なぜ上尾は「PTAの入退会は自由」の文書が非公開なのですか?
各学校にあるPTA。「子どものため」「学校のため」に協力したい、という保護者の方たちの思いや願いで成り立っていると思われますが、そもそもPTAは任意団体ですから、入退会は自由であるはずです。この疑問に対して、川口市では、教育委員会が「保護者にはPTA入退会の自由があります」という見解を表明していることを知りました。
同じ話、上尾ではどうなのでしょうか?
実は私は年末の上尾市のHP「トピックス」で気になった記事があります。
今記事では、このことに関連して、上尾の現状を考えていきたいと思います。
No.203
🔶PTAは入退会自由であるという文書は?
上尾市教委や各学校ではどうなっているのでしょうか。私は次のことについて情報の開示を求めました。
「PTAは任意団体であること」「入退会の自由があること」「任意入会の周知や加入方法の説明等に留意して運営することが大切であること」などについて、上尾内小中学校長に周知していることが判別できる文書・資料等。なお、「 」内の内容をすべて網羅していなくとも、PTA運営について市内小中学校長に周知していることが判別できれば可。 |
私としては、当然何らかの文書が学校に発出されていると考えていましたが、請求の結果は「文書不存在により非公開」という、思いもよらぬ「処分」でした。
🔶疑問が生じた上尾市HPの「トピックス」
実は、私は上尾市のHP(トップページ「トピックス」2021.12.28更新)の中に、「え?これって…?」と疑問に思ったことがありました。
それは「令和3年度表彰を受賞した上尾市PTA連合会、東町小学校PTAが上尾市を表敬訪問しました」という記事です。
東町小学校PTAは独自の取り組みを実施して地域と繋がっています。 役員ではない会員も、年度に1度は学校行事にかかわり、PTA全体として子どもたちをサポートする「一家庭一活動」の体制を構築する取り組み、年9回に渡る資源回収の際、学校配信メールや地区の回覧板を利用して地域の方にも資源提供をお願いする取り組み、上尾あゆみ会と連携し、知的障がい者の自立と社会経済活動への参加促進を支援するため、一緒に苗を植える取り組みなどが挙げられます。 |
なぜ私はこの記事を疑問に思ったのでしょうか。
それは、「上尾市内の小中学校において、2021(令和3)年度の入学時・在学時に当該小中学校の児童・生徒(保護者)が支払わなければならないとされる諸費用とその項目が判別できる文書・資料等」の情報開示を求め「公開決定通知書」が手交された際、指導課職員から「上尾市の各学校のPTAは、全校が任意加入制です。ですから、全員が支払わなければならない費用、ということではありません」との説明を受けていたからです。
🔶東町小の「一家庭一活動」は、PTA非加入者を除いた取組では?
「市内どこの学校もPTAは任意加入制である」という観点から、再度上尾市のHPの「トピックス」記事の問題部分を読んでみましょう。
(東町小学校で実施している取り組みとは)→ 役員ではない会員も年度に1度は学校行事にかかわり、PTA全体として子どもたちをサポートする「一家庭一活動」の体制を構築する取り組み、(後略) |
いかがでしょうか。私は次のように考えます。
「上尾市内全小中学校のPTAは任意加入である」ということを、私は情報公開請求を通じて指導課職員から伝えられました。 それにもかかわらず、東町小学校では、《役員ではない会員も年度に1度は学校行事にかかわり、PTA全体として子どもたちをサポートする「一家庭一活動」の体制を構築する取り組み》をおこなっていることが上尾市のHPから読み取れます。 これは明らかに同校PTA会員のみを対象にしており、言ってみれば同校PTA非加入の保護者(家庭)を除いた取り組みであると言えます。 たとえ現時点で東町小学校の保護者(家庭)全員(全戸)が同校のPTAに加入していると仮定しても、任意加入制を取っている以上、ある年度はPTAに加入しない保護者(家庭)も存在することになります。 つまり、「一家庭一活動の体制を構築する取り組み」がPTA会員でない保護者を除く活動となることは明らかです。こうしたことが保護者同士、場合によっては子どもたちを分断することに繋がるのではないかと危惧します。 |
こうした私の危惧について、東町小の校長先生はどう答えるのでしょうか。
🔶何らかの文書はあるはず
上尾市教委の「ゼロ回答」が疑問であったため、その後私が調べた結果、次のサイトが見つかりました。
「加入は任意です」埼玉県の画期的通知(東京新聞サイト)
(上の青字をクリックすればサイトに飛びます)
この東京新聞サイトの記事により、次のことが明らかになりました。
*2017年1月、埼玉県教委が「PTA活動を円滑に推進するための留意事項について」という文書を県内の小中学校長に宛て通知していること。
*その文書の中で次のようなチェックリストが示されていること。
(スマホでごらんの方は拡大できます)
このサイトの情報をもとに、観点を変えて、再度情報公開請求の申請をしました。
上尾市教委は、今度はどのような「処分」を示すのでしょうか。
まさか、国会なみに「文書はすでに廃棄した」などと言うつもりでは……?
🔶保護者の方たちの気持ちは尊重すべきですが、問題点も
今記事では、PTAをめぐる問題の一端について述べてきました。
もちろん、保護者の方たちの「子どものためにできるだけ学校に協力したい」という気持ちは私も理解します。
ですが、PTA関連の問題点は他にもあります。
たとえば、ベルマーク。
たとえば、バザー。
これらは、「学校にはお金が無いという前提」での、保護者の方の善意によって成り立っている活動ではないでしょうか。
たとえば、ある学校で、ベルマークを集めてやっと購入した「鉄棒用マット」。
本来であれば、教育委員会が予算措置をすべき「体育用備品」ではないでしょうか?
自分の仕事を休んでまで、ベルマークの点数を数えに学校に行かなくてはならない方もいるのではないでしょうか。
毎日生活するので精一杯で、「一家庭一活動」も物理的に無理と考えている保護者の方もおられるかもしれません。
あるいは、「PTAには入るのがあたりまえ」という、「同調圧力」的空気……etc.
当ブログでは、こうしたPTAをめぐる問題についても、様々な観点から取り上げていきたいと考えています。情報提供や疑問点なども随時お受けしますので、「お問い合わせ」経由でご連絡をお待ちします(お問い合わせ経由での質問には必ず返信いたします)。