「上尾市総合計画審議会」を傍聴して(その1)

2月2日に「上尾市総合計画審議会」が開催されました。
私も「第6次上尾市総合計画(案)」に提出した自分の意見がどのように扱われるのか知りたいと思い、同審議会を傍聴しました。
今記事と次回の記事の2回に分けて、このことについてお伝えします。

No.141

🔷「上尾市総合計画審議会」とは?
図書館サービス計画(案)の記述にもあるように、上尾市の様々な計画の中でも上位に位置するとされる「上尾市総合計画」。同計画を審議するため、「上尾市総合計画審議会条例」が定められています。
同条例によれば、同審議会の委員は、会議員が5人以内。加えて、「市政の各分野において優れた識見を有する者」が10人以内とされています。メンバーは →
 上尾市総合計画審議会 席次表

どうしてこのメンバーなのか、議員はともかく、「市内各分野で優れた識見を有する者」については、「(数ある分野の中で)各分野はどのように決めたのか」や「なぜ、この人の名前が出てきたのか」については、情報公開請求をしてみても良いかなと思います。とりわけ、細野宏道氏については、同氏の発言内容から、「優れた識見を有する」とは思えませんし、「教育長職務代理者」でなく「教育委員」として審議委員になっていることにも「?」が付きます。

🔷私が提出した意見の扱いは?
私が提出した意見(7項目)と、それに対しての「市の考え方(案)」をまとめてみました。

(意見①) [全体を通じて]
第6次上尾市総合計画の策定経過にある「策定体制」が機能していることが示されていない。
🔷「あげお未来創造市民会議」でせっかく30名(第2回からは29名)の「市民」を選んだにしては、その関連の記述が無い。これでは、せっかく時間を取って会議に参加した市民会議の委員もがっかりするのではないだろうか。
(意見①についての市の考え方)[その他]の扱い
🔶第6次上尾市総合計画の最終版には、『策定経過の概要』及び『策定体制図』を追加し、第6次上尾市総合計画策定における『あげお未来創造市民会議』の位置づけと活動内容等を明示する予定です。

以前の記事でも、人選を含め問題点が多数あると指摘した「あげお未来創造市民会議」について、「総合計画案」ではひと言も触れられておらず、無残な扱いを受けています。
なお、「第2回から29名」の意味は、初回だけ出て、あとは一度も顔を見せなかった「市民委員」がいたからです(健康上の理由ではない、と行政経営課は明言してます)。つまり、市民からの公募委員の数を大幅に減らした代わりに、いろいろな団体や企業に声掛けをしたせいで、市民会議委員として相応しくない人が委員となったからでしょう。
私が提出した意見を踏まえ、活動内容を明示してもらいたいものです。

(意見②) [47頁以降]
🔷「取組の方向」の記述の文末に「担当課」が示されているが、上尾市全体として取り組むのであるから、不用である。すなわち、( )内に記述されている課名を削除する。こうした記述があることで、不必要な「縦割り行政」を是認することになる。担当課がどこであるかは、市役所内の組織の都合であり、市民は上尾市としてどう取り組んでもらえるのか、ということが重要なのである。
(意見②についての市の考え方)[P46-116]第3編 前期基本計画
🔶総合計画は、まちづくりの総合的な指針を示すものであると同時に、市の執行計画でもございますので、担当課の表記については、ご理解ください。

私が指摘した「縦割り行政」についての弊害をどうするかについては、市はひと言も言及していません。情報公開請求の際にも共通しますが、たとえば「上尾市教育委員会」宛てに情報公開請求する場合、請求する市民にとっては、その案件についてどの課(学務課や教育総務課など)が担当するかは関心がありません。市民にとっては、取組の中身が肝心なのであって、どの課が担当するかは、市の組織上の都合である、ということを理解しないようです。

(意見③)[50頁]《施策1-2 教育》「取組の方向」
〇きめ細やかな教育を行います  を、以下のように訂正する。
🔷きめ細やかな教育を行うため、国に先がけて少人数学級実現に向けて最大限努力します。
※あげお未来市民会議の最終発表でも「少人数学級の実現」が挙げられている。
(意見③についての市の考え方)
🔶きめ細やかな教育について、貴重なご意見として承ります。少人数学級については、今後も国や県の動向を注視し、適切に対応してまいります。

ここでも「あげお未来創造市民会議」からの提言は無視されてしまいました。全体を通して言えることですが、市民の意見に対して、同じパターンでの市側のコメントが目立ちます。これを「平たく翻訳」すれば
「貴重なご意見として承ります」⇒「市としては何もしません
「国や県の動向を注視して」⇒「上尾市が自ら動くことはありません
「適切に対応」⇒「あとでいくらでも言い訳できるようにします
ということであるのは、市民・国民はすでに十分学習しています
市は、あまり市民を舐めるものではありません。

(意見④)[50頁]《施策1-2 教育》「取組の方向」
〇不登校  の次に🔷を起こし、次の文言を加える。
🔷いじめの問題については、「いじめの兆候を見逃さない」ことを取組の基本に据え、「学校にはいじめる子やいじめられる子、それを傍観している子がいることが当然である」などという姿勢は絶対に取らない。
(意見④についての市の考え方)
🔶いじめの問題については、「いじめの兆候を見逃さない」ことを取組の基本として捉えております。貴重な意見として承ります。

上尾市が「いじめの兆候を見逃さない」と自らの考え方(というより、極めて普遍的な考えかたであると言えます)を示したのは当然です。
私の意見にある「学校にはいじめる子やいじめられる子、それを傍観している子がいることが当然である」と平方幼稚園関連の会合で発言したのは、教育長職務代理受領者の細野宏道氏です。
同氏は「上尾市総合計画審議会」に出席していますので、この提言を読んだはずです。自ら発言したことに対して、この意見を読んで「反省」してくれればいいのですが。
細野氏の発言も問題ですが、その会合の場にいた教育長も教育委員の誰もその発言を「いさめなかった」ことも問題視されるべきです。
何か、今大問題になっているJOCの会合の席上、誰も森会長の発言に苦言を呈する者がいなかったことと酷似しているような気がします。

少し長くなりますので、今回はここまで。
次の記事でこの続きをお伝えします。