さいたま市教委による「一斉拍手の強要」続報

 6月15日、さいたま市教育委員会により、子どもたちが「医療従事者に向けて」ということで一斉拍手を強いられたことについて、その後の新聞報道等により、様々な事実がわかってきました。今記事では、このことについてお伝えします。

記事No.89

■「拍手の強要」その後
 学校再開早々、さいたま市立の小・中・高で「医療従事者」に向けた一斉拍手の問題を、埼玉新聞が取り上げています。

新聞記事では、各学校での一斉拍手後、①さいたま市議会の文教委員会で説明がされたこと ②市教委「幹部」が「タイミングがここで良かったのか、心がこもった拍手になったのか、真摯(しんし)に受け止める」と発言していること ③発案者とされる細田教育長はこの文教委員会に欠席したこと ④16日までに電話やメールで69件の問い合わせや意見が寄せられたこと などが明らかにされました。

また、朝日新聞埼玉版でも「配慮足りぬ面あった」という見出しでこの問題について報じています

市教委の副教育長が「真摯に受け止める」などと発言しているのは、まるでアベ首相の答弁を真似しているようで、とても素直に受け止めることはできませんが、市民らから多くの意見が寄せられたことでこの発言になったと思われます。

■「待ってください、教育長」となぜ言えぬ?
 細田教育長の発案とは、「医療従事者に向けて子どもたちに拍手をさせよう」とでも言いだしたということだと思われます。しかしながら、学校再開後いきなり、というのは、教育長個人のパフォーマンスと言われても仕方ないでしょう。

 たとえば、児童会や生徒会で話し合いをして、どういう感謝の仕方があるのか、また、感謝する相手は「医療従事者」だけでよいのか、そのほかにも感謝する相手はたくさんいるのではないか、など子どもたちに自ら考えさせれば、学校ごとに違う取り組みになるのが自然なことです。

 細田教育長がそんなことを言いだしたら、周囲の職員が、「ちょっと待ってください。もう少し子どもたち自身に考えさせても良いのではないですか?」などと、なぜ言わないのでしょうか?

 このあたりの状況は、上尾市によく似ています。
上尾でも、池野教育長の「デタラメ服務」を許したり、公用車の恣意的な使用について周囲の職員は誰も何も言わなかったことが、住民監査請求に繋がっています。今回の「一斉拍手」問題は、上尾市教委もさいたま市教委も同様な状況に置かれている、ということが表面化したと言えます。