上尾市教育委員会の不都合な真実 ー教育長への忖度と黙認ー

記事No.7

公用車使用問題をはじめとした「忖度」と「黙認」

   残念なことですが、市役所7階では、池野教育長への「忖度」と「黙認」がまかり通っているとしか考えられない実態があります。
 館の住人(このブログの筆者)がおこなった情報公開請求等により、通常では見えにくい上尾市教委(&事務局)の実態が少しずつ明らかになってきました。それらの問題点について、このブログを通じて、可能な限り市民のみなさんと共有したいと思います。
 できれば、教育長・教育委員・事務局の全員が現状の問題点と真摯に向き合い、一日も早く「市民的視座に立つ市教委」へと転換することを望むものです。

■教育長の公用車問題
 現在、
市長や教育長が使用している公用車は4台あります。市長および市議会議長はそれぞれ専用車(どちらもクラウン)。総務課が管理している2台は教育長(主にエスティマ)と副市長(主にカムリ)。
以上4台の公用車がどのように使われているのかについて、市民はよく知らないのではないでしょうか。
このブログでは、池野教育長の「公用車の使い方」を取り上げます。
情報公開請求では、教育長が使用する公用車についての「車両運転日報」の開示を求めることにより、行き先や目的、乗車人員、走行距離等を明らかにすることができます。
情報公開請求で今までに判明したことは-
*市教委事務局教育総務課は「公用車の使用基準は無い」と主張しています。
※この主張は市民としてとても信じられない話です。県内ならどこに行ってもOKなのか、泊を伴うのはNGなのかなど、「こういう場合は公用車を使える」という基準が必ずあるはずですが、「そういう基準となるような文書や資料等は無い」と言い張るのです。
※これについては、市民として到底納得できないため行政不服審査法に基づき、現在「審査請求」中です。

■公用車を使用しての「メルパルク横浜」行について
 前記「審査請求」のきっかけとなったのは、池野教育長の次のような公用車使用についてです。
◇池野教育長は、2018年5/10~5/11に「関東地区都市教育長総会」という会合に参加しています。
会場は「メルパルク横浜」で、電車で行けば、みなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩1分の至便な場所にあります。

◇5/10朝、教育長の自宅のある都内某所(公開された車両運転日報から、場所は容易に推測可能ですが、ここでは控えます)まで上尾からわざわざ公用車(エスティマ)を迎えに来させ、横浜まで高速道路を使い、会場の「メルパルク横浜」まで送らせています。
 教育長は当夜は宿泊したと思われ、公用車は5/10の夜に横浜から上尾に戻され、翌日5/11の朝7:40に上尾市役所を出発しています。早朝出発の理由について、担当課である市総務課は「渋滞の発生等に備え、時間に余裕をもって出発しました」と説明しています。
 横浜で教育長を乗せた後、公用車の「ETC記録簿」によれば、すでに11:30には高速に乗っています(日程表では、分科会は11:00までとなっています)。
13時頃、教育長を自宅付近で降ろし、公用車は14:20に上尾に帰着しています。
 教育長によるこうした「公用車の使い方」について、次の疑問が生じます。
ア.5/10・5/11は平日ですが、別の日の運転日報により、池野教育長は平日の朝は公用車を使用しないのが通例です(都内の渋滞を避けるためか)。
それ
にもかかわらず、上述のような使い方をしていますが、会場の「メルパルク横浜」は交通至便な場所にあることから、普通に考えれば電車で行くのが極めて合理的です。

イ.公用車使用の場合は10,540円(ETC利用、燃料費は請求人(=館の住人のこと)の試算によります。運転手人件費は算定していません)。
一方、電車利用では往復で2,188円で済みます。
つまり、少なくとも8,352円余計に上尾市の財政からの支出となり、これは明らかに公費の無駄遣いです。こうした使い方に対して監査が入ったら、教育長および市教委事務局はどう弁明するのでしょうか。

ウ.最も重要な点ですが、教育長のこうした行動に関して、「公用車の使用に関する基準あるいはそれに類した文書・資料等」の情報開示を求めたところ、信じがたい話ですが、『文書不存在のため非公開とする』との処分が通知されました。

■「公用車の使用基準が無い」という不思議さ
 以上の「教育長の公用車使用問題」については、市教委が「公用車使用に関する基準や目安になる文書・資料は無い」と主張している点や、かかった経費の問題は看過できません。
 『前教育長の公用車使用状況など、資料を探す方法はあるはずではないか』と指摘しましたが、それに対し、「記録はあるが、基準や目安にはならない」と市教委は主張しています。
 一般的な話としても、仕事の後を引き継いだら、「従前(前任者)はどうしていたか」を一つの目安とすることは自然なことです。その意味でも、市教委が「文書不存在」に固執するのは理解に苦しみます。
おそらく市教委が一番嫌がるのは、市民サイドからまっとうなことを指摘された際に、「確かにそうだ」と反省することなのでしょう。

■「審査請求」について
 処分(この場合は文書不存在による非公開処分)に納得できない場合は、市民として「上尾市情報公開・個人情報保護審査会」(以下、「審査会」)あてに審査請求を出すことができます。
 上述の処分については、到底納得できないことから、館の住人は2018年9月に審査請求書を提出しました。なお、上尾市の「審査会」は弁護士2名と大学教員1名で構成されています。
 審査請求後、半年経過した今年3月に口頭意見陳述が開かれましたが、それ以降、審査会からも、窓口になっている市総務課からも何の連絡もないのです。全くおかしな話です。

■教育長と市教委事務局にとっての「不都合な真実」
 以上のように、教育長による極めて恣意的な公用車の使用と、市教委事務局が市民に対して「公用車使用の規準や目安など無い」と主張していることは、まさに上尾市教育委員会の「不都合な真実」と言えるものです。
 こうした事実は、情報公開請求によって初めて露見したことです。平日で車が込み合う中、自宅まで公用車を呼び寄せ、横浜まで高速を利用し、当日その車を上尾に帰したうえ、翌日は横浜まで迎えに来させ、自宅まで送らせることには、必然性も無ければ合理性もありません。それを黙認し、「文書など無い」と主張する市教委事務局ですが、実はこれ以外にも教育長の「不都合な真実」はあるのです。
それは次回以降にお伝えします。