「学校統廃合計画」に寄せられた大勢の市民からの声(その2)

前記事の続きです。今記事では、原市・上平・大石・大谷地区での「地域説明会」で出された市民の声を掲載します。

No.179

🔶地域からは「計画見直し」を求める声が続出
上尾市教委の「学校更新計画=学校統廃合計画」については、地域説明会に参加した大勢の市民の方から、次のような意見が寄せられました。

7月11日・原市公民館  計70名参加
【全般】
*国が少子化や施設老朽化の対応により、お金がかかることから、経費35%削減の話になった。教育委員会だけでこの件に対処できない。市議会も含め、この計画をやり直してほしい。防災、学童保育所、運動会等の事業など様々な問題がある。
*新しい学校は改築(修繕)か新築か。
*今回の計画の広報での意見募集は小さなスペースであった。また、「学校施設更新」という言葉はわかりづらい。わかりやすい言葉を。
【統廃合】
*お金がかかるから統廃合に見える。
【適正規模・学区調整】
*原市小、尾山台小、原市南小の3校で児童数はどうなるのか。1学級35人とした場合、学級数は。
*適正規模の県はどこから出てきたのか。大きすぎるのではないか。
*統廃合の前に学校調整の考えはないのか。

【通学距離・通学方法】
*統廃合により、瓦葺小の学区の児童はJR線の踏切を渡らなければならないことになる。
*子どもの通学が心配である。これ以上長くなったら安全は守れない。
*通学距離が長くなると、起床時間が早くなり、授業にも影響がでるのではないか。
*バス通学を経験したが、問題は停車する場所である。
*統廃合で、瓦葺小436人が踏切を渡ることになる。線路内で人身事故があると渡れないこともある。

【少人数学級】
*コロナ禍で、親子・先生も大変である。少人数学級は大切である。
*小規模はよくないという話であるが、いいところがある。
*1学級35人は多いと思う。
*尾山台小は敷地が狭い。(再編案どおり中学校になり)500人規模の中学生が集うとなると相当狭い、窮屈である。
【小中一貫教育】
*原市小中一貫校のメリットは検討しているのか。
*小中一貫について2か所のみの提示となっている。全ての学校を一貫校化しないのはなぜか。
【計画の進め方】
*高校生や中学生の生徒会の意見を聴いてほしい。
*この計画は市政全体の中で検討をされたのか。6年、8年、10年で変化があると落ち着いて勉強ができるのか。
【学校給食】
*小中学校の給食を直営でやると決めていないのか。
【避難所】
*現在、原市地区は避難所として十分ではない。
7月17日・上平公民館  計21名参加
【全般】
*旧地権者の方々の好意・善意により土地を提供していただいて、学校ができた経緯がある。好意・善意をどのように考えているか。
*ふるさと財団のモデル事業に応募し、採択を受けて、計画を策定した。この財団は民間活力を活用することを目標(理念)としているが、学校統廃合でどのように民間活力を使うのか、学校給食の民営化はあるのか。
*市長がこの場に出席し、こういう考えであるということを言うべきである。
*「子育てするなら上尾」と言われ、市内に越してきた。
*学校施設の老朽化は深刻である。建設時から考えておくべきことである。
*山梨県尾ある町は人口が少ないが、小学校が2つあり、教育費は無償化している。
【適正規模】
*クラス替えできることは重要なのか。
*大規模校の解消を優先してもらいたい。
*小規模校は、体育館や特別教室を制限なく使えるが、大規模では使用に制限がある。
*小規模校のよさを認めてもらいたい。
【統廃合】
*上平地区の統廃合は13年先である。先の話を今決める必要なない。
*上平北小が廃校になると、心のふるさとがなくなる。
【小中一貫教育】
*小中一貫校には誰が入学できるのか。入試をやるのか。
【教育的視点】
*教員も子どもたちも悲鳴を上げている。統廃合前に学校現場のことを認識するべきである。
*外国籍の子どもたちにとって暮らしやすい学校づくりをしてほしい。
【人口推計】
*井上茂議員の議会報告を読んだ。人口の推移が総合計画と違う。
*教育環境の充実とは正反対である。人口減少をおさえるような施策をとってほしい。
【計画の進め方】
*市がこのような説明会は評価すべきである。
*どうしてこのような計画が出てきたのか。市民からの要求ではない。
*このことを今日初めて知った。これは今の日本政府のやっていることと同じである。市民の声が反映されていない。
*今後、富士見小をモデルとしてつくっていくのか。セキュリティがなっていない。
*教育委員会は、机の上の仕事では困る。
*市の広報誌の今回の件の記事(6月号)が問題である。わかりづらい。
【避難所】
*上尾の学校給食はおいしい。給食室は災害時に役立つ。
7月18日・大石公民館  53名参加
【全般】
*今回、統廃合案の件を市長は知っているのか。
*資料が多すぎる。説明を省き、別紙でよいのでは。
*上尾市は市民1人当たりの公共施設の面積が小さい。
*市の情報発信がわかりにくい。パブコメの記事も小さい。
【適正規模】
*35年後に1クラス何人になるのか。学級数いくつになるのか。
*(大石南小の保護者)クラスが少なく、高校に行って戸惑うと思う。尾押見南小が少なく、大石小が多いことは不公平である。運動においても差がある。学校を選択することは可能か。
*これまで適正規模の学区編成をやってこなかったのではないか。
*大石地区は大規模校と小規模校が混在しているという課題がある。学区調整、学校選択制など柔軟なことを考えてもよいのではないか。
*大規模校のデメリットが説明資料に出ていない。
*(保護者)クラス替えができる学級数のメリットは何か。そんなに重要ではないのではないか。
【統廃合】
*大石中と大石南中の合併はマイナスになると思う。学区が広く、安心・安全が保障されていない。
*学校再編による児童のメンタルが心配だが想定しているのか。
*大石中は大規模校(現在、1学年300人8クラス、全体で900人)であり、統合でさらに大規模になる。全校集会も移動に時間がかかる。特別教室も音楽室以外エアコンが入っていない。
*学校の場所はそのままか。新たな土地への建設は検討するのか。
【通学距離・通学方法】
*子どもたちが歩いて通えるということが大事である。
【少人数学級】
*子どもたちが主体的に学ぶことを考えれば、少人数学級である。
*説明は、お金がないからがまんしろと聞こえる。
【小中一貫教育】
*小中一貫教育について具体的にどのようなものかを説明できなければ提案できない。
【教育的視点】
*上尾市の教育の在り方を感じられない。どのような教育を目指すのか。
*先生は忙しくて子供たちに目が向かない。教育の観点が抜けているのではないか。
*この計画は、教育振興基本計画とのすり合わせが必要である。
【計画の進め方】
*説明会での内容を見直すことはあるのか。
*各学校の保護者だけでなく、卒業生、地域住民の意見も聴いてほしい。
*建て替えではお金がかかるので、国から補助金等引き出し市財政を圧迫しないようにしてほしい。
*学区毎の地域説明会を開催してほしい。
*まちづくりの観点から市として総合的に検討すべきである。市長がビジョンを示すことが必要。
*川越市、狭山市、所沢市にはこのような計画はない。住みたいまち3位の上尾市は人口増も見込まれるのに、なぜこのような計画を立てたのか。

【避難所】
*藤波地区から大石中はかなり遠い。避難所体制をつくってほしい。
7月25日・大谷公民館  計36名参加
【全般】
*この計画は、市民全員が知るべきもので、もっと周知を図るべき。
*説明資料には「身の丈に合わせた」との表現があるがどういう意味か。
*公共施設を活用するべき。上尾市は公共施設が少ない。
【通学距離・通学方法】
*鴨川小が統合した場合、富士見小までの距離は2km以上となる。この距離を約10kgの荷物を持って通学するのは子供に負担が大きすぎる。
*通学路の距離が長くなる対応の一つがスクールバスというのは、発想が安易すぎる。
*通学路の問題、安全性が確保できるのか。
【統廃合・適正規模】
*案にある全てを統廃合しなくてもよいのではないか。
*もし今後、仮に33校を残すとしたら、住民税はいくら上がるのか。統廃合案では、適正規模というより大きくなるのではないか。今後のロードマップを示してほしい。
*学校の適正規模に関するアンケートの結果について、富士見団地地区から富士見小・鴨川小に通う児童や保護者がどのように回答したのか知りたい。
*学校は減らさないようにしてほしい。学校は地域のシンボルとして残してほしい。
*学校統廃合により、マンモス校ができるのではないか。
【少人数学級】
*少人数学級に国が舵を切った。30人学級も視野に入れるとの話もある。
【人口推計】
*富士見小と鴨川小の2030年の将来人口の減少率が高い(20%以上)なのはなぜか。
*富士見団地地区は老人ばかりだったが、戻りがあって最近は新しいマンションができている。減少は解せない。
*国勢調査では人口、世帯数は増えている。鴨川小・南中の学区には、住宅がたくさんできている。人口が増えるのに学校が近いということは重要である。
*将来展望人口は重い意味のある数字、表である。平方幼・小がなくなり、若い人が住むのか。
*上尾市の人口は減っていない。特徴を生かした施策を行えば子どもは減らない。
【計画の進め方】
*説明会に保護者などの若い世代をはじめ、幅広い年齢層の参加がない。計画の周知や今後の説明会は、広報だけでなく地域回覧を使うなど工夫すべき。
*今回の説明会の中身が濃い。急な話であり、理解には時間がかかる。
*この計画はどのような過程でつくられたのか。決定事項ではないのか。できるだけ多くの意見をくみ上げるような説明会を開催してほしい。
*中身が抽象的である。もっと突っ込んで具体的にどうするのか説明してほしい。
*過去実施したアンケートは小学校6校と中学校4校のみであり、全校の先生を対象にしていない。
*5月以前は市HPで基本計画(案)だったものが、急に案という文字が消えた。
*未就学児の保護者から午前中に訴えがあった。なぜ私たちには今回の案内が来ないのかと。
*パブコメは字句の修正のみであった。計画ありきである。
【避難所】
*避難所をどうするのか。今でも不十分な点が多い。
*学童について、統合した場合大規模となる。対応はどうなるのか。

🔶市教委は多くの疑問への回答を示すべき
8月教育委員会定例会で配布された「報告」は以上ですが、読んでお分かりのように、意見の大半は今回の市教委の「説明」に疑問を投げかけるものです。とりわけ、人口推計に関わる疑問は数多く、説明資料そのものの根拠も疑われる事態となっています。
また、教育的観点からの計画ではないことを、多くの市民は見抜いています。とりあえず、市教委は、大勢の市民から寄せられた意見や疑問への回答を市教委のHP等ですみやかに示すべきでしょう。
しかしながら、説明会で使用した資料の信憑性も崩れ、市民が納得できる説明は出来ないと思われますので、今回の「学校施設更新計画」という名の「学校統廃合計画」は白紙にすべきだと考えます。

なお、8月23日(月)午後3時から、上尾市議場で上尾市学校施設更新計画基本計画調査特別委員会が開催されます(地域説明会の結果及び今後のスケジュールについて)。
※このことは、上尾市議会HP(トップページ)に掲載されています。