市民として市政に参画するために

ブログ筆者も意見を提出した「上尾市長等政治倫理条例(案)に関する市民コメント制度による意見募集の結果」が市のHPに掲載されました。今記事はそのことについてお伝えします。

No.108

■「政治倫理条例(案)」への関心の高さ
「政治倫理条例(案)」への意見募集期間は、7/1~7/31でしたが、市のHPによれば、74人の方から270件の意見が寄せられたそうです。この数字は、ともすれば「上尾市民は市政に対して無関心」と言われることを考えれば、比較的高かったのではないかと思います。

ブログ筆者は、以前の記事で、この意見募集について言及しました。
それは、①「同条例制定特別委員会調整会議」を何度も開催しているわりには、市民に対して「論点整理」等の文章化が示されていないこと(結局、調整会議は17回も開かれています)。②提示されている情報は少ないものの、たとえ一行でも市民としての意見を出すべきであること。③条例案には数々の問題点があること。以上のような指摘と提言です。

もともと、ブログ筆者がこの問題に関心を寄せたのは、市民のブログがきっかけでした。早い段階でこうした問題提起をしていた慧眼(けいがん)に敬意を表するしだいです。

■ブログ筆者の意見に対する市側の見解
 以下はブログ筆者の意見と市の見解(それぞれ主旨)と、筆者の感想です。

ブログ筆者の意見 上尾市による見解
(全体的に)市民にコメントを求めるのであれば、条例案だけではなく、調整会議でどのような議論がされているのか、論点を整理した資料を市民に向けて丁寧に提示する必要がある。 市民コメント制度開始時点における市長等を対象とした政治倫理条例の主な論点につきましては、概要として提示させていただいております。
市の見解についてのブログ筆者の感想
「概要」は、単に条例案をまとめたにすぎません。コメント募集前に市民に向けて、何が論点になっているのかの資料が必要でした。
(第2条)<副市長及び教育長について「なぜ市長がその者を任命したのか」の理由を市議会で明らかにすること>を条例文言に挿入する。現状は、「なぜ池野氏を任命したのか」が市議会と市民に知らされていない。 (市側)議会の同意を得て市長が選任又は任命しているため、本条例で規定する必要がないものと考えます。
(感想)教育委長や教育委員などは、市議会に氏名と簡単な略歴が紹介されるだけで人事案は議会で追認されている現状は、人選についての透明性を高めることにより解消されると思います。
(第6条)「市長は」を「市長等は」に変更する。副市長と教育長を含めることは、市民的視座からも合理性が認められる。 (市側)見解表明なし。
(感想)「市民的視座から」と言っただけで、何らのコメントもしないという上尾市の体質は変えていかなければならないと思います。
(第12条)審査会の委員数を3人から8人に変更する。上尾と人口規模が変わらない草加市では8人となっている。 (市側)より多角的な視点から審査を行えるよう、委員の数を5人に増やします。
(感想)3人⇒5人に変更の理由が「より多角的な視点から」ということであれば、草加市と同じ8人でもよいはずです。
(第12条)「登録されている者の総数の100分の1以上の連署」を、市民ひとりでも請求可能な住民監査請求や情報公開請求と同様とする。 (市側)調査請求権は、調査結果の公表によって受託者である市長等の行為の適否を明らかにし、自省を求めるためのものであり、恣意的な解釈による調査請求権の濫用を防止するため「100分の1以上の連署」としていましたが、請求権の行使が困難であるとの御意見を踏まえ、「100人以上の連署」に引き下げます。
(感想)市側の見解の「恣意的な解釈による調査請求権の濫用」の意味が全く不明です。調査請求は審査会による要件審査があるので、調査権の濫用ということにはなりません。原案の100分の1(つまり約1,900人)を一挙に100人まで減じたのは、市議会各派との妥協の産物と言わざるを得ません。住民監査請求などと同様に、市民ひとりの請求でも可能とすべきです。※調整会議では、池田委員はひとりの市民としての政治参加の権利を主張。これに対して、彩の会(当時)の議員を中心に、多数の市民の連署が必要であると主張しています。

■市民が市政に参画することとは
 今回の件は、冒頭で述べたように、74人の方から270件の意見が寄せられたことに意義があると思います。拙ブログ記事を読んだという方から「私も意見を出しました」という連絡をいただきました。このブログが少しでも影響したのなら、喜ばしいことです。

市民が市政に参画するには、今回のようなコメント募集に際して自分の意見を提出することや、情報公開請求など様々な方法があります。上尾市情報公開請求条例第1条では、次のように謳っています。

第1条  この条例は、市民の知る権利を尊重し、行政文書の公開を請求する権利につき定めること等により、市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市の諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにするとともに、市政に対する市民の理解と信頼を深め、及び市民による市政の参加の充実を推進し、公正で開かれた市政の発展に寄与することを目的とする。

上尾市はどうせ…」とか、「言ってもムダ」ということではなく、市民としてできる限り市政に参画していくようにしていきたいものです。

“市民として市政に参画するために” への2件の返信

  1. 教育長にあまり関心はないですが、戦争で経済を回復できると文章に書ける燕市の教育長は、謝罪会見でも自説を変える気はない様子。自意識過剰か、バカなのか?
    教養のある人物がなるべき職なのになぜと思わざるを得ません。
    我が町の教育長の資質にも疑問があります。腐敗した我が町ではすべての公職で、責任者の選定にあたっては、大学4年間の、学業成績表(就職時に会社の出すような)を必須とし、勉強していない、教養のない人物は排除する必要があります。
    市長や市幹部の一般教養の履修と成績を知りたい一市民より

    1. 燕市の例は、確信犯だったら大変なことです。
      上尾市と共通しているのは、周囲が何も言わないことでしょうか。
      学業証明書云々は、お気持ちはわかりますが、個人情報の最たるものなので、無理でしょう。仮に学歴詐称とか言う話になれば別でしょうが。

      それよりも、「なぜこの人が教育長としてふさわしいのか」が市民に明らかにされていないのが問題です。
      議員のみなさんに、市議会で教育長や教育委員の任命について「不同意」とするだけの確信や覚悟があれば大したものですが。
      教育長に対しての監視やチェック(レイマンコントロール)を教育委員に求めるのは無理なことはわかっているので、あとは市民が情報公開請求し、それをもとに監査請求などの行動をしていくことが必要だと考えています。

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