またしても不可解な人事。市教委/学校教育部長の異動先

 本日(3/31)、県内の公立学校教職員の人事異動先が公表されました(新聞朝刊の別刷り)。関連して、以前の記事でお伝えしたとおり、市教委の歴代学校教育部長の異動先が著しく偏っていることから、是正をしたほうがよいとブログ筆者は主張しています。ですが、2020年度当初の人事は、またもや不可解極まりないものとなってしまいました。

記事No.70

■またしても学校教育部長は上尾中へ異動
「新聞辞令」によれば、伊藤潔/現市教委
学校教育部長の異動先は上尾中学校です。以前の記事でも書きましたが、最近になってこのブログの読者になった方のために解説すると、もともと教員で市教委の学校教育部長(または指導課長や学務課長)となった者は、市教委に在職のままで退職することは基本的にありません。彼らは埼玉県の試験を受けて教員に採用されたので、「採用したところが退職金を支払う」という、行政としての「絶対の不文律(義理とも言える)」があるため、退職前には学校現場に異動となるのです。

 ここでなんとも不可解なのは、一部の例外を除き、市教委学校教育部長の異動先は全て「上尾小」か「上尾中」なのです。ブログ筆者の調べでは、これは2001年度からの20年間、ほぼ変わりません(一部の例外は、逮捕前の島村前市長の地元の上平中に異動した池野氏や、たまたま空きが無く大石中に異動した曽我部氏の例です)。

■上尾中以外に異動先はなかったのか?
校長の異動があった市内の学校は、次のようになっています。
(※新聞掲載順。再任用で異動しない校長を除く)
(小学校)中央小・上平小・瓦葺小・西小・東町小・平方北小・東小
(中学校)上尾中・東中・大石南中・瓦葺中・太平中
 これだけ学校がありながら、なぜ上尾中への異動なのか。 ブログ筆者は、次のように考えています。

■市教委自らが「格差」を生み出している?
 <上尾には、市教委により恣意的に作られた「学校間格差」が存在するのではないか>との観点から情報公開請求をおこなった結果、市教委はいまだにブログ筆者の疑念に答えていません。もとより、市内で「学校間格差」などあってはなりませんが、市教委は「学校間格差を生じさせてはいけない」という文書を保有していないのです。
ここでブログ筆者が言う「格差」とは<空間的な距離の差>や<地域差>あるいは<学校規模の差>のことではなく、『A学校はB学校より「格」が上である』などの「格差」のことを指すものです。

 以前にも指摘したことですが、もしも「学校間格差」が無いとすれば、上尾市内には小学校22校、中学校11校があるのですから、歴代の学校教育部長の異動先が、なぜ上尾小と上尾中ばかりに集中するのかの説明がつきません。
 「学校間格差」が無いのであれば、学校教育部長の異動先は市内のどの学校でも良いはずです。今回も上尾中以外に異動対象校は11校あったので、「わざわざ」上尾中に異動する理由は無いのです。

■疑念を持たれないような人事異動が必要です
以上のように、上尾小と上尾中が(空間距離ではなく)、あたかも「市内の中心校」であるかのごとく受けとめられるような人事異動を、またしても今回上尾市教委自らがおこなったのは不可解極まりないと言えます。市教委にいた者の異動先が特定の学校に偏っているのは、どう考えてもおかしなことです。
今後もブログ筆者は上尾市の教育行政や市政の「不都合な真実」をお伝えしていくつもりです。

池野教育長さん、メッセージはもっと早く出すべきでした。

 池野教育長から、本日(3月25日)の午後、先月末に突然出された「臨時休校」に関し、3月27日から「元の状態に戻す」ということを含め、子どもたちや保護者に向けての「メッセージ」が市教委HPに掲載されました。
ブログ筆者は、情報公開請求の通知手交の際などの機会を捉えて、教育委員会事務局の職員に「(長期の臨時休校することについて)池野教育長はなぜメッセージを出さないのか?まわりの職員はそのことについて誰も何も言わないのか?」と言い続けてきましたが、おそらくそれを受けて重い腰を上げたと思われます。しかし、遅すぎます

記事No.69

■3月12日の情報公開請求の結果
唐突な「臨時休校宣言」について、当然教育長から子どもたちや保護者に向けて何らかのメッセージが出されるとブログ筆者は考えていましたが、市教委のHPには全く載りませんでした(ちなみに、戸田市は準備のために休校を2日遅らせる旨、教育長が発言しています)。そこでブログ筆者は、3月12日に情報公開請求をおこないました。その内容と回答は以下のとおりです(回答は朱書き)。

 新型コロナウイルス感染対策について、上尾市教育委員会HPを見る限り、池野教育長によるコメントやメッセージは見当たりません。このことについて、以下のとおり情報公開請求をいたします。

(1) 新型コロナウイルス感染対策について、池野教育長による市民・保護者・子どもたちに向けてのメッセージが上尾市教育委員会HPに掲載されていない理由が判別できる文書・資料等。
→請求のあった文書・資料等は存在しないため非公開(担当:学校保健課)。

(2) 新型コロナウイルス感染対策について、上尾市教育委員会HPに掲載されていないとしても、仮にも上尾市教育行政のトップである教育長なのですから、当然市民・保護者・子どもたちにメッセージを発出していると考えられます。そのことが判別できる文書・資料等。
→請求のあった文書・資料等は存在しないため非公開(担当:学校保健課)。

 昨日(3/24)、3月の定例教育委員会を傍聴したブログ筆者は、以前から面識のあるベテラン職員にも「池野教育長は子どもたちや保護者に向けてメッセージを出すべきではないか」と伝えました。

池野教育長は、休校宣言を出すと同時(つまり、2月末)に、休まなければならなくなる児童・生徒や、保護者への配慮を含めたメッセージを出すべきだったのです。

■教育委員の驚くべき発言
 ブログ筆者は、3/24に開催された3月教育委員会定例会を傍聴しました。そして、会議の場で出された、教育
委員のひとりの方の次の発言を聞いて、大変驚きました。

「臨時休校中の学習について、教育委員会(注:事務局のこと)は、各学校に対してどんな指導をしたのですか?」

 この質問に対して、指導課長は次のように答えています。

休校前の臨時校長会で、各学校の校長には、児童生徒の家庭学習の方法等について伝えてあります。(注:内容については後述)

 このやり取りを聞き、ブログ筆者は「ええ?」と耳を疑いました。
教育委員が、<臨時休業中の児童生徒の学習についての方針を知らない>とは想像もしなかったからです。そのことを臆面もなく聞く教育委員も、ある意味「凄いな」と思いました(もちろん、褒め言葉ではありません。念のため)。

ひとりの市民であるブログ筆者は、情報公開請求を通じて、各学校の子どもたちの家庭学習の方針を知り得ました(3/13公開)。その内容は以下のとおりです。

(家庭学習)
*各教科での課題(視写、音読、教科書巻末問題集、各種ドリル問題集演習、要約等)を決めて、年度末までに学習すべき内容を家庭学習で行うよう指示する。
*長期間、学校での学習ができないため、その分、家でしっかり勉強しなければならないことを指導する。
*基本的に午前中は、学習するよう指導する。
*学校で指定された課題が終わったら何をするのか明確に指示する(読書など)。
*eライブラリの先生メニュー、プリント教材を印刷し、配布することも可能。
*県教育委員会作成の復習シート、eライブラリ(要パスワード)などの情報提供。

 つまり、2月19日(=定例教育委員会)以降、2月28日に開催された臨時校長会議、3月2日以降の臨時休校から3月定例教育委員会までの期間を通じて、この教育委員さんは「臨時校長会で何が話されたか」知らなかっただけでなく、「自から尋ねることもしなかった」ということがバレてしまったのです(本人はそのことに気付いていないかもしれませんが)。
※発言の詳細は、4月定例教育委員会後にHPで会議録として掲載されます。
それにしても、3月の定例教育委員会でも、池野教育長は「淡々と」議事をすすめるだけでした(提出議案については相変わらずの「全員一致で採択」)。そこには、本当に子どもたちを心配するような態度が全く見られなかったのは残念です。

◎「休校による学習の遅れ」については、教育委員会事務局(指導課)は、「4/8~4/21の間に各学校でその分の学習指導をする」と言っています。しかしながら、新年度の学習も始まることから、実際にどのように時間を取っていくのかが問われています。

◎3/24に示された、文科省「学校再開ガイドライン」は、当たり前のことの羅列であり、「教委や学校への丸投げ」と言えます。今後、上尾市教育委員会と事務局がどのような対応をしていくかも注意深く見ていく必要があります。

上尾市議会「予算特別委員会」の質疑

 3月議会の本会議で一般質問を行わないことを決めた上尾市議会。3月16日には、予算特別委員会が開催されましたが、市側の説明と、それに対する質疑応答は、「小中学校体育館エアコン設置」と「図書館運営事業」に関心があるブログ筆者には物足りないものでした。

記事No.67

■「重点事項」予算を説明しない教育総務課長
 すでに録画・配信されている3月16日の予算特別委員会では、次年度の予算説明と、関連質問がされました。その中で「教育費」として「小(中)学校体育館空調設備設置工事設計委託料」5,301万円が予算計上されています(一般会計予算はこちら。137-139頁参照)。
このことに関して、森泉教育総務課長は説明の際「小学校管理運営事業の委託料」と言っただけで、中身については全く触れませんでした
(森泉課長の説明は、前記録画 0:12:55~)。
 これは全くおかしな話です。なぜならば、財政課から示されている「令和2年度予算のポイント」の〈重点事項1-1〉として全小・中学校の体育館にエアコンを整備 5,301万円 とされているからです。普通に考えれば、市としてわざわざ「予算のポイント」を作成し、その中で〈重点事項〉としている施策について取り上げ、詳細な説明を加えるべきなのは当然です。
森泉課長が説明をしなかった理由としては、*そもそも「予算のポイント」に目を通していない=資質・能力の問題。*敢えて話題にせずに、質問が無ければそのままスルーする=すなわち意図的。などが考えられます。
ブログ筆者の経験では、情報公開請求の処分通知手交の際に、生涯学習課や行政経営課は課長が来て処分に関する説明をするのですが、教育総務課長は、こちらが要望しても、言わば「市民との同席を避けている」ように思えます。そのことから推測するに、説明しなかった理由は、おそらく、極めて意図的だと考えられます。

■エアコン設置についての質疑はわずか6分。
 森泉教育総務課長の説明に対して、質問したのは尾花議員。以下はそのやり取りの概要です。

Q .災害に備えてのエアコン設置だと思われるが、停電の際の電力供給は。
A .   危機管理防災担当と教育委員会との共同企画提案である。
停電時に備えての太陽光パネル設置は検討していない。
自家発電については、具体的には検討していない。他市の状況を見るなど
課題となっている。
Q .ランニングコストはどのくらいを想定しているのか。

A .   一日7時間使用・3か月で1校あたり40万円を想定している。

 結局、このやり取りに要した時間はわずか6分。他の委員(予算特別委員会は14人の委員で構成)からの関連質問は、この日はありませんでした。市の負担が3割で済むという「駆け込み」の施策であるという点、2020年度は「設計委託料」の予算であること(2021・2022年度に計14億の事業費)を加味しても、「予算のポイント」では災害発生時だけでなく、「教育環境の整備」や「学校開放による快適な市民活動」を挙げているのですから、設置による利点が強調できるのであれば、教育総務課としてきっちりと説明すべきだと思います。
小・中学校体育館へのエアコン設置については、市民のブログでも取り上げられています。引き続き注目していきたいと思います。

■図書館運営事業について
 ブログ筆者の関心事でもある図書館運営事業について、秋山議員から質問がされました(前記録画の2:39:20頃から約8分間)。

Q .カウンター業務で司書資格を持っている人数は。
A .   本館・分館・支所図書室合計で113名(延べ)のスタッフ中 32名である。
Q .図書館運営事業の「委託料」とは何か。
A .   主にカウンター業務の委託料である。
2020年度は上尾市都市開発からナカバヤシ(株)に変更する。
社員に相当する〈統括責任者〉を配置するので委託料が上がっている。

 秋山議員の質問が無ければ、図書館運営事業についての説明もなかったと思われますが、ブログ筆者が今まで指摘してきたように、上尾市には司書・司書補という職種の職員がいないという事実を踏まえたうえで、上尾市は、専門職員としての司書を採用すべきなのです。

 委託業者が現行の上尾市都市開発(株)から競争入札を経てナカバヤシ(株)に来年度から変更になるようですが、「図書館ジョブ」という図書館の求人サイトでは、ナカバヤシが川口新郷図書館のスタッフ募集で示している時給は930円となっています。
この時給は埼玉県の最低賃金である926円とほぼ変わらず、実際に働く方にとっては、低賃金で雇用されるのではないかとの懸念があります。また、司書の有資格者とそうでない方の時給も川口の例を見ると変わりがないようです。今後もこうしたことも含めての検証が必要ではないでしょうか。

 今記事で取り上げた予算特別委員会を始め、他の委員会も開催されていること、また、3/24には定例の教育委員会も市役所7階大会議室で開催予定であることなどを考え合わせると、本会議での一般質問中止が果たして適切だったのか、非常に疑問です。

「新型コロナ感染対策本部」を立ち上げたことを市民に伝えない上尾市

 上尾市内でも新型コロナウイルス感染者が出たことから、市民の関心や不安も大変高くなっています。ところが、ブログ筆者が確認したところ、すでに2/28に「対策本部」が立ち上げられたことがわかりました。

記事No.65

■立ち上げることになっている「市対策本部」
 非常に見つけにくいですが、「上尾市新型インフルエンザ等対策行動計画の概要」という資料(pdf)が上尾市のHPのキーワード検索で「対策本部」と入れると出てきます。

 担当課は明示されていませんが、上尾市の関係部署に問い合わせたところ、H26年に健康増進課で原案を作成し、市長政策室が市議会等で説明したようです。新型インフルエンザ「等」となっているので、当然ですが、今回の新型コロナウィルス感染対策も該当します。
内容は、背景や目的、対策の概念図、とあり、「対策本部の組織」まで細かく決められています。本部長が市長、副本部長が副市長&教育長はじめ、ずらずらと各部の部長が続きます。
ブログ筆者が健康増進課で確認したところ、2月28日に「対策本部」が立ち上げられたということです。しかしながら、現在までにそのことは市民に向けて公表されていません。

なぜそのことを市民に伝えないのですか」とブログ筆者が聞いたところ、「今のところ市の内部の調整段階で、市民への公表は控えている」「市民への公表時期は未定」だそうです。

 「概要」の「発生段階ごとの対策」では、市対策本部の立ち上げ時期は「国内発生期/国内で新型インフルエンザ等が発生した状態」となっており、今回、国立感染症研究所は次のように発表しています。

 2020年2月1日から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染症法第6条第8項の指定感染症に定められ、診断した医師は直ちに管轄の保健所に届け出ることが義務づけられた。

 つまり、上尾市が2月28日に対策本部を立ち上げたのは、時期としては非常に遅かったと言わざるを得ません。

■市長や教育長は市民向けの正しいメッセージを
 ブログ筆者は、感染防止対策本部を立ち上げたことや、感染対策についてのわかりやすく、正しいメッセージを上尾市民に伝えるべきであると、とりあえず健康増進課の担当者に要望しておきました。
畠山市長については、臨時休校に平方幼稚園を含めなかったり、上尾市の感染者情報について部分的に伝えなかったりというコメントが出されています。池野教育長にいたっては、市教委のHPを見る限り、子どもたちや保護者に向けたメッセージは全く発出していません。
 前出の「概要」の「対策本部の組織」を見ると、「本部長」は市長となっており、「副本部長」は副市長と教育長になっているのですから、市民に向けて、丁寧で正確な発信に努めるよう望むものです。

平方幼稚園を忘れた? 畠山市長のコメント

 新型コロナウィルス感染対策について、畠山上尾市長は何と言っているのでしょうか。遅ればせながら、上尾市のHPに「新型コロナウィルス関連情報」が載るようになりました。そこには、「市民の皆さまへ」と題した市長のコメントが掲載されているのですが…

記事No.64

■新型コロナに関する畠山市長のコメントとは

文字が小さく、読みにくい方はこちら
「上尾市立の小学校・中学校においては、3月2日(月)から26日(木)まで臨時休業をすることといたしました」とあります。
一方、同じサイトで「上尾市立小・中学校および平方幼稚園の臨時休業について」では、次のようになっています。

(1)対象
  全市立小中学校(小学校22校、中学校11校)、平方幼稚園
(2)期間
  令和2年3月2日(月曜日)から学年末休業日の前日まで
  なお、今後の感染状況の変化により期間が変更となる場合があります。

 お分かりのように、市長コメントでは「平方幼稚園」が入っていません。これは意図的なのか、それとも市長の頭になかったのか。
まさか、昨年の12月議会で「上尾市立平方幼稚園の園児数の減少及び市内民間幼稚園・認定子ども園の配置状況等、上尾市立平方幼稚園を取り巻く状況を総合的に勘案して同幼稚園を廃止する」とした議案が賛成者少数で圧倒的に否決されたことが原因ではないと思いますが。
(この記事を読んで、市側は日付はそのままで「平方幼稚園」という文言を加筆するかもしれません。要注目)

■肝心なことを誰も言わないのか?という率直な疑問
 上記で引用した「上尾市立小・中学校および平方幼稚園の臨時休業について」は、よく見ると市教委のHPにリンクしていて、[このページのお問い合わせ先 学校保健課]となっています。
そこには、教育長や教育委員のお歴々からの子どもたちへのメッセージは全く読み取れません。少なくとも、池野教育長は、市民や保護者、子どもたちに向けて何らかのメッセージを出すべきです。紙ベースで出していることも考えられます(これについては情報公開請求中です)が、せっかく市や市教委のHPがあるのですから、学校保健課に丸投げするのではなく、自ら発信すべきではないでしょうか。
市長が平方幼稚園に触れなかったことの訂正もそうですし、教育長に対して、「市民や保護者、子どもたちへのメッセージも必要です」となぜ周囲の誰も進言しないのでしょうか。またひとつ、上尾の現実を見せられた気がします。

◎(続報)上尾市図書館が、本日(3/6) から期限を定めずに休館となりました(図書館HPに記載されています)。その件について、上尾市の「新型コロナウィルス関連情報」サイトにはさきほど(9:25頃)載りましたが、市教委のHPの「新着情報」には載っていません。
教育機関である図書館については、市教委として新着情報を載せるべきだと思いますが、実際にはそうなっていないのは残念です。

〈後援〉とは「事業の趣旨に賛同する」ことです。(文末に関連続報あり)

 コロナ感染対策で全国的にイベント等が中止や延期されていますが、上尾市も例外ではありません。取りやめとなった様々な講座や集会等の中には、市や市教委が〈後援〉するものもあったでしょう。今記事では丸山公園での「釣り大会」を例に、市や市教委による〈後援〉とはどういうことなのかお伝えします。

記事No.63

■市&市教委が「釣り大会」を後援している例
 記事No.61
で触れたように、丸山公園で開催された【第16回県民総合体育大会  2003放流・家族釣りの祭典(釣り大会)】について、上尾市&市教委は〈後援〉しています。
それ以前にも、1991年・1990年に【放流・家族釣り大会】が開催されています(この他にも、もっと数多くあるかもしれませんが)。この「釣り大会」は、『広報あげお』に掲載されているように、上尾市が言わば「お墨付き」を与えた催しと言え、次のように説明されています。

(財)日本釣振興会埼玉県支部では、釣りをとおして青少年の育成、家族の対話、ふれあいを図るとともに、自然環境保護の重要性を浸透させるために「放流・家族釣り大会」を開催します。

 つまり、「釣りをとおして青少年の育成、家族の対話、ふれあいと図るとともに、自然環境保護の重要性を浸透させる」という趣旨に賛同するからこそ、市&市教委は〈後援〉をしたことになります。

■市教委の〈後援〉って何だろう?
 では、〈後援〉とはどういうことを指すのでしょうか。市教委が定めている〈後援〉等の定義は、「事務取扱要綱」に示されています。この要綱は2006(平成18)年3月31日に作成されたものであり、それよりも前(上記の例で挙げたことも含め)になされた[行政実例を文章化したものであると言えます。なお、上尾市も同じ日付でほぼ同一の内容の「要綱」を定めています。
「要綱」では、〈後援〉とは「事業の趣旨に賛同し、援助を行う意思を表示することをいう」となっており、〈共催〉〈協賛〉〈推薦〉についてもそれぞれ定義がされています。

■〈後援〉した事実に「時効」はありません。
ブログ筆者は、年明けに以下の内容で情報公開請求しました。

 本情報公開請求書の受理日(=2020.01.06)以前に、上尾丸山公園における「釣り大会」「釣り教室」「魚類の捕獲」(または同趣旨の催しを含む)について、上尾市教育委員会が後援したことが判別できる文書・資料等。

 これについて、市教委(担当=生涯教育課)は、この情報公開請求書を受け付けたわずか4日後に「文書不存在による非公開決定文書を決裁しています。ブログ筆者が情報の開示を求めた文書・資料等について、紙ベースはもちろん、PCの中もくまなく探すには、3~4日間という期間はあまりにも短いものであり、市教委の姿勢は<「非公開処分」先にありき>であったと言わざるを得ません。おそらく、「後援した証拠になる文書は、存在したとしても1年で破棄してしまえば、市教委には責任は無いから」ということで、こうした処分になったと思われます。
 しかしながら、文書保存年限が過ぎたとしても、例として挙げた、丸山公園の釣り大会を上尾市&市教委が後援したという事実は、決して消えるものではありません

 上尾市情報公開条例でも、次のように定められています。

(情報提供の推進)
第26条 実施機関(※)は、情報公開を総合的に推進するため、行政文書の公開を行うほか、市政に関する正確で分かりやすい情報を市民が迅速かつ容易に得られるよう、積極的な情報提供に努めるものとする。
2 実施機関は、市政に関する情報を効果的に提供するため、市民が必要とする情報を的確に把握するよう努めるものとする
   (※)実施機関=上尾市や上尾市教委を指します。

 つまり、上尾市&市教委は、市民が迅速かつ容易に情報を得られるよう、積極的な情報提供に努めること、そのためには市民が必要とする情報を的確に把握するよう努めるものとする、と明確に言い切っているのです。

 以上見てきたように、〈後援〉するとは事業の趣旨に賛同し、援助を行う意思を表示することです。丸山公園でおこなわれた「釣り大会」の趣旨に賛同したという事実は消えないのですから、市&市教委は確かに〈後援〉したということを踏まえたうえで、市民に向けてわかりやすい情報提供をする責任があります。その意味からすれば、文書保存年限を理由とした「時効」などはあり得ません。

◎(関連続報) 上尾市関連ではありませんが、この記事を投稿した後に、<外務省「原爆展変更を」 被団協に 原発事故除外要求>というニュースが報じられました。それがこちらの報道記事
前回(2015年)から態度を豹変させ、「外務省の〈後援〉がほしいなら、原発事故には触れるな」というのは、<政権への忖度と政権からの圧力>であることは誰の目にも明らかです。
東京新聞の記事によれば、<被団協の木戸季市事務局長は「外務省の言い分は、展示内容がNPTが掲げる原子力の平和利用を妨げるというものだった。だが、福島やチェルノブイリのパネルを削除すると、核の被害や非人間性を訴えることが難しくなる」と指摘。後援がなくても内容を変えずに原爆展を開く方針だ>ということです。政権からの圧力に屈せず、原爆展を成功させていただきたいと思います。

混乱するのは、結局は学校現場です。(続報あり)

 首相の<休校要請>は、新型コロナへの対策とはいえ、あまりにも唐突であり、国民や各方面への配慮に欠けるものです。[場当たり首相の発言]に惑わされず、慎重かつ賢明な判断が求められます。

記事No.62

■北海道知事の真似 & 様々な疑惑隠し?
 安倍首相は、全国すべての小中高校・特別支援学校に3/2から臨時休校を要請しました。これについては、リテラの記事がいち早く伝えています。
 今回の唐突な<要請>は、同記事にあるように、自分を誇示したいと非常に焦っていた安倍首相が「北海道の鈴木直道知事が休校を宣言したことに『決断力がある』などと評価の声が高まったので、『自分も』ということで慌てて発表したようだ。だからなんの準備もしてなかったということなのでしょう。〈唐突で場当たり的〉だと言わざるを得ません。
また、リテラ記事では、専門家会議の岡部信彦委員は、NHKの取材に「専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ。判断の理由を国民に説明すべきだ」と厳しく批判した、とあります。
言うまでもなく、安倍首相本人と彼の周囲は、スキャンダルを含めて疑惑だらけです。「桜を見る会」と前夜祭の〈買収〉疑惑、あまりに恣意的な検事長の定年〈延長〉問題、相次ぐ閣僚の辞任と説明責任回避、IR議員の逮捕 etc…. それに加え、今回後手後手に回っている新型コロナ対策も連日のように批判されています。

◎(続報)安倍首相は2/28、衆院財務金融委員会で、全国への休校要請について「基本的な考え方として示した。各学校、地域で柔軟にご判断いただきたい」と述べたと報じられています。言わばトーンを下げた形ですが、「だったらもっと前に言ってよ」というのが国民や学校現場の声でしょう。

■各方面への配慮に欠ける首相の<要請> 
 「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、管内小・中学校が臨時休校するのに合わせ、北海道・帯広厚生病院は2/28から一部の診療を制限することを決めた」という報道がありましたが、診療制限の理由が「小・中学校に通う子どもを持ち、出勤できなくなる看護師が全体の2割強に当たる170人に達するため、予約外の外来などを休止する」というものでした。もし、首相の<要請>のとおりに全国の小中高特別支援学校が臨時休校になれば、このような事態が全国的に起こる可能性が大です。
安倍首相は記者会見で次のように述べています。
「行政機関や民間企業等におかれては、引き続き、休みが取りやすくなる環境を整えていただくとともに、子どもを持つ保護者の方々への配慮をお願いします。こうした措置に伴って生じる様々な課題に対しては、政府として責任をもって対応してまいります」
これが何らの実効性ももたない発言であることを、国民は見抜いています。人混みの中満員電車で通勤せざるを得ない多くの国民や、人と接する職業の方たちをどうするのか、今回の首相の<要請>には、各方面に対する配慮全くありません。

◎(続報)安倍首相の<要請>には、批判が続出。金沢市のように、<要請>には従わないという自治体もあるようです。

■上尾の学校はどうするのか
 学校を臨時に休校とする場合、「上尾市立小・中学校管理規則」に拠ることになります。そこには、次のように定められています。

第3条 学校における休業日は、次のとおりとする。
(1) 国民の祝日に関する法律に規定する休日
(2) 日曜日及び土曜日
(3) 県民の日を定める条例に規定する日(注:11月14日)
(4) 開校記念日
(5) 春季休業日 4月1日から同月7日まで
(6) 夏季休業日 7月21日から8月24日まで
(7) 冬季休業日 12月25日から翌年1月7日まで
(8) 学年末休業日 3月27日から同月31日まで
(9) 体験的学習活動等休業日 6月の第2金曜日
(10) 前各号に定めるもののほか、校長が教育上特に必要と認め、上尾市教育委員会(以下「教育委員会」という。)の承認を受けた日
2 校長は、教育上必要があるときは、教育委員会の承認を得て休業日に授業を行うことができる。ただし、運動会、学芸会等恒例の学校行事に伴う授業については、教育委員会の承認を得ることに代えて、あらかじめ教育委員会に届け出るものとする。
3 非常変災その他急迫の事情があって、臨時に授業を行わない場合においては、校長は次の事項について速やかに教育委員会に報告しなければならない。
(1) 授業を行わない期間
(2) 非常変災その他急迫の事情の概要とその措置
(3) その他校長が必要と認める事項

 つまり、規則では校長が上尾市教委に報告した後、学校が臨時休業になる、ということになります。おそらく、今日(2/28)にでも臨時校長会が開かれ、市内一斉にどうするか判断されると思われますが、規則からすれば、臨時休校は校長判断ということになります。
もし3月2日から4月7日まで「休校」になるとしたら、上尾では〈1週間短縮された夏休み〉よりも長い休みとなります。
学校現場の先生方からは、様々な疑問や懸念の声が出ていると思われ、各学校の校長はそうした声に向き合うことが求められます。

 臨時休校の決断をするには、あまりにも時間が足りません。仮に休校するとしても、保護者をはじめ各方面へに配慮した形、すなわち「慎重かつ賢明な判断」にすべきで、首相の唐突な<要請>のとおりにすることはないとブログ筆者は考えます。

◎(続報)上尾市では、臨時校長会を開き、小・中学校ともに3/2~3/26まで休校を決めました。また、保護者の状況でやむを得ない事情のある子については、弁当持参のうえ、登校を認める学校もあるようです(条件等の詳細は未確認)。

◎(市教委HP関連)上尾市教委のHPには、2/28 18:25 現在、小・中学校休校の情報は掲載されていません(「奨学金の貸付」等2件の新着情報は up されています)。各学校でのメール配信や連絡網に丸投げしているようです。

◎(市教委HP関連 続報)やっと「上尾市立小・中学校および平方幼稚園の臨時休業について」という「お知らせ」が市教委HPにアップされました。担当課は学務課でも指導課でもなく、学校保健課です。

市教委が「不存在」とした「釣り大会」資料、やはり存在していた!

 丸山公園で開催された「釣りイベント」について、上尾市教委が後援したことがわかる資料を示してください、という情報公開請求に対して、いつになくスピード感をもって<文書不存在のため非公開>という処分を下した市教委でしたが、実は…

記事NO.61

■市長あてと市教委あての情報公開請求
12月議会の尾花質問で「丸山公園での[釣り大会]を、2003年に上尾市教委が後援している」との指摘がされたことから、上尾市長と市教委双方に、以下の内容で情報公開請求をおこないました。 

 本情報公開請求書の受理日(注:2020年1月6日)以前に、上尾丸山公園における「釣り大会」「釣り教室」「魚類の捕獲」(又は同趣旨の催し)について、上尾市教育委員会が後援したことが判別できる文書・資料等。

 時期は限定せずに「今まで市教委が丸山公園の釣りイベントを後援したことがあるか」というのが開示請求の趣旨です。念のため、市長あてと市教委あて双方に請求を出した結果、担当課であるみどり公園課は 1月15日に、市教委は何と請求書が届いてから3日後の1月9日にそれぞれ「文書不存在による非公開」との処分を請求人であるブログ筆者に示してきました。

■実は存在した「釣り大会」に関する資料
 上述の「非公開処分」に納得できなかったブログ筆者は「市教委が後援したのが事実であれば、必ずどこかにその証拠があるはず」と考え、今までの『広報あげお』を調べることにしました。その結果、……ありました。それがこちらの資料。 『広報あげお』2003年8月号

第16回県民総合体育大会 2003 放流・家族釣りの祭典(釣り大会)」と堂々と『広報あげお』に載っているのです。しかも、後援は ⇒
上尾市市教育委員会文部科学省となっています。

 この事実について、みどり公園課と上尾市教委に説明を求めたとしたら、「探したが無かった。保存年限も過ぎているので、こちらに落ち度は無い。広報あげおなら、担当の広聴広報課に言ってほしい」などと言うつもりでしょうか。

■問題は、市民に対する態度
 看過できないのは、市民からの情報公開請求に対する上尾市教委(担当は生涯学習課)の姿勢・対応です。上記の情報公開請求書が届いてから、わずか3日で「文書不存在による非公開」の通知文を作成しています。まずは請求された文書・資料等を紙ベースやPCデータなどを探したうえで、いよいよ無いとなれば、生涯学習課内での決裁を経て、「(文書不存在のため)非公開決定通知書」が請求人に示される手順になるのです。そうした手続きがあるため、上尾市情報公開条例では、処分通知を請求人に渡すまでに「公開請求があった日から起算して15日以内」の期間を要すると定められているのです。
他の請求の場合は「きっちりと」15日という期間を使って請求人に処分を下すことが通例になっていることを考えれば、今回僅か3日間で「非公開」としたことは「極めて異例」であり、請求があった当初から「非公開を前提にした処分」であったと言わざるを得ません。
つまり、みどり公園課もそうですが、とりわけ生涯学習課は、以下に掲げる上尾市情報公開条例第1条の(目的)を無視していることになります。

上尾市情報公開条例
(目的)
第1条 この条例は、市民の知る権利を尊重し、行政文書の公開を請求する権利につき定めること等により、市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市の諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにするとともに、市政に対する市民の理解と信頼を深め、及び市民による市政の参加の充実を推進し、公正で開かれた市政の発展に寄与することを目的とする。

  みどり公園課も、市教委生涯教育課も、情報公開請求人である市民に対して誠実に文書・資料等を探しさえすれば、『広報あげお』に載っていることに気づき、正確に情報提供できたはずです。そうした対応を全くしないというところに、今の上尾市&教育行政の本質が表れています。



 

ONE TEAM(ワンチーム)の重さと軽さ

 〈第一生命〉が恒例の<サラリーマン川柳>優秀作 100句を発表しました。思わず笑ってしまうような作品が多い中、句の意味を考えさせるようなものもありました。

記事No.55

■ラグビー人気を象徴する句ですが…
筆者が「なるほど」と思ったのは次の句です。

「ONE  TEAM」 にわかに課長が   言い始め
※川柳作品の著作権は全て第一生命に帰属するため、
の句の「初句(上五)」はカタカナを英語表記にしてあります)

 この句は「ONE  TEAM(ワンチーム)」という、ラグビーワールドカップ以来流行した言葉と「にわか」ラグビーファンを揶揄している点、さらには「(今までそんなことを言わなかった)課長が、急にワンチームと言い始めた」ことを、多少の皮肉を込めて読んでいる点が優秀作品に選ばれた理由だと思います。

■市役所HPで「ワンチーム」を検索すると…
 おそらく上尾市役所(市教委・学校関係を含む)内でも、誰かが「ワンチーム」と言っているだろうとブログ筆者は推測し、市役所サイト内のキーワード検索したところ、最上位に出てきたのが これ
なんと、〈 141時間超え時間外勤務問題で昨年12月議会質問でも取り上げられた上平小学校のHPでした。「学校だより11月号(P1)」には、<上平小も「One Team」で>と掲載されています。

 …私たち職員も、保護者も、地域も、一人一人が自己の役割と責任を果 たす中で、みんなが健全な子供を育てるという一つの目的に向かってワンチームとなり、邁進していきたいという思いでおります。

 表面的に見れば、「そうかもしれない」と思う方もいるかもしれません。ただし、「ONE  TEAM」というフレーズが生まれた経緯に関する別の特集記事を読んだ後では、印象はかなり違ってきます。

■「ONE  TEAM」の本当の意味での「重さ」
 前記特集記事によれば、チームのキャプテンのリーチ・マイケルは
ONE TEAM と言っても、一夜にして出来るものではないですよ」と述べています。それは、新しい日本の指導者になったジェイミー・ジョセフに対する信頼感がすぐに醸成されたものではなかったことによります。チームの発足当初は、ジェイミー・ジョセフと選手の間にはチーム運営・戦術の方向性について溝があったからです。
その状況を変えたのは、ジェイミーが日本人と海外出身の選手たちとの相互理解を促したことによります。

 海外出身の選手たちは、日本の選手たちがミーティングで発言せず、消極的なことが理解できない。『そんな姿勢でチームに参加して意味があるのか?』となる。反対に、日本の選手たちは外国人選手が時間にルーズだったりすると、それにイラッとしたりする。そのほかにも様々なカルチャーギャップがあることを認め、話し合ってその溝を埋め、しっかりとしたチームの土台を作ろうと選手たちに話しました」 そこからチームは変身した。(特集記事より)

 リーチ・マイケルはこう言います。

 「日本の代表なのだから、やっぱり日本の文化を表現しているべきです。海外の指導者が日本にやってきて、自国のスタイルをそのまま導入しようとするとうまくいかないと思います。その点、日本代表の選手たちはレセプティブ(receptive)、受容性が高かった。バックグラウンドの違う相手を受け入れるところからチーム作りはスタートして、最後は全員がジェイミーが立てた戦略を100パーセント信じることが出来たと思います」 (特集記事より)

 つまり、「ONE TEAMの完成に至る道には、山があり谷があった」ということなのです。

■自分勝手な解釈をする校長の「軽さ」
 このように、「ONE TEAM(ワンチーム)」という言葉の持つ本来的な意味を知ったあとで、もう一度上平小の校長の文章を読んでみると、「なんて言葉の使い方が軽いのだろう
」と思いませんか?

 たとえば、上尾市教委による強制的「委嘱研究発表」とその準備のために、過労死ラインをはるかに超える時間外勤務を強いられてきた職員と、なぜそのようなことになるのか、その要因について徹底的に校長は話し合ったのでしょうか?
また、市教委の「委嘱研究」が、長時間勤務の温床となっているという事実について、校長はきちんと市教委に意見を述べましたか?
結局、校長が「責任を果たす」のは職員にではなく、市教委に対してだけではないでしょうか。 まさに、

「にわかに 課長(校長)が   言い始め」

ということなのです。
リーチ・マイケルが言う「ONE  TEAM」の重みと、上平小校長の言う「ワンチーム」は、本質のところで全く違うものであり、上平小のほうは、「軽さ」ばかりが表出していることになると言えます。
上平小の校長は、市教委にこう提言するべきです

上平小では、市教委による委嘱研究発表の準備のため、月に141時間を超える時間外勤務を強いられています。このような委嘱研究は、そろそろ根本的に見直しませんか?

 校長が「ワンチームで云々」と言いたいのであれば、きちんと市教委に対して長時間勤務が強いられている状況を説明し、改善を求めるべきであるとブログ筆者は考えます。市議会の質問がされた後ではありますが、今からでもそれは出来るのではないでしょうか

 

これだけある、学校給食の問題点

 上尾市が実施している学校給食については、給食費だけでなく、食育の充実としての時間確保やスタッフの問題などもあります。今記事では、あまり表面に出てこない事実も含めてお伝えします。

記事No.54

■学校給食は教育の一環
 上尾市教委がwebで公表している『上尾の教育』に、「学校における食育の充実」という項目があります(第2章 P75-P78)。そこには、最初に次のような記述があります(原文のまま引用)。

 健康教育の一環としての学校給食は、かつては食糧不足の時代に栄養補給を目的として実施されたが、現在は飽食の時代といわれるくらい物質的には豊かな社会となった反面、欠食や偏食による栄養のアンバランス、肥満傾向児童・生徒の増加、家庭における食生活の変化、食料生産の体験不足による食に対する理解度の低下などのため、健康や食習慣上の課題が指摘されている。そうした中で「生涯にわたる健康づくりの基礎を培う学校給食」としての役割が求められている。

 つまり、学校給食は「健康教育の一環」であるので、各小中学校では「食育」を充実させるということが述べられているのです。このことを前提として、学校給食についての問題点を見ていきます。

■短い給食時間で「食育」は充実できますか?
 各学校の「給食時間」については、おおむね
小学校=45分  中学校=35分 となっています。
 「給食時間」には、給食の準備・配膳・手洗い・片付けを含み、小学校では歯磨きの時間が入っている場合もあります。
中学校では、25分(西中の月曜日)という学校や、南中のように清掃を終えてすぐに給食30分という学校もあります(曜日によって日課が異なる場合も多いので、各「学校要覧」で確認しました)。

 このタイトな時間配分の中で、食育を充実させるとしたら、担任の教師や「食育」の担当者は相当な努力が必要でしょう。「日々の給食指導、本当にお疲れ様です」というほかありません。

■「給食関係従事者」の職種は?
 市内の小学校には、給食物資の発注等や「食育」を担当する「栄養職員」と、給食室で調理業務をおこなう「給食調理員」がいます。
「栄養職員」は、以前は全体の食数で配置されていましたが、現在は学校によって「栄養教諭」「栄養技師」「学校栄養士」のいずれかの職員が配置されています。また、「給食調理員」には、本採用者(退職後の再任用を含む)、嘱託、臨時の各調理員がいますが、賃金や勤務状況等に差が生じているため
2020年4月から導入予定の「同一労働・同一賃金」を待つまでもなく、早期に本採用者の賃金に近づける努力が求められます
中学校については、次に述べる「給食の方式(形態)」とも関係するので、そこで説明したいと思います。

■給食の「方式(形態)」について
 上尾では、小学校は各学校の給食室で調理する「自校方式」です。主食は米飯が月に11回程度(内、自校炊飯が2~3回、残りは委託炊飯)、めんが月2回、あとはパンとなっています。また、「食物アレルギーを有する児童の把握に組織的に努める」とされています。
 中学校給食は〈共同調理場(セントラルキッチン)+自校調理場(サテライトキッチン)〉=「上尾方式」として、全国的にも珍しい方式である、とされています。ただし、各中学校の給食室で勤務する調理員の方は、民間会社(T食品)の雇用となっているため、各学校で把握するのは困難な現状です。衛生上の問題もあり、学校の職員が給食室に入ることはできませんし、もし配膳の際に遭遇したとしても、大きなマスクをしているので、顔も名前もわかりません。また、O(オー)157の関係で、生野菜が献立に出ることはありません。

■給食費について
 学校給食の調理場の形態(直営・委託)状況や給食費等についてのデータは、「埼玉の学校給食」に詳しく出ています。それによれば、上尾市の給食1食当り平均単価を見ると、次のようになっています。
※ 2018.05.01 時点での保護者負担額のみの額。「埼玉の学校給食」P15
 小学校 …… 254.22 円(県内高額順の5位)
 中学校 …… 312.53 円 (県内高額順の1位

 また、市議会の質問でよく出される「県内で給食費が公会計化されている自治体の数」については、最新のデータでは、
 全ての学校が公会計  28市町

 共同調理場のみ公会計    4市
 全ての学校が私会計  31市町
となっています。 ※「埼玉の学校給食」P14

 もし、給食費を公会計とした場合、税金の徴収と同様の扱いとなるため、未納についての督促業務は、上尾市(教委)に移行します。
学校の負担は減りますが、その代わりとして市教委が二つ返事で引き受けるかどうかは、かなり難しいと考えられます。おそらく、実務を担当すると思われる学校保健課が、「人手不足や新しいシステムの構築化に時間がかかるので困難」、とでも言いそうです。

 最も可能性のあるのは、細かい額になりますが、保護者が給食費の自動引き落としのために金融機関に払う手数料の無料化です。金融機関によっては、手数料が1回につき何十円という場合もあるので、それが無料になれば保護者負担は軽減されます。

 あとは、給食費そのものの無償化ですが、「ビジネスゲームの館」記事へのコメントにも同趣旨で書きましたが、上尾では、給食費無償化を自らの政策に掲げているか、または賛成するだろうと思われる議員(会派)の合計人員が12人、あと4人賛成すれば、給食費無償化を含んだ修正案が通ることもあり得ます。財源については、当然どこからかひねりださなければなりませんが、それは市民・議員・市の行政当局が考えれば良いことであり、みんなで知恵を出し合うことも必要だと思います。ただし、第3子以降無償とか、そんな中途半端なことはやめたほうがいいと思います。
もし給食費が無償ということになれば、市教委は督促業務が回ってこないこともあるので、学校教育部長の答弁とは裏腹に、本音では歓迎するでしょう。
12月の糟谷質問でも出されましたが、人口約30万人の兵庫県明石市は、「市長のパワハラ発言」で有名になりましたが、今年の4月から「保護者の所得に関係なく給食費の完全無償化」を実施する見込みです。また、群馬県渋川市では、すでに無償化が実施されています。
要は、「本気でやるかやらないか」ということではないでしょうか。
 W逮捕やブロック塀で地の底まで落ちた上尾市行政。これを打開する策としては、「子育てなら上尾」「給食費は無償です」という「シティセールスのための謳い文句」は有効かもしれません。その場合には、学校給食法よりもずっと上位にある憲法第26条「義務教育はこれを無償とする」をその根拠とすることになると思われます。

市教委選出<学識経験者>の実像

 教育委員会の事務に関する点検評価報告書』が、昨年の12月11日に上尾市教委HPに公開されました。
この『報告書』に「第三者的立場」から意見や提言を述べる役目を負う<学識経験者>が現在3人います。その中の一人であるY氏は、上尾中学校運営協議会(コミュニティスクール)委員にもなっていますが、同協議会委員による「リレーエッセイ」へのY氏の投稿は「え? なにこれ?」と思わせるものです
(問題の文章は、今記事の最後のほうにリンクがあります。)

 今記事では、Y氏が『報告書』の中で意見や提言をする立場の<学識経験者として本当にふさわしい人なのか甚だ疑問であるということをお伝えします。

記事No.52

『報告書』について
◇市教委HPに掲載されたのは「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下、「地教行法」)」で議会への報告と住民への公開が義務付けられている教育委員会の事務に関する点検評価報告書(以下、『報告書』)』です
※市教委HPからは2019.12.11の更新情報からでないと最新版は見られません。

◇報告書の「事務」とは、教育委員会の業務全般のことを指し、内容は、学校教育はもとより、家庭教育、生涯教育、文化・芸術、スポーツ・レクリエーション等に及んでいます。
◇上尾市教委は、2017年度まで 156頁あった『報告書』を、昨年度と今年度は約60頁に減らしました。これは、「法律で市議会提出の義務があるものの、特に議員から質問も無いことから、そんなに長文の報告書は作成しなくてもよいのではないか」との市教委の判断で頁数の大幅減になったものと思われます。
『報告書』は、<前年度に教育委員会がおこなった事業について、教育委員会自らが点検・評価した報告>に対して、「第三者の視点が必要」ということで市教委が選んだ<学識経験者>が意見・提言を述べるという形式を取っています。
ここでは「学校運営協議会」&「コミュニティスクール(CS)」について『報告書』の中でどう記述されているか、また、それに関連する<学識経験者>の意見・提言に絞って見ていきたいと思います。

■「学校運営協議会」&CSについて
◇「地教行法」が2017年に改正され、コミュニティスクール(学校運営協議会制度)が本格的に動き出しました。上尾では、昨年度は3校(上尾小・東町小・上尾中)が先行実施され、今年度からは市内全校が「コミュニティスクール」になっています。また、この制度の詳細は、文科省HPで解説されていますこちら)。
◇運営協議会の委員は、文科省の解説では、「幅広く適任者を募る観点から、例えば、公募制の活用等選考方法を工夫するとともに、地域住民や保護者等へ広報、周知に努める必要がある」とされているものの、実際には、その学校の地域住民や保護者、「対象学校の運営に資する活動を行う者」や「その他当該教育委員会が必要と認める者」が委員となっているようです。今記事で取り上げるY氏は、「教育委員会が必要と認める者」枠で上尾中の学校運営協議会委員になったと考えられます。

■<学識経験者>のCS関連の記述
◎(前提)2017(H29)年4月1日 地教行法改正(CS関連)
H29報告書(2017年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元富士見市職員
学校運営協議会の設置の方向になっていくわけであるが、校長は学校経営方針をしっかり持ち、協議会の方々に翻弄されないようにし、協議の内容も教育委員会と共に決めていく必要があると思う」
<学識経験者>の意見は、各年度『報告書』の記述によります。)

H30報告書(2018年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元上尾市職員
「法律に基づいた仕組みであるコミュニティ・スクール(学校評議員会制度)を上尾市全体で推進する施策に期待したい。H30年度に、上尾小・東町小・上尾中の3校にコミュニティ・スクールが設置され、成果が楽しみである」

H31報告書(2019年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元上尾市職員
コミュニティ・スクール推進事業においても、学校の要望をもっと出し、地域がそれを受け入れ、協力し、学校がもっと安心して、子どもたちのために活動できるようにさせたい。コミュニティ・スクール設置事業により、学校がさらに忙しくなっては意味がない」

◇以上のとおり、『報告書』には2017年4月の 地教行法改正を受け、コミュニティスクール(学校評議員制度)についての<学識経験者>による記述があります。

■<学識経験者>であるY氏とCSとの関係
Y氏には教育委員の経歴があります。時系列で見ると、
2012(H24)年10月—2016(H28)
年9月 教育委員(4年間)
2017(H29)年8月 『報告書』の<学識経験者>への就任依頼。
2017(H29)年10月 <学識経験者>として『報告書』に意見。
 ⇒ 第1の疑問点
2018(H30)年4月 上尾中学校運営協議会委員に就任
2018(H30)年12月 上尾中「リレーエッセイ」公表
 ⇒ 第2の疑問点

■Y氏についての「第1の疑問点」
◇以前の記事(こちら)でも書いたとおり、『報告書』は前年度の事業について教育委員会が作成し、<学識経験者>が「第三者的観点から」点検評価するものです。
◇市教委のHP「教育委員会のあらまし」には、「上尾市教育委員会は教育長と5人の委員により組織され、教育、学術および文化に関する事項について大所高所からその基本的な方針などを決定します」と記述されています。
◇それにもかかわらず、Y氏が「自分が教育委員として執行した事業(H28年度上半期)」について「第三者としての観点から」意見を述べているのは、どう考えてもおかしいことでありそれを教育委員会が放置しているのも全く理解できません

■Y氏の「第2の疑問点」 —「リレーエッセイ」—
◇上尾中から推薦を受けた上尾市教委は、Y氏を「学校運営協議会」の委員として任命しました。そのことについて、Y氏は、同校運営協議会委員が輪番で書く「リレーエッセイ」で、信じられないような投稿をしています。それがこちら
◇Y氏の「リレーエッセイ」を読み、まず違和感を覚えるのは、冒頭の「学校運営協議会とは、何?」
という箇所です。
◇今記事で実証データに基づきお伝えしてきたとおり、Y氏がこの文章を書いた時点(最初の委員の投稿が8月なので、2018年4月~7月頃に原稿依頼があったと考えられます)で、すでに<学識経験者>として『報告書』に意見を寄せているので、 学校運営協議会についての知識や認識が十分にあったはずだからです。
◇さらに「あー引き受けなければよかった」という文言にいたっては、呆れるばかりです教育委員であった者や『報告書』に意見や提言をする<学識経験者>が書くべき文章では断じてありません。


■この問題の本質とは
◇上尾中では、Y氏のこの文章をそのまま掲載しています。個人の文章表現が保障されるべきなのは自明ですが、少しでもY氏の経歴や、<学識経験者>としてCSに関してすでに意見を述べていることと、このエッセイとが著しく矛盾するということに考えが及べば、別の対応があったとのではないかと思われます。その意味では、今記事でお伝えしたいこの問題の本質とは、
①「元教育委員」&<学識経験者>であるY氏の資質の問題。
上尾中側と学校運営協議会委員との「極めて親和的で、都合の悪いことはお互いに言わない関係性」 であると言えます。

ブログ筆者は、今記事に関する実証的データの全てを市教委HPとそのリンク先から得ています。
上尾市教委も、各年度の「点検報告書」への意見や提言を担当する<学識経験者>の言動についても、たまには check してみてはいかがでしょうか。

「教職員の長時間労働」を助長する冊子 『上尾の教育』 

 暮れも押し詰まった12/26、上尾市教委HPに今年度版冊子『上尾の教育』が掲載されました(こちら。この冊子は130頁にわたる細かい記述で、全部を読み通すのは、かなりの時間と根気が必要です。
言えることは、『上尾の教育』は、現在社会的な問題となっている教員の長時間勤務等を意識したり、学校現場の勤務の状況に配慮したものでは決してなく、「あれもこれもやれ、とにかくやれ」と詰め込んだ中身になっているという点です。つまり、教職員の長時間労働を助長するものとなっているのが特徴です。

記事No.50

■誰のための冊子なのか
 『上尾の教育』は、かなり以前から
上尾市教委によって作成され、市教委のHPでは、2015(H27)年度以降の分が掲載されています。
以前は「デジタルブック」でしたが、読みづらいということからか、
今年度の冊子は次のような構成になっています。

 第1章 教育行政・教育財政(31ページ)
 第2章 学校教育(44ページ)
 第3章 生涯学習・文化芸術・文化財(22ページ)
 第4章 生涯スポーツ・レクリェーション活動(3ページ)
これ以降は「統計・資料等」

 このように、ページ数を見ただけでも、第1章と第2章とに重点が置かれていることがわかります。
では、
この冊子はいったい誰のために作られたものか」という点ですが、教育長&教育委員&市教委事務局の職員が自らの権威付けのために「形として残しておきたい」と考えて毎年作成しているものであることは明らかです。冊子の第1章冒頭にある「歴代の教育長及び委員」など、その典型です(別の例を挙げれば、各学校の校長室に歴代の校長の写真が飾られ、校長が代わる毎におこなわれる〈掲額式〉なるイベントと、「不必要な権威づけ」という意味では、同一の性質のものであると考えられます)。

 もうひとつ言えることは「現場の教職員のほとんどは、この冊子を見ていないし、読んでいない」であろうということです。はっきり言って、現場の先生方は「市教委の、市教委による、市教委のための冊子」を読む暇など無いほど、疲弊し、追い詰められているのです。
もっとも、中には「学校経営方針」などを作成する際に「参考(剽窃とも言えます)」にする校長もいます(上平小の学校経営方針にある「目指す教師像」は『2018 上尾の教育』の「完全パクリ」です)。
 さらに、この冊子の存在をご存知の市民(保護者の方を含む)は、極めて少数だと思われますが、上尾市教育委員会の「不都合な真実」を理解するために一度目を通していただくと良いかもしれません。

■冊子『上尾の教育』の特徴
◇「目指す教師像」とは?
『上尾の教育』P.39には「目指す児童像・生徒像」「目指す教師像」がそれぞれ10項目ずつ並んでいます。これは、2017(H29)年度から記述されたものですが、児童・生徒像と教師像がほぼ同一であることが特徴です。それぞれの10項目の前に置かれている文言は、

(児童・生徒像)自分に厳しく、相手に優しくできる自己を確立し、友達や大人から「頼もしい」と信頼され、頼られる児童生徒。

(教師像)自分に厳しく、相手に優しくできる人間として、児童生徒、保護者、地域、同僚から「頼もしい」と信頼され、授業で勝負し、頼られる教師。

となっていますが、肝心なことは、これらの「像」を示した上尾市教育委員会が、どのような姿勢であるかということです。
まず想起されるのは、このブログで何回かお伝えしましたが、住民監査請求の結果、市の監査委員にも指摘された「デタラメ服務」の池野教育長です。池野氏は、自分は届も出さずに「お休みzzz」としておきながら、上尾市内の教職員には「服務の厳正を」などとする文書を頻繁に発出しており、そのことを監査委員に指摘されました。
これは、『上尾の教育』に記載されている教師像とは真逆の、まさに「自分に甘く、相手に厳しく」を地でいっています。
『上尾の教育』に「目指す教師像」として「自分に厳しく、相手に優しくできる人間」などと記載されているのは「
ブラックユーモア」とも言えますが、市民としてはとても看過することはできません。
かも、『上尾の教育』には「教職員の服務の厳正(16頁)」という文言がしっかりと記載されていることは、池野教育長の行状を考えれば、呆れるばかりです。

 「目指す教師像」の全項目を知りたい方は、市教委HPの『上尾の教育』をクリックし、39頁を見るか、または、こちらでも見ることができます。今年度の上平小(石塚昌夫校長)の「学校経営方針」の中の「目指す教師像」の中身①~⑩と全く同一だからです。このように、一部の校長には『上尾の教育』は強い味方になるでしょう。学校のオリジナリティは無視し、原文を丸写しにすれば良いのですから。

◇市教委による学校への「押しつけ」
『上尾の教育』には、「基本目標」として「安心・安全で質の高い学校教育の推進」という項目があります。この中には、読み飛ばすと、あとで「書いてあったでしょ?」と言われそうな記述があります。

 消防署の協力を得て「資格講習会」及び「資格更新講習会」を実施することにより、教職員の応急手当普及員の増員を図るとともに、全小・中学校に有資格者が在籍する体制を維持します 『上尾の教育』P15より引用

※これは「平成31年度 上尾市教育委員会の事務に関する点検評価報告書」P22に掲載されている文章とほぼ同一のものです。

 他の文言が細かく量も多いこともあり、この文は思わず読み飛ばしそうになりますが、「応急手当普及員って何?」「全部の学校に置くってどういうこと?」と突っ込みたくなる一文です。
ちなみに、応急手当普及員とは、消防庁からの文書(こちら)によれば、≪心肺蘇生法(傷病者が意識障害、呼吸停止、心停止又はこれに近い状態に陥ったとき、呼吸及び循環を補助し傷病者を救命するために行われる応急手当)及び大出血時の止血法≫の講習を受けた者のようですが、「市内全学校に必置の根拠」を確認したいところです。

 この例でもわかるように、市教委や学校現場にはありがちですが、「根拠はともかく、良いことのようだからとりあえずやってみよう」ということがあまりにも多すぎるのです。
 『上尾の教育』もそうした観点でまとめられた冊子と言えますが、ブログ筆者がずっと主張しているように、上尾市教委は、学校現場への「押しつけ」をやめて、市教委からの関与を出来る限り薄めるべきです。そうすればもっと学校現場に余裕が生まれるでしょう。

◇比較の仕方がおかしい
『上尾の教育』の「指導の重点」の中に、「学級経営」についての昨年度の評価として、次の文言があります(40頁)。

全国学力・学習状況調査の質問紙調査では、「先生は、あなたのよいところを認めてくれると思いますか」で「はい」と答えた上尾市の小学生は54.3%(全国42.5%)、中学生は35.1%(全国32.5%)となっており、全国に比べて市内の児童生徒に自己有用感が育まれている。

 まず、この質問だけで「自己有用感」が育まれているかどうか判断するのは早計だと思います。対先生との関係性だけではなく、まわりの友人が認めてくれているかもしれません。何よりもおかしいのは、「全国に比べて市内の児童生徒に自己有用感が育まれている」と分析していることです。この調査に基づくのであれば、上尾市の中学校の場合、65%の生徒は「自己有用感が育まれていない」ことになるのですから、むしろそちらのほうが問題でしょう。もともと状況が異なる全国と比較することと合わせ、「ちょっと違うのでは?」と指摘せざるを得ません。 

■現状ではとても正規の勤務時間の中では無理
「目指す教師像」ばかりではありません。[指導の重点]として、教師が果たすべき課題が、「これでもか」と書かれています。
学級経営/学習指導/生徒指導/進路指導・キャリア教育/道徳教育/教育相談/体育・健康教育/人権教育/特別支援教育/国際理解教育/情報教育(小学校のプログラミング的思考を含む)/環境教育/ボランティア・福祉教育/男女平等教育/学校図書館教育/交流及び共同学習…… これらすべてについて、数項目から10項目以上の「指導の重点」が示されているのです。また、それとは別に教科ごとに[指導にあたっての努力点]として細かい記述が延々と続きます。
「指導の重点・努力点」は教職員に配布されますが、『上尾の教育』は「これでもか」と追い打ちをかけるような記述になっています。
 小・中学校に勤務する先生方が、この『上尾の教育』に示す項目全部に取り組むためには、授業の準備や「振り返り」を含めて、膨大な時間がかかります。しかしながら、冊子『上尾の教育』には、掲げている内容が教職員の正規の時間内で出来るということは全く示されていません。過労死の要因ともなり得る長時間勤務の問題やクラス定員をそのまま放置しておいて、「とにかく冊子で示した方針で、何がなんでもやれ」というのは、問題が多すぎるのではないでしょうか。
ブログ筆者は今後もこの問題については、実証的データ等に基づき、記事にしていきたいと考えています。

■『上尾の教育』の意味不明の記述
 最後に、この冊子の記述に誤りがあることを指摘しておきます。
「生涯にわたる豊かな学びのサポート」(18頁)に、図書館に関する記述があります。
 図書館本館の改修事業のほか、分館では憩えるスペースの確保など多様な過ごし方ができるよう整備します。また、図書館本館の改修時の一時移転先として、民間施設を活用・整備します

 一方、この冊子の発刊にあたって、池野教育長は市教委のHPで次のように述べています。

 本冊子は、平成31年度の上尾市の教育行政および教育機関の諸活動の概要について、教育行財政、学校教育、生涯学習、生涯スポーツの領域に分けて収録いたしました。(以下略)

 つまり、この『上尾の教育』の内容は、2019(平成31)年度の諸活動について書かれているものであると教育長が明言しています。にもかかわらず、「図書館本館の改修時の一時移転先として、民間施設を活用・整備します」とはいったいどういうことか、意味不明です。
発行年月日が2019.12.26であることを考えれば、この記述は1月以降のことを述べているのか、それとも内容が誤っているのか、情報公開請求等で確認していく必要があります。

■このところ、当ブログ閲覧数が増加の傾向にあり、その中には、市民の方はもちろん、市役所(行政)や市教委、学校関係者も含まれているものと推測いたします。可能であれば、ブログ記事への共感や批判などをコメントとしてお寄せください。

■また、「実はこういう事実がある」「市教委があれこれ言ってくるので困っている」といった内部通報や情報提供もお待ちしています。その際、ブログトップにある「お問い合わせ・情報提供」経由でご連絡ください。もちろん、秘密は厳守いたします。

糟谷質問で暴かれた、市教委の不都合な真実(2) -「修学旅行問題」-

 昔から当たり前のようにおこなわれてきた小中学校での修学旅行。特に中学校の修学旅行については、費用や行先の決め方、日程、あるいは先生方の超過勤務などの多くの問題点があります。今記事では、市議会での糟谷質問で浮かび上がってきた修学旅行にまつわる市教委の不都合な真実についてお伝えします。

記事No.48 

■小学校で最も高額なのは尾山台小。
■中学校では費用に12,000円以上の差。
 以下は、今年度に実施された修学旅行の保護者負担費用が高い順に表示したものです(高・低それぞれ3校ずつ表示。小学校は、日光方面と鎌倉方面とに分けてあります。実施時期は2019年)。

[小学校]鎌倉方面
(6校)
(負担額の高い順)
尾山台小   7/3~7/4         鎌倉・小田原方面    24,359円
中央小  11/20~11/21    鎌倉方面        20,870円
原市小  11/20~11/21    鎌倉方面        20,649円
(負担額の低い順)
平方小    6/12~6/13      鎌倉・東京方面     18,877円
上平北小   5/30~5/31     鎌倉・横浜方面     19,020円
上尾小    6/19~6/20    東京・鎌倉・湯河原方面 20,412円

[小学校]日光方面(16校)
(負担額の高い順)
今泉小    9/3~9/4         日光方面        22,589円
芝川小          5/29~5/30     日光方面        22,518円
平方北小  5/30~5/31       日光方面        22,359円
(負担額の低い順)
瓦葺小          6/4~6/5          日光方面        17,992円

富士見小  11/7~11/8         日光方面                                  18,202円
大石北小  5/28~5/29       日光方面        18,433円

[中学校]関西方面(11校)大谷中のみ大阪に行っています。
(負担額の高い順)
太平中    5/30~6/1        京都・奈良方面     64,802円
上尾中    6/2~6/4          京都・奈良方面     64,071円
上平中    5/29~5/31       京都・奈良方面       63,393円
(負担額の低い順)
大谷中    7/2~7/4           京都・奈良・大阪方面        52,667円
西中               7/3~7/5           京都・奈良方面                     52,705円
原市中           7/9~7/11         京都・奈良方面                     53,321円

※小学校の場合は、同じ日光方面でも学校によって差があることがわかります。これらは、バス代の差によるものと考えられます。また、必ず業者を通しているので、その手数料(パーセンテージ)も検証されなければならないと思われます。

※中学校は、学校によって大きな差があります。大谷中と太平中とでは、何と 12,135円 違います。市議会では、この差が生じていることについて、糟谷議員が質問しています。

■的外れな伊藤学校教育部長の市議会答弁
糟谷議員の質問:
「それでは、修学旅行の費用が最大で64,800円という学校、一番低くて52,600円という学校で、12,000円以上の差があるんですって、これは非常に負担感が保護者にあるということからしてもこれが適正な額の範囲と考えられるのかどうか、そこの認識をお尋ねします」

伊藤潔 学校教育部長の答弁:
「各学校では複数の旅行業者に見積もりを依頼して内容と価格を考慮したうえで利用業者を決定しておりますが、実施時期や学校規模により宿泊費等の差が生じております

 この伊藤潔 学校教育部長の答弁は、的外れと言わざるを得ません。なぜならば、参加生徒数は、太平中125人大谷中119人で、ほぼ変わりません。実施時期は学校により異なりますが、問題は宿泊先です。
◇太平中は「からすま京都ホテル」2泊で29,160円
◇大谷中は「日昇館尚心亭」同じく2泊で18,630円
 以上のように、宿泊先が異なるため、10,530円の差があるのです。
 つまり、伊藤学校教育部長の答弁は、費用の内訳・明細を確認しないものであると指摘できます。

 ここでもお分かりのように、市議会という公的な場でさえも、市教委は平気で的外れで間違った答弁をするのです。

糟谷議員は、この答弁を聞いて、こう発言しています。

「その差をできるだけ小さくするということはぜひやっていただきたい。私が調べたところだと、決して大きな学校と小さい学校という差じゃなかった。これは大体規模が同じくらいの学校でも差が生じているのですね。宿泊費にすごく差があるんですよ、よく細かく見ると。そういうことも含めて、時期とかがあるかもしれない、だけれども、人数ではないということ、そのへんをよく見ながら、決してそれを良いとは思わないから言うのですが、公平な負担に是正していただくよう、求めておきます」

■他にも修学旅行に関しては多くの問題が
 今記事の冒頭で、修学旅行(特に中学校)については、行先の決め方や日程、あるいは先生方の超過勤務など多くの問題があると述べました。ひとつひとつの問題については、別途情報公開請求もおこなっている最中でもあることから、ここでは重要なポイントを指摘し、次回以降、ブログ筆者が知り得た情報をお伝えしていきます。

[行き先と日程]
小学校がおおむね前年度に学校側が次年度の日程や行先を決めるのに対して、中学校は2年前にすでに日程が「決められて」います。
この経緯について情報公開請求を求めたところ、「文書不存在」の処分となりました。その通知文書には備考欄に次の記述があります。

「小・中学校ともに、予定を立てる際または申込む際に、校長・教頭・教務主任等が口頭で確認しているため、文書は不存在。」

この文言はよく読むと、まさに修学旅行に関する「不都合な真実」が隠されていると考えられます。中学校が修学旅行の実施時期の2年も前に「申込む」とは、いったいどういうことなのか。
ブログ筆者は、このことについてある「仮説」を持っていますが、それについては、新たな事実が判明した時点でお伝えいたします。

[超過勤務の問題]
想像するのは比較的容易だと思われますが、とりわけ中学校の修学旅行の引率をする先生方は大変です。朝早くの集合時刻になる前から生徒の集合場所で待ち、現地での生徒の就寝後の打ち合わせなど、休む暇はありません。その緊張が生徒の解散時刻まで続きます。

具体例として、大石南中の先生方の修学旅行中の勤務実態を見てみると、「修学旅行に関する実績簿」によれば、初日から 17・17・13時間となっています。正規の勤務時間は7時間45分×3日=23時間15分ですから、差し引きで23時間45分超過していることになります

 この超過時間は、「勤務の割り振り変更」として修学旅行から8週間以内に振り替えることになっていますが、実際のところは、やむを得ず夏季休業中になってしまいます。
ここで、あり得ないことですが、振替時間の「値切り」がおこなわれるのです。前の例で示した大石南中の場合は、23時間45分超過にもかかわらず、割り振り変更は12時間のみ、とされてしまうのです。
 実は、これは市内で一律になっていることから、校長たちが示し合わせて「割り振り変更時間の値切り」をしたと容易に推測できます。

 このように、修学旅行をめぐっては、様々な問題があります。市議会の糟谷質問にもありましたが、ブログ筆者は「なぜ行き先が京都・奈良でなければいけないのか」ということに強い関心を持っています。
そのことも合わせ、修学旅行の問題については今後もお伝えしていきます。

糟谷質問で暴かれた、市教委の不都合な真実(1) -「委嘱研究の闇」-

 12/19、糟谷珠紀氏の市議としての最後の質問を傍聴しましたが、「子どもたちに豊かな未来を」と題しての、舌鋒鋭い内容でした。ブログ筆者が関心を寄せている「委嘱研究」の弊害や修学旅行問題など、まさに「上尾市教委の不都合な真実」が暴かれた市議会となったと言えるでしょう。今記事では、糟谷質問の中から市教委による「委嘱研究の弊害」について、次回の記事では「修学旅行」についてお伝えします。

記事No.47

■委嘱研究の実態と市教委の「負担軽減」策とは?
 糟谷議員のこの質問についての、伊藤潔 学校教育部長の答弁は以下のとおりです。

 「上尾市内の全小中学校が3年サイクルで2年間の委嘱研究に取り組み、授業や放課後の研修会など、計画的に研究を進めております。教育委員会では、研究発表の方法や、配布する資料を簡素化することなど、負担軽減の視点から各学校を指導しています

 この答弁に対して、糟谷議員は次のように指摘しています。

「委嘱研究をした学校の『研究紀要』の中で、校長がこう言っています。 —5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり抜いてまいりました。この実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使命感と授業力の向上につながったものと考えています—」

 糟谷議員は質問で「委嘱研究をした学校」と言っていますが、このブログの読者はお分かりだと思いますが、これは上平小のことです。

 上尾市教委の「委嘱研究」を受けた上平小(石塚昌夫校長)が作成した『研究紀要』冒頭の校長あいさつで「業務の負担に逆行しながらも(外国語活動の授業を)やり抜いた」と述べている問題は、当ブログでもすでに指摘したところです。それがこちらの記事です。

■「失笑」が漏れた伊藤学校教育部長の答弁
 では、「委嘱研究」を受けた上平小では、どういう事態になっているのでしょうか。糟谷議員が示したのは、上平小のある職員の今年10月の「時間外勤務の時間数」です。

 なんとその時間数は、1ヶ月 141時間38分

 これは、「過労死ライン」と言われる「1ヶ月 80時間」をはるかにオーバーしている時間外勤務の時間数です。間違いなく、委嘱研究発表の準備に相当時間が取られたうえ、日常的な業務も重なったためにこうした長時間の時間外勤務になったのでしょう

これに関しての糟谷議員の質問:

「こういうことを放置していいのですか、と私は問いたいのですね。委嘱研究がこうした実態であることを見たときに、長時間勤務につながっているという要因もあることを市教委のほうは認識しているのでしょうか。いかがですか?」

この質問に対する、伊藤潔学校教育部長の答弁

委嘱研究がご指摘のように過度の負担にならないよう各学校で計画的にすすめられるように努力しているところでございます」

 ほぼ満席の傍聴席にいた私は、この答弁を聞いて、思わず「は?何言ってるの?すでに過労死ラインを超える勤務をしている状況なのに、全く他人事のような答弁だな」と思いましたが、他の傍聴の方も同様の感想を持ったようで、「この部長さん、何を言っているんだろう?」というような、呆れたような「失笑」が漏れていました。

 糟谷議員は、次のように続けています。

 「(職員が)過度の負担にすでになっていることはお認めいただきますよね。で、こういうのをしっかり見てください。教育委員会がこの学校はこれをやって、というのがはたして良いのか、もっと希望制を取ったら良いのじゃないかとか、もっと自主性に任せたらよいのではないかとか、もっと委嘱研究のあり方、とりくみの見直しなど改善できる余地があると思うんですね。なので現場の声をしっかり聴いていただきたいということを申し上げておきます」

■ブログ筆者の主張を取り入れた質問と市教委の姿勢
 糟谷議員の質問は、次回以降の記事でお伝えする修学旅行の問題と合わせて、ブログ筆者の日頃の主張を取り入れた質問でした。その点で大変感謝しています。
しかしながら、市教委側の答弁は看過できません。『研究紀要』は研究発表の前に教育委員会事務局に届けられたはずですし、上平小を訪問したであろう「来賓=通常は教育長や教育委員」も見ているはずです。上平小に行かずとも、教育長や教育委員は上平小の『研究紀要』に目を通していると考えるのが極めて自然です。
『研究紀要』の校長あいさつ文に「業務の負担に逆行しながらも」という文言があることについて、教育長も、教育委員も、学校教育部長も、指導課長も、学務課長も、指導主事も、誰も「これは良くないな」という指摘をしないとすれば、まさにそれは現在の上尾市教育委員会の「不都合な真実」と言わざるを得ません。

「百条委員会」&「上尾市学校施設更新計画基本方針」策定

 12/6(金)、上尾市議会調査特別委員会(いわゆる百条委員会)は、ブロック塀事件にかかわる証人喚問における畠山市長の「証言拒否」&新井元市長の「虚偽陳述」について告発することになりました。

 一方、「上尾市学校施設更新計画基本方針」が施策として、市教委のHPで12/9付けで公表されました。

記事No.44

■「百条委員会」
 元市長所有地のブロック塀公費支出問題で、市議会の調査特別委員会(地方自治法「以下、法」第100条による)は、畠山市長を証言拒否で、新井元市長を虚偽証言でそれぞれ刑事告発することになりました。
畠山市長は10/25の証人喚問で、新井元市長&小林元議長と3人で会合した際、「ブロック塀の工事を依頼された」としていますが、使用した飲食店名や支払の有無について証言を拒否していました(法第100条3項に抵触)

 また、新井元市長は、10/24の証人喚問で畠山市長に電話したことはないと証言していましたが、畠山市長が留守電の録音を委員会で公表したため、虚偽の陳述に当たる(法第100条7項に抵触)として、告発する方針を固めたものです。

 こうした一連のやり取りから「本当のことを言えば良いのに」あるいは「なんでバレるような嘘をつくんだろう」と思うのが、普通の市民の感覚です。

■「上尾市学校施設更新計画基本方針」の公表
 一方、市議会調査特別委員会による現&元市長への刑事告発とほぼ時を同じくして、上尾市教育委員会事務局(担当:教育総務課)は「上尾市学校施設更新計画基本方針」を公表しました(こちら)。

 この方針の特徴的な点は、【市民コメント制度による意見募集を受けて修正した内容】も同時に公表していることです。それがこちら。 館の住人(このブロ
グの筆者)も、何点かにわたって修正すべき点を指摘したところ、半分以上「方針」に反映されています。

■市民的視座や感覚を大事にしているか
 ブロック塀公費支出問題の経緯や、百条委員会のやり取りから、畠山市長&新井元市長に対して市民は以前にもまして強い疑念を持つことでしょう。それが普通の市民的視座 or 市民的感覚なのです。

 「上尾市学校施設更新計画基本方針」が、市民コメントを受けて修正した内容と同時に公表されたことが
当たり前のやり方だとは言え、市政(教育行政)において「新鮮」に見えます。
 それは、今まであまりにもお粗末な市長らの態度にあきれ返っていた反動かもしれません。

上尾市教委による「委嘱研究」の闇/上平小の実態から(2)

前記事では、市教委による委嘱研究の弊害について、上平小の実態を示してお伝えしました。情報公開請求等で調べれば調べるほど、上平小の石塚校長の発言のいい加減さがますます浮き彫りになってきました。

記事No.43

 市教委による強制的な「委嘱研究」を受けた上平小は、『研究紀要』を作成しています。その冒頭の校長あいさつ(こちら)の中身に問題点があることは前記事でもお伝えしましたが、今記事では前回指摘できなかった内容について、さらに触れていきます。

■校長の言い分と異なる現実
 『研究紀要』冒頭で、石塚校長は「もとより教員には職責を果たすために、研究と修養に励むことが求められています」と述べています。この「研究と修養」(「研修」と言う場合が多い)は、教育公務員特例法(教特法21条)にその根拠を求めることができます
また、教員の職務の専門性に着目して、同22条では「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる
と定められています。
石塚校長が英語の早期教育について、先生方に対して「研究と修養=研修」に励むよう求めるのならば、英語の教科化について、推進・批判的双方の研究会等に積極的に出かけるよう保障すべきなのです。
あるいは、小学生の英語早期教育に対する批判的な文献(例:鳥飼玖美子『英語教育の危機』、永井忠孝『英語の害毒』など多数)を、国立国会図書館や大学図書館に調べに行くなども考えられます。旅費が無くて出張に出来ないのであれば、まさにこの教特法22条を根拠に、研修できるはずです。英語早期教育に批判的な考えも含めて研究しなければ、子どもたちへの英語教育は、非常に偏ったものになってしまいます

ところが、教特法22条に係る上平小関係の書類の開示を求めたところ「文書不存在」という処分でした。つまり、石塚校長は、『研究紀要』ではあれこれ言うものの、実際のところは、先生方に対して教特法22条による研修を保障してはいないのです。

※館の住人(このブログの筆者)は、現在おこなわれている市教委による強制的な委嘱研究発表は、以上のようなことだけでなく、弊害が多いと考えていますので、次回以降も、情報公開請求に基づいた事実をお伝えしていく予定です。

 もし、市教委による委嘱研究の弊害や関連する情報をお持ちの方は、このブログの「お問い合わせ」経由でご連絡ください。内部告発的な情報提供についての秘密は必ず守ります。また、委嘱研究を推進する立場の方(上平小の石塚校長を含め)からのご意見もお寄せください。お待ちしています。

 

強制的「委嘱研究」の弊害 -上平小の実態から(1)- 

上平小では、明日(11/28)「英語」の教科化を先取りしての委嘱研究発表会が実施されるとのことです。今記事では、その弊害についてお伝えします。

記事No.42

■「委嘱研究」発表会のパターン
 現在、上尾市内小中学校33校は、例外なく市教委による「委嘱研究」を強制的に受けさせられています。
委嘱の内容は様々ですが、研究主題やサブテーマには「主体的に行動できる児童」や「豊かな心があふれる○○っ子の育成
〇〇には学校名が入ります)
」など、耳触りがよく、情緒的なキャッチフレーズが並びます
委嘱研究発表とは、「研究授業」の担当となった教員の授業を市教委の「指導主事」や他校の校長や教員が参観し、終了後は研究授業者を囲んでの研究協議&全体会での講評、というのが通例のパターンとなっています。準備段階で、発表校の先生方は全員が授業の「指導案」を市教委に提出し、checkを受けます。
このとき、小学校経験しか無い「指導主事」が中学校のベテランの先生の指導案を見るということも起きているのです。
発表前日には指導主事が学校に来て、掲示物や下足箱の来賓表示の位置を確認することもあります。つまり完全に「イベント化」しているのが実態です。

■「主催者」が最も気にすることとは
 主催者である発表校の校長や市教委の最大の心配事は「参観者が集まるかどうか」ということです。なぜなら、せっかく発表するのに、指導主事の人数よりも参観者が少なくては「盛り上がらない」からです。
市教委事務局委指導課が考えた方策は「各学校から強制的に人を集める」ことです。参観者は確保できるかもしれませんが、参加する側は大変です。いくら校長でも、年度内に11回も研究発表を見に行く暇は無いということで、近頃は同一日に2校発表となりましたが、もともと無理筋だったという証でもあります。

■「教員の働き方改革」に逆行する校長の態度
 上平小学校では、研究委嘱を受けるに際し『研究紀要』を作成しています。その冒頭、校長あいさつの中身を見て、ブログ筆者は非常に驚かされました。

(以下、H30・31年度上平小『研究紀要』から一部引用)
とりわけ、本市小学校においては、外国語活動の先行実 施に取り組むこととなり、本校でも、週時程・日課の編成に創意工夫を重ねながら、3・ 4年生においては週1時間、5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり 抜いてまいりましたこの実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使 命感と授業力の向上に繋がったものと考えております」

 つまり、上平小の校長(石塚昌夫氏)は、教員の長時間勤務を少しでも解消していくことよりも、自分が市教委から受けた委嘱研究を重視し、「業務の負担軽減には逆行」することを自ら認めているのです。
「とにかく四の五の言わず働け。そうすれば教員の使命感につながるから(=校長の思い込みの強要)」というわけです。まさにブラックの働き方であり、こんな横暴な校長の態度が許されるものではありません。しかも、『研究紀要』を受け取った市教委も、校長に対して何も言わないのは同罪と言わざるを得ません。
さらに、先生方に無理を言って「外国語活動の授業をやり 抜いてまいりました」という石塚校長の弁の結果は数字にも表われています。

■文科省の基準を大幅に超えている年間授業数
下の表は、上平小の昨年度の年間授業時数です。

    1学期   2学期   3学期     年間

計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 年間計画
時数
年間実施
時数
文科省の基準 超過授業時数
1年 275 317 350 369 225 238 850 924 850 +74
2年 312 338 364 380 234 256 910 974 910 +64
3年 335 355 392 403 253 274 980 1032 945 +87
4年 347 369 405 415 263 282 1015 1066 980 +86
5年 347 369 411 415 257 270 1015 1054 980 +74
6年 345 358 409 415 261 271 1015 1044 980 +64

 このデータを見れば、各学年とも明らかに文部科学省の定めた年間授業数を大幅に上回っています
授業時数が多いということは、取りも直さず先生方の負担が増え、授業をこなすのに精一杯で、余裕が無くなるということなのです。結局はひとりひとりの子どもたちに向き合う時間も削られることになります。
一方、学力はどうかと言えば、向上しているという成果は実証的データとして公開されていません。
委嘱研究は、結局先生方の余裕を奪うことに繋がるのです。
校長も市教委事務局も、執拗に「授業数確保を」と言いますが、大幅に超えた授業数に関して言及することはありません。

■研究委嘱は希望制にすべき
 強制的な委嘱研究(特に小学校の英語)は、以上の観点以外にも弊害が認められます。それらのことについては、別の機会にお伝えしたいと思います。

今、上尾市教育委員会として真剣に考えるべきことは「強制的な委嘱研究がもたらしている弊害は何か」を
検証し、学校側からの希望制に変えること
また、委嘱研究発表の際に来校する「指導主事」に対する学校現場側からの評価のシステムを構築すること、すなわち、本当に現場の先生方の授業を「指導」する力のある指導主事が来校しているのかどうかを見極めることではないでしょうか。

 

上尾市教育委員会の不都合な真実 ーいじめ調査委員の選出経緯の闇ー 

 2014(H26)年の9月から「上尾市いじめ問題調査委員会」が設置されました。その委員の選出経緯等について調べていくと、またもや上尾市教育委員会の不都合な真実が浮かび上がってきました。

記事No.40

■いじめ問題調査委員会設置の経緯と委員の役割
 上尾市いじめ問題調査委員会は、もともと2013年に国が「いじめ防止対策推進法」を定めたことを受けて上尾市でも設置されたものです。
調査委員(定員5名)の活動内容は、委員推薦の依頼状によれば次のように説明されています。

 重大事態に該当するいじめが発生し、各上尾市立小・中学校での調査が困難な場合に、当該重大事態について他4名の委員とともに調査をおこなう。

 ただし、結論から言えば、上尾市いじめ問題調査委員会が発足してから丸5年間、実際に委員が「重大事態」を調査したということは、一度もありません。

■委員の中には不可解な人選も
調査委員の任期は2年。2014(H26)の発足時から、2016(H28)・2018(H30)と2年毎に発令されていますが、メンバーはほぼ変わりません。

以下、委員会発足時の調査委員名
○大澤一司氏(アーク法律事務所 弁護士)=「弁護士」枠
○平山優美氏(県立小児医療センター 精神科医=「医師」枠
○相川章子氏(聖学院大学人間福祉部 教授)
=「心理、福祉に関し専門的知識を有する者」枠

○井川    隆氏(元 上尾市立上尾中学校長)=「識見を有する者」枠
○和氣昭祐氏(上尾市人権擁護委員会 委員)
=「その他教育委員会が必要と認める者」枠

 前記の人選については、情報開示の結果、5名の内4名の方は、それぞれ所属されている機関等に推薦依頼を出し、推薦された人物を委員として委嘱しています。たとえば「弁護士」枠であれば、「埼玉弁護士会 会長」宛に推薦依頼を出し、大澤一司氏が推薦されています。
 ただし、ひとりだけ例外がいて、それは「識見を有する者」枠で委員に委嘱された井川 隆氏です。
井川氏については、元 上尾市立上尾中学校長という「役職」になっていますが、校長会(or退職校長会)に推薦依頼は出していないそうです。情報公開開示の担当者(市教委事務局指導課職員)も、どうして井川氏が委員になったのかは不明であると言っています。

 井川氏を除く4名の方は、現在も調査委員として継続しています。井川氏は、2016(H28)年も調査委員となっていますが、その際の「役職」は、「国際学院中学・高等学校 副校長」に変わっています。この時も推薦依頼の文書はありません
2018(H30)年に井川氏の後を継いだのは、柿崎登氏で、「役職」は、井川氏と同じ「国際学院中学・高等学校 副校長」となっています。同様に推薦依頼の文書は無く、不可解な人選と言うほかはありません。
まさに「上尾市教育委員会の不都合な真実」です。

■わずか1時間ほどの会合で15,000円の報酬
この調査委員5名には、年度1回の会合とはいえ、報酬が支払われています。上尾市の「支出命令票」が開示されましたが、それによれば、各報酬支払額は、
委員長の大澤氏には 16,000円、他の4名(出席者)は 15,000円ずつとなっています。
担当の指導課職員に尋ねたところ、会合に要した時間は(正確ではないが)およそ1時間位であろうということですので、委員さんたちは、時給 15,000円ということになります。

■市教委は調査委員の人選について再考を
 5年前に設置されて以来、一度も活動の実績が無いいじめ問題調査委員会。上述のとおり「重大事態に該当するいじめが発生」しない限り、実際の活動をすることはありません。では、「重大事態」とは何か。
「いじめ防止対策推進法」では、次のように定義しています。
◇いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重 大な被害が生じた疑いがあると認めるとき

 もちろん、こうした事態は無いほうがよいですが、以上述べてきたとおり、少なくとも調査委員の不可解な人選を再考し、透明性を確保することが、上尾市教育委員会に求められているのではないでしょうか。

市教委は子どもを守る観点での迅速な防犯情報を

 上尾市教委HPのトップページには、「防犯情報」の見出しがあります。今月になって、それまでの具体的な不審者情報等が表示されなくなりました。それはなぜなのか、今記事では、その経緯を検証します。

記事No.39

■情報公開請求したら消された「防犯情報」
 ある市民の方から、このブログの「お問い合わせ」経由で「上尾市教委HPの防犯情報が、丸5年以上更新されていないが、何か理由があるのだろうか」との指摘を受けました。市教委のHPを見てみると、最新の配信日が2014(平成26)年9月9日になっています。
そこで、館の住人(このブログの筆者)は、
どのような防犯情報が市教委HPに掲載されるのか
5年以上も更新されていない理由
学校から保護者への防犯情報の流し方
それぞれについて判別できる文書・資料等の開示を求めて、
情報公開請求をおこないました。

 ところが、情報公開請求をした数日後、市教委HPから「5年前の防犯情報」が消えてしまいました。

 後日判明したことですが、「5年前の防犯情報」を消したのは、市教委事務局指導課でした。ただ、以下の手順で、消された内容は見ることが可能です。

■HPの内容の復元と、防犯情報が消された理由
HPの内容を復元するには、まず、
国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」を検索します。
出てきたキーワードの枠に「上尾市教育委員会 防犯情報」と入力することで過去の画面を調べることができます(他の全てのデジタル・アーカイブが調べられるわけではないようですが)。それがこちら
「保存日」を選べば、それぞれの時点での記載内容がわかるようになっています。
ちなみにこの調べ方は、上尾中学校の根拠ないHPの文言<地域No.1校 上尾中の取組>が書かれたのはいつかという前記事(こちら)で、harukaさんから教えていただいた方法です。

 では、なぜ市教委のHPから防犯情報の内容が消えたのでしょうか? 公開請求の「処分」の際に、市教委事務局指導課の職員と面談し、事情を聞いたところ、「防犯情報の更新がされていないということを忘れていました」ということでした。つまり、「5年前から
市教委HPの防犯情報を見ていない」というのです。
これは、にわかには信じがたい話ですが、事実です。

■では、現在はどうなっているのでしょうか。
防犯情報の内容が消された今は、「上尾市 安心・安全メールへの登録はこちらから」とあり、教育委員会以外の機関(交通防犯課など)と合わせて、メールマガジンの配信を登録する案内が示されています。

保護者にとって重要なのは、リアルタイムで送られる防犯情報です。この点に関して、情報公開請求の過程で判明したのは、次のようなことでした。

防犯にかかる事案が発生

警察から「市教委学校保健課」にFAXが届く

学校保健課から「各学校」にFAXが送信される

各学校の判断」で保護者に流す(メール配信等)

FAXを使う理由は、「校長(教頭)宛のメールだと、必ず伝わるとは限らない」からだそうです。
ここで問題なのは、「各学校の判断」というところです。場合によっては、学校保健課から流れてきた内容が薄められて伝えられることもあるからです。
たとえば、東の端にある学校が、西の端で起きた防犯情報をあまり重要視せずに、文言を省略して流すということも考えられます。
しかしながら、西の端で起きた不審者の事案でも、移動手段は様々あるわけですから、防犯情報は略されることなく伝えられなければなりません。
あるいは、近隣の地域でも学校によって保護者に流す内容が異なるということもあり得ますが、各学校の「さじ加減」で防犯情報の内容が異なるということはあってはならないことです。

■現在の方法を見直し、防犯情報の改善を望みます。
 保護者や市民にとっては、「防犯情報を市教委や役所のどの課が担当するのか」ということより、「正確な情報を迅速に流してもらいたい」ということのほうが大切です。そのためには、現在のようなやり方をできるだけ早く見直し「一斉に、同じ内容で、迅速に」防犯情報を伝えてほしいものです。

神戸・教諭暴力事件/上尾との共通点は?

 神戸市立東須磨小学校の教諭4人が、数年間にわたり、同僚の若手教員4人に対して集団いじめ・暴力行為・パワハラ・セクハラ行為を繰り返し、うち1人を休職に追い込んだという事件が表面化しました。
今回は、この事件について、「上尾で起こらないとは言えない」という視点で考えてみたいと思います。

記事No.36

■事件の要因は重層的なもの
 神戸の事件は、多くのメディアやネットで、相手が嫌がる様子を写した動画も含めて流されていますが、事件の全体をおおむね伝えているのは、こちらの記事だと思います。
事件に対しては、識者や世論の大半の意見が「刑事事件なので厳罰に処すべきである」というものであり、また、加害者が「有給休暇」で給与が支払われていることに市民からも批判が噴出し、神戸市長も急遽給与の差し止め条例を市議会に追加提案するという事態になっています(10/28議案提出、10/29成立見込)。

 では、なぜこのような事件が実際に起きたのでしょうか?

 まず、事件の要因として言われているのは、前記事のコメントでも言及されたように、「神戸方式」と呼ばれる、校長同士が相談して、気に入った先生を引き入れ、それを教育委員会に追認させるといった特殊な人事異動システムです。つまり、異動してきた者が、校長の威厳を笠に着て他の職員に強く出る、という構図です。

 言われているように、この「神戸方式人事」が事件の要因となっていることは間違いないでしょう。校長が後ろ盾になっていれば、引っ張られた教員の発言力も増すでしょうし、強く言われた相手が校長に「直訴」しても、校長は味方になってはくれないでしょう。

 さらに、事件に至る要因は次のようなことが考えられます。

*加害者とされる4人の教諭は、学校では「いじめ担当」や「学年主任」、「若手教員への指導役」などを担っていたこと(=主任制や校務分掌など、校内での職員の序列化の問題

*東須磨小は、2017年度に人権教育推進の「研究指定校」となっており、当時の校長が、小学校教員でつくる「人権教育部会」セミナーに積極的に参加していた主犯格のひとりである男性教諭を「神戸方式」で同校に赴任させたと指摘されていること。
(=「研究指定校」の弊害の問題

*現校長も前校長も、同じ学校で教頭から校長になっていること。
(=教頭時代から職員室での加害者の行状を知っており、そのまま校長になったのであれば、加害者には強く指導できないこと)

*被害者の教諭が昨年度、当時の校長に被害を訴えたが、逆に「お世話になっているのだろう」と威圧されたばかりか、逆に被害者に対して高圧的に叱責したり、飲み会への強要などのハラスメントがあったと指摘されていること。
また、複数の同僚教員がこの問題に気づき、昨年度の校長に訴えたが、加害者グループが校長からその指導力を評価されていることなどから、<事実上もみ消しがあった>と指摘されていること。
(=校長の資質の問題

(追記)
 各新聞等報道によれば、神戸・東須磨小の前校長は、現在「体調不良」で休んでいますが、11/1 付けで市教委事務局に異動になる見込みだそうです。何か都合が悪くなると、市教委に「かくまう」のは、常套手段です上尾でも、校長や教頭に何かあれば、市教委事務局にいる「待機組」が着任するのは、市教委内部での言わば「常識」です。
つまり、たえず余剰人員を抱えているとも言えます。

*市の教育委員会事務局の指導主事と、現場の校長の親和性が極めて高いこと。(=指導主事と校長との「ズブズブの関係性」の問題

 こうした重層的なことが、今回の神戸の事件の要因として挙げられますが同様の事件が上尾で起きないとも限らないという視点から考えていきたい思います。

■一般教職員の声は校長や教委に届いているか
 上尾の小・中学校で「日々子どもたちと向き合って授業をしている先生たちの生の声が、果たして市教委に届いているのか」という問いに対しては、残念ながら現状では
“NO” と言わざるを得ません。

 たとえば、2019.03.06の上尾市議会「文教経済常任委員会審査」において、次の質疑がされています。

◆委員(糟谷珠紀)  上尾市では既に中央小学校でタブレット端末を入れて、LAN環境も整備されているところで、実証実験みたいな形で先行してやってきたと思います。これを使っている現場の教員の中で、例えばそれが研修時間がすごく多くて大変だとかいう声は届いているのかどうか(お伺いします)。

◎副参事兼指導課長(瀧沢葉子)  指導課です。まず、教職からそういう声は届いているかということについては、届いておりません

 このやりとりから何がわかるでしょうか。

 糟谷委員が「現場の教員の声が(市教委に)届いているか」という質問に対して、瀧沢指導課長(今年度は学務課長。以前は校長)は、「届いておりません」と答えています。これは「現場の教員の声は、各学校の校長が把握したうえで、市教委事務局に伝える」という、言わば校長と市教委との間での<了解>に基づいての答弁と言えます。つまり、現場の声は校長を通じてしか市教委には届かないし、もし校長が言わなければ、現場の声は反映されないということになります。

 そこで問題になるのは、瀧沢課長もそうですが、上尾市教委事務局には、校長であった者が指導課長やら学務課長やら学校教育部長に就いており、最後に退職する際には(退職金をどこが支払うかということがあるので)学校現場に戻るという、言わば<親和的システム>とでも呼ぶべき仕組みが出来上がっていることです。すなわち、校長は市教委事務局に異動する可能性があるので、自分に不利にならないように立ち振る舞うことになります。

 先の上尾市議会「文教経済常任委員会審査」のやりとりで、「現場の先生の声が届いていない」というのは、「校長からそのような話を市教委事務局は聞いていない」という意味なのです。もし、学校現場の先生から質問なり要望があったとしても、校長がそうした声を市教委事務局に伝えることは、まず無いでしょう。

なぜなら、校長と市教委事務局とは「ズブズブの関係性」となっており、これは上尾も神戸も同様だと思われます。自分が市教委事務局に異動したときのことを考えれば、現場の要望をそのまま伝えることは「自分で自分の首を絞めることにもなりかねない」と校長が考えても、決して不自然ではないのです。

 市教委事務局と校長との関係性が以上のようなものであれば、神戸のような事件が起こっても、最初から全てを校長が市教委に伝えるとは思えません。上尾と神戸の「近似性」が指摘できる所以です。

■「研究指定」の弊害
 神戸の事件で、「やはりそうなのか、上尾と似ているな」と思わ
せることに、「研究指定」の弊害の問題があります。
東須磨小は、2017年度に人権教育推進の「研究指定校」となっており、当時の校長が、主犯格の男性教諭を、人権教育に熱心であるという理由で同校に赴任させたと指摘されています。

 事件を見ても明らかなように、残念ながら「人権教育を推進している者自身が、人権感覚を持ち合わせているわけではない」というのが実態です。いくら人権教育に熱心であっても、加害者としてとった行動は常軌を逸しており、人間としても許されない行為です。

 上尾では毎年、市内の学校数(33校)の3分の1にあたる11校が強制的に何らかの研究指定の発表をさせられています。
3年に一度と言いますが、発表の前年はプレ発表ということですから、たえず「研究指定」のプレッシャーに晒されています。

 また、「指導」に各学校に来る「指導主事」は、たとえば小学校の経験しか無いにもかかわらず、中学校のベテランの先生を「指導」するといった、<指導主事の資質の問題>も指摘できます。

 とにかく、学校現場に余裕を与えない」「校長が何も言わないので、現場の不満や要望など無い」というのが、今の上尾市教委の姿勢であり、教員の長時間労働を(表面的な対処療法ではなく)根本から解決しようとしない教育行政となっているのが現状なのです。

■上尾で必要なことは
 今記事で述べてきたように、事件の要因は複合的なものになっています。では、神戸のような事件が起きないようにするためには、上尾ではどうしたらよいのでしょうか。

(1) 自由にものが言える雰囲気が大切
 教員にとって大切なのは、一にも二にも授業です。校長や教頭は担任として子どもたちの前に立つことはありません(自ら放棄したとも言えます)。学校で最も重要なのは、いかに教員が自由な雰囲気で、しかも余裕をもって子どもたちに向き合えるかなのです。その意味で、学校内での「権威の序列」は必要ありません。校長はあくまでも「職務上の上司」であり、教頭はその補佐役です。
 学校で目指すべきは、「わかる授業」をいかに教員が他の職員とつくりあげることができるか、ということではないでしょうか。

(2) 強制的な「研究指定」を、選択制にすること
校長はその親和性から、市教委事務局が言うことに唯々諾々と従います(情報公開請求で検証済)が、強制的な「研究指定制度」が無くなったとしても、学校は少しも困りません。
校内でお互いに授業を見せ合い、ともに学ぶ必要があることは否定しませんが、その際、「指導者」を呼ぶのでしたら、学校側が選んだ方を呼べばよいのです。
同様に、強制的な「研究指定」などは止めて、希望制にすれば良いのです。「指導主事」がその指導力を見せたいのであれば、手本となるような「世界一受けたい授業」を実際にやって見せることです。
(上尾の指導主事の中にそんな人がいるとは思えませんが)

(3) 学校にもっと余裕を
学校が忙しい根本的な原因は、学校に対する市教委事務局の関与が多すぎる点です。市教委事務局の関与を極力減らすことが、真の意味での「働き方改革」に結びつきます。
また、文科省で定めている年間授業数よりも大幅に授業時間数が超過している現状も何とかする必要があります(これに関しては後日別記事でお伝えします)。
さらに、6年前に夏休みを1週間前倒しをしたことの検証をすべきです。とりわけ、教職員が休みづらくなったというアンケート結果があったはずなのに、それについての検証がおこなわれていません。
夏休みを短くして、「授業数の確保」ばかり言う市教委事務局も、例えば2学期の始業式を8/29に改めるなど、自らの方針を考え直す時期なのではないでしょうか。

 今回の神戸の事件を契機に、上尾市教育委員会としても、上尾でも起こりうる事件であるという観点から
教育行政を見直すことが必要だと考えます。