年末年始で気になった二つのこと

年が明けました。
今記事では、「日々の所感」として、年末年始で私が気になった二つのことについて書いてみたいと思います。

No.200

🔶正月のTV「相棒」にまつわる話
年末年始のTV番組、私は「紅白」や「お笑い系」は見ませんが、毎年「相棒」のスペシャル版は見ています。このドラマは、時折、杉下右京が語るハッとするようなセリフも見どころのひとつだと思います。
今回も、そうした場面がありました。同じような感想を持った人がいたようで、Twitterに投稿がされています(▶をクリックすると30秒ほど音声が出ます。PC画面で見ることを推奨します。スマホ等で▶が表示されない場合は、下記のpic.twitter.com/……をクリックしてみてください
)。

動画がうまく見られない方のために、与党の政調会長である袴田と杉下右京のやりとりを再現してみます。

(袴田政調会長) フッ…警察官ごときに何がわかる? 国の経済を動かすには、低賃金労働者が不可欠なんだ。
 (杉下右京) 国の経済…。 僕には、あなたと、あなたのお友達の経済にしか思えませんがね。
(袴田政調会長) 国力を高め、国を豊かにするために必要なものを確保する。それが為政者の仕事だ。
 (杉下右京) なるほど、あなたがたにとって、低賃金で働く労働者は国民ではなく、「もの」というわけですか。

与党の政調会長である袴田は、周りが全て警察関係者すなわち自分の指示で動く者たちとでも思っているのか、国民には聞かせられない、与党幹部の「本音」を言っています。それに対して、権力にくみせず、昨今の政治状況を鋭く指摘する右京のセリフが続きます。

その一方で、今回の「相棒 元旦スペシャル」を担当した脚本家/小説家の太田愛さんは、自らのブログで次のように述べています。

相棒20元旦SPについて(視聴を終えた方々へ)
右京さんと亘さん、そして豪華なゲストの皆様の顔合わせで、お正月らしい、華やかなSPとなりました。脚本が撮影現場で変わっていくことはよくあることで、今回も楽しいアドリブ満載でした。

ただ、それとは全く別に一点だけ脚本家の立場から申し上げておきたいことがございます。

右京さんと亘さんが、鉄道会社の子会社であるデイリーハピネス本社で、プラカードを掲げた人々に取り囲まれるというシーンは脚本では存在しませんでした。

あの場面は、デイリーハピネス本社の男性平社員二名が、駅売店の店員さんたちが裁判に訴えた経緯を、思いを込めて語るシーンでした。現実にもよくあることですが、デイリーハピネスは親会社の鉄道会社の天下り先で、幹部職員は役員として五十代で入社し、三、四年で再び退職金を得て辞めていく。その一方で、ワンオペで水分を取るのもひかえて働き、それでもいつも笑顔で「いってらっしゃい」と言ってくれる駅売店のおばさんたちは、非正規社員というだけで、正社員と同じ仕事をしても基本給は低いまま、退職金もゼロ。しかも店員の大半が非正規社員という状況の中、子会社の平社員達も、裁判に踏み切った店舗のおばさんたちに肩入れし、大いに応援しているという場面でした。

同一労働をする被雇用者の間に不合理なほどの待遇の格差があってはならないという法律が出来ても、会社に勤めながら声を上げるのは大変に勇気がいることです。また、一日中働いてくたくたな上に裁判となると、さらに大きな時間と労力を割かれます。
ですが、自分たちと次の世代の非正規雇用者のために、なんとか、か細いながらも声をあげようとしている人々がおり、それを支えようとしている人々がいます。そのような現実を数々のルポルタージュを読み、当事者の方々のお話を伺いながら執筆しましたので、訴訟を起こした当事者である非正規の店舗のおばさんたちが、あのようにいきり立ったヒステリックな人々として描かれるとは思ってもいませんでした。同時に、今、苦しい立場で闘っておられる方々を傷つけたのではないかと思うと、とても申し訳なく思います。どのような場においても、社会の中で声を上げていく人々に冷笑や揶揄の目が向けられないようにと願います。

 脚本家の思いとは別に、恣意的に設定が創作されてしまうことがあるということに驚くと同時に、太田愛さんが実に丁寧な取材のもとに、このドラマの脚本を手掛けていることに気づかされました。
「同一労働・同一賃金」という政府の掛け声とは別に、現実には非正規雇用の労働者が劣悪な労働環境に置かれていることを、太田愛さんが言うように、このドラマではもっと切々と訴えるべきだったと思います。

🔶「米軍由来」を伝えないNHKニュース
大阪で新型コロナ/オミクロン株の市中感染が確認されたと伝えられたのは12月22日でしたが、あっという間に全国に拡がりました。
中でも、沖縄は大変な状況になっています。
1月2日(51人)
1月3日(130人)
1月4日(225人)
1月5日(623人)
この感染拡大の状況について、玉城デニー知事は「米軍由来」であるとの会見をおこなっています(沖縄タイムス/yahooニュース)。

(沖縄タイムス記事より)
玉城知事は国立感染症研究所の協力を得て作成したオミクロン株の感染者の相関図を示し、米軍基地内から基地従業員に飛び火していると説明。「年末年始を通してオミクロン株が市中に流出し、感染の種が市中に巻かれてしまった状況にある」と述べた。

また、Twitterでも、「米兵、ノーマスクで飲み歩き」との投稿がされています。

私が気になるのは、こうした状況を、NHKは正確に伝えていないのではないだろうか、ということです。
NHKニュースを全部見たわけではないので、断定はできませんが、少なくとも私が見た1月3日と4日の夜7時のニュースでは、沖縄の感染者数については数の報告のみであり、米軍との関連については何の説明もありませんでした。

(その一方で、小笠原村(母島)の震度5強の地震については、朝6時台のニュースで約1時間、同じ情報の繰り返しばかり流していました。
もちろん、地震情報は重要ですが、地元の方が「被害は特にない」と言っているにもかかわらず、「何か被害はありませんでしたか?」と聞き続けるアナウンサーの姿勢には違和感を覚えました。)

米軍岩国基地のある山口県や、岩国基地と隣接している広島県で、現在コロナ感染者が拡大している事実を見ても、感染者の多くは米軍由来であろうと考えるのが普通でしょう。そうしたことを分かりやすく、しかも深掘りして、日米地位協定の不条理さに切り込んでいくのが本来のマスメディアのあり方ではないでしょうか。

今記事では、年末年始にかけて私が気になった二つのことについて書いてきました。
今年も「ひとりの市民」&「上尾オンブズマン」としてできる行政監視を中心とした諸々のことをお伝えしていく予定ですので、よろしくお願いいたします。

“年末年始で気になった二つのこと” への2件の返信

  1. すごくいい記事でした。
    相棒の脚本家のコメントはTwitter上でかなり取り上げられていたのを私も読んでいました。ドラマ制作側の意図的な表現に変えられることの理不尽さを正直に語ったこともすごい勇気だなと感心しました。こうやってメディアによる情報操作やフェイクが垂れ流されていくのでしょうが、私たちは常に何が真実なのか、情報元はどこなのか、など目を光らせていく必要がありますね。
    米軍由来の感染拡大の問題についても同様です。
    今年も質の高いブログを期待しています。

    1. コメント、ありがとうございます。

      >すごくいい記事でした。
      お褒めいただき、恐縮です。
      多くの人が視聴するTV番組は、私たちが考えている以上に影響力があると私も思います。
      だからこそ、受け手はその情報の正しさを判断できる力量(リテラシー)を身につける必要があります。

      >今年も質の高いブログを期待しています。
      「市民的視座から上尾市政&教育行政を考えよう」がこのブログのコンセプトなので、現状を考えると市政や教育行政に批判的な記事になるのはやむを得ないかと思います。
      その中でも、私なりの視点で(=ひとりの「市民」として)読者のみなさまにお伝えするつもりでいますので、引き続きよろしくお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA