竪十萌子さんの「憲法」の講演を聴いて

11月1日、弁護士の竪十萌子(たて・ともこ)さんの講演「憲法のこと知っていますか?」を聴きに行きました。衆院選挙開票の翌日というタイミングでしたが、あらためて憲法の大切さを学ぶことができた講演会でした。今記事では、このことについてお伝えします。

No.191

🔷わかりやすい竪十萌子さんの話
文化センターで開かれたこの「憲法のこと知っていますか?」という講演会について、私は『広報あげお 10月号』で知りました。
主催は「上尾市消費者団体連絡会」です。

講演会では、まず、レジメがとてもわかりやすいのに感心しました。
コロナ禍以後、私たちは毎日のようにTVのニュースやらネットで、様々な数字やグラフだのを見せられています。もちろん、それも大事なのでしょうが、竪十萌子さんのレジメを見て、「本質をつかむ」ことの大切さをあらためて教えられたような気がします。

たとえば、こんな感じです。

日本のあり方を決める人、日本の主役は?
A 国民   B 政治家  ⇒ (   )主権

衆議院選挙開票の翌日ということもあって、頭では国民主権ということはわかっているはずなのに、なんだか政治家が主役のように思わされていたことにハッとしました。

また、こういう設問もあります。
日本国憲法の存在意義は、国家権力を縛るための法律
(国民)の人権や自由を(国家権力)から守る役割を担う。

「憲法は権力者を抑制するために存在する」ということは、もちろん、頭ではわかっていることです。ですが、ともすれば忘れがちなこの原則を、たえず私たちは確認することが必要だとあらためて思いました。

🔷日本国憲法の「中身」とは
竪十萌子さんが強調した、憲法の中身をいくつか取り上げてみます。
どれも、講演のサブタイトル「みんなハッピーに暮らすには」につながっていくものです。

◎「個人」の尊厳ひとりひとりが大切にされる社会を

憲法第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

*みんなちがって、みんないい
*私も大切  あなたも大切
*私の幸せは私が決める

自民党の憲法草案との比較

現行憲法 自民党案
第13条: すべて国民は、個人として尊重される。(以下略) 第13条: 全て国民は、として尊重される。(以下略)

※反意語を考えてみる
「個人」 ⇔ 「全体」
「人」   ⇔ 「人でない」

つまり、「人」であることは当たり前であって、「個人」として尊重されることが重要なのです。

◎家族生活における個人の尊厳と両性の平等

憲法第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

※戦前の家制度=「男の支配」
※憲法24条=「家制度」=「男の支配」の否定=個人の尊厳
※「両性の合意で結婚」の意味は「家制度」の否定です。
ですから、同性婚も含まれると解釈すべき。

◎「生存権」と国の社会的使命

憲法第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

①憲法25条を具体化した法律は⇒(生活保護法)
②生活保護費は、近年下げられている。⇒国が、主権者である国民の価値を低く見た、ということ。
③子供の貧困率は13.5%(2018年)7人に1人
④日本社会の真ん中は245万円。相対的貧困基準は122万円。
(1997年には298万円と149万円だった)
⑤「文化的」とは、「人間らしい生活」ということ。
⑥高齢になると下げられる=どんどん貧しい国に。

◎義務教育は無償

憲法第26条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
② すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

子どもたちが大切にされていない!
①義務教育は無償になっていますか?憲法違反では?
最高裁判決は「授業料のみ」
②義務教育は「小中学校のみ」とは書いていない。
⇒改憲はいらない。
③大学進学率57.9%(2018年 過去最高)
④奨学金 約2人に1人が借りている
⑤奨学金自己破産 過去5年で述べ1万5千人

🔷憲法「改正」の動き
竪十萌子さんの講演は、時間がいくらあっても足りない感じでしたが、憲法改正についての動きにも言及がありました。

(改憲したい人たち)
=9条に自衛隊を加えようという動きと緊急事態条項

*自衛隊の形
①災害対応(非武装)
②専守防衛=従来の政府解釈
③安保法制下=今の政府
④通常の軍隊=自民党改憲草案

*「緊急事態条項」は災害対応に本当に必要?No!
*災害が起きたら、誰に仕切ってほしいですか?
*災害対応に必要なのは、現場に権限を下すこと。
*そのための法整備はできている。
◎現場の人(職員等)に任せるのが最も良い。
⇒内閣ではありません。

改憲勢力の伸長には最大限警戒が必要

ここまで、竪十萌子さんの講演の一部を取り上げてきましたが、憲法を意識して暮らしていくことの重要性を再認識しました。
気になるのは、「改憲」をすすめていこうとする勢力の動きです。

🔷必要なのは私たちの「国民力」
最後に、参加者から、次のような質問がされました。

Q. 衆議院選も、投票率は低調で、国民は政治に関心が無いようにも見えます。どう考えたらよいですか?

これについての竪十萌子さんの回答は明快です。

A. 私たちひとりひとりが「高い国民力」を付けることに尽きます。
「国民力」とは、今、政治がどうなっているのかをきちんと把握し、国家権力に憲法を守らせることです。そうした国民を育てるためには、何よりも「教育」が重要です。

🔷本性をあらわした「維新」

竪十萌子さんの講演が終わってから数日経って、警戒すべきニュース(朝日新聞デジタル版)が
飛び込んできました。
「日本維新の会の松井代表(大阪市長)は2日の記者会見で、来年夏の参院選までに国会で憲法改正案をまとめ、参院選と同時に国民投票を実施すべきだとの考えを示した」というものです。

維新が衆議院選挙の結果を受けて、本性をあらわしたと言える動きであり、「自分たちは何でもできる」と勘違いしているとも言えます。
こうした動きに対しては、竪十萌子さんが力説した、「憲法は権力者を縛る法律である」ということを盾に、広範な人々の力で、何とか阻止していかなければならないと考えます。

投稿者: 館の住人

上尾市民。 「ひとりでもできる行政参画」を目指しています。 とりわけ、上尾市教育委員会や上尾市についての情報公開請求を契機として、教育行政や市政が改善の方向に向かって行けばと考えています。

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