会議」および「専門家会議」についての起案文書(鑑) |
これについては、一応「公開処分」となりました。公開された文書の写しは これです⇒ 起案文書 鑑
問題は、発言者の職・氏名と発言した内容がそのまま書かれていないにもかかわらず、「これで良し」とした市(教育)行政の「幹部」たちの姿勢です。市長・副市長・教育長・各部長などのお歴々が、誰一人として「この会議録ではまずいのではないか。後世の検証のために発言者と内容を記述しておくべきだ」とひと言も言わないで、ハンコをベタベタ押している図は、国政に携わるアベとその取り巻きたちとオーバーラップしてきます。
また、保存年限が5年というのも、短すぎます。まだ終息したわけではありませんし、今回のコロナ禍のような状況がいつまた来るかわからないので、少なくとも「11年以上」保存とすべきです。
◎国で現在問題となっている「専門家会議の議事録」の公開については、専門会議のメンバーからは「名前を出して構わない」という声があがっています。上尾でも、今からでも遅くないので(いくら何でも、録音はしているでしょうから)きちんとした会議録を作成し、公表すべきです。
上尾市のコロナウイルス対策について疑問点があったため4月1日に市長へのはがきで何点か質問しましたがそのうちの一部です。
問
上尾市の新型コロナウイルス対策は、「上尾市新型インフルエンザ等対策行 動計画」に基づき進めるとのことですが、その計画のなかで、発生段階ごと
の対策が示され海外発生期に「電話相談窓口設置」とありますが、設置され
ていないのは何故ですか。
回答
電話相談窓口といたしましては、上尾市保健センターを中心として市にいただく相談に対応していきます。
*「上尾市新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づき対策を進めるとし「新型コロナウイルス対策本部会議」を2月28日に立ち上げながら、計画通りに業務を進める気はないようです。
問
上尾市新型インフルエンザ等対策行動計画に目的として「市民生活及び地域経済に及ぼす影響を最小となるようにする」とありますので、当然そのことについて新型コロナウイルス対策本部会議で話し合われているはずですが、公開されている議事録に全く記載がありません。
議題に上がっているのか、上がっていないのかご回答ください。
議題に上がった場合は、詳細な議事録をお示しください。
回答
4月7日に開催した第17回新型コロナウイルス対策本部会議において、
緊急経済対策として国が決定した経済対策の内容の確認と当市における
所管課の決定をしております。
また、4月10日に開催した第17回新型コロナウイルス対策本部会議においては、新型コロナウイルス感染症の影響による困りごとの各種相談窓口について、広報あげおでの周知を検討し、5月号に掲載をしました。
*①国の政策を待っているだけで、市としては何も真剣に考えていない
②アリバイ作りのため会議をやったという事実が欲しいだけなので、議事録を作成 する必要性を感じていない
ということが伝わってくる回答だと感じました。
コメント、ありがとうございます。
「市長へのはがき」と、それについてのご意見については、記事を読まれる方と共有したいので、記事に(追記)として掲載させていただきます。