上尾市の「教育委員会」なる組織、今のままで本当に大丈夫ですか?

「教育委員会11月定例会」を傍聴しました。
中身が多い割には、「会議に要した時間」は1時間20分ほど。
傍聴していての率直な感想は「教育委員会、今のままで本当に大丈夫?」でした。
今記事では、私がそのように思った理由について
、ポイントを絞ってお伝えします。

No.249

🔷「元校長」の評価者と市教委事務局との極めて高い親和性
11月定例会では、昨年度の教育行政に対する「点検評価報告書」が示されました。
「学識経験者による第三者評価」が、その役割を果たしているかについては疑念を抱かざるを得ません。当ブログ記事No.247でもお伝えしたとおり、「元校長」である堀越洋子氏の「意見・提言」は、極めて市教委事務局寄りであり、第三者評価というよりも、むしろ明白になったのは「事務局との極めて
高い親和性」です。

たとえば、現場では悪評高い「委嘱研究発表」について、堀越氏は「コロナ禍であっても研究発表を実施したことは、教職員の指導力を向上させ学校の組織力を上げ学校力を高めた。教育委員会の指導も評価できる」などと、手放しで褒めちぎっています

では、「教職員の指導力を向上させ学校の組織力を上げ学校力を高めた」というのは、実証的データや根拠があるのでしょうか。
そもそも、「学校力」とは何を指すのでしょうか。
実際には中学校の勤務経験の無い「指導主事」なる事務局職員が中学校を「訪問」し、ベテランの教員に「指導」することで、「教職員の指導力を向上させ学校の組織力を高める」ことにつながるとでもいうのでしょうか。
なお、委嘱研究発表に関し、他の「学識経験者」は何らのコメントも寄せていません。

🔷大失敗に終わった「基調講演会」が「有意義だった」とは??
11月12日に上尾市文化センター大ホールで開催された「新しい時代の学びにふさわしい学校を考える集い」は、見るも無残な大失敗に終わりました。定員500名の大ホールは、午前も午後もガラガラ。市教委は教育委員会定例会で次の資料を配布しています。

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この「集い」については、情報公開請求により、講師の長澤悟氏への講師謝礼は20万円(午前・午後通して)であったことが明らかになりました(以上に加え、文化センター大ホール会場費=122,000円)。
注目すべきは「市民の参加人数」です。
とにかく大ホールの客席はガラガラで、ひどいありさまでした。
この資料では定員500名のところ、午前の参加者は31名、午後は26名となっていますが、私は当日午後参加し、会場の人数を数えましたが、せいぜい15~16人でした(児童の絵画作品表彰のために来た保護者をカウントしていると思われます)。
目立ったのは市教委のスタッフの数の多さ(11名)。
あと、教育長と教育委員2名(午後)が参加。

『広報あげお』に掲載し、市民ワークショップでチラシを配り、市内の保護者には「桜連絡網」を使ってほぼ全員に連絡、それでもこの参加人数でした。
また、講師の長澤氏は、事前(11/4)に上尾中・富士見小・中央小を訪問したそうですが、なぜこれらの学校だったのか(新しく直した学校ばかり)についても疑問です。

この催しは「大失敗」だったことは明らかにもかかわらず、11月定例会での内田教育委員の「とても有意義だった」との発言はいったい…??
こうした発言がまかり通るとするならば、市民から見て明らかに失敗と言える施策も、すべて「良かった、良かった」ということになりかねません。
こうしたことからも、
本当に「市教委は大丈夫ですか?」と言いたくなります。

🔷市教委が「先進都市視察」で行った学校は各学年1クラスずつ
教育委員会定例会では、「小中一貫教育に向けた先進都市視察」の報告もされました。
しかしながら、市教委は自らの主張とは真逆の「視察」を実施していることに気がつかなかったようです。
この「先進都市視察」の行き先は飯能市の奥武蔵小学校と奥武蔵中学校。上尾市教委の言うところの「施設隣接型小中一貫校」です。
実はこの両校の児童・生徒数は、
奥武蔵小学校 全校児童74名・学校全体で6学級プラス特別支援学級1学級
奥武蔵中学校 全生徒数49名・学校全体で3学級プラス特別支援学級2学級
となっています。

一方、上尾市教委が示している「子供たちの学びに望ましい学校規模」
小学校 12学級以上24学級以下
中学校  9学級以上24学級以下
(1校あたりの学級数・特別支援学級を含まない)
となっており、視察先の奥武蔵小学校・中学校は上尾市教育委員会の言う「学校規模の適正化」とは真逆の小規模校であり、はからずも、「先進都市」として、各学年1クラスの小規模校を視察したことになるのです。
この矛盾について、教育総務課(新しい学校づくり担当課)の職員は、私から言われてみて初めて気づいたようでしたが、市教委さん、大丈夫ですか?

🔷給食の現状に逆行する「骨子案」
11月定例会では、「学校給食に関するアンケート調査報告書」も配布されました。
内、「現在の学校給食に満足していますか」という設問への回答は以下のとおりです。
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このように、学校給食への満足度は児童・生徒・保護者とも高くなっています。
一方で、「学校施設更新計画基本計画」の「骨子案」では、「経費削減の方針」として、
『上尾市学校給食基本方針』に基づき、地域の実情を踏まえた効率的で効果的な給食提供方法を検討します」とあります。
しかしながら、『上尾市学校給食基本方針』なるものは市教委のHPにも見当たりません。何よりも、「地域の実情を踏まえた効率的で効果的な給食提供方法」とは何なのか、現在の給食についての満足度が高いのに、何をしようとしているのか大変疑問です。

🔷教育総務課長の度重なる「嘘」は徹底的に検証します
教育総務課長が「この件は〇月に協議していただきます」と言ったものの、実際にはその月に協議されなかったこと(つまり嘘)は当ブログでも指摘してきました。
今回、教育委員会11月定例会でも、またもや教育総務課長の「嘘」が露見しました。
9月の定例会で「11月に(学校施設更新計画)基本計画の原案を協議する」と言っていたにもかかわらず、完全スルー
しかも、『広報あげお 12月号』には「基本計画がまとまったのでパブコメを募集します」との記事が掲載されるとの情報もあります。
当ブログでは、教育総務課長の度重なる「」や、なぜ『広報あげお』に決まってもいないことが掲載されることになったのか、徹底的に検証していきます。

◎今記事では、教育委員会11月定例会を傍聴しての感想を含め、「上尾市の《教育委員会》なる組織、今のままで本当に大丈夫?」との疑問を中心にお伝えしてきました。
ですが、まだまだ市教委&事務局の対応や姿勢には疑問点が幾つもあります。

当ブログでは、引き続き市教委をめぐる問題に高い関心を寄せていきます。