何ともお粗末な「学校施設更新基本計画/地域説明会(7月3日 初回)」
7月3日の午前中、上尾公民館で開かれた「学校施設更新基本計画/地域説明会」に参加しました。ところが、配布された資料の中には肝心の「再編案」が無いなど、何ともお粗末な「説明会」でした。
今記事では、このことについてお伝えします。
No.170
🔷教育長・教育委員のお歴々はなぜ来ない?
この「地域説明会」については、上尾市教育委員会のHPの新着情報に掲載されています。⇒「地域説明会の開催案内」
私が初回の説明会(7月3日:午前10時から)に足を運んだのは、「最初の回くらい、教育長か、少なくとも教育委員のあいさつがあるだろう」と考えたことが理由のひとつです。
ところが、教育長も教育委員も顔を見せることはありませんでした。
「なぜ教育長と教育委員は来ないのか」と質問したところ、教育総務部長は「今回はこの体制(つまり、教育長と教育委員は来ないということ)でやらせていただく」という返事が返ってきただけでした。
この「学校施設更新計画(実態は学校統廃合計画)」をすすめたいのであれば、せめて最初の市民向け説明会で教育長自らがその目的について話すべきでしょう。このことからも、上尾市教委が本気で市民と向き合っているとは言えません。
なお、市教委側は「参加はおひとり1回」と言っていますが、市教委HPの募集の案内には、そんなことはひと言も書いていません。
🔷市教委事務局だけ机・アクリル板付きって?
初日の午前中(1回目)ということもあってか、40名定員の半分以下の参加者でした。
参加者のほうは椅子のみで、配布資料や持参した筆記具等は床に置くしかありませんでした。
その一方で、市教委事務局は、教育総務部長・課長・課員2名はそれぞれ机プラスアクリル板付きという状況でした。
これについては、当日、参加者の人数分の机を用意してもソーシャルディスタンスは十分取れる会場の広さでした。しかも、事前申し込み制なのですから、準備は出来るはずです。これは私のほうから次回以降参加者に配慮してもらうように要望しました。
🔷「学校ごとの再編(案)」をなぜ示さないのか
「説明会」は、市教委の不手際もあり、パワーポイントによる「説明」が約1時間、その後、参加者からの質問が相次ぎ、12時20分過ぎまで続きました。
参加した市民からとても多くの質問が出されましたが、中でも、「学校の統廃合案をなぜ示さないのか」という質問には、市教委事務局はまともに答えることができませんでした。
この「学校ごとの再編(案)」については、「上尾市学校施設更新計画【概要版】」に記載されていますが、5月の教育委員会定例会の傍聴者に配布されていますし、6月24日の議員の全員協議会でも配布されている資料です。しかも、市教委のHP(ちょっと探しにくいですが)にも掲載されています。
それにもかかわらず、「説明会」の資料として配布しないことに対して、参加者から疑問の声が上がったのは当然です。
【概要版】掲載の「学校ごとの再編(案)」とは、次の資料です。
この(案)自体、それぞれ見ていくと大変問題が多いものですが、「説明会」の当日に配布をしないということを見ても、上尾市教委の姿勢が露呈したと言えます。
結局、参加者からの要望で、当日午後以降の「説明会」では配布することになりましたが、資料配布という、極めて基本的なことをやらなかった市教委の責任は大きいと思います。
🔷問題点が多すぎる「基本計画」
次に、私が投げかけた主な質問と、それに対する上尾市教委事務局の「回答」を見ていきます。
私からの質問(上述以外) | 市教委事務局の「回答」 |
6月24日に議員側の要請で開かれた上尾市議会全員協議会の録画(3時間18分)を全部見たが、賛成意見はほとんど無く、懸念や疑問ばかりが出された。このような状況では、更新計画にかかわる多額の予算を伴う議案や、条例・規則の改正は否決されると思われるが、今後どう対応していくのか。 | 市議会全員協議会が3時間以上かかったのは事実。今後は議員側とも話をしていきたい。 |
全員協議会の直後に開催された教育委員会6月定例会では、「学校施設更新計画実施計画(最初の5年計画)」の取り下げという事態に市教委は追い込まれた。 取り下げた「実施計画(案)」は、どのような条件をクリアしたら再度議案として復活するのか。あるいは白紙撤回するつもりなのか。 |
議員にもていねいに説明していくことで再度実施計画(案)を提出していきたい。 |
学校の適正規模化のために、今まで(ここ20年くらい)どのような努力をしてきたのか。現在のように大規模校と小規模校がある現実をどう捉えているのか。 | 学校を選択できるように、学区調整をおこなってきたが、ご指摘のように大規模校と小規模校が存在することは事実である。 |
市議会全員協議会席上、教育総務課長は、昨年秋に未就学児を持つ市民1500名を対象にアンケートを実施したと説明しているが、実際には回収は623通であった。しかも、市民からの回答の中には「意図的に誘導する問いがあり、不信感を覚えた」とか、「統合するのはやむを得ないと市民が回答しているので統合する、という責任を市民に押しつけるためのアンケート」であるという指摘が幾つも寄せられている。 今回もこれと同様の手法で、自分たちに都合の良い部分だけを取り上げて、それを「市民の意見」として集約するつもりなのか。あるいは、市民から反対の声が多ければ、白紙撤回するということでよいか。 |
(明確な回答無し) |
🔷まだまだある「統廃合計画」への疑問
「説明会」では、上尾市が委託した業務の仕様書の公開を求める意見や、教育の中身に関する問題なのに、教育総務課が推し進めようとしていることへの疑問、「ふるさと財団」応募に対する不信感など、多くの質問や意見が出されました。7月3日の午後や、これからおこなわれる「地域説明会」でどのような質問や意見が出されたのか、市教委としてきっちりと市民に公開していくことが求められます。
◎当ブログでも、この問題については引き続き強い関心をもっていきたいと考えています。