この4月から上尾市関連で「少しだけ変更された大切なこと」について
新年度が始まりました。
当ブログでは、「市民的視座から市政・教育行政を考えよう」というコンセプトで記事を投稿しています。ですから、市民と上尾市との関係性がどうあるべきかという点を重視しています。今記事では、この4月から上尾市で「少しだけ」変更された「大切なこと」についてお伝えします。
No.319
🔸電子申請で「情報公開請求」する際の変更点
上尾市に限らず、行政・教育行政による情報公開は極めて重要なことです。
民主的な行政運営の根幹であると言ってもよいと思います。
そのため、個人情報を除いた文書や資料は、基本的に全て公表されるべきですが、実際には、情報公開請求をしないと公開されない文書や資料が多くなっています。
※当ブログでは「公表」と「公開」を基本的に次のように区分しています。 「公表」=市のHP等で文書や資料が明らかにされること。 「公開」=情報公開請求等により、市当局が文書等を示すこと。 |
上尾市では、公表されていない情報を市民が知るには、「上尾市情報公開条例」にしたがって、「行政文書公開請求書」を提出することになります。
4月から変更されたのは、この手続きの中での「電子申請」についてです。
実際の画面を見てみましょう。
今までは、必要な(知りたい)文書や資料は、郵送してもらうか、担当課の職員と面談して「通知書」と合わせてコピーを受領していました。とりわけ、郵送の場合は、事前にコピー代の支払いが必要であるなど、手続きに時間を要していました。
この4月からは、従来の方法のほか、「電子交付」(=必要な文書を入手したい場合には、メールで添付してもらう)が加わったことになります(通知書は別途郵送)。
コピー代がかからない、という点も見逃せません。
🔸市民として「行政情報」の入手方法を使い分ける
私(当ブログ館主)は、今回加わった「電子交付」を含めて、情報公開請求について次のように捉えています。
*文書や資料等が多い場合
→ 担当課職員と面談し、文書・資料等を閲覧し、必要な分だけコピーをする。
*詳しく説明を聞きたい(文書不存在の場合も含む)
→ 担当課職員と面談し、質問や詳しい説明などを聞く。
*文書・資料等が入手できればよい
→ 電子交付を選択する
このような「使い分け」も可能となりました。
なお、情報公開請求の申請方法については、市役所のHP「情報公開制度とは」( 情報公開・個人情報開示の申請の流れ)が参考になります。
🔸「公文書管理条例」の制定
今記事では「少しだけ」とタイトルに付けましたが、「公文書管理条例」の制定は、見方によっては「大きな変化」と言えるかもしれません。
「上尾市公文書管理条例」は、国の「公文書管理法」を受けて制定された条例ですが、私が着目したのは、第1条と第4条です。
このとおり、公文書管理条例では、市の公文書は
「市民共有の知的資源であり、市民が主体的に利用し得るもの」
と定めています。また、実施機関(教育委員会など)の職員が作成する文書は、
「経緯も含めた意思決定に至る過程や実績を合理的に跡付け・検証できるもの」
であると明確に説明されています。
条例の施行日は4月1日ですが、情報公開条例への反映などは10月1日から施行となっています。
市民にとっては、教育委員会などの事業を検証する際に、「公文書管理条例に基づき、文書があるはず」と主張できると考えられます。
🔸情報公開請求の宛先に「上尾市」を追加
4月になってから変わったということではありませんが、少し前から、情報公開請求の電子申請に際に、請求の宛先に「上尾市」が加えられました。
実際の情報公開請求(行政文書公開請求)では、宛先に迷うことがあります。
知りたい情報をどこに請求したらよいか分かりにくい場合もありますが、「不明」の場合は、上記の選択肢の中で「上尾市」を選べるようになりました。これは、私が1年以上前から要望していたものですが、ようやく総務課に対応してもらいました。
🔸「市政相談委員」の氏名等の公表
今までは、上尾市の「市政相談委員」は、市HPで氏名が公表されていませんでした。
他の委員等(行政不服審査会委員や、情報公開・個人情報保護審査会委員など)は公表されていることから、広報広聴課に要望したところ、相談員氏名が4月に公表されました。
私は、この制度にしたがい、3月に初めて「苦情申し立て」をおこないました。
今のところ、担当課の広報広聴課からは連絡がありませんが、次回以降の当ブログの記事で、苦情の内容と市の対応についてお伝えする予定です。
🔸何も言わなければ改善されない
今記事では、市への申請などが「少しだけ」変更されたこと、また、その変更の意味についてお伝えしました。
情報公開請求などを通じての実感ですが、上尾市政も、教育行政も
「(市民が)何も言わなければ改善されない」
のは明らかです。
経験上、多くの具体例を挙げることができますが、たとえば、情報公開請求で入手した「証拠書類」に基づいた住民監査請求により、教育委員会3月定例会では「いじめ問題調査委員の委嘱」が初めて議案となりました(当ブログNo.317記事参照)。
また、No.313記事 の内容〖市教委指導課による[学校図書館支援員]への《酷すぎる所業》とは?〗は、市議会でも取り上げられ、改善の方向に向かいましたが、状況を把握するために何度か情報公開請求しました。
今後とも、私は市民の権利として許された制度を活用しながら、市行政や教育行政が少しでも改善に向かうように、意見等を表明していきたいと思います。
「行政文書の作成義務」を課している上尾市公文書管理条例 第四条が
本当に遵守されるのかということを危惧しています。
この条文は、公文書管理法 第四条に沿ったものですが、現在この法令が
遵守されているとは言い難い状況です。
例えば教育委員会は、よく「全校の校長に指示をした、指導した」ということを回答します。
しかし、それについて「どの校長にどのような指示や指導をしたのかがわかる文書」を開示請求すると、必ず文書未作成という回答が返ってきます。
教育委員会の職員に「文書未作成ということは本当は指示や指導はしていなかったのでは」と質問すると「いや絶対に指示や指導をした」と言い張ります。
そこで「本当に指示や指導をしたというのなら、行政文書作成義務違反になりますよ」と話しても全く意に介しません。
上尾市公文書管理条例が施行されても「職務は行ったが行政文書は作成していない」
という主張が、何の処罰を受けることなくまかり通るのではないでしょうか。
上尾市総務課は、「研修をおこない条例遵守を徹底させる」と言っていますが・・・
いつも的確なコメントをありがとうございます。
ご指摘の点については、私も市民として粘り強く監視をしていくつもりです。
情報公開請求で、いわゆる「意思決定過程についての情報」を請求する際、「上尾市公文書管理条例により、作成されていると思われるが、」というように例示するなどの方法が考えられます。
総務課がおこなうという研修についても、情報公開請求していくつもりです。