大石公民館のイングリッシュサロンでは定員25名に対し参加者は7名

「全国初」などと「鳴り物入り」で昨年度から始まった《イングリッシュサロン》。
以下、今記事では引用を除き、イングリッシュサロンを《ES》と略します
当ブログでは、以前から《ES》の実態を明らかにしてきましたが、今年度も6月から4か所の公民館で始まったようです。
ここで「始まったようです」と書いたのは、市の予算を伴うこの事業が、つい先日まで教育委員会のHPに参加者の募集や開催予定などが掲載されていなかったからです。
今記事では、今年度の《ES》の現在までの実態についてお伝えします。

No.369

🔸指導課からの「弁明」メール
冒頭でも述べたように、今年度の《ES》については、市教育委員会のHPに掲載されていませんでした。参加者の募集は学校経由でおこなわれましたが、昨年度はスタートの段階で教委HPで全体像が公表されていました。
HPに掲載されないため、私(当ブログ館主)は「今年度の《ES》の予定表」等の開示を求めて、情報公開請求しました。以下はその関連のメールでのやり取りです。

(私から教育委員会指導課の担当者へのメール)

(指導課担当者から私へのメール)

このとおり、指導課の担当者は「HPにリンクされずに掲載されませんでした」と弁明をしています。つまり、掲載されたかどうかについて、自らは教育委員会のHPの内容を確認していないということになります。
「全国初の取り組み」と市長も声高に言っている割には、その詳細について市民には明らかにしていない実例と言えるでしょう。
なお、現在はHP(指導課のページ)に「上尾市英語クラブ イングリッシュサロン」として掲載されています(更新の日付は過去にさかのぼっています)。
ただし、教育委員会の検索窓に「イングリッシュサロン」と入れても、下のように表示されてしまいます(最終閲覧日時:2025.07.18    21:00)。


《ES》についての閲覧は、教委HPの左側メニューから以下のように進みます。
教育委員会の組織 → 学校教育部 → 指導課 → 新着情報(現在上から3番目)
これでは、市民が見ることはほとんど無いでしょう。

🔸今年度の《ES》は定員・会場数は減り、市予算は大幅に減額
昨年度と今年度の《ES》の違いを確認してみましょう。

会場・定員等 R6年度 R7年度
会場 公民館6館 + 小学校3校 公民館4館(上尾・原市・大石・大谷)
定員 17人 ~ 30人 すべて25人
回数 月に2回 ~ 3回 月に2回(1回 2時間程度)
参加費用 無料 1回500円 + 年間保険料200円
市の予算額  13,118,000円  3,636,000円(R6より 9,482,000円減)

上の表で明らかなように、昨年度と今年度の大きな相違は、

*会場の数が減ったこと。
*参加者からお金を取っていること。
*市の予算額が大幅に減額となっていること(72%減)。

以上のように整理できます。
これでは、参加者が増えないのではないかと思いますが…?

🔸6月の《ES》の参加者数は?
以下は、情報公開請求で入手した6月分の《ES》の参加者数です。

昨年度まで6か所の公民館を4か所に減らした割には、参加者数が少ないですね。
(昨年度の参加者数が予想よりも少なかったので会場数を減らしたと考えられます)
※6/21の大石公民館は7名の参加でした(=定員に対して28%の参加率)。
また、昨年度は散見された小学生の参加も、6月は1人もありませんでした。

昨年度もそうでしたが、今年度も私は毎月《ES》の参加者について情報公開請求していくつもりです。ただ、《ES》の参加者数は教委のHPで明らかにしてもいいのでは…?

🔸当ブログの記事で明らかにしてきた《ES》の問題点
以前からの読者の方はご存知だと思いますが、当ブログでは《ES》についての実態や問題点などを、継続的に明らかにしてきました。

ここでは、今までの記事の中から、《ES》についてどのような問題点を指摘してきたかを簡潔に示しておきます。

No.315記事 *もともと、[英語クラブ]は生徒のニーズがありませんでした。
(R5年度中1・中2生徒 3,204名中[英語クラブ]希望生徒=1名)
*教員の働き方改革とは関係ありません。
No.316記事 *《ES》は「市長の思いの具現化」として政策企画として採用。
*市議会一般質問で「《ES=英語クラブ》は先生方の求めている部活動地域移行ではない」との指摘がされました。
No.338記事 *市長主宰の「総合教育会議」席上、教育委員から「《ES》を見に行ったが、参加者が少なかった」と指摘がされました。
*教委事務局は「多いところが8割ということで、平均しますと6割ぐらいの参加率」と言い訳していますが、ずっと少ない実態があります。
No.340記事 *《ES》の参加者数が回を重ねるごとに減っています。
*児童生徒からの希望がほぼ無いに等しいにもかかわらず、ニーズがあると強弁する教委事務局&市長に忖度する企画が《ES》の本質。
No.352記事 *『広報あげお』年頭の6ページを費やし、小さい頃から英会話教室等に通い、英語が好きになった中学生3名との「市長新春座談会」について批判的視点から述べた記事となっています。
*《ES》については、「ゲームやディベートなどを通して、「生きた英語」(本物の英語)を楽しみませんか」という教育委員会の宣伝文句自体、カタカナ英語を使っているという点で矛盾しています。

詳しくは、上の一覧表の左側の記事をクリックすれば、元記事に飛びますので、あらためてお読みいただき、《ES》の問題点を確認していただければと思います。

当ブログでは、引き続き《ES》の問題点を明らかにしながら、上尾市がすすめている〖英語教育〗(とりわけ学習効果の検証)について高い関心を寄せていきます。

“大石公民館のイングリッシュサロンでは定員25名に対し参加者は7名” への2件の返信

  1. 令和7年2月21日の上尾市議会定例会で、教育長再任の判断に至った実績及び評価について、市長が答弁しています。

    その中で、英語教育については
    「教育長への就任後は、全小学校1、2年生の英語活動やALTの全校配置を継続するとともに、全国初となる英語の地域クラブ、イングリッシュサロンを取り組むなど、英語教育の推進に尽力されております。」
    と答弁しています。

    その答弁について市長への政策提言制度を利用して、4月16日に下記のように質問致しました。

    質問

    英語の地域クラブは存在している(群馬県高山村など)ことから、取り立てて「全国初」と強調する必要は無く、そもそも、上尾市内中学校には英語部がありません。

    また、アンケート結果から、英語クラブ希望者は、中学生は3,204名中1名、小学生は3,260名中2名しかいないにもかかわらず、「ニーズがある」と言って無理やり「施策提案制度」に入れたというのが実態です。

    このようにして発足させたイングリッシュサロンは、定員を大きく下回っており、令和7年度は仕方なく公民館等6か所を4か所にせざるを得なかった、いわば失敗の企画です。

    アンケート結果を無視した強引な施策を推進し、危惧された通りに失敗を犯した教育長が、何故英語教育の推進に尽力していると言い切れるのかをご説明ください。

    以上

    ★市長への政策提言制度では、10日以内に回答することになっていますが、3か月
    以上経過していますが、未だ回答がありません・・・

    1. コメント、ありがとうございます。

      ESは「市長に忖度する政策提案制度」の産物と言えます。
      やたらと「全国初」と言っていますが、上尾市の「全国初」は何と言っても、「全国で初めて市長&議長がW逮捕された街」でしょう。
      何より問題なのは、「早い段階での英語教育」に力を入れている(?)にもかかわらず、その評価や総括が全くされないことです。

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