市教委の「本気度」が問われる、教職員の「時間外勤務の縮減」問題

当ブログの記事No.235で言及したとおり、上尾市教育委員会8月定例会において「上尾市立小・中学校における働き方改革基本方針(改定案)」が議案として採択されました。
改定案の元となった2年前の「基本方針」がその時点での教育委員会定例会の議事とはならず、「いつの間にか」市教委のHPに掲載されたことや、教育委員のお歴々が何も言わないことなどは、教育委員会にとってのまさに「不都合な真実」であると言えます。
今記事は、情報公開請求で明らかになった実態や、この問題についての教育長の姿勢などについてお伝えします。

No.237

🔷教育委員会が示した資料を検証すると
教育委員会8月定例会で示された「上尾市立小・中学校における働き方改革基本方針(改定案)」では、次のような記載があります。

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これを見ると、小・中学校とも80時間超えの人数が4年前と比較して少し下がっており、45時間超えの人数は、横ばいか微増と言えるでしょう。

これらの数値は、次の表に基づいて算出されています(情報公開請求にて入手)。
【市内小学校の一部】

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注目すべきは、このデータが「時間外勤務時間一覧」となっていることです。

ですから、教育委員会事務局が「改定案」の中でいくら【「勤務管理システム」及び「勤務状況調査」で把握した教員の時間外在校等時間の状況は以下のとおりです。】などと説明しても、システムは正直なもので、「時間外勤務」として打ち出されるのです。

このことを見ても、教育委員会事務局が言う「時間外在校等時間」とは、普通に考えれば「時間外勤務」そのものである、と言えます。

🔷情報公開請求で露見した「データの誤り」
以下は、情報開示で入手した市内全小中学校の県費教職員の「時間外勤務一覧表」に基づき私が作成した表ですが、時間外勤務の平均が多い学校順に並べてあります。
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ご覧のように、上尾市教委事務局が「働き方改革基本方針」で掲げている目標《月45時間以内》については、小学校が22校中15校がオーバーしています。
さらに、中学校については、11校すべてが45時間を超えているのです。

この表で気づくのは、小学校の最後の行の《V小学校》です。
他校に比べて、極端に時間外が少ないのです。
この数字に基づいて、上述の「基本方針」が作成されていますので、信頼すべきデータであるはずです。

しかしながら、実はこの数字は誤りであることが明らかになりました

「8月の教育委員会で改定案を議案とした経緯&理由」について情報公開請求したところ、「文書不存在による非公開処分」であったものの、担当課職員から口頭で「市民(=私のこと)から指摘があったため、議案としました」との説明を受けました。
その際、私のほうからも市教委事務局に上記の表(平均時間外数)を提供し、「V小学校は時間外が少ないですが、どんな取り組みをしているのでしょうか。わかったら教えてください」と伝えたのです。

すると、その日のうちに担当課(=学務課)から連絡がありました。
「実は(理由は不明だが)V小学校の数字は誤りでした」というのです。
結局、後日誤っている数字を訂正した後に資料を受け取ることになりました。
そうなると、教育委員会事務局は、この9月から改定したばかりの上述の「働き方改革基本方針」に掲げた数字も修正しなければならなくなります
今後、市教委事務局がどのような対応をするのか、注意して見ていきたいと思います。

🔷3月まで教育長が勤務していたT中学校の状況は
西倉教育長は、この3月まで市内T中学校の校長(再任用)として勤務していました。
以下の数字は、そのT中学校の今年6月の時間外勤務の状況です。
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驚くことに、過労死ライン(80時間)をはるかに超える100時間越えの教職員が6名もいるという状況です。
西倉教育長が異動した後に急に時間外が増えたということではないでしょうから、そうした「過多な時間外勤務」がこの中学校には恒常的に存在する、と考えられます。

念のため、同じT中学校の、西倉教育長の在職時の2020年10月の時間外勤務一覧表(情報公開請求で入手済)を確認したところ、県費教職員25名の時間外勤務は次のような状況となっていました。

2020年10月(西倉教育長が校長として在職時)
T中学校/県費25名中 時間外勤務 最高 187.4時間  最低 9.1時間
100時間超え         3名
80時間以上100時間未満   3名
45時間以上80時間未満   15名

このとおり、45時間を超える時間外勤務の教職員が25名中21名でした。
時間外の最高は何と187.4時間という状況だったのです。
187.4時間の時間外勤務ということは、「要勤務日数」が22日の月でしたから、
何と1日あたり8時間半の残業ということになり、まさに「異常な状況」であると言えるでしょう。西倉氏はこうした状況に対してどのような対策をしたのでしょうか。

🔷試される《教育長と教育委員会の「本気度」》
8月の教育委員会定例会の席上、ある教育委員から、「教員の働き方改革については、市長や教育長が率先して取り組む必要がある」との発言がありました。
その発言に対し、西倉教育長は「完全スルー」状態でしたが、上述のとおり、教育長が3月まで勤務していた中学校の実態を考えれば、「教育長は何も言えなかった」というところでしょう。ですが、100時間を超える時間外勤務が異常であることは明らかです。

当ブログで何度も指摘しているように、まずは「指導課訪問」や「委嘱研究」を希望制にすることが必要です。そうした対策も含め、市長や教育長も、もっと「本気」を出して、この問題に取り組む必要があります。
当ブログでは、引き続きこの問題について高い関心を寄せていきます。

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