「学校更新(=学校統廃合)計画」に寄せられた大勢の市民の声(その1)

8月19日、教育委員会8月定例会を傍聴しました。
席上、教育総務課長から「平方幼稚園の園児募集について」と、7月には触れられなかった「学校更新計画=学校統廃合計画」に対する市民の声が報告されました。今記事では、これらのことについて(その1)としてお伝えします。

No.178

🔶「平方幼稚園」問題は市教委の大失策
2019年12月と、この6月の2度にわたって出された「平方幼稚園廃園条例」は、周知のとおり上尾市議会で2度とも否決されました。
今回、教育総務課長は「市民全体に対する税の配分の公平性等を勘案」した結果、「当分の間、平方幼稚園の園児募集を停止する」との「報告」をしました。ですが、市教委が責務を負っている、私立幼稚園存続のための努力については何ら語ることもなく教育委員たちも異議を唱えることはありませんでした
自分たちが作成した条例案を、2度にわたって市議会で否決されたばかりか、今回のような「報告」をすること自体、「平方幼稚園問題」は、市教委の大失策であると言わざるを得ません。

🔶「地域説明会」での市民の声とは
前記事で、教育委員会が事前告知せずに口頭で「報告」とした「学校更新計画」ですが、7月25日の大谷地区を含め、6地区で計293名の市民が「地域説明会」に参加し、多くの意見や感想が寄せられました。
以下、本日の教育委員会8月定例会で配布された「報告」です。

7月3日・上尾公民館  計28名参加
【全般】*教育長・教育委員が説明会に参加すべきである。
*6月24日全員協議会の状況では、今後、検討協議会の条例案を出しても否決されるのではないか。
*教育委員会では、実施計画の議案を取り下げたが、どのような条件で再び提出するのか。
*コンサルの委託(八千代エンジニアリング)について、どういう形で委託したのか。仕様書は?
*教育委員は、文科省の適正規模を理解しているのか。事務局は説明しているのか。
*事実として、教育委員会は20年以上「異議なし・全員一致」の追認機関である。
*本日、学校教育部長は来ていない。不登校の居場所など・・・
*5月に教育委員会で配布した概要版をなぜ今日出さないのか。
*市の財政状況の悪化を子どもたちに押しつけるのではなく、他でもやるべきである。
【適正規模】*過去の適正規模化(学区調整)は失敗である。
*これまで小規模校・大規模校の問題は放置されてきた。教育委員会は今まで何をしてきたのか。
*東町小では、プレハブ校舎を放っておかれた。
【統廃合】*大石南小と大石小では、計1000人以上になる。
*上尾の現状はちょうどよいのではないか。
【少人数学級】*誰ひとり取りこぼさない、大切に育てていく、1クラスの児童数を減らし個性豊かな教育の視点をもってほしい。
*1学級の児童数を20人とか欧米並みにするべきである。
【小中一貫教育】*小中一貫校は私立ではあるが、上尾市でつくるのはどういうことか。
【教育的視点】*教育予算がOECDの中で一番低い。
*先生方から要望を聴いたのか。
【人口推計】*子どもの数は2000年以降横ばいである。なぜ減ることの前提の計画なのか。
*子どもが減る根拠が信用できない。
【計画の進め方】*プロセスを市民に対しオープンに。
*文科省が決めたから、総務省が決めたから、と押し付けてはいけない。
*計画の進め方として、各地域で公聴会を開催するべきである。教育委員会の説明ではまずい。
*ぜひ、今の子どもたちの声も吸い上げてほしい。
7月10日・平方公民館  計85名参加
【全般】*コミュニティの崩壊を危惧している。
*なぜ教員の数を出さない。
*ふるさと財団の事業について説明をしてほしい。
*いいことずくめの説明のように感じる。
*教育長が出席しない説明会はダメ。
*下校時のパトロールをやっているが、スクールバスになれば声掛け、あいさつもなくなる。会話がなくなるのはさびしい。人間(教育)関係の原点である。
*「子育てするなら上尾」というブランドになっている。
*学童保育所の予算は入っているのか。NPOとの協議はしているのか。
【適正規模】*(平方北小教員)平方北は小規模だが働きやすい。とてもよい。コロナ禍でできることがたくさんある。
*適正規模でないと全てダメなのか。全国的に6~11学級が多いではないか。
【統廃合】*統廃合により、先生が減る(試算では10人程度)。教員が減るということは国の方針の趣旨に反しているのではないか。
*誰のための統廃合なのか。全体の中で学校が標的か。
*コスト削減のために学校が被害者になっていないか。
*174億円の差、年間5億円が無駄なのか重点的に考えていただきたい。
*太平中は本当に「平方」か。大谷ではないのか。
*150年の歴史ある学校をつぶしてよいのか。
*特別支援学級は統廃合により大規模化されて集まってくる。
*平方小がなくなることは認められない。どこが地域コミュニティの核になるのか。
【通学距離・通学方法】*歩いて通える範囲ということは重要である。
*統廃合で、上宿地区から通うと相当歩かなくてはいけない。
【少人数学級】*パブコメで多かった少人数学級を望む。
*私たちは30人学級の署名活動をしている。もっと少ないほうがきめ細かい教育ができる。
*30人学級にした場合のシミュレーションをしてほしい。
【小中一貫教育】*小中一貫校のデメリットを記載していない。データを見せてほしい。
*小中一貫校に反対する。
*平方地区の小中一貫校は決まっていない。グランデデザイン提案するべき。
*小中一貫は、1人の校長、1人の校舎、1つの時間割になり、学校が窮屈になり、リーダーシップを発揮できない。
【教育的視点】*平方エリアでも子供たちは平等に教育を受けられるようにしなければいけない。
*現在市内に2校あるオープンスタイルの学校を増やすのか。このモデル校の評価は。メリット・デメリットが出されていないのはおかしい。
*いじめ問題に関しての議論はあったのか。
人口推計】*人口減少というが、今回の国勢調査では上尾市は増えている。
【計画の進め方】*総務省からの2014年の指示、行政経営部の考えがなぜ入っているのか。
*学校で、教職員や保護者の意見を聴かないのか。
*(大石南中教員)これまで全く説明がないままになっている。見直しがありうるのか。現場の声を聴いてほしい。
【まちづくり】*今後、若い人たちが平方地区に住むのか心配である。
*学校問題はまちづくりと直結している。平方小は地域の拠点である。
*小学校と公民館の複合施設、小さくともよいから充実した施設があれば人口は増える。
*平方地区まちづくり協議会において現在、住みよいまち平方について検討中である。
【避難所】*自校方式の給食は自慢できるものである。子どもファーストで考えてほしい。地域避難所になった際には温かい食事を提供できる。
*統廃合により、避難所はどうなってしまるのか。

今記事では、分量が多いため、(その1)として、上尾地区と平方地区の地域説明会についての「報告」を掲載しました。

それにしても ー 教育委員会定例会を傍聴していて、「教育長や教育委員が出席すべき」という意見が出されているにもかかわらず、そのことには全く答えることもなく、相も変わらず当たり障りの無い「質問」やら「意見」やらを幾つかコメントするだけの教育委員のお歴々。
今回も教育委員同士での「議論」は全く見られませんでした。

この続き(原市・上平・大石・大谷の各地域説明会で出された市民からの意見等)は、次回以降にお伝えします