上尾の図書館は、「指定管理者制度」を導入したいのでしょうか?

 総務省が各県に対しておこなっている調査には、「指定管理者制度の導入」という項目があります。
この調査で上尾市は、市立図書館について「指定管理者制度の導入も含めて検討している」と回答していることがわかりました。

記事NO.58

■総務省が各県に対しておこなっている調査とは?
 埼玉県のHP「県内市町村における地方行政サービス改革に関する取組状況等の調査結果(H30.04.01現在)」では、県内62市町村(さいたま市は別調査)における[民間委託][指定管理者制度等の導入]の調査結果を公表しています。
それによれば、
埼玉県内63市町村(ここではさいたま市を含みます)の図書館総数は153館(分館等含む)。その中で[指定管理者制度]を導入しているのは38館であり、導入率は24.8%となっています。
なお、調査時点で、4町(皆野町・長瀞町・神川町・松伏町)には「図書館」がありません(代わりに公民館図書室などがあります)。

 すでにこの調査以降2年近く経過しているので、調査後に同制度を導入した自治体がある一方で、「学校やその他行政機関との連携、子ども読書活動の推進などの観点から導入していない(熊谷市)」とする自治体も見られます。

■調査への上尾市の回答は?
「指定管理者制度等導入の状況」についての上尾市の回答では、
公の施設数=9館    指定管理者制度導入施設数=0館と計上されており、「前年度以降、導入が進んでいない理由」には、次のように記載されています。
多様なサービスの提供・コスト削減の観点から指定管理制度の導入も含め検討している
もともと、設問自体が総務省によるもので、指定管理者制度の導入を是とする質問であるということを加味しても、上尾市の回答は大変気になるところです。

■なぜ「指定管理者制度導入」が問題なのでしょう?
これについては、数多くの文献が指定管理者制度の問題点を指摘していますが、ブログ筆者が得心したのは、次の説明です。

 図書館という施設の本来的な機能にかんがみ、指定管理者制度を導入することが適当な施設なのか、図書館は地域の知的拠点として地域文化を育て継承していくべき役割を有する施設にもかかわらず、市場原理を導入することが適切なのか
図書館法第2条には図書館の役割が、第3条には図書館奉仕がそれぞれ示されていますが、いうまでもなく図書館は無料貸本屋を行うための施設とされているわけではありません。住民の各種の憲法上の権利(知る権利、学習権、参政権、幸福追求権等)に奉仕するという重要な役割を担っています。
営利目的の団体が、これらの諸権利の実現を目的として当該施設の管理運営にあたるとは到底思えません。(以下略)
鑓水三千男『図書館と法 改訂版』日本図書館協会,2018年,109頁

■上尾市図書館に情報公開請求をしました。
ブログ筆者は、上述の調査に対する上尾市の回答に疑問を持ち、先日情報公開請求をおこないました(公開・非公開は今月中の予定)。
(1) 「県内市町村における地方行政サービス改革に関する取組状況等の調査」についての文書・資料等。※どんな調査内容だったのか知るため。

(2) この調査の回答で「多様なサービスの提供・コスト削減の観点から指定管理制度の導入も含め検討している。」とした経緯が判別できる文書・資料等。

(3) 「検討している」と回答していることから、検討会議等が開かれていることが考えられます。その会議録またはそれに類した話し合いにかかる文書・メモ等。

(4) 「多様なサービス」とは何を指すのかが判別できる文書・資料等。

(5) <上尾市で指定管理者制度を導入すると、どの程度「コスト削減」が見込まれると判断したのか>が判別できる文書・資料等。

(6) 上記文言は「平成30年4月1日現在」となっていますが、それ以降、つまり2018年4月2日から2020年1月31日までに、指定管理者制度について上尾市図書館内部で検討したことが判別できる文書・資料等。

(7) 2020年1月31日以前に、上尾市図書館の利用者および市民から「指定管理者制度」の導入を求める声があるということが判別できる文書・資料等。

◎以上については、結果がわかり次第、お伝えいたします。

 「指定管理者制度」の導入とその弊害については、<TSUTAYA図書館>と言われる佐賀県武雄市図書館などの例や、逆に、直営の図書館で優れた取組をしている図書館もあります。引き続き図書館問題についてはこのブログでお伝えしていきます。

「自らの誤り」に気づいても、放置する上尾市

『広報あげお』2月号の表紙を飾る、丸山公園の「大かいぼり祭」に参加した子どもたちの無垢な笑顔。しかしながら、この裏には、上尾市役所の長年にわたる「過ちを文る(あやまちをかざる=過ちを改めず、とりつくろって、よいように見せかける)」事実が隠されています。
ひとつ明らかにしておきたいのは、「かいぼり」をすることと、長年にわたって上尾市が「条例違反の釣り行為を容認してきたこと」とは関連はするものの、別の問題である、ということです。
今記事では、情報公開請求で明らかになった、上尾市の「不都合な真実」についてお伝えします。

記事No.57

■「延長」とされた情報公開請求及び結果
 丸山公園での「
魚類捕獲禁止条例」があるにもかかわらず、ごく最近まで〈小・中学生向けクチボソ釣り教室〉を認めてきた上尾市。
そうした矛盾に対して整合性を問うブログ記事や You Tubeでの発信がされています。このブログでもお伝えしましたが、関連事項を情報公開してみました。以下、その内容と上尾市による「回答」です。

◇情報報公開請求 その1(処分期限1か月延長)

「上尾市都市公園条例」第5条(4)および第22条(2)は、次のように定められています。

(行為の禁止)
第5条 都市公園においては、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(4) 鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること。
(罰則)
第22条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(2) 第5条(第17条において準用する場合を含む。)の規定に違反して第5条各号に掲げる行為をした者
一部改正〔平成30年条例40号〕

このことを踏まえて、以下のことについて情報公開請求いたします。

(1) 「上尾市都市公園条例」は、制定:昭和48年7月1日条例第28号/最終改正:平成31年3月29日条例第4号 となっています。 そこで、上記第5条(4)および第22条(2)の改正経緯が判別できる文書・資料等。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため」なお、条例に謳う「鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること」の意味は、魚釣りの場合、針を使って餌を食べさせるので「殺傷」にあたる、というみどり公園課の説明でした。

(2) 第5条(4)で「鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること」が禁止事項になっているにもかかわらず、上尾丸山公園では「釣り大会」等のイベントが開催されたとのことです。 そこで、上尾市の情報公開制度開始以後、現在までに上尾丸山公園で「釣り大会」「釣り教室」(同趣旨のイベントを含む)等が行われたことが判別できる文書・資料等。
→「一部公開処分。非公開対象となるのは個人氏名等の情報」特定した文書:都市公園内行為許可証(2016年6月から現在までの過去4年分の「小中学生向けクチボソ釣り教室」の許可証)。※つまり、釣りを認めていることになります。

(3) 第22条(2)の罰則は、禁止行為をした当人ばかりか、そのほう助をした機関(行政機関を含む)も対象となると思われますが、そのことが判別できる文書・資料等。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため」※これについてのみどり公園課の説明:「
今までに過料を支払ったケースは無い。なお、従来、市の担当課は釣りを禁止行為として認識していなかったのではないか」筆者の感想:まるで人ごとのようですね。まずは担当課として自分たちの誤りを認めてからでないと、様々なイベントの企画は出来ないのでは?

(4) 彩の国埼玉情報サイト「さいたまなび」 に、「上尾市にある上尾丸山公園では周囲約1.2Kmの池で釣りが楽しめます。また釣りの体験イベントなども行われます」との情報が載っています。そこで、この情報が掲載された経緯が判別できる文書・資料等。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため」みどり公園課の説明:県の公園スタジアム課や商工課に問い合わせたが、わからなかった。県の所管のHPではないと考えられる。

◇情報公開請求 その2(処分期限1か月延長)
(1) 2019.12.21(土)・12.22(日)に実施された、上尾丸山公園「大かいぼり祭り」についての起案・決裁文書類。
→「公開処分。特定した文書:丸山公園大池かいぼり事業支援業務 特記仕様書
特記仕様書の項目原文は第1条~第25条まで。NPO法人生態工房が受注。
各条項の題目:受注者の適用範囲/
実施場所/業務概要/植生調査/魚類・エビ類等調査/水鳥調査/トンボ調査/底生生物調査/ザリガニ捕獲/ボランティアリーダー募集、説明会開催/ボランティアリーダー研修会の開催・運営/ボランティア事務局の運営/かいぼり専門家会合の開催・運営/魚類捕獲当日ボランティアの募集/アヒル池かいぼりの運営/大池かいぼりイベントの運営/補足的生物捕獲・泥上げ・浅場整備・在来種放流/自然学習館の展示物・リーフレット作成/かいぼり実施報告会・池底観察会の開催・運営/資機材・物品の調達/かいぼりに伴う特別採捕許可申請および水生生物調査計画書の作成/報告書作成/打合せ・協議/納入成果品/著作権  以上25条

(2) 「大かいぼり祭り」を実施する理由が判別できる文書・資料で上記(1)以外の文書・資料等。具体的には、市民からの要望やアンケートの類。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため

(3) 上尾丸山公園「大かいぼり祭り」の宣伝に使われたイラストは、葛飾北斎『北斎漫画』にある《すずめ踊り》という作品を加工修正したものであると思われます。元の作品は50年経過しているので、元画の著作権は問題になりませんが、《「大かいぼり祭り」イラスト》は、元画を加工修正しています。
普通に考えれば、「元画を加工修正しても問題ない」と判断したと考えられますが、《「大かいぼり祭り」イラスト》自体が二次的著作物(つまり、第三者の作品)である可能性も排除できません。そこで、今回の《「大かいぼり祭り」イラスト》が使用された経緯や、二次的著作物であるか否かなど、《「大かいぼり祭り」イラスト》にかかわる文書・資料等。
※ポスター画像はこちら。(消されてなければ、ですが)
→「非公開処分。理由:文書不存在のため
※葛飾北斎の《すずめ踊り》元画を加工したのは「生態工房」だそうです。何というか、著作権の問題はクリアできたとしても、これでは、元画の良さが消えてしまったような気がします。

追記:2/8現在、みどり公園課のHPでは公開されていませんが、図書館本館に「池干し祭り」ポスターが貼ってありました(本館1階)。同じように葛飾北斎《すずめ踊り》元画を加工したものです。ブログ筆者は大変がっかりしました。

◇情報公開請求 その3
(1) 上尾市役所みどり公園課のHPおよび広報あげお2020年1月号10頁に、<上尾丸山公園池干し祭「泥かき連」を募集>という記事が掲載されています。この企画に関する起案・決裁文書・資料等。

「公開処分」*特定した文書:上尾丸山公園大池かいぼり事業支援業務 特記仕様書(上述の特記仕様書と同一のもの)

(2) 情報公開制度開始(2001年4月)以降、現在(この行政文書公開請求書受理日)までに、上尾市内の公園にて、「池干し祭」または同趣旨のイベント等が開催されたことが判別できる文書・資料等。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため」※12月議会の尾花質問では、2003年当時に市教委が後援したイベントもあったとのことですが、みどり課の説明では、文書としては残っていないとのことです。

◇情報公開請求 その4
(1) 2019年2月に開催された「上尾丸山公園 大池かいぼりシンポジウム」にかかる起案・決裁文書。及び当日配布された文書・資料等。

「公開処分」*特定した文書:上尾丸山公園大池かいぼりシンポジウム運営業務特記仕様書&上尾丸山公園大池かいぼりシンポジウム資料集

(2) 2019年8月~10月に開催された「上尾水辺守」の研修にかかる起案・決裁文書。及び全5回の研修会当日配布された文書・資料等。
→「公開処分*特定した文書:研修プログラムの決裁文書。※「及び」以下は非公開(理由:講師が「公開しない」と言っているため)

(3) 上記(1)シンポジウムおよび(2)の研修会の際、「上尾市都市公園条例」について何らかの説明がされたと考えられますが、そのことが判別できる文書・資料等。ただし上記(1)・(2)に含まれている場合はご教示ください。
→「一部公開決定」※メアドや電話番号は非公開。特定した文書:アヒル池かいぼりオリエンテーションの資料。

(4) 「かいぼり祭り」・「池干し祭」など、先日実施された、あるいは今後予定されている上尾丸山公園の池に関するイベントは、現在の上尾市都市公園条例の第5条(4)をいったん凍結あるいは改正しないと出来なかった(あるいは出来ない)と請求人は考えます。
そこで、上尾市都市公園条例第5条(4)を凍結または改正せずに、かいぼり祭り・池干し祭が実施可能であることが判別できる文書・資料等。
「非公開処分。理由:文書不存在のため」※口頭にて「池の〈維持管理〉なので、条例違反ではない」との説明がされました。

(5) 本情報公開請求書の受理日以前に、上尾丸山公園における「釣り大会」「釣り教室」「魚類の捕獲」(または同趣旨の催しを含む)について、上尾市教育委員会が後援したことが判別できる文書・資料等。
※念のため、同じ情報公開請求を上尾市教育委員会宛てにも申請してありますが、(5)については、あくまでも上尾市長宛ての請求となります。
※(参考)12月市議会尾花質問で「2003年に上尾市教育委員会が後援している」と指摘されています。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため

◇情報公開請求 その5
以下は、市民からの問い合わせに対する上尾市みどり公園課の回答です。この回答を踏まえて情報公開請求いたします(なお、当該市民からは許諾を得ています)。※朱書きは請求人によります。

「日頃より、上尾丸山公園を御利用くださりありがとうございます。お問い合わせの件につきまして、次のとおりお答えいたします。上尾丸山公園を含む都市公園内の釣り行為につきましては、上尾市都市公園条例第5条第1項第4号の行為の禁止の中の「鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること。」に該当すると考えております。
長年、条例に基づく適切な管理ができていなかったことにつきましては、管理者として反省するべきこととは思いますが、今後も都市公園条例に反する管理を続けていくわけにはいきません。
今回のかいぼりを機に釣り行為は御遠慮いただき、適切な管理に努めていきたいと考えております。
都市公園は、レクリエーション活動の場だけではなく、良好な都市環境の提供や防災機能の向上など、多岐にわたる機能を持つ緑のオープンスペースであり、生物多様性の保全も重要な役割となっております。
上尾丸山公園につきましては、長年の懸案だった大池の水質改善のために、かいぼり事業を行い自然を再生する取り組みを始めたところです。
釣り行為は、保全するべき在来種の魚類を傷つけることにもつながるため、現時点では、条例改正する予定はございません。
先に行われた「上尾丸山公園大かいぼり祭」におきましては、同様の御意見もいただきましたが、釣り行為禁止に賛成の声や、かいぼりにより自然を再生する取り組みへの応援の御意見も多数いただいております。
頂いた貴重な御意見につきましては、今後の公園施設の在り方の参考とさせていただきます。
現在、かいぼりによる大池の水質改善の取り組みに着手したばかりでございますので、その検証期間につきましては、現在の条例に基づく適切な管理をさせていただきたいと考えております。
以上、回答とさせていただきますが、御理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」

(1) 長年、条例に基づく適切な管理ができていなかったことにつきましては、管理者として反省するべきとありますが、「反省」の具体的な内容(例:広報あげお誌上での謝罪や、今後の市議会での釈明など)が判別できる文書・資料等。
→「非公開処分。理由:文書不存在のため
みどり公園課の話では、条例違反だと気づいたのは、かいぼりシンポジウムの前後とのことです。「反省するべき」としているものの、実際には何もしていない、ということになります。

(2) 「先に行われた「上尾丸山公園大かいぼり祭」におきましては、同様の御意見もいただきましたが、釣り行為禁止に賛成の声や、かいぼりにより自然を再生する取り組みへの応援の御意見も多数いただいております。」とあることから、当然実証的データ(意見の一覧表など、まとめたもの)が存在すると考えられますので、そうした文書・資料等。
→「公開処分*特定された文書:上尾丸山公園大池かいぼり祭 意見一覧表&上尾丸山公園大池かいぼり祭 アンケート結果一覧表

(上尾丸山公園大かいぼり祭意見一覧表  ※みどり公園課作成
職員に口頭で寄せられた意見の要点を記載」した、とのことです。

1 いつまでかいぼりするのか。いつ水を入れるのか。 
2 次のかいぼりはいつやるのか。定期的にやるのか。
3 かいぼりは何回目か。
4 井の頭公園のように、水草が生えてきれいな池になるとよい。
5 がんばって池をきれいにしてください。
6 報告書をつくって、市民向けに報告会をしてほしい。
7 大かいぼり祭開催の告知が行き渡っていない。告知をしっかりしてほしい。
8 池底観察会、泥かき連は面白そう。ぜひ行きたい。
9 昔はタナゴがいたが、今はいないのか。
10 以前はテナガエビがたくさんいたけれど、どうなったのか。
11 ブラックバスはいないのか。
12 カミツキガメはいないのか。 
13 捕った在来種、外来種はどうするのか。
14 外来種を殺処分するのはかわいそう。
15 コイ、ヘラブナを取り除くのか。
16 コイに餌をやるのが楽しみだったのに、いなくなったらつまらない
17 コイやヘラブナを取り除くなんてだめだ。
18 こんなにたくさんのブルーギル、外来種がいるなんて驚いた。
19 ブルーギル、ハクレンは誰かが放流したのか。
20 外来種だらけだ。
21 釣りが禁止だと新聞に出ていたが、本当か。
22 釣り人のマナーが悪いので、釣り禁止は賛成だ。
23 釣り関係のゴミがこんなにあるなんてひどい。
24 釣りを禁止にするのはよいと思う。
25 釣り禁止にしないでほしい。
26 縄文土器が出るなんてすごい。
27 (かいぼり瓦版を見て)こういうものがあるのはいいね。

(大かいぼり祭アンケート結果  ※釣り関係を記載。他10件は長文のため

1 いままで通り、釣りができるようにしてほしい。
2 また釣りができるようにしてほしいです。ざっくり在来種の区分ではなく、きちんと表記したほうがよいと思います。

 ■似たようなことは上尾市教委でも
 ここまで読んで、「どこかと似ているな」と思われた方もいると思います。それがこちらの記事。教育委員会の会議を非公開とする根拠を市議会で堂々と示しておきながら、あとになって、関連する情報公開請求の際に「あれは間違いでした。ただし、特に謝罪や訂正はしていませんし、するつもりもありません」と開き直る市教委事務局

 みどり公園課も、市教委事務局(例に挙げたのは教育総務課)も、「確かに誤りですが、前のことは知りません」と言いつくろい、あたかも前任者の責任を自分たちが負うのはかなわない、とでも言いたげな様子であることは共通しています。
 残念ながら、これが上尾市の行政&教育行政の実態です。
みどり公園課は、まず、条例違反に気づかなかった自らの誤りを認めたうえで、かいぼり祭などのイベントをすすめるべきであったと思います。ブログ筆者は、「今後も、この問題では、きちっとした形で説明責任をを果たすべきです」と伝えてきました。

 

今でも輝きを失わない、ユネスコ公共図書館宣言

 公立図書館は、憲法—教育基本法—社会教育法—図書館法という根拠法令に基づき、教育機関として設置されています。
ユネスコ公共図書館宣言が採択されて四半世紀経過しますが、今でも「宣言」の輝きは失せてはいません。
ブログ筆者は、公立図書館のあり方に強い関心を持っていることから、今記事では、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)公共図書館宣言を引用し、その優れた視点を確認していきたいと思います。

記事No.56

ユネスコ公共図書館宣言 1994年採択
UNESCO Public Library Manifesto
原文は英語

社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本的価値である。このことは、十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会において積極的な役割を果たす能力によって、はじめて達成される。建設的に参加して民主主義を発展させることは、十分な教育が受けられ、知識、思想、文化および情報に自由かつ無制限に接し得ることにかかっている。

地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人および社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する。


この宣言は、公共図書館が教育、文化、情報の活力であり、男女の心の中に平和と精神的な幸福を育成するための必須の機関である、というユネスコの信念を表明するものである。

したがって、ユネスコは国および地方の政府が公共図書館の発展を支援し、かつ積極的に関与することを奨励する。

公共図書館は、その利用者があらゆる種類の知識と情報をたやすく入手できるようにする、地域の情報センターである。

公共図書館のサービスは、年齢、人種、性別、宗教、国籍、言語、あるいは社会的身分を問わず、すべての人が平等に利用できるという原則に基づいて提供される。理由は何であれ、通常のサービスや資料の利用ができない人々、たとえば言語上の少数グループ(マイノリティ)、障害者、あるいは入院患者や受刑者に対しては、特別なサービスと資料が提供されなければならない。

いかなる年齢層の人々もその要求に応じた資料を見つけ出せなければならない。蔵書とサービスには、伝統的な資料とともに、あらゆる種類の適切なメディアと現代技術が含まれていなければならない。質の高い、地域の要求や状況に対応できるものであることが基本的要件である。資料には、人間の努力と想像の記憶とともに、現今の傾向や社会の進展が反映されていなければならない。


蔵書およびサービスは、いかなる種類の思想的、政治的、あるいは宗教的な検閲にも、また商業的な圧力にも屈してはならない。


公共図書館の使命

情報、識字、教育および文化に関連した以下の基本的使命を公共図書館サービスの核にしなければならない。
1. 幼い時期から子供たちの読書習慣を育成し、それを強化する。
2. あらゆる段階での正規の教育とともに、個人的および自主的な教育を支援する。
3. 個人の創造的な発展のための機会を提供する。
4. 青少年の想像力と創造性に刺激を与える。
5. 文化遺産の認識、芸術、科学的な業績や革新についての理解を促進する。
6. あらゆる公演芸術の文化的表現に接しうるようにする。
7. 異文化間の交流を助長し、多様な文化が存立できるようにする。
8. 口述による伝承を援助する。
9. 市民がいかなる種類の地域情報をも入手できるようにする。
10. 地域の企業、協会および利益団体に対して適切な情報サービスを行う。
11. 容易に情報を検索し、コンピューターを駆使できるような技能の発達を促す。
12. あらゆる年齢層の人々のための識字活動とその計画を援助し、かつ、それに参加し、必要があれば、こうした活動を発足させる。

* 公共図書館は原則として無料とし、地方および国の行政機関が責任を持つものとする。それは特定の法令によって維持され、国および地方自治体により経費が調達されなければならない。公共図書館は、文化、情報提供、識字および教育のためのいかなる長期政策においても、主要な構成要素でなければならない。

* 図書館の全国的な調整および協力を確実にするため、合意された基準に基づく全国的な図書館ネットワークが、法令および政策によって規定され、かつ推進されなければならない。

* 公共図書館ネットワークは、学校図書館や大学図書館だけでなく、国立図書館、地域の図書館、学術研究図書館および専門図書館とも関連して計画されなければならない。

* 地域社会の要求に対応して、目標、優先順位およびサービス内容を定めた明確な方針が策定されなければならない。公共図書館は効果的に組織され、専門的な基準によって運営されなければならない。

* 関連のある協力者、たとえば利用者グループおよびその他の専門職との地方、地域、全国および国際的な段階での協力が確保されなければならない。

* 地域社会のすべての人々がサービスを実際に利用できなければならない。それには適切な場所につくられた図書館の建物、読書および勉学のための良好な施設とともに、相応な技術の駆使と利用者に都合のよい十分な開館時間の設定が必要である。同様に図書館に来られない利用者に対するアウトリーチ(※)・サービスも必要である。
(※)アウトリーチ=積極的に対象者の居る場所に出向いて働きかけること 

* 図書館サービスは、農村や都会地といった異なる地域社会の要求に対応させなければならない。

* 図書館員は利用者と資料源との積極的な仲介者である。適切なサービスを確実に行うために、図書館員の専門教育と継続教育は欠くことができない。

* 利用者がすべての資料源から利益を得ることができるように、アウトリーチおよび利用者教育の計画が実施されなければならない。

国および地方自治体の政策決定者、ならびに全世界の図書館界が、この宣言に表明された諸原則を履行することを、ここに強く要請する。

◇この宣言は、国際図書館連盟(IFLA)の協力のもとに起草された。

「宣言」は以上です。

 ブログ筆者は、公立図書館の運営主体の問題(指定管理者制度など)にも関心を寄せています。図書館の問題については、今後も記事にしていくつもりです。

 

ONE TEAM(ワンチーム)の重さと軽さ

 〈第一生命〉が恒例の<サラリーマン川柳>優秀作 100句を発表しました。思わず笑ってしまうような作品が多い中、句の意味を考えさせるようなものもありました。

記事No.55

■ラグビー人気を象徴する句ですが…
筆者が「なるほど」と思ったのは次の句です。

「ONE  TEAM」 にわかに課長が   言い始め
※川柳作品の著作権は全て第一生命に帰属するため、
の句の「初句(上五)」はカタカナを英語表記にしてあります)

 この句は「ONE  TEAM(ワンチーム)」という、ラグビーワールドカップ以来流行した言葉と「にわか」ラグビーファンを揶揄している点、さらには「(今までそんなことを言わなかった)課長が、急にワンチームと言い始めた」ことを、多少の皮肉を込めて読んでいる点が優秀作品に選ばれた理由だと思います。

■市役所HPで「ワンチーム」を検索すると…
 おそらく上尾市役所(市教委・学校関係を含む)内でも、誰かが「ワンチーム」と言っているだろうとブログ筆者は推測し、市役所サイト内のキーワード検索したところ、最上位に出てきたのが これ
なんと、〈 141時間超え時間外勤務問題で昨年12月議会質問でも取り上げられた上平小学校のHPでした。「学校だより11月号(P1)」には、<上平小も「One Team」で>と掲載されています。

 …私たち職員も、保護者も、地域も、一人一人が自己の役割と責任を果 たす中で、みんなが健全な子供を育てるという一つの目的に向かってワンチームとなり、邁進していきたいという思いでおります。

 表面的に見れば、「そうかもしれない」と思う方もいるかもしれません。ただし、「ONE  TEAM」というフレーズが生まれた経緯に関する別の特集記事を読んだ後では、印象はかなり違ってきます。

■「ONE  TEAM」の本当の意味での「重さ」
 前記特集記事によれば、チームのキャプテンのリーチ・マイケルは
ONE TEAM と言っても、一夜にして出来るものではないですよ」と述べています。それは、新しい日本の指導者になったジェイミー・ジョセフに対する信頼感がすぐに醸成されたものではなかったことによります。チームの発足当初は、ジェイミー・ジョセフと選手の間にはチーム運営・戦術の方向性について溝があったからです。
その状況を変えたのは、ジェイミーが日本人と海外出身の選手たちとの相互理解を促したことによります。

 海外出身の選手たちは、日本の選手たちがミーティングで発言せず、消極的なことが理解できない。『そんな姿勢でチームに参加して意味があるのか?』となる。反対に、日本の選手たちは外国人選手が時間にルーズだったりすると、それにイラッとしたりする。そのほかにも様々なカルチャーギャップがあることを認め、話し合ってその溝を埋め、しっかりとしたチームの土台を作ろうと選手たちに話しました」 そこからチームは変身した。(特集記事より)

 リーチ・マイケルはこう言います。

 「日本の代表なのだから、やっぱり日本の文化を表現しているべきです。海外の指導者が日本にやってきて、自国のスタイルをそのまま導入しようとするとうまくいかないと思います。その点、日本代表の選手たちはレセプティブ(receptive)、受容性が高かった。バックグラウンドの違う相手を受け入れるところからチーム作りはスタートして、最後は全員がジェイミーが立てた戦略を100パーセント信じることが出来たと思います」 (特集記事より)

 つまり、「ONE TEAMの完成に至る道には、山があり谷があった」ということなのです。

■自分勝手な解釈をする校長の「軽さ」
 このように、「ONE TEAM(ワンチーム)」という言葉の持つ本来的な意味を知ったあとで、もう一度上平小の校長の文章を読んでみると、「なんて言葉の使い方が軽いのだろう
」と思いませんか?

 たとえば、上尾市教委による強制的「委嘱研究発表」とその準備のために、過労死ラインをはるかに超える時間外勤務を強いられてきた職員と、なぜそのようなことになるのか、その要因について徹底的に校長は話し合ったのでしょうか?
また、市教委の「委嘱研究」が、長時間勤務の温床となっているという事実について、校長はきちんと市教委に意見を述べましたか?
結局、校長が「責任を果たす」のは職員にではなく、市教委に対してだけではないでしょうか。 まさに、

「にわかに 課長(校長)が   言い始め」

ということなのです。
リーチ・マイケルが言う「ONE  TEAM」の重みと、上平小校長の言う「ワンチーム」は、本質のところで全く違うものであり、上平小のほうは、「軽さ」ばかりが表出していることになると言えます。
上平小の校長は、市教委にこう提言するべきです

上平小では、市教委による委嘱研究発表の準備のため、月に141時間を超える時間外勤務を強いられています。このような委嘱研究は、そろそろ根本的に見直しませんか?

 校長が「ワンチームで云々」と言いたいのであれば、きちんと市教委に対して長時間勤務が強いられている状況を説明し、改善を求めるべきであるとブログ筆者は考えます。市議会の質問がされた後ではありますが、今からでもそれは出来るのではないでしょうか

 

これだけある、学校給食の問題点

 上尾市が実施している学校給食については、給食費だけでなく、食育の充実としての時間確保やスタッフの問題などもあります。今記事では、あまり表面に出てこない事実も含めてお伝えします。

記事No.54

■学校給食は教育の一環
 上尾市教委がwebで公表している『上尾の教育』に、「学校における食育の充実」という項目があります(第2章 P75-P78)。そこには、最初に次のような記述があります(原文のまま引用)。

 健康教育の一環としての学校給食は、かつては食糧不足の時代に栄養補給を目的として実施されたが、現在は飽食の時代といわれるくらい物質的には豊かな社会となった反面、欠食や偏食による栄養のアンバランス、肥満傾向児童・生徒の増加、家庭における食生活の変化、食料生産の体験不足による食に対する理解度の低下などのため、健康や食習慣上の課題が指摘されている。そうした中で「生涯にわたる健康づくりの基礎を培う学校給食」としての役割が求められている。

 つまり、学校給食は「健康教育の一環」であるので、各小中学校では「食育」を充実させるということが述べられているのです。このことを前提として、学校給食についての問題点を見ていきます。

■短い給食時間で「食育」は充実できますか?
 各学校の「給食時間」については、おおむね
小学校=45分  中学校=35分 となっています。
 「給食時間」には、給食の準備・配膳・手洗い・片付けを含み、小学校では歯磨きの時間が入っている場合もあります。
中学校では、25分(西中の月曜日)という学校や、南中のように清掃を終えてすぐに給食30分という学校もあります(曜日によって日課が異なる場合も多いので、各「学校要覧」で確認しました)。

 このタイトな時間配分の中で、食育を充実させるとしたら、担任の教師や「食育」の担当者は相当な努力が必要でしょう。「日々の給食指導、本当にお疲れ様です」というほかありません。

■「給食関係従事者」の職種は?
 市内の小学校には、給食物資の発注等や「食育」を担当する「栄養職員」と、給食室で調理業務をおこなう「給食調理員」がいます。
「栄養職員」は、以前は全体の食数で配置されていましたが、現在は学校によって「栄養教諭」「栄養技師」「学校栄養士」のいずれかの職員が配置されています。また、「給食調理員」には、本採用者(退職後の再任用を含む)、嘱託、臨時の各調理員がいますが、賃金や勤務状況等に差が生じているため
2020年4月から導入予定の「同一労働・同一賃金」を待つまでもなく、早期に本採用者の賃金に近づける努力が求められます
中学校については、次に述べる「給食の方式(形態)」とも関係するので、そこで説明したいと思います。

■給食の「方式(形態)」について
 上尾では、小学校は各学校の給食室で調理する「自校方式」です。主食は米飯が月に11回程度(内、自校炊飯が2~3回、残りは委託炊飯)、めんが月2回、あとはパンとなっています。また、「食物アレルギーを有する児童の把握に組織的に努める」とされています。
 中学校給食は〈共同調理場(セントラルキッチン)+自校調理場(サテライトキッチン)〉=「上尾方式」として、全国的にも珍しい方式である、とされています。ただし、各中学校の給食室で勤務する調理員の方は、民間会社(T食品)の雇用となっているため、各学校で把握するのは困難な現状です。衛生上の問題もあり、学校の職員が給食室に入ることはできませんし、もし配膳の際に遭遇したとしても、大きなマスクをしているので、顔も名前もわかりません。また、O(オー)157の関係で、生野菜が献立に出ることはありません。

■給食費について
 学校給食の調理場の形態(直営・委託)状況や給食費等についてのデータは、「埼玉の学校給食」に詳しく出ています。それによれば、上尾市の給食1食当り平均単価を見ると、次のようになっています。
※ 2018.05.01 時点での保護者負担額のみの額。「埼玉の学校給食」P15
 小学校 …… 254.22 円(県内高額順の5位)
 中学校 …… 312.53 円 (県内高額順の1位

 また、市議会の質問でよく出される「県内で給食費が公会計化されている自治体の数」については、最新のデータでは、
 全ての学校が公会計  28市町

 共同調理場のみ公会計    4市
 全ての学校が私会計  31市町
となっています。 ※「埼玉の学校給食」P14

 もし、給食費を公会計とした場合、税金の徴収と同様の扱いとなるため、未納についての督促業務は、上尾市(教委)に移行します。
学校の負担は減りますが、その代わりとして市教委が二つ返事で引き受けるかどうかは、かなり難しいと考えられます。おそらく、実務を担当すると思われる学校保健課が、「人手不足や新しいシステムの構築化に時間がかかるので困難」、とでも言いそうです。

 最も可能性のあるのは、細かい額になりますが、保護者が給食費の自動引き落としのために金融機関に払う手数料の無料化です。金融機関によっては、手数料が1回につき何十円という場合もあるので、それが無料になれば保護者負担は軽減されます。

 あとは、給食費そのものの無償化ですが、「ビジネスゲームの館」記事へのコメントにも同趣旨で書きましたが、上尾では、給食費無償化を自らの政策に掲げているか、または賛成するだろうと思われる議員(会派)の合計人員が12人、あと4人賛成すれば、給食費無償化を含んだ修正案が通ることもあり得ます。財源については、当然どこからかひねりださなければなりませんが、それは市民・議員・市の行政当局が考えれば良いことであり、みんなで知恵を出し合うことも必要だと思います。ただし、第3子以降無償とか、そんな中途半端なことはやめたほうがいいと思います。
もし給食費が無償ということになれば、市教委は督促業務が回ってこないこともあるので、学校教育部長の答弁とは裏腹に、本音では歓迎するでしょう。
12月の糟谷質問でも出されましたが、人口約30万人の兵庫県明石市は、「市長のパワハラ発言」で有名になりましたが、今年の4月から「保護者の所得に関係なく給食費の完全無償化」を実施する見込みです。また、群馬県渋川市では、すでに無償化が実施されています。
要は、「本気でやるかやらないか」ということではないでしょうか。
 W逮捕やブロック塀で地の底まで落ちた上尾市行政。これを打開する策としては、「子育てなら上尾」「給食費は無償です」という「シティセールスのための謳い文句」は有効かもしれません。その場合には、学校給食法よりもずっと上位にある憲法第26条「義務教育はこれを無償とする」をその根拠とすることになると思われます。

傾聴に値する、図書館協議会・若松副委員長の発言

 1/10(金)に第4回「上尾市図書館協議会」を傍聴しました。そこでは、「答申」に何とか自分たちの都合の良い文言を入れようとする図書館の事務局側と、法的根拠に基づき、それをやんわりと拒否する副委員長の発言があり、大変興味深いものでした。

記事No.53

■「図書館協議会」とは?
 図書館法に(図書館協議会)として次の規定があります。

第十四条 公立図書館に図書館協議会を置くことができる。
2 図書館協議会は、図書館の運営に関し館長の諮問に応ずるとともに、図書館の行う図書館奉仕につき、館長に対して意見を述べる機関とする。

 つまり、図書館長の諮問に対して、答申の役目を負うのが図書館協議会ということになります。条文に「置くことができる」とありますが、2016年の調査では、図書館協議会(類似の協議会を含む)を設置している自治体は、約70%となっています(出典:図書館流通センター「公立図書館の実態に関する調査研究報告書」)。

 また、次のような指摘もされています。
「図書館協議会では、約7割が指定管理者制度導入に反対している。この点にかんがみても、図書館協議会と指定管理者との親和性は良好とはいえないようである」(鑓水三千男『図書館と法』2018年)

 例えば、桶川市図書館は指定管理者制度を導入しており、図書館協議会は設置されていません根拠:桶川市図書館管理規則

■傍聴していて気づいたこと
 当日の資料は、すべてクリアホルダーに入っており、表に「会議終了後、資料は回収します」とメモ書きされていましたが、ブログ筆者は、これは適切なやり方ではないと考えます。なぜならば、当日の資料は、会議次第・座席表・委員名簿が各1枚ずつ、それにホッチキス留めした『上尾市図書館の在り方検討資料』という内訳になっており、<持ち帰られては困る>のは『検討資料』のみだからです。
傍聴者には説明されていませんが、資料を回収する根拠は、情報公開条例の以下の部分によるものだと考えられます。

(参考)上尾市情報公開条例第7条(公開除外規定)
(6)市及び国等の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当な利益を与え、もしくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

 おそらく、『検討資料』は、条例に謳う「意思決定の中立性」に抵触する、との判断(ブログ筆者はそうは考えませんが)から「持ち帰り不可」とされたと思われますが、会議次第から委員名簿までは、意思決定とは関係ない事項(委員名はすでに公開済み)なので、『検討資料』のみ回収すれば良い話であり、事務局のやり方は<丁寧さに欠ける>と指摘されても仕方ないと思われます。
また、図書館HPには、協議会の傍聴者は「5人」と記述されていますが、実際には、筆者の見た範囲では7~8人の傍聴者がおり、椅子は少なくとも2つ空きがありました。事前の会議予告の傍聴者については、「〇人程度」(〇には7or8が入る)とすべきですし、資料についても、持ち帰りができるものと、そうでないものとに分けることと合わせての次回からの改善が求められます。

■若松副委員長の発言の重み
 ブログ筆者が最も興味深く聞いたのは、事務局側が検討資料の中に次の文言を入れようとしたときの、若松副委員長の発言です。
※ブログ筆者のメモによるもので、検討資料を持ち帰ったものではありません。
(朱書きは筆者によります)

『上尾市図書館の在り方検討資料』
6.留意すべき点

(3)運営体制の柔軟な検討と計画的な職員の育成を
 昨今、指定管理者制度を導入した公共図書館が増えています、平成28年度本協議会では、各計画で掲げられた目標を達成するためには現行の体制を継続することが望ましいとの答申をしています。しかしながら、社会情勢と市民ニーズが刻々と変化する中では、過去の答申に縛られることなく、常に利便性と効率性が高まる体制を模索していくことが求められます
また、どのような運営体制になった場合でも、図書館業務に精通する職員の育成や司書有資格者の配置は適切に行われることを期待します。

 まず最初に、「昨今、指定管理者制度を導入した公共図書館が増えています」という文言については、実証的データを示したうえで記述すべき内容です。ブログ筆者の調べでは、「政令市以外の市(上尾市など)」で指定管理者制度を導入している自治体は、159市であり、全国が772市なので、比率は20.6%となっています(出典:桑原芳哉「公立図書館の指定管理者制度導入状況:近年の動向」,2018年)。
データの本文への挿入が難しければ、「別表」として示すべきです。

 また、「過去の答申に縛られることなく、常に利便性と効率性が高まる体制を模索していくことが求められます」という文言にいたっては、3年前の答申を否定したうえで、あたかも指定管理者制度の導入を是とするような内容となっています。

 事務局側が「滑り込ませようとした」文言について、若松昭子副委員長は、次のような趣旨で発言しています。

 …指定管理者制度については、利点や問題点が両方あり、議論が分かれている状況であるので、「過去の答申に縛られることなく」という表現は考え直したほうがよいのではないか。
(全国で)指定管理者制度が増えていようがいまいが、その良し悪しを(本質的な意味で)判断する必要があると考える。

 ブログ筆者はこれらの発言を傍聴していて、事務局側が「特に何か指摘されなければ、以前の答申の方向性を変更してしまおう」との意図もはっきり見えたことと、それを穏やかに、しかし明確に否定した若松氏の見識に強い共感を覚えました。確かに、指定管理者制度導入に関しては、様々な問題が指摘されています。このブログでも、後日ひとつの記事として掲載しようと考えています。

■言葉の「すり替え」にも要注意
このほか、図書館の事務局側が意識的に言葉のすり替えをおこなっている節が見られます。例えば、第3回図書館協議会での質疑では、次のようなやり取りがされています(公開済議事録によります)。

議長   司書は。
事務局  本館では、正規職員2名、非常勤職員4名である。

 この事務局答弁は、明らかに「すり替え」がおこなわれています。
正確には、「図書館法4条の規定による《司書》という職名は、上尾では一人もおりません。図書館司書の有資格者は正規職員が2名、非常勤職員4名おります」と答弁すべきであったのです。
前記事でも取り上げましたが、図書館法第13条で「図書館には、専門的職員を置く」とされ、同第4条で、その専門的職員を《司書》または《司書補》とする、と規定されていることから、〈図書館司書の有資格者〉とは根本的に違うものであるという確認が必要なのです。

◎専門的職員の職名「司書」「司書補」(以上は残念ながら上尾市には職名そのものがありません)と、〈司書有資格者〉とを混同しないでほしいものです。

■もし、副委員長の発言が無かったら…
 若松副委員長は、司書の問題についても、図書館法に依拠しながら発言しています。前記のことと合わせて、もしも若松氏の発言が無かったら、事務局が滑り込ませようとした文言がそのまま生かされてしまったのではないかと思われます。
 他の委員の発言は、どなたか名前はわかりませんが、たとえば、「分館に孫と行って過ごせるようなスペースが欲しい」など、極めて情緒的なものが目立ちました。せっかくの図書館協議会の場なのですから、根拠法令等をきちっと示したうえで、内容の濃い協議会であることを望むものです。

市教委選出<学識経験者>の実像

 教育委員会の事務に関する点検評価報告書』が、昨年の12月11日に上尾市教委HPに公開されました。
この『報告書』に「第三者的立場」から意見や提言を述べる役目を負う<学識経験者>が現在3人います。その中の一人であるY氏は、上尾中学校運営協議会(コミュニティスクール)委員にもなっていますが、同協議会委員による「リレーエッセイ」へのY氏の投稿は「え? なにこれ?」と思わせるものです
(問題の文章は、今記事の最後のほうにリンクがあります。)

 今記事では、Y氏が『報告書』の中で意見や提言をする立場の<学識経験者として本当にふさわしい人なのか甚だ疑問であるということをお伝えします。

記事No.52

『報告書』について
◇市教委HPに掲載されたのは「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下、「地教行法」)」で議会への報告と住民への公開が義務付けられている教育委員会の事務に関する点検評価報告書(以下、『報告書』)』です
※市教委HPからは2019.12.11の更新情報からでないと最新版は見られません。

◇報告書の「事務」とは、教育委員会の業務全般のことを指し、内容は、学校教育はもとより、家庭教育、生涯教育、文化・芸術、スポーツ・レクリエーション等に及んでいます。
◇上尾市教委は、2017年度まで 156頁あった『報告書』を、昨年度と今年度は約60頁に減らしました。これは、「法律で市議会提出の義務があるものの、特に議員から質問も無いことから、そんなに長文の報告書は作成しなくてもよいのではないか」との市教委の判断で頁数の大幅減になったものと思われます。
『報告書』は、<前年度に教育委員会がおこなった事業について、教育委員会自らが点検・評価した報告>に対して、「第三者の視点が必要」ということで市教委が選んだ<学識経験者>が意見・提言を述べるという形式を取っています。
ここでは「学校運営協議会」&「コミュニティスクール(CS)」について『報告書』の中でどう記述されているか、また、それに関連する<学識経験者>の意見・提言に絞って見ていきたいと思います。

■「学校運営協議会」&CSについて
◇「地教行法」が2017年に改正され、コミュニティスクール(学校運営協議会制度)が本格的に動き出しました。上尾では、昨年度は3校(上尾小・東町小・上尾中)が先行実施され、今年度からは市内全校が「コミュニティスクール」になっています。また、この制度の詳細は、文科省HPで解説されていますこちら)。
◇運営協議会の委員は、文科省の解説では、「幅広く適任者を募る観点から、例えば、公募制の活用等選考方法を工夫するとともに、地域住民や保護者等へ広報、周知に努める必要がある」とされているものの、実際には、その学校の地域住民や保護者、「対象学校の運営に資する活動を行う者」や「その他当該教育委員会が必要と認める者」が委員となっているようです。今記事で取り上げるY氏は、「教育委員会が必要と認める者」枠で上尾中の学校運営協議会委員になったと考えられます。

■<学識経験者>のCS関連の記述
◎(前提)2017(H29)年4月1日 地教行法改正(CS関連)
H29報告書(2017年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元富士見市職員
学校運営協議会の設置の方向になっていくわけであるが、校長は学校経営方針をしっかり持ち、協議会の方々に翻弄されないようにし、協議の内容も教育委員会と共に決めていく必要があると思う」
<学識経験者>の意見は、各年度『報告書』の記述によります。)

H30報告書(2018年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元上尾市職員
「法律に基づいた仕組みであるコミュニティ・スクール(学校評議員会制度)を上尾市全体で推進する施策に期待したい。H30年度に、上尾小・東町小・上尾中の3校にコミュニティ・スクールが設置され、成果が楽しみである」

H31報告書(2019年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元上尾市職員
コミュニティ・スクール推進事業においても、学校の要望をもっと出し、地域がそれを受け入れ、協力し、学校がもっと安心して、子どもたちのために活動できるようにさせたい。コミュニティ・スクール設置事業により、学校がさらに忙しくなっては意味がない」

◇以上のとおり、『報告書』には2017年4月の 地教行法改正を受け、コミュニティスクール(学校評議員制度)についての<学識経験者>による記述があります。

■<学識経験者>であるY氏とCSとの関係
Y氏には教育委員の経歴があります。時系列で見ると、
2012(H24)年10月—2016(H28)
年9月 教育委員(4年間)
2017(H29)年8月 『報告書』の<学識経験者>への就任依頼。
2017(H29)年10月 <学識経験者>として『報告書』に意見。
 ⇒ 第1の疑問点
2018(H30)年4月 上尾中学校運営協議会委員に就任
2018(H30)年12月 上尾中「リレーエッセイ」公表
 ⇒ 第2の疑問点

■Y氏についての「第1の疑問点」
◇以前の記事(こちら)でも書いたとおり、『報告書』は前年度の事業について教育委員会が作成し、<学識経験者>が「第三者的観点から」点検評価するものです。
◇市教委のHP「教育委員会のあらまし」には、「上尾市教育委員会は教育長と5人の委員により組織され、教育、学術および文化に関する事項について大所高所からその基本的な方針などを決定します」と記述されています。
◇それにもかかわらず、Y氏が「自分が教育委員として執行した事業(H28年度上半期)」について「第三者としての観点から」意見を述べているのは、どう考えてもおかしいことでありそれを教育委員会が放置しているのも全く理解できません

■Y氏の「第2の疑問点」 —「リレーエッセイ」—
◇上尾中から推薦を受けた上尾市教委は、Y氏を「学校運営協議会」の委員として任命しました。そのことについて、Y氏は、同校運営協議会委員が輪番で書く「リレーエッセイ」で、信じられないような投稿をしています。それがこちら
◇Y氏の「リレーエッセイ」を読み、まず違和感を覚えるのは、冒頭の「学校運営協議会とは、何?」
という箇所です。
◇今記事で実証データに基づきお伝えしてきたとおり、Y氏がこの文章を書いた時点(最初の委員の投稿が8月なので、2018年4月~7月頃に原稿依頼があったと考えられます)で、すでに<学識経験者>として『報告書』に意見を寄せているので、 学校運営協議会についての知識や認識が十分にあったはずだからです。
◇さらに「あー引き受けなければよかった」という文言にいたっては、呆れるばかりです教育委員であった者や『報告書』に意見や提言をする<学識経験者>が書くべき文章では断じてありません。


■この問題の本質とは
◇上尾中では、Y氏のこの文章をそのまま掲載しています。個人の文章表現が保障されるべきなのは自明ですが、少しでもY氏の経歴や、<学識経験者>としてCSに関してすでに意見を述べていることと、このエッセイとが著しく矛盾するということに考えが及べば、別の対応があったとのではないかと思われます。その意味では、今記事でお伝えしたいこの問題の本質とは、
①「元教育委員」&<学識経験者>であるY氏の資質の問題。
上尾中側と学校運営協議会委員との「極めて親和的で、都合の悪いことはお互いに言わない関係性」 であると言えます。

ブログ筆者は、今記事に関する実証的データの全てを市教委HPとそのリンク先から得ています。
上尾市教委も、各年度の「点検報告書」への意見や提言を担当する<学識経験者>の言動についても、たまには check してみてはいかがでしょうか。

今年、このブログでお伝えしたいこと

 2020年最初の記事ですので、今年このブログでお伝えしたいことを羅列してみます。ブログ筆者の関心の中心は、主に上尾市教育委員会と市政ですが、「日々の所感」の記事も増やしていきたいと考えています。

記事No.51

■情報公開制度は、民主主義のツール
◇市民が上尾市の行政や市教委に対して<
情報公開という民主主義のツール(浅野詠子『情報公開ですすめる自治体改革』)>
を活用することは、たとえひとりの市民からの請求であろうとも、市政に参画するための大切な権利であるとも言えます。
◇残念ながら、現在の上尾市の状況は、市長・議長のW逮捕だけでは終わらず、ブロック塀公費負担の問題とそれに伴う住民監査請求での勧告、百条委員会での虚偽答弁や証言拒否による刑事告発……などが続いています。全国的な視野かつ歴史的に見ても、このような自治体は他にはありません。それにもかかわらず、情報公開請求の処分の際に職員の方と面談して話をすると、市行政&教育委員会事務局職員も<「自分には関係ない」「他人ごと」であるという感>が強く表れていることは否めません。
◇こうした現状ではありますが、ブログ筆者は「情報公開請求や住民監査請求を一つの契機として上尾市は改革できる」と考えています。上尾市が保有している情報は、市民の共有の財産です。このブログを読んでくださっている方からのコメントや情報提供も含めて、上尾市に情報公開を求めていきます。

■訂正・謝罪をしない上尾市行政と市教委の姿勢
◇「過去に確かにあった事実」について、謝罪どころか訂正もしない上尾市と市教委。最近では、上尾丸山公園の釣り禁止条例違反問題、あるいは「教育委員会の会議を非公開とする際の根拠についての市議会での教育長や学校教育部長の<誤った答弁>、さらに先月市議会で失笑を買った学校教育部長の<的外れな答弁>etc…
◇たとえ行政や教育委員会にとっては
「不都合な真実」だとしても、それを放置したまま、なんとか市民の目に触れないようにする「隠ぺい体質」&「あくまでも誤魔化そうとする姿勢」については、これからも事実や実証的データに基づき、できるだけ市民のみなさんに知らせていきたいとブログ筆者は考えています。

■冊子や報告書への批判的検証が必要です
◇一見するといかにも「それらしい」冊子や報告書がweb上でも公表されています。ただ、その内の多くは、一般市民が読み込むにはページ数もたくさんあり、なかなか検証しにくい中身となっています。
◇しかしながら、中身を見ていくと、首をかしげざるを得ない記述もあります。ブログ筆者が前記事で批判的観点から言及した、市教委発行の冊子『上尾の教育』などはその典型ですが、様々な問題や「不都合な真実」が含まれていると言えます。
◇教育長と
市教委事務局による教育施策やそれに伴う事業について、定期的に check をする役割は、本来教育委員が担うべきです。しかしながら、現在のような「お飾り」教育委員たちでは、それは望むべくもありません。それゆえ、ブログ筆者の観点で気づいたことを積極的に発信していくつもりです。

■保有確実なのに「不存在」とされる文書
 ◇情報公開請求する過程で、処分が「文書不存在による非公開」とされたとしても、「これは絶対文書等を保有しているに違いない」と確信することが多々あります。たとえば、毎年4月の第2土曜日に文化センターで開催されている「学校管理運営研修会」。この研修会には市教委の指導主事や市内の校長らが<指導>に行っており、教育長もあいさつをするために公用車で出向いています。
◇それにもかかわらず、「この研修会で配布された資料等」の情報公開を求めると、公開されたのは研修会開催文書1枚のみです。それ以外は、「文書不存在による非公開」。教育長が公用車で出向くにもかかわらず、開催文書以外に資料等が無い研修会などあるわけがない、とブログ筆者は考えています。つまり、「学校管理」の名のもとに、よっぽど「市民や多くの学校現場の教職員
に見せたくない」資料が配布されているであろうことが容易に推測されます。こうした市教委の姿勢についても、市民のみなさんにお伝えしてくつもりです。

■どれだけ書けるかわかりませんが…
◇ブログ筆者が読んだ本や美術展などに行った感想、通信教育の学びの中で得た知見 etc… それらを「日々の所感」の記事として増やしていきたいと思っています。
◇2020年は、こうした記事も含めて発信
していくつもりでいますが、諸事情で更新が滞ることもあると思います。それはご容赦いただくとして、記事についてのコメントやお問い合わせ、情報提供などは大歓迎ですので、今年もよろしくお願いいたします。

「教職員の長時間労働」を助長する冊子 『上尾の教育』 

 暮れも押し詰まった12/26、上尾市教委HPに今年度版冊子『上尾の教育』が掲載されました(こちら。この冊子は130頁にわたる細かい記述で、全部を読み通すのは、かなりの時間と根気が必要です。
言えることは、『上尾の教育』は、現在社会的な問題となっている教員の長時間勤務等を意識したり、学校現場の勤務の状況に配慮したものでは決してなく、「あれもこれもやれ、とにかくやれ」と詰め込んだ中身になっているという点です。つまり、教職員の長時間労働を助長するものとなっているのが特徴です。

記事No.50

■誰のための冊子なのか
 『上尾の教育』は、かなり以前から
上尾市教委によって作成され、市教委のHPでは、2015(H27)年度以降の分が掲載されています。
以前は「デジタルブック」でしたが、読みづらいということからか、
今年度の冊子は次のような構成になっています。

 第1章 教育行政・教育財政(31ページ)
 第2章 学校教育(44ページ)
 第3章 生涯学習・文化芸術・文化財(22ページ)
 第4章 生涯スポーツ・レクリェーション活動(3ページ)
これ以降は「統計・資料等」

 このように、ページ数を見ただけでも、第1章と第2章とに重点が置かれていることがわかります。
では、
この冊子はいったい誰のために作られたものか」という点ですが、教育長&教育委員&市教委事務局の職員が自らの権威付けのために「形として残しておきたい」と考えて毎年作成しているものであることは明らかです。冊子の第1章冒頭にある「歴代の教育長及び委員」など、その典型です(別の例を挙げれば、各学校の校長室に歴代の校長の写真が飾られ、校長が代わる毎におこなわれる〈掲額式〉なるイベントと、「不必要な権威づけ」という意味では、同一の性質のものであると考えられます)。

 もうひとつ言えることは「現場の教職員のほとんどは、この冊子を見ていないし、読んでいない」であろうということです。はっきり言って、現場の先生方は「市教委の、市教委による、市教委のための冊子」を読む暇など無いほど、疲弊し、追い詰められているのです。
もっとも、中には「学校経営方針」などを作成する際に「参考(剽窃とも言えます)」にする校長もいます(上平小の学校経営方針にある「目指す教師像」は『2018 上尾の教育』の「完全パクリ」です)。
 さらに、この冊子の存在をご存知の市民(保護者の方を含む)は、極めて少数だと思われますが、上尾市教育委員会の「不都合な真実」を理解するために一度目を通していただくと良いかもしれません。

■冊子『上尾の教育』の特徴
◇「目指す教師像」とは?
『上尾の教育』P.39には「目指す児童像・生徒像」「目指す教師像」がそれぞれ10項目ずつ並んでいます。これは、2017(H29)年度から記述されたものですが、児童・生徒像と教師像がほぼ同一であることが特徴です。それぞれの10項目の前に置かれている文言は、

(児童・生徒像)自分に厳しく、相手に優しくできる自己を確立し、友達や大人から「頼もしい」と信頼され、頼られる児童生徒。

(教師像)自分に厳しく、相手に優しくできる人間として、児童生徒、保護者、地域、同僚から「頼もしい」と信頼され、授業で勝負し、頼られる教師。

となっていますが、肝心なことは、これらの「像」を示した上尾市教育委員会が、どのような姿勢であるかということです。
まず想起されるのは、このブログで何回かお伝えしましたが、住民監査請求の結果、市の監査委員にも指摘された「デタラメ服務」の池野教育長です。池野氏は、自分は届も出さずに「お休みzzz」としておきながら、上尾市内の教職員には「服務の厳正を」などとする文書を頻繁に発出しており、そのことを監査委員に指摘されました。
これは、『上尾の教育』に記載されている教師像とは真逆の、まさに「自分に甘く、相手に厳しく」を地でいっています。
『上尾の教育』に「目指す教師像」として「自分に厳しく、相手に優しくできる人間」などと記載されているのは「
ブラックユーモア」とも言えますが、市民としてはとても看過することはできません。
かも、『上尾の教育』には「教職員の服務の厳正(16頁)」という文言がしっかりと記載されていることは、池野教育長の行状を考えれば、呆れるばかりです。

 「目指す教師像」の全項目を知りたい方は、市教委HPの『上尾の教育』をクリックし、39頁を見るか、または、こちらでも見ることができます。今年度の上平小(石塚昌夫校長)の「学校経営方針」の中の「目指す教師像」の中身①~⑩と全く同一だからです。このように、一部の校長には『上尾の教育』は強い味方になるでしょう。学校のオリジナリティは無視し、原文を丸写しにすれば良いのですから。

◇市教委による学校への「押しつけ」
『上尾の教育』には、「基本目標」として「安心・安全で質の高い学校教育の推進」という項目があります。この中には、読み飛ばすと、あとで「書いてあったでしょ?」と言われそうな記述があります。

 消防署の協力を得て「資格講習会」及び「資格更新講習会」を実施することにより、教職員の応急手当普及員の増員を図るとともに、全小・中学校に有資格者が在籍する体制を維持します 『上尾の教育』P15より引用

※これは「平成31年度 上尾市教育委員会の事務に関する点検評価報告書」P22に掲載されている文章とほぼ同一のものです。

 他の文言が細かく量も多いこともあり、この文は思わず読み飛ばしそうになりますが、「応急手当普及員って何?」「全部の学校に置くってどういうこと?」と突っ込みたくなる一文です。
ちなみに、応急手当普及員とは、消防庁からの文書(こちら)によれば、≪心肺蘇生法(傷病者が意識障害、呼吸停止、心停止又はこれに近い状態に陥ったとき、呼吸及び循環を補助し傷病者を救命するために行われる応急手当)及び大出血時の止血法≫の講習を受けた者のようですが、「市内全学校に必置の根拠」を確認したいところです。

 この例でもわかるように、市教委や学校現場にはありがちですが、「根拠はともかく、良いことのようだからとりあえずやってみよう」ということがあまりにも多すぎるのです。
 『上尾の教育』もそうした観点でまとめられた冊子と言えますが、ブログ筆者がずっと主張しているように、上尾市教委は、学校現場への「押しつけ」をやめて、市教委からの関与を出来る限り薄めるべきです。そうすればもっと学校現場に余裕が生まれるでしょう。

◇比較の仕方がおかしい
『上尾の教育』の「指導の重点」の中に、「学級経営」についての昨年度の評価として、次の文言があります(40頁)。

全国学力・学習状況調査の質問紙調査では、「先生は、あなたのよいところを認めてくれると思いますか」で「はい」と答えた上尾市の小学生は54.3%(全国42.5%)、中学生は35.1%(全国32.5%)となっており、全国に比べて市内の児童生徒に自己有用感が育まれている。

 まず、この質問だけで「自己有用感」が育まれているかどうか判断するのは早計だと思います。対先生との関係性だけではなく、まわりの友人が認めてくれているかもしれません。何よりもおかしいのは、「全国に比べて市内の児童生徒に自己有用感が育まれている」と分析していることです。この調査に基づくのであれば、上尾市の中学校の場合、65%の生徒は「自己有用感が育まれていない」ことになるのですから、むしろそちらのほうが問題でしょう。もともと状況が異なる全国と比較することと合わせ、「ちょっと違うのでは?」と指摘せざるを得ません。 

■現状ではとても正規の勤務時間の中では無理
「目指す教師像」ばかりではありません。[指導の重点]として、教師が果たすべき課題が、「これでもか」と書かれています。
学級経営/学習指導/生徒指導/進路指導・キャリア教育/道徳教育/教育相談/体育・健康教育/人権教育/特別支援教育/国際理解教育/情報教育(小学校のプログラミング的思考を含む)/環境教育/ボランティア・福祉教育/男女平等教育/学校図書館教育/交流及び共同学習…… これらすべてについて、数項目から10項目以上の「指導の重点」が示されているのです。また、それとは別に教科ごとに[指導にあたっての努力点]として細かい記述が延々と続きます。
「指導の重点・努力点」は教職員に配布されますが、『上尾の教育』は「これでもか」と追い打ちをかけるような記述になっています。
 小・中学校に勤務する先生方が、この『上尾の教育』に示す項目全部に取り組むためには、授業の準備や「振り返り」を含めて、膨大な時間がかかります。しかしながら、冊子『上尾の教育』には、掲げている内容が教職員の正規の時間内で出来るということは全く示されていません。過労死の要因ともなり得る長時間勤務の問題やクラス定員をそのまま放置しておいて、「とにかく冊子で示した方針で、何がなんでもやれ」というのは、問題が多すぎるのではないでしょうか。
ブログ筆者は今後もこの問題については、実証的データ等に基づき、記事にしていきたいと考えています。

■『上尾の教育』の意味不明の記述
 最後に、この冊子の記述に誤りがあることを指摘しておきます。
「生涯にわたる豊かな学びのサポート」(18頁)に、図書館に関する記述があります。
 図書館本館の改修事業のほか、分館では憩えるスペースの確保など多様な過ごし方ができるよう整備します。また、図書館本館の改修時の一時移転先として、民間施設を活用・整備します

 一方、この冊子の発刊にあたって、池野教育長は市教委のHPで次のように述べています。

 本冊子は、平成31年度の上尾市の教育行政および教育機関の諸活動の概要について、教育行財政、学校教育、生涯学習、生涯スポーツの領域に分けて収録いたしました。(以下略)

 つまり、この『上尾の教育』の内容は、2019(平成31)年度の諸活動について書かれているものであると教育長が明言しています。にもかかわらず、「図書館本館の改修時の一時移転先として、民間施設を活用・整備します」とはいったいどういうことか、意味不明です。
発行年月日が2019.12.26であることを考えれば、この記述は1月以降のことを述べているのか、それとも内容が誤っているのか、情報公開請求等で確認していく必要があります。

■このところ、当ブログ閲覧数が増加の傾向にあり、その中には、市民の方はもちろん、市役所(行政)や市教委、学校関係者も含まれているものと推測いたします。可能であれば、ブログ記事への共感や批判などをコメントとしてお寄せください。

■また、「実はこういう事実がある」「市教委があれこれ言ってくるので困っている」といった内部通報や情報提供もお待ちしています。その際、ブログトップにある「お問い合わせ・情報提供」経由でご連絡ください。もちろん、秘密は厳守いたします。

上尾丸山公園・大池に関する、現在申請中の情報公開請求

 12月議会の尾花質問に端を発し、現在、上尾丸山公園の大池での「釣り」や、「かいぼり」イベントに注目が集まっています。ブログ筆者も、この問題に関連して情報公開請求をおこなっている最中です。
今記事では申請中の情報公開請求の内容についてお伝えします。
(続報)
 本日(12/28)、ブログ筆者(情報公開請求人)宛にみどり公園課から「(公開・非公開処分通知を)2020年2月5日まで延長したい」旨記載された文書が郵送されてきました。延長の理由は「確認する内容が多岐にわたるため」と書かれています。
 しかしながら、たとえば「大かいぼり祭り」の起案・決裁文書など、すぐに示せる文書のはずです。したがって、「これとこれはすぐに公開できますが、他の文書は時間を要するので延期してほしい」と伝えてくるのならまだしも、「多岐にわたるため」として全部延長してしまうのは甚だ疑問です
あっという間に釣り人のイラストを消した時のスピード感を持って、市民からの情報公開請求に誠実に対応してもらいたいものです(なお、記載されていた、みどり公園課直通の電話番号にかけたところ、年末のせい?か誰も出ませんでした)。

記事No.49

■丸山公園・大池に関しての市民からの発信
 このことについては「かまちょ図書館」と「ビジネスゲームの館」が問題の本質や上尾市政の対応について詳しく報じています。

 従来描かれていたイラストをいつのまにか消してしまう、といった上尾市行政の「セコさ」や、<スピード感をもって、市民の目をごまかそう>といった「隠ぺい体質」が露見しているのが特徴です。

■ブログ筆者の情報公開請求の中身とは
(申請中の情報公開請求書より引用)
「上尾市都市公園条例」第5条(4)および第22条(2)は、次のように定められています。

(行為の禁止)
第5条 都市公園においては、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(4)鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること
(罰則)
第22条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(2)第5条(第17条において準用する場合を含む。)の規定に違反して第5条各号に掲げる行為をした者

このことを踏まえて、以下のことについて情報公開請求いたします。

「上尾市都市公園条例」は、制定:昭和48年7月1日条例第28
最終改正:平成31年3月29日条例第4号  となっています。
そこで、上記第5条(4)および 第22条(2)の改正経緯が判別できる文書・資料等。 

 第5条(4)で「鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること」が禁止事項になっているにもかかわらず、上尾丸山公園では「釣り大会」等のイベントが開催されたとのことです。
 そこで、上尾市の情報公開制度開始(注:2001年度)
以後、現在までに上尾丸山公園で「釣り大会」「釣り教室」(同趣旨のイベントを含む)等が行われたことが判別できる文書・資料等。 

 22条(2)の罰則は、禁止行為をした当人ばかりか、その幇助(ほうじょ)をした機関(行政機関を含む)も対象となると思われますが、そのことが判別できる文書・資料等。 

 彩の国埼玉情報サイト「さいたまなび」 http://saipo.net/11219104_01.html
に、「上尾市にある上尾丸山公園では周囲約1.2Kmの池で釣りが楽しめます。また釣りの体験イベントなども行われます」との情報が載っています。
この情報が掲載された経緯が判別できる文書・資料等。

 2019.12.21(土)・12.22(日)に実施された、上尾丸山公園「大かいぼり祭り」についての起案・決裁文書類。

「大かいぼり祭り」を実施する理由が判別できる文書・資料で上記(起案・決裁文書)以外の文書・資料等。具体的には、市民からの要望やアンケートの類。

 上尾丸山公園の大かいぼり祭り」の宣伝に使われたイラストは、葛飾北斎『北斎漫画』にある《すずめ踊り》という作品を加工修正したものであると思われます。元の作品は50年経過しているので、元画の著作権は問題になりませんが、《「大かいぼり祭り」イラスト》は元画を加工修正しています。普通に考えれば、「元画を加工修正しても問題ない」と判断したと考えられますが、《「大かいぼり祭り」イラスト》自体が二次的著作物(つまり、第三者の作品)である可能性も排除できません。そこで、今回の《「大かいぼり祭り」イラスト》が使用された経緯や、二次的著作物であるか否かなど、《「大かいぼり祭り」イラスト》にかかわる文書・資料等。

以上の文書・資料等については、閲覧のうえ、必要に応じてコピーをとらせていただきます。

 現在申請中の情報公開請求の中身は上記のとおりですが、担当課であるみどり公園課から1月中旬?にも公開・非公開の連絡が来ると思われます。
結果については、分かりしだいお伝えいたします。
また、広報あげお1月号には、<上尾丸山公園池干し祭「泥かき連」を募集>という記事が掲載されていますが、これに関する経緯も知りたいところです。

糟谷質問で暴かれた、市教委の不都合な真実(2) -「修学旅行問題」-

 昔から当たり前のようにおこなわれてきた小中学校での修学旅行。特に中学校の修学旅行については、費用や行先の決め方、日程、あるいは先生方の超過勤務などの多くの問題点があります。今記事では、市議会での糟谷質問で浮かび上がってきた修学旅行にまつわる市教委の不都合な真実についてお伝えします。

記事No.48 

■小学校で最も高額なのは尾山台小。
■中学校では費用に12,000円以上の差。
 以下は、今年度に実施された修学旅行の保護者負担費用が高い順に表示したものです(高・低それぞれ3校ずつ表示。小学校は、日光方面と鎌倉方面とに分けてあります。実施時期は2019年)。

[小学校]鎌倉方面
(6校)
(負担額の高い順)
尾山台小   7/3~7/4         鎌倉・小田原方面    24,359円
中央小  11/20~11/21    鎌倉方面        20,870円
原市小  11/20~11/21    鎌倉方面        20,649円
(負担額の低い順)
平方小    6/12~6/13      鎌倉・東京方面     18,877円
上平北小   5/30~5/31     鎌倉・横浜方面     19,020円
上尾小    6/19~6/20    東京・鎌倉・湯河原方面 20,412円

[小学校]日光方面(16校)
(負担額の高い順)
今泉小    9/3~9/4         日光方面        22,589円
芝川小          5/29~5/30     日光方面        22,518円
平方北小  5/30~5/31       日光方面        22,359円
(負担額の低い順)
瓦葺小          6/4~6/5          日光方面        17,992円

富士見小  11/7~11/8         日光方面                                  18,202円
大石北小  5/28~5/29       日光方面        18,433円

[中学校]関西方面(11校)大谷中のみ大阪に行っています。
(負担額の高い順)
太平中    5/30~6/1        京都・奈良方面     64,802円
上尾中    6/2~6/4          京都・奈良方面     64,071円
上平中    5/29~5/31       京都・奈良方面       63,393円
(負担額の低い順)
大谷中    7/2~7/4           京都・奈良・大阪方面        52,667円
西中               7/3~7/5           京都・奈良方面                     52,705円
原市中           7/9~7/11         京都・奈良方面                     53,321円

※小学校の場合は、同じ日光方面でも学校によって差があることがわかります。これらは、バス代の差によるものと考えられます。また、必ず業者を通しているので、その手数料(パーセンテージ)も検証されなければならないと思われます。

※中学校は、学校によって大きな差があります。大谷中と太平中とでは、何と 12,135円 違います。市議会では、この差が生じていることについて、糟谷議員が質問しています。

■的外れな伊藤学校教育部長の市議会答弁
糟谷議員の質問:
「それでは、修学旅行の費用が最大で64,800円という学校、一番低くて52,600円という学校で、12,000円以上の差があるんですって、これは非常に負担感が保護者にあるということからしてもこれが適正な額の範囲と考えられるのかどうか、そこの認識をお尋ねします」

伊藤潔 学校教育部長の答弁:
「各学校では複数の旅行業者に見積もりを依頼して内容と価格を考慮したうえで利用業者を決定しておりますが、実施時期や学校規模により宿泊費等の差が生じております

 この伊藤潔 学校教育部長の答弁は、的外れと言わざるを得ません。なぜならば、参加生徒数は、太平中125人大谷中119人で、ほぼ変わりません。実施時期は学校により異なりますが、問題は宿泊先です。
◇太平中は「からすま京都ホテル」2泊で29,160円
◇大谷中は「日昇館尚心亭」同じく2泊で18,630円
 以上のように、宿泊先が異なるため、10,530円の差があるのです。
 つまり、伊藤学校教育部長の答弁は、費用の内訳・明細を確認しないものであると指摘できます。

 ここでもお分かりのように、市議会という公的な場でさえも、市教委は平気で的外れで間違った答弁をするのです。

糟谷議員は、この答弁を聞いて、こう発言しています。

「その差をできるだけ小さくするということはぜひやっていただきたい。私が調べたところだと、決して大きな学校と小さい学校という差じゃなかった。これは大体規模が同じくらいの学校でも差が生じているのですね。宿泊費にすごく差があるんですよ、よく細かく見ると。そういうことも含めて、時期とかがあるかもしれない、だけれども、人数ではないということ、そのへんをよく見ながら、決してそれを良いとは思わないから言うのですが、公平な負担に是正していただくよう、求めておきます」

■他にも修学旅行に関しては多くの問題が
 今記事の冒頭で、修学旅行(特に中学校)については、行先の決め方や日程、あるいは先生方の超過勤務など多くの問題があると述べました。ひとつひとつの問題については、別途情報公開請求もおこなっている最中でもあることから、ここでは重要なポイントを指摘し、次回以降、ブログ筆者が知り得た情報をお伝えしていきます。

[行き先と日程]
小学校がおおむね前年度に学校側が次年度の日程や行先を決めるのに対して、中学校は2年前にすでに日程が「決められて」います。
この経緯について情報公開請求を求めたところ、「文書不存在」の処分となりました。その通知文書には備考欄に次の記述があります。

「小・中学校ともに、予定を立てる際または申込む際に、校長・教頭・教務主任等が口頭で確認しているため、文書は不存在。」

この文言はよく読むと、まさに修学旅行に関する「不都合な真実」が隠されていると考えられます。中学校が修学旅行の実施時期の2年も前に「申込む」とは、いったいどういうことなのか。
ブログ筆者は、このことについてある「仮説」を持っていますが、それについては、新たな事実が判明した時点でお伝えいたします。

[超過勤務の問題]
想像するのは比較的容易だと思われますが、とりわけ中学校の修学旅行の引率をする先生方は大変です。朝早くの集合時刻になる前から生徒の集合場所で待ち、現地での生徒の就寝後の打ち合わせなど、休む暇はありません。その緊張が生徒の解散時刻まで続きます。

具体例として、大石南中の先生方の修学旅行中の勤務実態を見てみると、「修学旅行に関する実績簿」によれば、初日から 17・17・13時間となっています。正規の勤務時間は7時間45分×3日=23時間15分ですから、差し引きで23時間45分超過していることになります

 この超過時間は、「勤務の割り振り変更」として修学旅行から8週間以内に振り替えることになっていますが、実際のところは、やむを得ず夏季休業中になってしまいます。
ここで、あり得ないことですが、振替時間の「値切り」がおこなわれるのです。前の例で示した大石南中の場合は、23時間45分超過にもかかわらず、割り振り変更は12時間のみ、とされてしまうのです。
 実は、これは市内で一律になっていることから、校長たちが示し合わせて「割り振り変更時間の値切り」をしたと容易に推測できます。

 このように、修学旅行をめぐっては、様々な問題があります。市議会の糟谷質問にもありましたが、ブログ筆者は「なぜ行き先が京都・奈良でなければいけないのか」ということに強い関心を持っています。
そのことも合わせ、修学旅行の問題については今後もお伝えしていきます。

糟谷質問で暴かれた、市教委の不都合な真実(1) -「委嘱研究の闇」-

 12/19、糟谷珠紀氏の市議としての最後の質問を傍聴しましたが、「子どもたちに豊かな未来を」と題しての、舌鋒鋭い内容でした。ブログ筆者が関心を寄せている「委嘱研究」の弊害や修学旅行問題など、まさに「上尾市教委の不都合な真実」が暴かれた市議会となったと言えるでしょう。今記事では、糟谷質問の中から市教委による「委嘱研究の弊害」について、次回の記事では「修学旅行」についてお伝えします。

記事No.47

■委嘱研究の実態と市教委の「負担軽減」策とは?
 糟谷議員のこの質問についての、伊藤潔 学校教育部長の答弁は以下のとおりです。

 「上尾市内の全小中学校が3年サイクルで2年間の委嘱研究に取り組み、授業や放課後の研修会など、計画的に研究を進めております。教育委員会では、研究発表の方法や、配布する資料を簡素化することなど、負担軽減の視点から各学校を指導しています

 この答弁に対して、糟谷議員は次のように指摘しています。

「委嘱研究をした学校の『研究紀要』の中で、校長がこう言っています。 —5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり抜いてまいりました。この実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使命感と授業力の向上につながったものと考えています—」

 糟谷議員は質問で「委嘱研究をした学校」と言っていますが、このブログの読者はお分かりだと思いますが、これは上平小のことです。

 上尾市教委の「委嘱研究」を受けた上平小(石塚昌夫校長)が作成した『研究紀要』冒頭の校長あいさつで「業務の負担に逆行しながらも(外国語活動の授業を)やり抜いた」と述べている問題は、当ブログでもすでに指摘したところです。それがこちらの記事です。

■「失笑」が漏れた伊藤学校教育部長の答弁
 では、「委嘱研究」を受けた上平小では、どういう事態になっているのでしょうか。糟谷議員が示したのは、上平小のある職員の今年10月の「時間外勤務の時間数」です。

 なんとその時間数は、1ヶ月 141時間38分

 これは、「過労死ライン」と言われる「1ヶ月 80時間」をはるかにオーバーしている時間外勤務の時間数です。間違いなく、委嘱研究発表の準備に相当時間が取られたうえ、日常的な業務も重なったためにこうした長時間の時間外勤務になったのでしょう

これに関しての糟谷議員の質問:

「こういうことを放置していいのですか、と私は問いたいのですね。委嘱研究がこうした実態であることを見たときに、長時間勤務につながっているという要因もあることを市教委のほうは認識しているのでしょうか。いかがですか?」

この質問に対する、伊藤潔学校教育部長の答弁

委嘱研究がご指摘のように過度の負担にならないよう各学校で計画的にすすめられるように努力しているところでございます」

 ほぼ満席の傍聴席にいた私は、この答弁を聞いて、思わず「は?何言ってるの?すでに過労死ラインを超える勤務をしている状況なのに、全く他人事のような答弁だな」と思いましたが、他の傍聴の方も同様の感想を持ったようで、「この部長さん、何を言っているんだろう?」というような、呆れたような「失笑」が漏れていました。

 糟谷議員は、次のように続けています。

 「(職員が)過度の負担にすでになっていることはお認めいただきますよね。で、こういうのをしっかり見てください。教育委員会がこの学校はこれをやって、というのがはたして良いのか、もっと希望制を取ったら良いのじゃないかとか、もっと自主性に任せたらよいのではないかとか、もっと委嘱研究のあり方、とりくみの見直しなど改善できる余地があると思うんですね。なので現場の声をしっかり聴いていただきたいということを申し上げておきます」

■ブログ筆者の主張を取り入れた質問と市教委の姿勢
 糟谷議員の質問は、次回以降の記事でお伝えする修学旅行の問題と合わせて、ブログ筆者の日頃の主張を取り入れた質問でした。その点で大変感謝しています。
しかしながら、市教委側の答弁は看過できません。『研究紀要』は研究発表の前に教育委員会事務局に届けられたはずですし、上平小を訪問したであろう「来賓=通常は教育長や教育委員」も見ているはずです。上平小に行かずとも、教育長や教育委員は上平小の『研究紀要』に目を通していると考えるのが極めて自然です。
『研究紀要』の校長あいさつ文に「業務の負担に逆行しながらも」という文言があることについて、教育長も、教育委員も、学校教育部長も、指導課長も、学務課長も、指導主事も、誰も「これは良くないな」という指摘をしないとすれば、まさにそれは現在の上尾市教育委員会の「不都合な真実」と言わざるを得ません。

地方自治法第100条のもうひとつの顔 -議会図書室とは-

 畠山現市長と新井弘治元市長を刑事告発することを全員一致で決めた上尾市議会。これは同市議会の調査特別委員会(いわゆる百条委員会)によるものです。根拠となった地方自治法(以下、「法」)第百条には、19項&20項に「もうひとつの顔」があります。

記事No.46

■「法」第百条 第19項・20項とは?
 市議会調査特別委員会は、現市長と元市長の告発を決めました。根拠となった「法」第100条について、松本英昭著『新版 逐条地方自治法 第9次改訂版』学陽出版,2017年では、以下のように解説されています。

 「本条は、普通地方公共団体の議会の、当該地方公共団体の事務に関する調査権、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けること、議員の派遣並びに調査研究に資するための政務活動費、刊行物の送付及び図書室の附置についての規定である」

 「法」第100条は第1項から第20項まであり、市長らを告発したのは、第3項(証言拒否)と第7項(虚偽の陳述)に抵触したからであり、そのうえで第9項の「議会は、選挙人その他の関係人が、第3項又は第7項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない」を適用したことによるものです。

 また、「法」第100条には次の項目もあります。

第19項 (市)議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し、前二項(筆者注:第17項=政府から市への官報と刊行物の送付義務 & 第18項=県から市への公報等の送付義務)の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。

第20項 前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる

 つまり、「法」第100条第19項・20項は、議会の図書室設置義務を定めたうえ、それを一般市民も利用できるというものなのです。

■では、上尾市議会図書室の場合は?
 市議会HPに「議会棟の案内図こちらが記載されています。これを見ると、議会棟3階にある議会図書室は正副議長室より狭いようです。市議会事務局に確認したところ、「法」第100条第20項にもあるように、市民も利用できますが、その実態は、「利用した市民は、数年前にひとり」ということです。
図書貸出も可能ですが、議員・職員・市民は「図書貸出申請書」に記入し提出する必要があります(市民は氏名の他、住所・電話番号を記入)。貸出期間は2週間以内を原則とし、延長は出来ないようです。

■乏しい図書購入予算
 議会図書室の図書購入費を市HPで調べてみました。
2019(平成31)年度上尾市一般会計予算の<歳出/議会費/図書購入費>は、50,000円です。
この予算では、市議会議員が何か調べるための新刊の文献を用意しておくのは、かなり厳しいのではないでしょうか。

 例えば、今記事の最初に引用した、『新版 逐条地方自治法 第9次改訂版』の価格は、16,500円です。
他にも法律の解説書や文献等は出版されているでしょうから、1年間で50,000円という予算では、とても間に合わないと考えるのが普通です。こういう乏しい予算の状況に置かれていることについて、議員さんたちは予算増額をしたらいかがでしょうか。

ここで、なぜブログ筆者が法律の逐条解説の文献を例に出したか簡単に説明します。

 以前の記事(こちら)でもお伝えしたように、上尾市教委は、教育長や限られた職員らにより、極めて恣意的に、しかも非公開で夏休み短縮を決定してしまうという暴挙をおこなっています。
 その際、教育委員会の会議を非公開とする根拠としたのが「審議会等の会議の公開に関する指針」でしたが、あろうことか、現在は「あれは間違いだった」などと言い始めており、だからと言って何をするわけでもありません。到底許されるものではありません。
 では、市教委が現在根拠としているのは何なのでしょうか。それが法令の「逐条解説」なのです。
 教育委員会の公開・非公開に関しては『逐条解説 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第一法規,2015年 を使い、そのまま解釈しています。
(おそらく、こうした書籍等については、教育委員会事務局の予算で購入したと思われます)


議会図書室の話に戻れば、こうした文献・書籍は、法改正がある度に新版が出されますので、その都度揃えていたら、とても議会図書室の図書購入費の年間50,000円の予算では足りないのは目に見えています。

 ブログ筆者は、上記「逐条解説」が上尾市図書館には在庫がないため、県立図書館で貸出を受けました。機会があれば、議会図書室に行って見ようとも考えていますが、議員さんの政策研究が優先のような気がしますので、どうしたものでしょうか。

日々の所感 ーラウル・デュフィの展覧会ー 

 前々回までの記事で「市教委の委嘱研究の闇/上平小の実態」ということで、上尾市教委による強制的な「委嘱研究」が、いかに学校現場に弊害をもたらすかということをお伝えしてきました。市教委の強制的「委嘱研究」の弊害について、今後も続報を予定しています。

 今記事では、ひと息つき、「日々の所感」として館の住人(ブログ筆者)の好きな作家(画家)のひとりであるラウル・デュフィ(フランス)の展覧会の感想などを書きたいと思います。

記事No.45

■久しぶりのデュフィ 
 デュフィ展がパナソニック汐留美術館で開催されているのは知っていたのですが、なかなか行く時間が取れませんでした。今回の展覧会は12/15までで終了してしまうというので、昨日観に行ってきました。

 ラウル・デュフィの展覧会に最初に行ったのは、2001年だと記憶しています。新宿高層ビルの一角にある美術館(ゴッホ≪ひまわり≫を所蔵していることで有名)で、当時は「安田火災東郷青児美術館」でした(同美術館はその後名称が変わり、今は来年の再オープンに向けて準備中です)。デュフィの作品で印象的だったのは、楽器(とりわけ赤いヴァイオリン)、ニースの青い海岸、競馬場、それにオーケストラなど…。  デュフィの魅力は自由奔放な色彩だと思います。

 その後、銀座の画廊「ギャルリー ためなが」(2010年)や渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開かれた展覧会(2014年)にも行きましたが、デュフィ作品の所蔵については、日本国内ではなんと言っても「大谷コレクション」が有名です。

 「大谷」でピンときた方もいるかと思いますが、例のアベ<桜を見る会前夜祭>の「5千円パーティ(この金額ではどう考えても無理でしょう)」の会場となった、ホテルニューオータニの前会長、故大谷米一氏の鎌倉の瀟洒な居宅を改装して創設された「大谷記念美術館」の蒐集の中心となったのがデュフィの作品でした。

 大谷記念美術館は、鎌倉駅をはさんで、にぎやかで人通りの絶えない小町通とは反対側の閑静な住宅街にあり、ブログ筆者も何度か足を運びましたが、2009年から現在に至るまで「休館」となっています。

■今回の展覧会では
 展覧会のタイトルに「絵画とテキスタイル」とあるように、今回はデュフィの一連の色彩豊かな絵画と、フランス・リヨンの絹織物の会社のためにデザインしたテキスタイルの作品が展示の中心でした。
 ブログ筆者は、今回の展覧会で「大谷コレクション」の作品がどのくらい出されているのか(数えたら、全部で6点ありました)ということに加え、作品の脇につけられている「キャプション」をじっくりと読んでみたいと考えていました。

 今回展示されている作品の内、≪黄色いコンソール≫(1949年頃,油彩/キャンバス,93×81cm,大谷コレクション)です。

 この作品の脇につけられた「キャプション」(その作品についての短い解説)は、次のように書かれています。

 デュフィのアトリエに置かれたルイ14世時代のコンソール(※)とヴァイオリン。コンソールの鮮やかで微妙に色調が変化する黄色は、下部の壁の薄い青と調和する。また、ヴァイオリンと白く浮かび上がる楽譜の音符や鏡の縁の葉飾りは、朗らかなリズムを刻んでいる。絶対的なバランスでまとめ上げられ、画家の到達した一つの美術的頂点といえる名品。
  (※) コンソール=壁面の装飾や飾り棚に用いられるテーブルのこと。

 このキャプションは、おそらく美術館の学芸員によって書かれたと思われますが、短い字数の制約にもかかわらず、実に的確にデュフィの作品の細部にわたって観察をしたうえで、使われている色彩の特徴を言い表しているではありませんか。

 実はブログ筆者も、何年か前に京都の芸術系大学の通信教育で、このキャプションを書く「実習」をしたことがあります。短くまとめるためには、その作家(画家や彫刻家)が生涯にわたってどのような作品を創造してきたか、誰の影響を受けたのか、その作家の人生で大きな出来事はなかったか…などの知識も必要になってきます。
 私たちは美術展に行った際など、作品を観て、脇につけられたキャプションを読んで参考にすると思いますが、的確に書くためには、相当な知識と文章表現力が必要だと思います。

 パナソニック美術館は、スペースはさほど広くありませんが、今回の展覧会は、テキスタイルも含めて多くの作品が展示されています。この美術館はもともとジョルジュ・ルオーの作品を多く蒐集していますが、今回も途中でルオー作品の小部屋があり、悲しげなキリストの横顔が、太い輪郭線で描かれている作品も観ることができました。

◇ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン 
 2019.10.5 – 12.15  10:00 – 18:00 
 パナソニック汐留美術館(JR 新橋駅汐留口 徒歩8分) 

「百条委員会」&「上尾市学校施設更新計画基本方針」策定

 12/6(金)、上尾市議会調査特別委員会(いわゆる百条委員会)は、ブロック塀事件にかかわる証人喚問における畠山市長の「証言拒否」&新井元市長の「虚偽陳述」について告発することになりました。

 一方、「上尾市学校施設更新計画基本方針」が施策として、市教委のHPで12/9付けで公表されました。

記事No.44

■「百条委員会」
 元市長所有地のブロック塀公費支出問題で、市議会の調査特別委員会(地方自治法「以下、法」第100条による)は、畠山市長を証言拒否で、新井元市長を虚偽証言でそれぞれ刑事告発することになりました。
畠山市長は10/25の証人喚問で、新井元市長&小林元議長と3人で会合した際、「ブロック塀の工事を依頼された」としていますが、使用した飲食店名や支払の有無について証言を拒否していました(法第100条3項に抵触)

 また、新井元市長は、10/24の証人喚問で畠山市長に電話したことはないと証言していましたが、畠山市長が留守電の録音を委員会で公表したため、虚偽の陳述に当たる(法第100条7項に抵触)として、告発する方針を固めたものです。

 こうした一連のやり取りから「本当のことを言えば良いのに」あるいは「なんでバレるような嘘をつくんだろう」と思うのが、普通の市民の感覚です。

■「上尾市学校施設更新計画基本方針」の公表
 一方、市議会調査特別委員会による現&元市長への刑事告発とほぼ時を同じくして、上尾市教育委員会事務局(担当:教育総務課)は「上尾市学校施設更新計画基本方針」を公表しました(こちら)。

 この方針の特徴的な点は、【市民コメント制度による意見募集を受けて修正した内容】も同時に公表していることです。それがこちら。 館の住人(このブロ
グの筆者)も、何点かにわたって修正すべき点を指摘したところ、半分以上「方針」に反映されています。

■市民的視座や感覚を大事にしているか
 ブロック塀公費支出問題の経緯や、百条委員会のやり取りから、畠山市長&新井元市長に対して市民は以前にもまして強い疑念を持つことでしょう。それが普通の市民的視座 or 市民的感覚なのです。

 「上尾市学校施設更新計画基本方針」が、市民コメントを受けて修正した内容と同時に公表されたことが
当たり前のやり方だとは言え、市政(教育行政)において「新鮮」に見えます。
 それは、今まであまりにもお粗末な市長らの態度にあきれ返っていた反動かもしれません。

上尾市教委による「委嘱研究」の闇/上平小の実態から(2)

前記事では、市教委による委嘱研究の弊害について、上平小の実態を示してお伝えしました。情報公開請求等で調べれば調べるほど、上平小の石塚校長の発言のいい加減さがますます浮き彫りになってきました。

記事No.43

 市教委による強制的な「委嘱研究」を受けた上平小は、『研究紀要』を作成しています。その冒頭の校長あいさつ(こちら)の中身に問題点があることは前記事でもお伝えしましたが、今記事では前回指摘できなかった内容について、さらに触れていきます。

■校長の言い分と異なる現実
 『研究紀要』冒頭で、石塚校長は「もとより教員には職責を果たすために、研究と修養に励むことが求められています」と述べています。この「研究と修養」(「研修」と言う場合が多い)は、教育公務員特例法(教特法21条)にその根拠を求めることができます
また、教員の職務の専門性に着目して、同22条では「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる
と定められています。
石塚校長が英語の早期教育について、先生方に対して「研究と修養=研修」に励むよう求めるのならば、英語の教科化について、推進・批判的双方の研究会等に積極的に出かけるよう保障すべきなのです。
あるいは、小学生の英語早期教育に対する批判的な文献(例:鳥飼玖美子『英語教育の危機』、永井忠孝『英語の害毒』など多数)を、国立国会図書館や大学図書館に調べに行くなども考えられます。旅費が無くて出張に出来ないのであれば、まさにこの教特法22条を根拠に、研修できるはずです。英語早期教育に批判的な考えも含めて研究しなければ、子どもたちへの英語教育は、非常に偏ったものになってしまいます

ところが、教特法22条に係る上平小関係の書類の開示を求めたところ「文書不存在」という処分でした。つまり、石塚校長は、『研究紀要』ではあれこれ言うものの、実際のところは、先生方に対して教特法22条による研修を保障してはいないのです。

※館の住人(このブログの筆者)は、現在おこなわれている市教委による強制的な委嘱研究発表は、以上のようなことだけでなく、弊害が多いと考えていますので、次回以降も、情報公開請求に基づいた事実をお伝えしていく予定です。

 もし、市教委による委嘱研究の弊害や関連する情報をお持ちの方は、このブログの「お問い合わせ」経由でご連絡ください。内部告発的な情報提供についての秘密は必ず守ります。また、委嘱研究を推進する立場の方(上平小の石塚校長を含め)からのご意見もお寄せください。お待ちしています。

 

強制的「委嘱研究」の弊害 -上平小の実態から(1)- 

上平小では、明日(11/28)「英語」の教科化を先取りしての委嘱研究発表会が実施されるとのことです。今記事では、その弊害についてお伝えします。

記事No.42

■「委嘱研究」発表会のパターン
 現在、上尾市内小中学校33校は、例外なく市教委による「委嘱研究」を強制的に受けさせられています。
委嘱の内容は様々ですが、研究主題やサブテーマには「主体的に行動できる児童」や「豊かな心があふれる○○っ子の育成
〇〇には学校名が入ります)
」など、耳触りがよく、情緒的なキャッチフレーズが並びます
委嘱研究発表とは、「研究授業」の担当となった教員の授業を市教委の「指導主事」や他校の校長や教員が参観し、終了後は研究授業者を囲んでの研究協議&全体会での講評、というのが通例のパターンとなっています。準備段階で、発表校の先生方は全員が授業の「指導案」を市教委に提出し、checkを受けます。
このとき、小学校経験しか無い「指導主事」が中学校のベテランの先生の指導案を見るということも起きているのです。
発表前日には指導主事が学校に来て、掲示物や下足箱の来賓表示の位置を確認することもあります。つまり完全に「イベント化」しているのが実態です。

■「主催者」が最も気にすることとは
 主催者である発表校の校長や市教委の最大の心配事は「参観者が集まるかどうか」ということです。なぜなら、せっかく発表するのに、指導主事の人数よりも参観者が少なくては「盛り上がらない」からです。
市教委事務局委指導課が考えた方策は「各学校から強制的に人を集める」ことです。参観者は確保できるかもしれませんが、参加する側は大変です。いくら校長でも、年度内に11回も研究発表を見に行く暇は無いということで、近頃は同一日に2校発表となりましたが、もともと無理筋だったという証でもあります。

■「教員の働き方改革」に逆行する校長の態度
 上平小学校では、研究委嘱を受けるに際し『研究紀要』を作成しています。その冒頭、校長あいさつの中身を見て、ブログ筆者は非常に驚かされました。

(以下、H30・31年度上平小『研究紀要』から一部引用)
とりわけ、本市小学校においては、外国語活動の先行実 施に取り組むこととなり、本校でも、週時程・日課の編成に創意工夫を重ねながら、3・ 4年生においては週1時間、5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり 抜いてまいりましたこの実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使 命感と授業力の向上に繋がったものと考えております」

 つまり、上平小の校長(石塚昌夫氏)は、教員の長時間勤務を少しでも解消していくことよりも、自分が市教委から受けた委嘱研究を重視し、「業務の負担軽減には逆行」することを自ら認めているのです。
「とにかく四の五の言わず働け。そうすれば教員の使命感につながるから(=校長の思い込みの強要)」というわけです。まさにブラックの働き方であり、こんな横暴な校長の態度が許されるものではありません。しかも、『研究紀要』を受け取った市教委も、校長に対して何も言わないのは同罪と言わざるを得ません。
さらに、先生方に無理を言って「外国語活動の授業をやり 抜いてまいりました」という石塚校長の弁の結果は数字にも表われています。

■文科省の基準を大幅に超えている年間授業数
下の表は、上平小の昨年度の年間授業時数です。

    1学期   2学期   3学期     年間

計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 年間計画
時数
年間実施
時数
文科省の基準 超過授業時数
1年 275 317 350 369 225 238 850 924 850 +74
2年 312 338 364 380 234 256 910 974 910 +64
3年 335 355 392 403 253 274 980 1032 945 +87
4年 347 369 405 415 263 282 1015 1066 980 +86
5年 347 369 411 415 257 270 1015 1054 980 +74
6年 345 358 409 415 261 271 1015 1044 980 +64

 このデータを見れば、各学年とも明らかに文部科学省の定めた年間授業数を大幅に上回っています
授業時数が多いということは、取りも直さず先生方の負担が増え、授業をこなすのに精一杯で、余裕が無くなるということなのです。結局はひとりひとりの子どもたちに向き合う時間も削られることになります。
一方、学力はどうかと言えば、向上しているという成果は実証的データとして公開されていません。
委嘱研究は、結局先生方の余裕を奪うことに繋がるのです。
校長も市教委事務局も、執拗に「授業数確保を」と言いますが、大幅に超えた授業数に関して言及することはありません。

■研究委嘱は希望制にすべき
 強制的な委嘱研究(特に小学校の英語)は、以上の観点以外にも弊害が認められます。それらのことについては、別の機会にお伝えしたいと思います。

今、上尾市教育委員会として真剣に考えるべきことは「強制的な委嘱研究がもたらしている弊害は何か」を
検証し、学校側からの希望制に変えること
また、委嘱研究発表の際に来校する「指導主事」に対する学校現場側からの評価のシステムを構築すること、すなわち、本当に現場の先生方の授業を「指導」する力のある指導主事が来校しているのかどうかを見極めることではないでしょうか。

 

「指導主事削減」を選挙公約に掲げている候補者が一人だけいました。

 明日は上尾市議選の告示日です。このブログ「上尾オンブズマンの館」で主張してきた「上尾市教委の指導主事の削減」を公約に掲げている候補がいました。

記事No.41

■教員の長時間勤務を解消していくためには
 今や国民的な課題ともいえる「教員の長時間勤務」の問題。上尾市教委事務局によるこの問題へのとりくみは、残念ながらいずれも「対処療法」と言わざるを得ません。なお、
ここでわざわざ「事務局」と言っているのは、「教育委員会=すなわち教育長と教育委員の合議体」から具体的施策提言がされることはなく、事務局案についてほんの少しの質問をするだけで追認しているからです。

 教員の長時間勤務を解消していく最も効果的な方法は、市教委事務局の学校への関与を極力減らしていくことです。具体的には、現在おこなわれている強制的な研究委嘱を、学校の希望制へと変えることです
 そのためには、市教委事務局指導課に11名いる指導主事を5名程度に減らすことです。同時に、学務課の指導主事(課長を含む)3名・学校保健課の指導主事1名(いずれも教員出身)を一般行政職員で充当することも必要です。
 そして、ここが重要ですが、市教委事務局からの関与が薄まれば、学校現場は全く困らないだけでなく、今までよりもずっと余裕が生まれるのは確実です。

■「指導主事」削減を掲げる意味
 今までも上尾市議会で教員の長時間勤務の問題に関連して、研究委嘱発表の行き過ぎを指摘した質問は確かにありました。ただ、そうした質問は、研究指定そのものが強制的に行われていることに対して、希望制にすべきだという主張ではありませんでした

 ブログ筆者は、現在指導課にいる指導主事は、学校に対する「不必要な権威の序列性」を見せつけるために置かれていると考えています。前記事「学校での隠れたカリキュラム(こちら)」でも書きましたが、子どもたちは「今日は先生がペコペコしているな」と感じ、そこで不必要な権威の序列性が刷り込まれることにもつながると考えられます。それは決して担任教師にも子どもにとっても良いことではありません。
しかも、中学校のベテランの先生に対して小学校勤務の経験しか無い指導主事が「指導」できるものではありません。

■「指導主事削減」を公約にしている候補に期待
 宮入勇二候補の法定ビラ(こちら)では、教育政策で「指導主事削減と先生の働き方改革」とあります。
もちろん、他にも大切な公約が掲げられていますが、 
今まで、はっきりと「指導主事削減」を公約に入れた候補者はいなかったのではないでしょうか。
宮入候補が当選した後、本会議で教育施策についての本質的な質問がされることを期待するものです。

■ブログ発信の意味
 このブログは、もともと「上尾市教育委員会の不都合な真実」を市民のみなさんにお伝えし、共有することによって、市民的アクションが起き、そのことで現在の上尾市教委が少しでも改善の方向に向くのではないかということで始めたものです。
 宮入候補が当選すれば、さらに市民と上尾市の教育行政や市政との距離が近くなると確信しています。

 

上尾市教育委員会の不都合な真実 ーいじめ調査委員の選出経緯の闇ー 

 2014(H26)年の9月から「上尾市いじめ問題調査委員会」が設置されました。その委員の選出経緯等について調べていくと、またもや上尾市教育委員会の不都合な真実が浮かび上がってきました。

記事No.40

■いじめ問題調査委員会設置の経緯と委員の役割
 上尾市いじめ問題調査委員会は、もともと2013年に国が「いじめ防止対策推進法」を定めたことを受けて上尾市でも設置されたものです。
調査委員(定員5名)の活動内容は、委員推薦の依頼状によれば次のように説明されています。

 重大事態に該当するいじめが発生し、各上尾市立小・中学校での調査が困難な場合に、当該重大事態について他4名の委員とともに調査をおこなう。

 ただし、結論から言えば、上尾市いじめ問題調査委員会が発足してから丸5年間、実際に委員が「重大事態」を調査したということは、一度もありません。

■委員の中には不可解な人選も
調査委員の任期は2年。2014(H26)の発足時から、2016(H28)・2018(H30)と2年毎に発令されていますが、メンバーはほぼ変わりません。

以下、委員会発足時の調査委員名
○大澤一司氏(アーク法律事務所 弁護士)=「弁護士」枠
○平山優美氏(県立小児医療センター 精神科医=「医師」枠
○相川章子氏(聖学院大学人間福祉部 教授)
=「心理、福祉に関し専門的知識を有する者」枠

○井川    隆氏(元 上尾市立上尾中学校長)=「識見を有する者」枠
○和氣昭祐氏(上尾市人権擁護委員会 委員)
=「その他教育委員会が必要と認める者」枠

 前記の人選については、情報開示の結果、5名の内4名の方は、それぞれ所属されている機関等に推薦依頼を出し、推薦された人物を委員として委嘱しています。たとえば「弁護士」枠であれば、「埼玉弁護士会 会長」宛に推薦依頼を出し、大澤一司氏が推薦されています。
 ただし、ひとりだけ例外がいて、それは「識見を有する者」枠で委員に委嘱された井川 隆氏です。
井川氏については、元 上尾市立上尾中学校長という「役職」になっていますが、校長会(or退職校長会)に推薦依頼は出していないそうです。情報公開開示の担当者(市教委事務局指導課職員)も、どうして井川氏が委員になったのかは不明であると言っています。

 井川氏を除く4名の方は、現在も調査委員として継続しています。井川氏は、2016(H28)年も調査委員となっていますが、その際の「役職」は、「国際学院中学・高等学校 副校長」に変わっています。この時も推薦依頼の文書はありません
2018(H30)年に井川氏の後を継いだのは、柿崎登氏で、「役職」は、井川氏と同じ「国際学院中学・高等学校 副校長」となっています。同様に推薦依頼の文書は無く、不可解な人選と言うほかはありません。
まさに「上尾市教育委員会の不都合な真実」です。

■わずか1時間ほどの会合で15,000円の報酬
この調査委員5名には、年度1回の会合とはいえ、報酬が支払われています。上尾市の「支出命令票」が開示されましたが、それによれば、各報酬支払額は、
委員長の大澤氏には 16,000円、他の4名(出席者)は 15,000円ずつとなっています。
担当の指導課職員に尋ねたところ、会合に要した時間は(正確ではないが)およそ1時間位であろうということですので、委員さんたちは、時給 15,000円ということになります。

■市教委は調査委員の人選について再考を
 5年前に設置されて以来、一度も活動の実績が無いいじめ問題調査委員会。上述のとおり「重大事態に該当するいじめが発生」しない限り、実際の活動をすることはありません。では、「重大事態」とは何か。
「いじめ防止対策推進法」では、次のように定義しています。
◇いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重 大な被害が生じた疑いがあると認めるとき

 もちろん、こうした事態は無いほうがよいですが、以上述べてきたとおり、少なくとも調査委員の不可解な人選を再考し、透明性を確保することが、上尾市教育委員会に求められているのではないでしょうか。

市教委は子どもを守る観点での迅速な防犯情報を

 上尾市教委HPのトップページには、「防犯情報」の見出しがあります。今月になって、それまでの具体的な不審者情報等が表示されなくなりました。それはなぜなのか、今記事では、その経緯を検証します。

記事No.39

■情報公開請求したら消された「防犯情報」
 ある市民の方から、このブログの「お問い合わせ」経由で「上尾市教委HPの防犯情報が、丸5年以上更新されていないが、何か理由があるのだろうか」との指摘を受けました。市教委のHPを見てみると、最新の配信日が2014(平成26)年9月9日になっています。
そこで、館の住人(このブログの筆者)は、
どのような防犯情報が市教委HPに掲載されるのか
5年以上も更新されていない理由
学校から保護者への防犯情報の流し方
それぞれについて判別できる文書・資料等の開示を求めて、
情報公開請求をおこないました。

 ところが、情報公開請求をした数日後、市教委HPから「5年前の防犯情報」が消えてしまいました。

 後日判明したことですが、「5年前の防犯情報」を消したのは、市教委事務局指導課でした。ただ、以下の手順で、消された内容は見ることが可能です。

■HPの内容の復元と、防犯情報が消された理由
HPの内容を復元するには、まず、
国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」を検索します。
出てきたキーワードの枠に「上尾市教育委員会 防犯情報」と入力することで過去の画面を調べることができます(他の全てのデジタル・アーカイブが調べられるわけではないようですが)。それがこちら
「保存日」を選べば、それぞれの時点での記載内容がわかるようになっています。
ちなみにこの調べ方は、上尾中学校の根拠ないHPの文言<地域No.1校 上尾中の取組>が書かれたのはいつかという前記事(こちら)で、harukaさんから教えていただいた方法です。

 では、なぜ市教委のHPから防犯情報の内容が消えたのでしょうか? 公開請求の「処分」の際に、市教委事務局指導課の職員と面談し、事情を聞いたところ、「防犯情報の更新がされていないということを忘れていました」ということでした。つまり、「5年前から
市教委HPの防犯情報を見ていない」というのです。
これは、にわかには信じがたい話ですが、事実です。

■では、現在はどうなっているのでしょうか。
防犯情報の内容が消された今は、「上尾市 安心・安全メールへの登録はこちらから」とあり、教育委員会以外の機関(交通防犯課など)と合わせて、メールマガジンの配信を登録する案内が示されています。

保護者にとって重要なのは、リアルタイムで送られる防犯情報です。この点に関して、情報公開請求の過程で判明したのは、次のようなことでした。

防犯にかかる事案が発生

警察から「市教委学校保健課」にFAXが届く

学校保健課から「各学校」にFAXが送信される

各学校の判断」で保護者に流す(メール配信等)

FAXを使う理由は、「校長(教頭)宛のメールだと、必ず伝わるとは限らない」からだそうです。
ここで問題なのは、「各学校の判断」というところです。場合によっては、学校保健課から流れてきた内容が薄められて伝えられることもあるからです。
たとえば、東の端にある学校が、西の端で起きた防犯情報をあまり重要視せずに、文言を省略して流すということも考えられます。
しかしながら、西の端で起きた不審者の事案でも、移動手段は様々あるわけですから、防犯情報は略されることなく伝えられなければなりません。
あるいは、近隣の地域でも学校によって保護者に流す内容が異なるということもあり得ますが、各学校の「さじ加減」で防犯情報の内容が異なるということはあってはならないことです。

■現在の方法を見直し、防犯情報の改善を望みます。
 保護者や市民にとっては、「防犯情報を市教委や役所のどの課が担当するのか」ということより、「正確な情報を迅速に流してもらいたい」ということのほうが大切です。そのためには、現在のようなやり方をできるだけ早く見直し「一斉に、同じ内容で、迅速に」防犯情報を伝えてほしいものです。