これから市議を目指す方に実現してもらいたい、上尾に必要な教育政策
上尾の池野教育長は、自らは休暇届を出さずに公的予定表には「お休み」などと記入させる一方、学校の教職員には「厳正な服務規律を」などと厳しい通知文を何度も発出し、かと思えば政治的中立が強く求められている立場にもかかわらず「市議会特定会派(旧新政クラブ)との夜の懇親会」に出るなど、「本当に教育長のすることなの?」との疑念が生じていました。
直近では、9月の教育委員会定例会で、なんと、自分の行状について指摘されている議案にもかかわらず、厚顔無恥にも自ら司会進行し、教育委員もそれについて何も言わないという事実が会議録で露見しました。
(これについては、地教行法(※)14条第6項に抵触している可能性が大であると指摘されています)
(※)地教行法=「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」
館の住人(このブログの筆者)による住民監査請求の結果、「休む時は休暇届等を提出する」など、当たり前のことが少しだけ改善されるようになりました。そんな態度の池野氏に何も言わず、質問すらしなかったのは、教育委員のお歴々ばかりではありません。
市議会で質問ひとつせずに<全員一致>で再任を認めた今の議員のみなさん方には失望を禁じ得ません。
次に市議になる方には、「上尾の教育行政のどこがいけないと言われるのか」をじっくりと検証したうえで「現状を変えるために必要なことは何か」を提案していっていただきたいと思います。
記事No.37
■余裕ある学校現場にするために
「教員はとにかく忙しすぎるので、何とかならないか」という意見や、「先生方が今よりももっと子どもたちと向き合う時間が必要」という意見は、今や市民はもとより、国民的課題とも言えます。
ただし、その対策はと言えば、残念ながら上尾では「その場しのぎ」(実効性のほとんど無いお盆のときの学校閉庁や、市内で2名だけのスクールサポートスタッフの配置など)というのが実態であり、とても根本的な解決策になっているとは言えません。
市内の学校の先生方が忙しい原因は、大きく言って次の二つです。
①上尾市教委からの不必要な指示や提出書類が多すぎること。※「委嘱研究発表会」とその準備等が典型。
②文科省で定められた標準授業数を大幅に超えての授業数。※学力向上の効果無し。成績は横ばい状態。
<余裕ある学校とするための具体的な施策とは?>
■現在、3年サイクルで市内の各学校に有無を言わせずに実施されている「市教委による委嘱研究発表会を任意の希望制にあらためる」ことです。それには、上尾市教委事務局指導課に現在11名置かれている「指導主事」を6名に減らすことです(減った人員は、制度上自動的に学校に配置されます)。
■市教委による「委嘱研究発表」が<希望制>になっても、学校現場は全く困りません。むしろ、学校現場では市教委からのプレッシャーが無くなり、余裕が生まれることは確実です。このことは、残念ながら、現市議の方々からは、一度も提案されていません。
■現在大幅超過状態にある年間授業時数を、文科省が定めた年間授業数まで適正化します(現状は、校長はやたらと「年間授業数」という〈数字〉ばかり気にします)。適正化により、先生方に真の意味で余裕が生まれ、子どもたちと向き合う時間を増やすことができます。なお、「学力」が下がる心配はありません。むしろ今よりも余裕を持って授業の準備に時間を使えるので、「学力」の向上が期待できます。
■市民活動家による教育政策への補足
今の現職議員たちに期待できないとしたら、市議会には市政や教育行政に対する監視の目が必要です。その代表でもある、図書館問題や住民監査請求で知られる市民活動家の宮入さんの政策(こちら)を補足するとしたら、次のようなことが考えられます。
■学校選択の自由について
すぐ目の前に学校(他市)があるのに、徒歩30分以上かけて上尾市内の学校に通わなければならない地域があります。これは児童・生徒にとって大きな負担です。学区の選択制など、柔軟な対応をするため「上尾市立小・中学校通学区域検討協議会」での緊急の課題とし、市境撤廃を視野に入れた論議の場を設定する必要があります。
■小中一貫校について
従来の市議会等の答弁や見解をよく検証する必要があります。
○2018(H30)年3月 保坂教育総務部長の答弁から
「今後、学校施設更新計画を策定していく中で、魅力ある学校づくりや学校規模の適正化という観点からも検討してまいります」
◎この答弁にある「検討」がどの程度進んでいるのか市教委に確かめることが必要です。柔軟な通学区の実現のためには、まず、小中一貫校のメリット・デメリットの検証をする検討会議の設置が必要です。
■置き勉問題
これについても、市議会答弁などをよく検証する必要があります。
○2018(H30)年9月 今泉学校教育部長の答弁から
「児童生徒の荷物が登下校の負担となっている場合があることは認識しておりますので、対策について検討してまいります」
◎「その後どう検討し、どう具体化していくのか」を市教委に確認していくことが重要です。児童・生徒の物理的な負担を軽くするために、各教室に鍵付きロッカーを設置するのは、すぐにでも可能です。
■<教育機関>としての図書館行政の見直し
宮入さんの図書館行政の政策は「築39年の図書館本館は、椅子の買い替えやテーブルの配置替えなど、インテリアの変更で滞在空間を広げます。それほど予算をかけずに、高齢者の居場所づくりや、学習をサポートするための機能を充実させます」という内容です。
図書館行政についての政策は、ブログ筆者は、次のように補足提案したいと思います。
■残念ながら、上尾には図書館法による専門的職員としての「司書」&「司書補」が置かれていません(前記事)。上尾の図書館をもっと充実させるには、法律で定められた専門職員を置き、専門的見地から市民のための〈図書館奉仕〉に取りくむことが重要です。
また、文科省の告示で示されているとおり、専門性を高めるためにも、図書館長には〈司書有資格者〉を配置する必要があります。
■カウンター業務担当者については、現行の上尾都市開発(株)への業務委託から、上尾市の直接雇用に改めます(担当者のシフト業務の円滑化のためです)。
■現在、週に1~2回程度の頻度で各小・中学校に配置されている、非正規の「図書館支援員」を、市費負担の正規職員とさせます(岡山市の実践に学ぶことが有効です)。
■『上尾市図書館要覧』から、理由も無く昨年度から突然削除されてしまった「上尾市図書館の基本理念」と「図書館の自由に関する宣言」を復活させます。
■「教育長」・「教育委員」選任についての見直し
■以前の記事にも書きましたが、池野和己氏は、逮捕前の島村前市長が指名し、教育長に就任しています。
その経緯について情報公開請求しても、文書不存在として扱われます。就任後は今記事の冒頭にあるような服務関係のデタラメさなどが目立つ人物であり、住民監査の対象となった岩手への「出張」には数々の疑念があります。
ブログ筆者は「9月の教育委員会議案が非公開とされた件で教育長に直接お伺いしたいので、電話を取り次いでほしい」と伝えたところ、市教委事務局(教育総務課)の拒絶にあいました。池野氏は、市民と直接話をするのは拒否しているようです。
教育長として市民から直接話を聞く機会が無いとすると、結局は市教委事務局からの「忖度話」か、あるいは抑制的なことは何も言わない教育委員との話ばかり聞くことになってしまうのではないでしょうか。
教育長には、市民と対話する機会を設けることが絶対に必要です。
■教育委員についてですが、例月の教育委員会定例会の会議録を見てもおわかりのように、会議の中で本質的で活発な議論がされているとは、全く言えません。
また、法定の「点検評価報告書」では「識者の意見」を求めることになっていますが、その「識者」に前の教育委員であった吉田るみ子氏は絶対に充てるべきではありません。教育委員のみなさんは、これが「身内の、身内による、身内のための点検評価報告」になっているのがわからないのでしょうか?
教育委員の資質が問われますが、「教育委員となった経緯が判別できる文書等」の情報公開を求めても、「文書不存在」の処分がされます。教育委員に就任または再任の際は「教育委員として上尾の教育行政にどうかかわっていくのか」という論文を書いてもらい、市民に公表すべきです。
とりあえず以上ですが、今後の市議会においては、新しい議員となった方から、以上述べたような観点に立った質問や提言がされることを期待しています。