「コンプライアンス研修」中身は結局闇の中???
“度量の狭い”講師 を選んだ上尾市
記事No.21
■添えられ1枚の写真
上尾市webには、「7月9日に文化センターで、市長・副市長・教育長も含め課長職以上の職員を対象に研修を実施しました」とあります。下の写真も添えられていますが、この写真を見てどんな感想を持つかは、全く市民の自由です(私的感想で言えば、前列向かって左から2番目と3番目の方の表情が今の上尾を象徴しているように見えます)。
(現在、この写真は上尾市HPから削除されています。)
■そもそも、何のための研修なのか。
この(コンプライアンス)研修をおこなった理由としては、「西貝塚環境センターの入札に係る第三者調査委員会からの再発防止策の提言を受けて、職員の職務に係る倫理の保持に資するために行ったもの」だそうです。ただ、注目すべきは研修の日付。この研修の少し前、6/20には市議会で例の元市長宅ブロック塀公費修繕問題が取り上げられました。
つまり、次から次へと起こる不祥事に、研修のほうが追い付いていない状況なのです。
このようなことを繰り返していたら、次回の研修は「上尾市ブロック設置問題に係る調査委員会調査報告書の提言を受けて」の研修も行われなければならないことになります。
■情報公開請求に対して「非公開」???
館の住人は、07/09 の研修会の内容が知りたいと考え、研修資料の開示を求めて情報公開請求をおこないました。その結果は、なんと「非公開処分」でした。
非公開とされた理由は、「研修資料については、講師が著作権を盾にして公開を拒んでいるから」というものです。
すなわち、07/09の研修会は市役所の課長以上の職員は全員出席していますが、その内容については市民には公開されず、闇の中ということになります。
こうした上尾市の対応には、市民として非常に違和感を持ちます。同時に、この研修会の講師である高嶋直人氏(上尾市HPによれば、「人事院公務員研修所客員教授」だそうです)をなぜ選んだのか(担当は職員課)、当日の研修資料は上尾市役所に帰属するという確認をしなかったのか疑問が生じます。
この講師は、研修内容が公開された場合は、“自分の「商売」に差し支える” との判断で資料の公開を拒んだのでしょうが、それは「不祥事続きの上尾で、何が問題なのか、何をすべきなのか」ということを市民と共有することを拒んだということになります。
結果的に上尾市は “極めて度量の狭い”講師を選んでしまったことになり、またひとつ上尾市行政の失敗例となってしまいました。
■職員研修の公開を
上述のような問題について、ひとつの有効な解決の方法を示してくれる参考文献があります。
浅野詠子『情報公開で進める自治体改革』自治体研究社,2010年
(残念ながら、上尾図書館には収蔵されていません)
文献で著者が主張していることは、次の点です。
自治体には情報が集積されています。これらの情報をどう住民と共有するかは、自治体が解決すべき課題のひとつですが、解決策の具体例の一つとして
「職員研修のテーマを見ればNPOのメンバーや私企業の者が率先して学びたい分野がかなりあるだろう」(前掲書,140頁)とし、職員研修に住民の参加を求めています。
著者が主張するように、自治体職員対象の研修について、住民の参加も認めるという手法は斬新であるとともに、全国の自治体においても取り組むべき課題であると考えるものです。
上尾市でも、次回以降の職員研修は、空いた席は市民で一杯にするくらいの“度量の広さ”を示してもらいたいものです。
それ、いいね。
効果はたくさん書けますが、「職員が緊張して居眠りできない」というのは確実です。
(議会は市民が見てても平気で居眠りする人がいますが、
青少年期の学習体験が希薄な人は集中できません)
実施自治体分かりますか?
前コメント、匿名(未入力)でしたか?失礼しました・・・
『情報公開ですすめる自治体改革―取材ノートが明かす活用術』の著者である浅野詠子さんは、
自治体の情報公開 ⇒ 住民との情報共有へと転換していく という運動をすすめている方なので、共感できます。
職員研修を住民に公開するというのは、同氏の目標だと思います。
大学図書館にはあったのですが、近隣の図書館には同じ本がないので、今度また調べておきます。