<check機能不全>の教育委員への報酬《時給換算3万円也》は高すぎます。

前記事で、法定の「教育委員会の事務に関する点検評価」について何も言わない教育長と教育委員の方々についてお伝えしました。
一方で、7月の教育委員会定例会では珍しく「少しはましに思える意見」を述べたかに見えた教育委員のお歴々でしたが、8月の定例会では<check機能不全>の「いつもの姿」に戻ってしまいました。

No.112

■教育委員の7月定例会での発言
まず、教育委員による7月の教育委員会定例会での発言を見てみましょう。従来と違い、少しは「まともな意見」に思えるものもありました。以下は、「教職員が消毒活動で時間が取られる実状を改善できないか」という趣旨の質問と教委事務局の回答の要約です。

小池教育委員 教職員は普段から忙しい職務を担当しているが、コロナ禍の長期間の臨時休業に伴い、さらに消毒活動で時間を取られるということは先生方の負担が大きいのではないか。予算の都合などもあるとは思うが、消毒作業の専門の業者にお願いすることの検討は。
荒井学校保健課長 外部委託については、財源確保が必要になるので、他市の状況等を見ながら研究していきたい。
中野教育委員 学校応援団の協力での消毒は、感染リスクを考えて外部の方が学校に入るのを避ける意味で教職員が消毒していると聞いているが。
荒井学校保健課長 消毒は毎日行うことなので、保護者や地域の方に協力をお願いするのは難しさがある。外部委託については用務業務をシルバー人材センターに委託している経緯から対応できないか検討を進める。
中野教育委員 外部委託も含めての検討をお願いしたい。
細野教育長職務代理者 消毒の外部委託について、教職員の負担軽減のために、外部委託の予算措置を推し進めていただきたい。限りある予算だが、子どもたちのために頑張っていただきたい。

これらは、教職員が毎日教室やトイレの消毒を行っていることは、決して本来の業務ではないことを、教育委員の方たちが理解しはじめたからこその質問だと思われます。すなわち、以前の記事に書いたように、教育委員のお歴々がブログ筆者による〈第二の書簡〉に添付した拙ブログを読み、事の重大さに気づいたゆえの発言だったと考えるのが自然です。

■「その後」を聞こうとしないのは何故?
ブログ筆者は8月の教育委員会定例会を傍聴しましたが、教職員が毎日消毒していることについての学校保健課長の回答(外部の専門業者や、あるいはシルバー人材に委託できるかについての検討)について、残念ながら「その後どうなったのか。どう検討したのか」という質問や発言は教育委員たちの誰からもされませんでした

たとえば、小池委員の質問に対し、学校保健課長は「他市の状況等を見ながら研究していきたい」「シルバー人材への委託を検討する」と述べています。
本来でしたら、質問した教育委員は、次の定例会を待つことなく、事務局に「質問の件は現在どうなっているのですか?」と聞いてみる必要があります。それをしないのであれば、少なくとも翌月(8月)の定例会で「他市の研究をしてみた結果、どうだったのか」「シルバー人材への委託の件はどの程度進んでいるのか」と聞くべきなのです。
もし、「現在検討中です」などという〈官僚的答弁〉が返ってきたなら、「実際には何をどう検討したのか」と尋ね、議論を発展させることが必要なのです。
前回要望したからいいや」では、市教委事務局はほとんど動かないことに、教育委員はまだ気づかないのでしょうか。「この間のことはどうなりましたか?」と次の時にcheckするのは、市民的視座からも、レイマンコントロールの観点からも当然のことなのです。

定例会を傍聴していると、教育委員が時折引用する<PDCA>のうちの<C=check>が全く機能していないと思われます。
今まで、自分たちは Plan Do Action も無縁なのですから、せめてCheckくらいちゃんとやってくださいよ、と言いたくなります。

■これで「時給換算3万円也」の報酬?
今年の4月から8月の臨時会と定例会までを含め、教育委員たちに対して、なんと時給換算で約3万円の<報酬>が市民の血税から支払われています。⇒教育委員時間あたりの報酬の額

時々ちょっぴり良さげな質問や意見を言っても、「その後どうなったのか?」というcheckをしないのですから、教育委員への報酬は高すぎると言えるのではないでしょうか。

■教育委員再任を追認する議案
今開かれている上尾市議会の9月定例会では、次の「議案92号」が審議される見込みです。

議案第92号 教育委員会委員の任命について
教育委員会委員 大塚崇行氏の任期は令和2年9月30日で満了となるが、同氏を再び任命することについて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第2項の規定により、同意を得るもの

おそらく市議会では何の質疑や意見も出されずにこの議案を「追認」するでしょうが、ブログ筆者はこの議案が提出されるまでのプロセスに関心を持っています。自薦なのか、他薦なのか、それとは別の動きがあったのか
今回は再任を追認する議案ですが、新任でも同じことで、新たに教育長や教育委員の任命を人事案として市議会にかける際に、「どうしてその人が教育長(教育委員)として最もふさわしいのか」「どのようにしてその人の名前が出てきたのか」が全く闇の中なのです。
ブログ筆者は、この「議案92号」が提出されるプロセス(教育委員再任にあたって自薦・他薦なのか、それとも別の動きがあったのかも含めて)について情報公開請求をしましたが、おそらく、形式的な決裁文書以外は「文書不存在」の処分となる公算が高いと思われます。

少なくない市の税金が給与や報酬として支払われている現在、少なくとも教育長や教育委員について、「どのようなプロセスを経てその人の名前が出てきたのか」について明らかにするのは、行政としての説明責任のひとつであると言えるのではないでしょうか

★教育委員のみなさんに差し上げた上述の《第二の書簡》に拙ブログを添付したこともあり、おそらく教育委員の方々は今記事についても高い関心を持ってお読みいただいていることでしょう。反論やご意見などは当然あると思いますので、このブログの「お問い合わせ」経由で送信していただくようお願いします。
または《第二の書簡》に同封した、ブログ筆者宛ての封筒を使用して返信していただければ幸いです。その際、教育委員同士で相談することなく、ぜひ「ご自分の言葉で」「ご自分の考えを」お寄せください。お待ちしています。