市教委選出<学識経験者>の実像

 教育委員会の事務に関する点検評価報告書』が、昨年の12月11日に上尾市教委HPに公開されました。
この『報告書』に「第三者的立場」から意見や提言を述べる役目を負う<学識経験者>が現在3人います。その中の一人であるY氏は、上尾中学校運営協議会(コミュニティスクール)委員にもなっていますが、同協議会委員による「リレーエッセイ」へのY氏の投稿は「え? なにこれ?」と思わせるものです
(問題の文章は、今記事の最後のほうにリンクがあります。)

 今記事では、Y氏が『報告書』の中で意見や提言をする立場の<学識経験者として本当にふさわしい人なのか甚だ疑問であるということをお伝えします。

記事No.52

『報告書』について
◇市教委HPに掲載されたのは「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下、「地教行法」)」で議会への報告と住民への公開が義務付けられている教育委員会の事務に関する点検評価報告書(以下、『報告書』)』です
※市教委HPからは2019.12.11の更新情報からでないと最新版は見られません。

◇報告書の「事務」とは、教育委員会の業務全般のことを指し、内容は、学校教育はもとより、家庭教育、生涯教育、文化・芸術、スポーツ・レクリエーション等に及んでいます。
◇上尾市教委は、2017年度まで 156頁あった『報告書』を、昨年度と今年度は約60頁に減らしました。これは、「法律で市議会提出の義務があるものの、特に議員から質問も無いことから、そんなに長文の報告書は作成しなくてもよいのではないか」との市教委の判断で頁数の大幅減になったものと思われます。
『報告書』は、<前年度に教育委員会がおこなった事業について、教育委員会自らが点検・評価した報告>に対して、「第三者の視点が必要」ということで市教委が選んだ<学識経験者>が意見・提言を述べるという形式を取っています。
ここでは「学校運営協議会」&「コミュニティスクール(CS)」について『報告書』の中でどう記述されているか、また、それに関連する<学識経験者>の意見・提言に絞って見ていきたいと思います。

■「学校運営協議会」&CSについて
◇「地教行法」が2017年に改正され、コミュニティスクール(学校運営協議会制度)が本格的に動き出しました。上尾では、昨年度は3校(上尾小・東町小・上尾中)が先行実施され、今年度からは市内全校が「コミュニティスクール」になっています。また、この制度の詳細は、文科省HPで解説されていますこちら)。
◇運営協議会の委員は、文科省の解説では、「幅広く適任者を募る観点から、例えば、公募制の活用等選考方法を工夫するとともに、地域住民や保護者等へ広報、周知に努める必要がある」とされているものの、実際には、その学校の地域住民や保護者、「対象学校の運営に資する活動を行う者」や「その他当該教育委員会が必要と認める者」が委員となっているようです。今記事で取り上げるY氏は、「教育委員会が必要と認める者」枠で上尾中の学校運営協議会委員になったと考えられます。

■<学識経験者>のCS関連の記述
◎(前提)2017(H29)年4月1日 地教行法改正(CS関連)
H29報告書(2017年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元富士見市職員
学校運営協議会の設置の方向になっていくわけであるが、校長は学校経営方針をしっかり持ち、協議会の方々に翻弄されないようにし、協議の内容も教育委員会と共に決めていく必要があると思う」
<学識経験者>の意見は、各年度『報告書』の記述によります。)

H30報告書(2018年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元上尾市職員
「法律に基づいた仕組みであるコミュニティ・スクール(学校評議員会制度)を上尾市全体で推進する施策に期待したい。H30年度に、上尾小・東町小・上尾中の3校にコミュニティ・スクールが設置され、成果が楽しみである」

H31報告書(2019年10月教育委員会定例会で全員一致可決)
 <学識経験者3名> 聖学院大特任教授・元上尾小校長(Y氏)・元上尾市職員
コミュニティ・スクール推進事業においても、学校の要望をもっと出し、地域がそれを受け入れ、協力し、学校がもっと安心して、子どもたちのために活動できるようにさせたい。コミュニティ・スクール設置事業により、学校がさらに忙しくなっては意味がない」

◇以上のとおり、『報告書』には2017年4月の 地教行法改正を受け、コミュニティスクール(学校評議員制度)についての<学識経験者>による記述があります。

■<学識経験者>であるY氏とCSとの関係
Y氏には教育委員の経歴があります。時系列で見ると、
2012(H24)年10月—2016(H28)
年9月 教育委員(4年間)
2017(H29)年8月 『報告書』の<学識経験者>への就任依頼。
2017(H29)年10月 <学識経験者>として『報告書』に意見。
 ⇒ 第1の疑問点
2018(H30)年4月 上尾中学校運営協議会委員に就任
2018(H30)年12月 上尾中「リレーエッセイ」公表
 ⇒ 第2の疑問点

■Y氏についての「第1の疑問点」
◇以前の記事(こちら)でも書いたとおり、『報告書』は前年度の事業について教育委員会が作成し、<学識経験者>が「第三者的観点から」点検評価するものです。
◇市教委のHP「教育委員会のあらまし」には、「上尾市教育委員会は教育長と5人の委員により組織され、教育、学術および文化に関する事項について大所高所からその基本的な方針などを決定します」と記述されています。
◇それにもかかわらず、Y氏が「自分が教育委員として執行した事業(H28年度上半期)」について「第三者としての観点から」意見を述べているのは、どう考えてもおかしいことでありそれを教育委員会が放置しているのも全く理解できません

■Y氏の「第2の疑問点」 —「リレーエッセイ」—
◇上尾中から推薦を受けた上尾市教委は、Y氏を「学校運営協議会」の委員として任命しました。そのことについて、Y氏は、同校運営協議会委員が輪番で書く「リレーエッセイ」で、信じられないような投稿をしています。それがこちら
◇Y氏の「リレーエッセイ」を読み、まず違和感を覚えるのは、冒頭の「学校運営協議会とは、何?」
という箇所です。
◇今記事で実証データに基づきお伝えしてきたとおり、Y氏がこの文章を書いた時点(最初の委員の投稿が8月なので、2018年4月~7月頃に原稿依頼があったと考えられます)で、すでに<学識経験者>として『報告書』に意見を寄せているので、 学校運営協議会についての知識や認識が十分にあったはずだからです。
◇さらに「あー引き受けなければよかった」という文言にいたっては、呆れるばかりです教育委員であった者や『報告書』に意見や提言をする<学識経験者>が書くべき文章では断じてありません。


■この問題の本質とは
◇上尾中では、Y氏のこの文章をそのまま掲載しています。個人の文章表現が保障されるべきなのは自明ですが、少しでもY氏の経歴や、<学識経験者>としてCSに関してすでに意見を述べていることと、このエッセイとが著しく矛盾するということに考えが及べば、別の対応があったとのではないかと思われます。その意味では、今記事でお伝えしたいこの問題の本質とは、
①「元教育委員」&<学識経験者>であるY氏の資質の問題。
上尾中側と学校運営協議会委員との「極めて親和的で、都合の悪いことはお互いに言わない関係性」 であると言えます。

ブログ筆者は、今記事に関する実証的データの全てを市教委HPとそのリンク先から得ています。
上尾市教委も、各年度の「点検報告書」への意見や提言を担当する<学識経験者>の言動についても、たまには check してみてはいかがでしょうか。

今年、このブログでお伝えしたいこと

 2020年最初の記事ですので、今年このブログでお伝えしたいことを羅列してみます。ブログ筆者の関心の中心は、主に上尾市教育委員会と市政ですが、「日々の所感」の記事も増やしていきたいと考えています。

記事No.51

■情報公開制度は、民主主義のツール
◇市民が上尾市の行政や市教委に対して<
情報公開という民主主義のツール(浅野詠子『情報公開ですすめる自治体改革』)>
を活用することは、たとえひとりの市民からの請求であろうとも、市政に参画するための大切な権利であるとも言えます。
◇残念ながら、現在の上尾市の状況は、市長・議長のW逮捕だけでは終わらず、ブロック塀公費負担の問題とそれに伴う住民監査請求での勧告、百条委員会での虚偽答弁や証言拒否による刑事告発……などが続いています。全国的な視野かつ歴史的に見ても、このような自治体は他にはありません。それにもかかわらず、情報公開請求の処分の際に職員の方と面談して話をすると、市行政&教育委員会事務局職員も<「自分には関係ない」「他人ごと」であるという感>が強く表れていることは否めません。
◇こうした現状ではありますが、ブログ筆者は「情報公開請求や住民監査請求を一つの契機として上尾市は改革できる」と考えています。上尾市が保有している情報は、市民の共有の財産です。このブログを読んでくださっている方からのコメントや情報提供も含めて、上尾市に情報公開を求めていきます。

■訂正・謝罪をしない上尾市行政と市教委の姿勢
◇「過去に確かにあった事実」について、謝罪どころか訂正もしない上尾市と市教委。最近では、上尾丸山公園の釣り禁止条例違反問題、あるいは「教育委員会の会議を非公開とする際の根拠についての市議会での教育長や学校教育部長の<誤った答弁>、さらに先月市議会で失笑を買った学校教育部長の<的外れな答弁>etc…
◇たとえ行政や教育委員会にとっては
「不都合な真実」だとしても、それを放置したまま、なんとか市民の目に触れないようにする「隠ぺい体質」&「あくまでも誤魔化そうとする姿勢」については、これからも事実や実証的データに基づき、できるだけ市民のみなさんに知らせていきたいとブログ筆者は考えています。

■冊子や報告書への批判的検証が必要です
◇一見するといかにも「それらしい」冊子や報告書がweb上でも公表されています。ただ、その内の多くは、一般市民が読み込むにはページ数もたくさんあり、なかなか検証しにくい中身となっています。
◇しかしながら、中身を見ていくと、首をかしげざるを得ない記述もあります。ブログ筆者が前記事で批判的観点から言及した、市教委発行の冊子『上尾の教育』などはその典型ですが、様々な問題や「不都合な真実」が含まれていると言えます。
◇教育長と
市教委事務局による教育施策やそれに伴う事業について、定期的に check をする役割は、本来教育委員が担うべきです。しかしながら、現在のような「お飾り」教育委員たちでは、それは望むべくもありません。それゆえ、ブログ筆者の観点で気づいたことを積極的に発信していくつもりです。

■保有確実なのに「不存在」とされる文書
 ◇情報公開請求する過程で、処分が「文書不存在による非公開」とされたとしても、「これは絶対文書等を保有しているに違いない」と確信することが多々あります。たとえば、毎年4月の第2土曜日に文化センターで開催されている「学校管理運営研修会」。この研修会には市教委の指導主事や市内の校長らが<指導>に行っており、教育長もあいさつをするために公用車で出向いています。
◇それにもかかわらず、「この研修会で配布された資料等」の情報公開を求めると、公開されたのは研修会開催文書1枚のみです。それ以外は、「文書不存在による非公開」。教育長が公用車で出向くにもかかわらず、開催文書以外に資料等が無い研修会などあるわけがない、とブログ筆者は考えています。つまり、「学校管理」の名のもとに、よっぽど「市民や多くの学校現場の教職員
に見せたくない」資料が配布されているであろうことが容易に推測されます。こうした市教委の姿勢についても、市民のみなさんにお伝えしてくつもりです。

■どれだけ書けるかわかりませんが…
◇ブログ筆者が読んだ本や美術展などに行った感想、通信教育の学びの中で得た知見 etc… それらを「日々の所感」の記事として増やしていきたいと思っています。
◇2020年は、こうした記事も含めて発信
していくつもりでいますが、諸事情で更新が滞ることもあると思います。それはご容赦いただくとして、記事についてのコメントやお問い合わせ、情報提供などは大歓迎ですので、今年もよろしくお願いいたします。

「教職員の長時間労働」を助長する冊子 『上尾の教育』 

 暮れも押し詰まった12/26、上尾市教委HPに今年度版冊子『上尾の教育』が掲載されました(こちら。この冊子は130頁にわたる細かい記述で、全部を読み通すのは、かなりの時間と根気が必要です。
言えることは、『上尾の教育』は、現在社会的な問題となっている教員の長時間勤務等を意識したり、学校現場の勤務の状況に配慮したものでは決してなく、「あれもこれもやれ、とにかくやれ」と詰め込んだ中身になっているという点です。つまり、教職員の長時間労働を助長するものとなっているのが特徴です。

記事No.50

■誰のための冊子なのか
 『上尾の教育』は、かなり以前から
上尾市教委によって作成され、市教委のHPでは、2015(H27)年度以降の分が掲載されています。
以前は「デジタルブック」でしたが、読みづらいということからか、
今年度の冊子は次のような構成になっています。

 第1章 教育行政・教育財政(31ページ)
 第2章 学校教育(44ページ)
 第3章 生涯学習・文化芸術・文化財(22ページ)
 第4章 生涯スポーツ・レクリェーション活動(3ページ)
これ以降は「統計・資料等」

 このように、ページ数を見ただけでも、第1章と第2章とに重点が置かれていることがわかります。
では、
この冊子はいったい誰のために作られたものか」という点ですが、教育長&教育委員&市教委事務局の職員が自らの権威付けのために「形として残しておきたい」と考えて毎年作成しているものであることは明らかです。冊子の第1章冒頭にある「歴代の教育長及び委員」など、その典型です(別の例を挙げれば、各学校の校長室に歴代の校長の写真が飾られ、校長が代わる毎におこなわれる〈掲額式〉なるイベントと、「不必要な権威づけ」という意味では、同一の性質のものであると考えられます)。

 もうひとつ言えることは「現場の教職員のほとんどは、この冊子を見ていないし、読んでいない」であろうということです。はっきり言って、現場の先生方は「市教委の、市教委による、市教委のための冊子」を読む暇など無いほど、疲弊し、追い詰められているのです。
もっとも、中には「学校経営方針」などを作成する際に「参考(剽窃とも言えます)」にする校長もいます(上平小の学校経営方針にある「目指す教師像」は『2018 上尾の教育』の「完全パクリ」です)。
 さらに、この冊子の存在をご存知の市民(保護者の方を含む)は、極めて少数だと思われますが、上尾市教育委員会の「不都合な真実」を理解するために一度目を通していただくと良いかもしれません。

■冊子『上尾の教育』の特徴
◇「目指す教師像」とは?
『上尾の教育』P.39には「目指す児童像・生徒像」「目指す教師像」がそれぞれ10項目ずつ並んでいます。これは、2017(H29)年度から記述されたものですが、児童・生徒像と教師像がほぼ同一であることが特徴です。それぞれの10項目の前に置かれている文言は、

(児童・生徒像)自分に厳しく、相手に優しくできる自己を確立し、友達や大人から「頼もしい」と信頼され、頼られる児童生徒。

(教師像)自分に厳しく、相手に優しくできる人間として、児童生徒、保護者、地域、同僚から「頼もしい」と信頼され、授業で勝負し、頼られる教師。

となっていますが、肝心なことは、これらの「像」を示した上尾市教育委員会が、どのような姿勢であるかということです。
まず想起されるのは、このブログで何回かお伝えしましたが、住民監査請求の結果、市の監査委員にも指摘された「デタラメ服務」の池野教育長です。池野氏は、自分は届も出さずに「お休みzzz」としておきながら、上尾市内の教職員には「服務の厳正を」などとする文書を頻繁に発出しており、そのことを監査委員に指摘されました。
これは、『上尾の教育』に記載されている教師像とは真逆の、まさに「自分に甘く、相手に厳しく」を地でいっています。
『上尾の教育』に「目指す教師像」として「自分に厳しく、相手に優しくできる人間」などと記載されているのは「
ブラックユーモア」とも言えますが、市民としてはとても看過することはできません。
かも、『上尾の教育』には「教職員の服務の厳正(16頁)」という文言がしっかりと記載されていることは、池野教育長の行状を考えれば、呆れるばかりです。

 「目指す教師像」の全項目を知りたい方は、市教委HPの『上尾の教育』をクリックし、39頁を見るか、または、こちらでも見ることができます。今年度の上平小(石塚昌夫校長)の「学校経営方針」の中の「目指す教師像」の中身①~⑩と全く同一だからです。このように、一部の校長には『上尾の教育』は強い味方になるでしょう。学校のオリジナリティは無視し、原文を丸写しにすれば良いのですから。

◇市教委による学校への「押しつけ」
『上尾の教育』には、「基本目標」として「安心・安全で質の高い学校教育の推進」という項目があります。この中には、読み飛ばすと、あとで「書いてあったでしょ?」と言われそうな記述があります。

 消防署の協力を得て「資格講習会」及び「資格更新講習会」を実施することにより、教職員の応急手当普及員の増員を図るとともに、全小・中学校に有資格者が在籍する体制を維持します 『上尾の教育』P15より引用

※これは「平成31年度 上尾市教育委員会の事務に関する点検評価報告書」P22に掲載されている文章とほぼ同一のものです。

 他の文言が細かく量も多いこともあり、この文は思わず読み飛ばしそうになりますが、「応急手当普及員って何?」「全部の学校に置くってどういうこと?」と突っ込みたくなる一文です。
ちなみに、応急手当普及員とは、消防庁からの文書(こちら)によれば、≪心肺蘇生法(傷病者が意識障害、呼吸停止、心停止又はこれに近い状態に陥ったとき、呼吸及び循環を補助し傷病者を救命するために行われる応急手当)及び大出血時の止血法≫の講習を受けた者のようですが、「市内全学校に必置の根拠」を確認したいところです。

 この例でもわかるように、市教委や学校現場にはありがちですが、「根拠はともかく、良いことのようだからとりあえずやってみよう」ということがあまりにも多すぎるのです。
 『上尾の教育』もそうした観点でまとめられた冊子と言えますが、ブログ筆者がずっと主張しているように、上尾市教委は、学校現場への「押しつけ」をやめて、市教委からの関与を出来る限り薄めるべきです。そうすればもっと学校現場に余裕が生まれるでしょう。

◇比較の仕方がおかしい
『上尾の教育』の「指導の重点」の中に、「学級経営」についての昨年度の評価として、次の文言があります(40頁)。

全国学力・学習状況調査の質問紙調査では、「先生は、あなたのよいところを認めてくれると思いますか」で「はい」と答えた上尾市の小学生は54.3%(全国42.5%)、中学生は35.1%(全国32.5%)となっており、全国に比べて市内の児童生徒に自己有用感が育まれている。

 まず、この質問だけで「自己有用感」が育まれているかどうか判断するのは早計だと思います。対先生との関係性だけではなく、まわりの友人が認めてくれているかもしれません。何よりもおかしいのは、「全国に比べて市内の児童生徒に自己有用感が育まれている」と分析していることです。この調査に基づくのであれば、上尾市の中学校の場合、65%の生徒は「自己有用感が育まれていない」ことになるのですから、むしろそちらのほうが問題でしょう。もともと状況が異なる全国と比較することと合わせ、「ちょっと違うのでは?」と指摘せざるを得ません。 

■現状ではとても正規の勤務時間の中では無理
「目指す教師像」ばかりではありません。[指導の重点]として、教師が果たすべき課題が、「これでもか」と書かれています。
学級経営/学習指導/生徒指導/進路指導・キャリア教育/道徳教育/教育相談/体育・健康教育/人権教育/特別支援教育/国際理解教育/情報教育(小学校のプログラミング的思考を含む)/環境教育/ボランティア・福祉教育/男女平等教育/学校図書館教育/交流及び共同学習…… これらすべてについて、数項目から10項目以上の「指導の重点」が示されているのです。また、それとは別に教科ごとに[指導にあたっての努力点]として細かい記述が延々と続きます。
「指導の重点・努力点」は教職員に配布されますが、『上尾の教育』は「これでもか」と追い打ちをかけるような記述になっています。
 小・中学校に勤務する先生方が、この『上尾の教育』に示す項目全部に取り組むためには、授業の準備や「振り返り」を含めて、膨大な時間がかかります。しかしながら、冊子『上尾の教育』には、掲げている内容が教職員の正規の時間内で出来るということは全く示されていません。過労死の要因ともなり得る長時間勤務の問題やクラス定員をそのまま放置しておいて、「とにかく冊子で示した方針で、何がなんでもやれ」というのは、問題が多すぎるのではないでしょうか。
ブログ筆者は今後もこの問題については、実証的データ等に基づき、記事にしていきたいと考えています。

■『上尾の教育』の意味不明の記述
 最後に、この冊子の記述に誤りがあることを指摘しておきます。
「生涯にわたる豊かな学びのサポート」(18頁)に、図書館に関する記述があります。
 図書館本館の改修事業のほか、分館では憩えるスペースの確保など多様な過ごし方ができるよう整備します。また、図書館本館の改修時の一時移転先として、民間施設を活用・整備します

 一方、この冊子の発刊にあたって、池野教育長は市教委のHPで次のように述べています。

 本冊子は、平成31年度の上尾市の教育行政および教育機関の諸活動の概要について、教育行財政、学校教育、生涯学習、生涯スポーツの領域に分けて収録いたしました。(以下略)

 つまり、この『上尾の教育』の内容は、2019(平成31)年度の諸活動について書かれているものであると教育長が明言しています。にもかかわらず、「図書館本館の改修時の一時移転先として、民間施設を活用・整備します」とはいったいどういうことか、意味不明です。
発行年月日が2019.12.26であることを考えれば、この記述は1月以降のことを述べているのか、それとも内容が誤っているのか、情報公開請求等で確認していく必要があります。

■このところ、当ブログ閲覧数が増加の傾向にあり、その中には、市民の方はもちろん、市役所(行政)や市教委、学校関係者も含まれているものと推測いたします。可能であれば、ブログ記事への共感や批判などをコメントとしてお寄せください。

■また、「実はこういう事実がある」「市教委があれこれ言ってくるので困っている」といった内部通報や情報提供もお待ちしています。その際、ブログトップにある「お問い合わせ・情報提供」経由でご連絡ください。もちろん、秘密は厳守いたします。

上尾丸山公園・大池に関する、現在申請中の情報公開請求

 12月議会の尾花質問に端を発し、現在、上尾丸山公園の大池での「釣り」や、「かいぼり」イベントに注目が集まっています。ブログ筆者も、この問題に関連して情報公開請求をおこなっている最中です。
今記事では申請中の情報公開請求の内容についてお伝えします。
(続報)
 本日(12/28)、ブログ筆者(情報公開請求人)宛にみどり公園課から「(公開・非公開処分通知を)2020年2月5日まで延長したい」旨記載された文書が郵送されてきました。延長の理由は「確認する内容が多岐にわたるため」と書かれています。
 しかしながら、たとえば「大かいぼり祭り」の起案・決裁文書など、すぐに示せる文書のはずです。したがって、「これとこれはすぐに公開できますが、他の文書は時間を要するので延期してほしい」と伝えてくるのならまだしも、「多岐にわたるため」として全部延長してしまうのは甚だ疑問です
あっという間に釣り人のイラストを消した時のスピード感を持って、市民からの情報公開請求に誠実に対応してもらいたいものです(なお、記載されていた、みどり公園課直通の電話番号にかけたところ、年末のせい?か誰も出ませんでした)。

記事No.49

■丸山公園・大池に関しての市民からの発信
 このことについては「かまちょ図書館」と「ビジネスゲームの館」が問題の本質や上尾市政の対応について詳しく報じています。

 従来描かれていたイラストをいつのまにか消してしまう、といった上尾市行政の「セコさ」や、<スピード感をもって、市民の目をごまかそう>といった「隠ぺい体質」が露見しているのが特徴です。

■ブログ筆者の情報公開請求の中身とは
(申請中の情報公開請求書より引用)
「上尾市都市公園条例」第5条(4)および第22条(2)は、次のように定められています。

(行為の禁止)
第5条 都市公園においては、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(4)鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること
(罰則)
第22条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(2)第5条(第17条において準用する場合を含む。)の規定に違反して第5条各号に掲げる行為をした者

このことを踏まえて、以下のことについて情報公開請求いたします。

「上尾市都市公園条例」は、制定:昭和48年7月1日条例第28
最終改正:平成31年3月29日条例第4号  となっています。
そこで、上記第5条(4)および 第22条(2)の改正経緯が判別できる文書・資料等。 

 第5条(4)で「鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること」が禁止事項になっているにもかかわらず、上尾丸山公園では「釣り大会」等のイベントが開催されたとのことです。
 そこで、上尾市の情報公開制度開始(注:2001年度)
以後、現在までに上尾丸山公園で「釣り大会」「釣り教室」(同趣旨のイベントを含む)等が行われたことが判別できる文書・資料等。 

 22条(2)の罰則は、禁止行為をした当人ばかりか、その幇助(ほうじょ)をした機関(行政機関を含む)も対象となると思われますが、そのことが判別できる文書・資料等。 

 彩の国埼玉情報サイト「さいたまなび」 http://saipo.net/11219104_01.html
に、「上尾市にある上尾丸山公園では周囲約1.2Kmの池で釣りが楽しめます。また釣りの体験イベントなども行われます」との情報が載っています。
この情報が掲載された経緯が判別できる文書・資料等。

 2019.12.21(土)・12.22(日)に実施された、上尾丸山公園「大かいぼり祭り」についての起案・決裁文書類。

「大かいぼり祭り」を実施する理由が判別できる文書・資料で上記(起案・決裁文書)以外の文書・資料等。具体的には、市民からの要望やアンケートの類。

 上尾丸山公園の大かいぼり祭り」の宣伝に使われたイラストは、葛飾北斎『北斎漫画』にある《すずめ踊り》という作品を加工修正したものであると思われます。元の作品は50年経過しているので、元画の著作権は問題になりませんが、《「大かいぼり祭り」イラスト》は元画を加工修正しています。普通に考えれば、「元画を加工修正しても問題ない」と判断したと考えられますが、《「大かいぼり祭り」イラスト》自体が二次的著作物(つまり、第三者の作品)である可能性も排除できません。そこで、今回の《「大かいぼり祭り」イラスト》が使用された経緯や、二次的著作物であるか否かなど、《「大かいぼり祭り」イラスト》にかかわる文書・資料等。

以上の文書・資料等については、閲覧のうえ、必要に応じてコピーをとらせていただきます。

 現在申請中の情報公開請求の中身は上記のとおりですが、担当課であるみどり公園課から1月中旬?にも公開・非公開の連絡が来ると思われます。
結果については、分かりしだいお伝えいたします。
また、広報あげお1月号には、<上尾丸山公園池干し祭「泥かき連」を募集>という記事が掲載されていますが、これに関する経緯も知りたいところです。

糟谷質問で暴かれた、市教委の不都合な真実(2) -「修学旅行問題」-

 昔から当たり前のようにおこなわれてきた小中学校での修学旅行。特に中学校の修学旅行については、費用や行先の決め方、日程、あるいは先生方の超過勤務などの多くの問題点があります。今記事では、市議会での糟谷質問で浮かび上がってきた修学旅行にまつわる市教委の不都合な真実についてお伝えします。

記事No.48 

■小学校で最も高額なのは尾山台小。
■中学校では費用に12,000円以上の差。
 以下は、今年度に実施された修学旅行の保護者負担費用が高い順に表示したものです(高・低それぞれ3校ずつ表示。小学校は、日光方面と鎌倉方面とに分けてあります。実施時期は2019年)。

[小学校]鎌倉方面
(6校)
(負担額の高い順)
尾山台小   7/3~7/4         鎌倉・小田原方面    24,359円
中央小  11/20~11/21    鎌倉方面        20,870円
原市小  11/20~11/21    鎌倉方面        20,649円
(負担額の低い順)
平方小    6/12~6/13      鎌倉・東京方面     18,877円
上平北小   5/30~5/31     鎌倉・横浜方面     19,020円
上尾小    6/19~6/20    東京・鎌倉・湯河原方面 20,412円

[小学校]日光方面(16校)
(負担額の高い順)
今泉小    9/3~9/4         日光方面        22,589円
芝川小          5/29~5/30     日光方面        22,518円
平方北小  5/30~5/31       日光方面        22,359円
(負担額の低い順)
瓦葺小          6/4~6/5          日光方面        17,992円

富士見小  11/7~11/8         日光方面                                  18,202円
大石北小  5/28~5/29       日光方面        18,433円

[中学校]関西方面(11校)大谷中のみ大阪に行っています。
(負担額の高い順)
太平中    5/30~6/1        京都・奈良方面     64,802円
上尾中    6/2~6/4          京都・奈良方面     64,071円
上平中    5/29~5/31       京都・奈良方面       63,393円
(負担額の低い順)
大谷中    7/2~7/4           京都・奈良・大阪方面        52,667円
西中               7/3~7/5           京都・奈良方面                     52,705円
原市中           7/9~7/11         京都・奈良方面                     53,321円

※小学校の場合は、同じ日光方面でも学校によって差があることがわかります。これらは、バス代の差によるものと考えられます。また、必ず業者を通しているので、その手数料(パーセンテージ)も検証されなければならないと思われます。

※中学校は、学校によって大きな差があります。大谷中と太平中とでは、何と 12,135円 違います。市議会では、この差が生じていることについて、糟谷議員が質問しています。

■的外れな伊藤学校教育部長の市議会答弁
糟谷議員の質問:
「それでは、修学旅行の費用が最大で64,800円という学校、一番低くて52,600円という学校で、12,000円以上の差があるんですって、これは非常に負担感が保護者にあるということからしてもこれが適正な額の範囲と考えられるのかどうか、そこの認識をお尋ねします」

伊藤潔 学校教育部長の答弁:
「各学校では複数の旅行業者に見積もりを依頼して内容と価格を考慮したうえで利用業者を決定しておりますが、実施時期や学校規模により宿泊費等の差が生じております

 この伊藤潔 学校教育部長の答弁は、的外れと言わざるを得ません。なぜならば、参加生徒数は、太平中125人大谷中119人で、ほぼ変わりません。実施時期は学校により異なりますが、問題は宿泊先です。
◇太平中は「からすま京都ホテル」2泊で29,160円
◇大谷中は「日昇館尚心亭」同じく2泊で18,630円
 以上のように、宿泊先が異なるため、10,530円の差があるのです。
 つまり、伊藤学校教育部長の答弁は、費用の内訳・明細を確認しないものであると指摘できます。

 ここでもお分かりのように、市議会という公的な場でさえも、市教委は平気で的外れで間違った答弁をするのです。

糟谷議員は、この答弁を聞いて、こう発言しています。

「その差をできるだけ小さくするということはぜひやっていただきたい。私が調べたところだと、決して大きな学校と小さい学校という差じゃなかった。これは大体規模が同じくらいの学校でも差が生じているのですね。宿泊費にすごく差があるんですよ、よく細かく見ると。そういうことも含めて、時期とかがあるかもしれない、だけれども、人数ではないということ、そのへんをよく見ながら、決してそれを良いとは思わないから言うのですが、公平な負担に是正していただくよう、求めておきます」

■他にも修学旅行に関しては多くの問題が
 今記事の冒頭で、修学旅行(特に中学校)については、行先の決め方や日程、あるいは先生方の超過勤務など多くの問題があると述べました。ひとつひとつの問題については、別途情報公開請求もおこなっている最中でもあることから、ここでは重要なポイントを指摘し、次回以降、ブログ筆者が知り得た情報をお伝えしていきます。

[行き先と日程]
小学校がおおむね前年度に学校側が次年度の日程や行先を決めるのに対して、中学校は2年前にすでに日程が「決められて」います。
この経緯について情報公開請求を求めたところ、「文書不存在」の処分となりました。その通知文書には備考欄に次の記述があります。

「小・中学校ともに、予定を立てる際または申込む際に、校長・教頭・教務主任等が口頭で確認しているため、文書は不存在。」

この文言はよく読むと、まさに修学旅行に関する「不都合な真実」が隠されていると考えられます。中学校が修学旅行の実施時期の2年も前に「申込む」とは、いったいどういうことなのか。
ブログ筆者は、このことについてある「仮説」を持っていますが、それについては、新たな事実が判明した時点でお伝えいたします。

[超過勤務の問題]
想像するのは比較的容易だと思われますが、とりわけ中学校の修学旅行の引率をする先生方は大変です。朝早くの集合時刻になる前から生徒の集合場所で待ち、現地での生徒の就寝後の打ち合わせなど、休む暇はありません。その緊張が生徒の解散時刻まで続きます。

具体例として、大石南中の先生方の修学旅行中の勤務実態を見てみると、「修学旅行に関する実績簿」によれば、初日から 17・17・13時間となっています。正規の勤務時間は7時間45分×3日=23時間15分ですから、差し引きで23時間45分超過していることになります

 この超過時間は、「勤務の割り振り変更」として修学旅行から8週間以内に振り替えることになっていますが、実際のところは、やむを得ず夏季休業中になってしまいます。
ここで、あり得ないことですが、振替時間の「値切り」がおこなわれるのです。前の例で示した大石南中の場合は、23時間45分超過にもかかわらず、割り振り変更は12時間のみ、とされてしまうのです。
 実は、これは市内で一律になっていることから、校長たちが示し合わせて「割り振り変更時間の値切り」をしたと容易に推測できます。

 このように、修学旅行をめぐっては、様々な問題があります。市議会の糟谷質問にもありましたが、ブログ筆者は「なぜ行き先が京都・奈良でなければいけないのか」ということに強い関心を持っています。
そのことも合わせ、修学旅行の問題については今後もお伝えしていきます。

糟谷質問で暴かれた、市教委の不都合な真実(1) -「委嘱研究の闇」-

 12/19、糟谷珠紀氏の市議としての最後の質問を傍聴しましたが、「子どもたちに豊かな未来を」と題しての、舌鋒鋭い内容でした。ブログ筆者が関心を寄せている「委嘱研究」の弊害や修学旅行問題など、まさに「上尾市教委の不都合な真実」が暴かれた市議会となったと言えるでしょう。今記事では、糟谷質問の中から市教委による「委嘱研究の弊害」について、次回の記事では「修学旅行」についてお伝えします。

記事No.47

■委嘱研究の実態と市教委の「負担軽減」策とは?
 糟谷議員のこの質問についての、伊藤潔 学校教育部長の答弁は以下のとおりです。

 「上尾市内の全小中学校が3年サイクルで2年間の委嘱研究に取り組み、授業や放課後の研修会など、計画的に研究を進めております。教育委員会では、研究発表の方法や、配布する資料を簡素化することなど、負担軽減の視点から各学校を指導しています

 この答弁に対して、糟谷議員は次のように指摘しています。

「委嘱研究をした学校の『研究紀要』の中で、校長がこう言っています。 —5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり抜いてまいりました。この実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使命感と授業力の向上につながったものと考えています—」

 糟谷議員は質問で「委嘱研究をした学校」と言っていますが、このブログの読者はお分かりだと思いますが、これは上平小のことです。

 上尾市教委の「委嘱研究」を受けた上平小(石塚昌夫校長)が作成した『研究紀要』冒頭の校長あいさつで「業務の負担に逆行しながらも(外国語活動の授業を)やり抜いた」と述べている問題は、当ブログでもすでに指摘したところです。それがこちらの記事です。

■「失笑」が漏れた伊藤学校教育部長の答弁
 では、「委嘱研究」を受けた上平小では、どういう事態になっているのでしょうか。糟谷議員が示したのは、上平小のある職員の今年10月の「時間外勤務の時間数」です。

 なんとその時間数は、1ヶ月 141時間38分

 これは、「過労死ライン」と言われる「1ヶ月 80時間」をはるかにオーバーしている時間外勤務の時間数です。間違いなく、委嘱研究発表の準備に相当時間が取られたうえ、日常的な業務も重なったためにこうした長時間の時間外勤務になったのでしょう

これに関しての糟谷議員の質問:

「こういうことを放置していいのですか、と私は問いたいのですね。委嘱研究がこうした実態であることを見たときに、長時間勤務につながっているという要因もあることを市教委のほうは認識しているのでしょうか。いかがですか?」

この質問に対する、伊藤潔学校教育部長の答弁

委嘱研究がご指摘のように過度の負担にならないよう各学校で計画的にすすめられるように努力しているところでございます」

 ほぼ満席の傍聴席にいた私は、この答弁を聞いて、思わず「は?何言ってるの?すでに過労死ラインを超える勤務をしている状況なのに、全く他人事のような答弁だな」と思いましたが、他の傍聴の方も同様の感想を持ったようで、「この部長さん、何を言っているんだろう?」というような、呆れたような「失笑」が漏れていました。

 糟谷議員は、次のように続けています。

 「(職員が)過度の負担にすでになっていることはお認めいただきますよね。で、こういうのをしっかり見てください。教育委員会がこの学校はこれをやって、というのがはたして良いのか、もっと希望制を取ったら良いのじゃないかとか、もっと自主性に任せたらよいのではないかとか、もっと委嘱研究のあり方、とりくみの見直しなど改善できる余地があると思うんですね。なので現場の声をしっかり聴いていただきたいということを申し上げておきます」

■ブログ筆者の主張を取り入れた質問と市教委の姿勢
 糟谷議員の質問は、次回以降の記事でお伝えする修学旅行の問題と合わせて、ブログ筆者の日頃の主張を取り入れた質問でした。その点で大変感謝しています。
しかしながら、市教委側の答弁は看過できません。『研究紀要』は研究発表の前に教育委員会事務局に届けられたはずですし、上平小を訪問したであろう「来賓=通常は教育長や教育委員」も見ているはずです。上平小に行かずとも、教育長や教育委員は上平小の『研究紀要』に目を通していると考えるのが極めて自然です。
『研究紀要』の校長あいさつ文に「業務の負担に逆行しながらも」という文言があることについて、教育長も、教育委員も、学校教育部長も、指導課長も、学務課長も、指導主事も、誰も「これは良くないな」という指摘をしないとすれば、まさにそれは現在の上尾市教育委員会の「不都合な真実」と言わざるを得ません。

地方自治法第100条のもうひとつの顔 -議会図書室とは-

 畠山現市長と新井弘治元市長を刑事告発することを全員一致で決めた上尾市議会。これは同市議会の調査特別委員会(いわゆる百条委員会)によるものです。根拠となった地方自治法(以下、「法」)第百条には、19項&20項に「もうひとつの顔」があります。

記事No.46

■「法」第百条 第19項・20項とは?
 市議会調査特別委員会は、現市長と元市長の告発を決めました。根拠となった「法」第100条について、松本英昭著『新版 逐条地方自治法 第9次改訂版』学陽出版,2017年では、以下のように解説されています。

 「本条は、普通地方公共団体の議会の、当該地方公共団体の事務に関する調査権、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けること、議員の派遣並びに調査研究に資するための政務活動費、刊行物の送付及び図書室の附置についての規定である」

 「法」第100条は第1項から第20項まであり、市長らを告発したのは、第3項(証言拒否)と第7項(虚偽の陳述)に抵触したからであり、そのうえで第9項の「議会は、選挙人その他の関係人が、第3項又は第7項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない」を適用したことによるものです。

 また、「法」第100条には次の項目もあります。

第19項 (市)議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し、前二項(筆者注:第17項=政府から市への官報と刊行物の送付義務 & 第18項=県から市への公報等の送付義務)の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。

第20項 前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる

 つまり、「法」第100条第19項・20項は、議会の図書室設置義務を定めたうえ、それを一般市民も利用できるというものなのです。

■では、上尾市議会図書室の場合は?
 市議会HPに「議会棟の案内図こちらが記載されています。これを見ると、議会棟3階にある議会図書室は正副議長室より狭いようです。市議会事務局に確認したところ、「法」第100条第20項にもあるように、市民も利用できますが、その実態は、「利用した市民は、数年前にひとり」ということです。
図書貸出も可能ですが、議員・職員・市民は「図書貸出申請書」に記入し提出する必要があります(市民は氏名の他、住所・電話番号を記入)。貸出期間は2週間以内を原則とし、延長は出来ないようです。

■乏しい図書購入予算
 議会図書室の図書購入費を市HPで調べてみました。
2019(平成31)年度上尾市一般会計予算の<歳出/議会費/図書購入費>は、50,000円です。
この予算では、市議会議員が何か調べるための新刊の文献を用意しておくのは、かなり厳しいのではないでしょうか。

 例えば、今記事の最初に引用した、『新版 逐条地方自治法 第9次改訂版』の価格は、16,500円です。
他にも法律の解説書や文献等は出版されているでしょうから、1年間で50,000円という予算では、とても間に合わないと考えるのが普通です。こういう乏しい予算の状況に置かれていることについて、議員さんたちは予算増額をしたらいかがでしょうか。

ここで、なぜブログ筆者が法律の逐条解説の文献を例に出したか簡単に説明します。

 以前の記事(こちら)でもお伝えしたように、上尾市教委は、教育長や限られた職員らにより、極めて恣意的に、しかも非公開で夏休み短縮を決定してしまうという暴挙をおこなっています。
 その際、教育委員会の会議を非公開とする根拠としたのが「審議会等の会議の公開に関する指針」でしたが、あろうことか、現在は「あれは間違いだった」などと言い始めており、だからと言って何をするわけでもありません。到底許されるものではありません。
 では、市教委が現在根拠としているのは何なのでしょうか。それが法令の「逐条解説」なのです。
 教育委員会の公開・非公開に関しては『逐条解説 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第一法規,2015年 を使い、そのまま解釈しています。
(おそらく、こうした書籍等については、教育委員会事務局の予算で購入したと思われます)


議会図書室の話に戻れば、こうした文献・書籍は、法改正がある度に新版が出されますので、その都度揃えていたら、とても議会図書室の図書購入費の年間50,000円の予算では足りないのは目に見えています。

 ブログ筆者は、上記「逐条解説」が上尾市図書館には在庫がないため、県立図書館で貸出を受けました。機会があれば、議会図書室に行って見ようとも考えていますが、議員さんの政策研究が優先のような気がしますので、どうしたものでしょうか。

日々の所感 ーラウル・デュフィの展覧会ー 

 前々回までの記事で「市教委の委嘱研究の闇/上平小の実態」ということで、上尾市教委による強制的な「委嘱研究」が、いかに学校現場に弊害をもたらすかということをお伝えしてきました。市教委の強制的「委嘱研究」の弊害について、今後も続報を予定しています。

 今記事では、ひと息つき、「日々の所感」として館の住人(ブログ筆者)の好きな作家(画家)のひとりであるラウル・デュフィ(フランス)の展覧会の感想などを書きたいと思います。

記事No.45

■久しぶりのデュフィ 
 デュフィ展がパナソニック汐留美術館で開催されているのは知っていたのですが、なかなか行く時間が取れませんでした。今回の展覧会は12/15までで終了してしまうというので、昨日観に行ってきました。

 ラウル・デュフィの展覧会に最初に行ったのは、2001年だと記憶しています。新宿高層ビルの一角にある美術館(ゴッホ≪ひまわり≫を所蔵していることで有名)で、当時は「安田火災東郷青児美術館」でした(同美術館はその後名称が変わり、今は来年の再オープンに向けて準備中です)。デュフィの作品で印象的だったのは、楽器(とりわけ赤いヴァイオリン)、ニースの青い海岸、競馬場、それにオーケストラなど…。  デュフィの魅力は自由奔放な色彩だと思います。

 その後、銀座の画廊「ギャルリー ためなが」(2010年)や渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開かれた展覧会(2014年)にも行きましたが、デュフィ作品の所蔵については、日本国内ではなんと言っても「大谷コレクション」が有名です。

 「大谷」でピンときた方もいるかと思いますが、例のアベ<桜を見る会前夜祭>の「5千円パーティ(この金額ではどう考えても無理でしょう)」の会場となった、ホテルニューオータニの前会長、故大谷米一氏の鎌倉の瀟洒な居宅を改装して創設された「大谷記念美術館」の蒐集の中心となったのがデュフィの作品でした。

 大谷記念美術館は、鎌倉駅をはさんで、にぎやかで人通りの絶えない小町通とは反対側の閑静な住宅街にあり、ブログ筆者も何度か足を運びましたが、2009年から現在に至るまで「休館」となっています。

■今回の展覧会では
 展覧会のタイトルに「絵画とテキスタイル」とあるように、今回はデュフィの一連の色彩豊かな絵画と、フランス・リヨンの絹織物の会社のためにデザインしたテキスタイルの作品が展示の中心でした。
 ブログ筆者は、今回の展覧会で「大谷コレクション」の作品がどのくらい出されているのか(数えたら、全部で6点ありました)ということに加え、作品の脇につけられている「キャプション」をじっくりと読んでみたいと考えていました。

 今回展示されている作品の内、≪黄色いコンソール≫(1949年頃,油彩/キャンバス,93×81cm,大谷コレクション)です。

 この作品の脇につけられた「キャプション」(その作品についての短い解説)は、次のように書かれています。

 デュフィのアトリエに置かれたルイ14世時代のコンソール(※)とヴァイオリン。コンソールの鮮やかで微妙に色調が変化する黄色は、下部の壁の薄い青と調和する。また、ヴァイオリンと白く浮かび上がる楽譜の音符や鏡の縁の葉飾りは、朗らかなリズムを刻んでいる。絶対的なバランスでまとめ上げられ、画家の到達した一つの美術的頂点といえる名品。
  (※) コンソール=壁面の装飾や飾り棚に用いられるテーブルのこと。

 このキャプションは、おそらく美術館の学芸員によって書かれたと思われますが、短い字数の制約にもかかわらず、実に的確にデュフィの作品の細部にわたって観察をしたうえで、使われている色彩の特徴を言い表しているではありませんか。

 実はブログ筆者も、何年か前に京都の芸術系大学の通信教育で、このキャプションを書く「実習」をしたことがあります。短くまとめるためには、その作家(画家や彫刻家)が生涯にわたってどのような作品を創造してきたか、誰の影響を受けたのか、その作家の人生で大きな出来事はなかったか…などの知識も必要になってきます。
 私たちは美術展に行った際など、作品を観て、脇につけられたキャプションを読んで参考にすると思いますが、的確に書くためには、相当な知識と文章表現力が必要だと思います。

 パナソニック美術館は、スペースはさほど広くありませんが、今回の展覧会は、テキスタイルも含めて多くの作品が展示されています。この美術館はもともとジョルジュ・ルオーの作品を多く蒐集していますが、今回も途中でルオー作品の小部屋があり、悲しげなキリストの横顔が、太い輪郭線で描かれている作品も観ることができました。

◇ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン 
 2019.10.5 – 12.15  10:00 – 18:00 
 パナソニック汐留美術館(JR 新橋駅汐留口 徒歩8分) 

「百条委員会」&「上尾市学校施設更新計画基本方針」策定

 12/6(金)、上尾市議会調査特別委員会(いわゆる百条委員会)は、ブロック塀事件にかかわる証人喚問における畠山市長の「証言拒否」&新井元市長の「虚偽陳述」について告発することになりました。

 一方、「上尾市学校施設更新計画基本方針」が施策として、市教委のHPで12/9付けで公表されました。

記事No.44

■「百条委員会」
 元市長所有地のブロック塀公費支出問題で、市議会の調査特別委員会(地方自治法「以下、法」第100条による)は、畠山市長を証言拒否で、新井元市長を虚偽証言でそれぞれ刑事告発することになりました。
畠山市長は10/25の証人喚問で、新井元市長&小林元議長と3人で会合した際、「ブロック塀の工事を依頼された」としていますが、使用した飲食店名や支払の有無について証言を拒否していました(法第100条3項に抵触)

 また、新井元市長は、10/24の証人喚問で畠山市長に電話したことはないと証言していましたが、畠山市長が留守電の録音を委員会で公表したため、虚偽の陳述に当たる(法第100条7項に抵触)として、告発する方針を固めたものです。

 こうした一連のやり取りから「本当のことを言えば良いのに」あるいは「なんでバレるような嘘をつくんだろう」と思うのが、普通の市民の感覚です。

■「上尾市学校施設更新計画基本方針」の公表
 一方、市議会調査特別委員会による現&元市長への刑事告発とほぼ時を同じくして、上尾市教育委員会事務局(担当:教育総務課)は「上尾市学校施設更新計画基本方針」を公表しました(こちら)。

 この方針の特徴的な点は、【市民コメント制度による意見募集を受けて修正した内容】も同時に公表していることです。それがこちら。 館の住人(このブロ
グの筆者)も、何点かにわたって修正すべき点を指摘したところ、半分以上「方針」に反映されています。

■市民的視座や感覚を大事にしているか
 ブロック塀公費支出問題の経緯や、百条委員会のやり取りから、畠山市長&新井元市長に対して市民は以前にもまして強い疑念を持つことでしょう。それが普通の市民的視座 or 市民的感覚なのです。

 「上尾市学校施設更新計画基本方針」が、市民コメントを受けて修正した内容と同時に公表されたことが
当たり前のやり方だとは言え、市政(教育行政)において「新鮮」に見えます。
 それは、今まであまりにもお粗末な市長らの態度にあきれ返っていた反動かもしれません。

上尾市教委による「委嘱研究」の闇/上平小の実態から(2)

前記事では、市教委による委嘱研究の弊害について、上平小の実態を示してお伝えしました。情報公開請求等で調べれば調べるほど、上平小の石塚校長の発言のいい加減さがますます浮き彫りになってきました。

記事No.43

 市教委による強制的な「委嘱研究」を受けた上平小は、『研究紀要』を作成しています。その冒頭の校長あいさつ(こちら)の中身に問題点があることは前記事でもお伝えしましたが、今記事では前回指摘できなかった内容について、さらに触れていきます。

■校長の言い分と異なる現実
 『研究紀要』冒頭で、石塚校長は「もとより教員には職責を果たすために、研究と修養に励むことが求められています」と述べています。この「研究と修養」(「研修」と言う場合が多い)は、教育公務員特例法(教特法21条)にその根拠を求めることができます
また、教員の職務の専門性に着目して、同22条では「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる
と定められています。
石塚校長が英語の早期教育について、先生方に対して「研究と修養=研修」に励むよう求めるのならば、英語の教科化について、推進・批判的双方の研究会等に積極的に出かけるよう保障すべきなのです。
あるいは、小学生の英語早期教育に対する批判的な文献(例:鳥飼玖美子『英語教育の危機』、永井忠孝『英語の害毒』など多数)を、国立国会図書館や大学図書館に調べに行くなども考えられます。旅費が無くて出張に出来ないのであれば、まさにこの教特法22条を根拠に、研修できるはずです。英語早期教育に批判的な考えも含めて研究しなければ、子どもたちへの英語教育は、非常に偏ったものになってしまいます

ところが、教特法22条に係る上平小関係の書類の開示を求めたところ「文書不存在」という処分でした。つまり、石塚校長は、『研究紀要』ではあれこれ言うものの、実際のところは、先生方に対して教特法22条による研修を保障してはいないのです。

※館の住人(このブログの筆者)は、現在おこなわれている市教委による強制的な委嘱研究発表は、以上のようなことだけでなく、弊害が多いと考えていますので、次回以降も、情報公開請求に基づいた事実をお伝えしていく予定です。

 もし、市教委による委嘱研究の弊害や関連する情報をお持ちの方は、このブログの「お問い合わせ」経由でご連絡ください。内部告発的な情報提供についての秘密は必ず守ります。また、委嘱研究を推進する立場の方(上平小の石塚校長を含め)からのご意見もお寄せください。お待ちしています。

 

強制的「委嘱研究」の弊害 -上平小の実態から(1)- 

上平小では、明日(11/28)「英語」の教科化を先取りしての委嘱研究発表会が実施されるとのことです。今記事では、その弊害についてお伝えします。

記事No.42

■「委嘱研究」発表会のパターン
 現在、上尾市内小中学校33校は、例外なく市教委による「委嘱研究」を強制的に受けさせられています。
委嘱の内容は様々ですが、研究主題やサブテーマには「主体的に行動できる児童」や「豊かな心があふれる○○っ子の育成
〇〇には学校名が入ります)
」など、耳触りがよく、情緒的なキャッチフレーズが並びます
委嘱研究発表とは、「研究授業」の担当となった教員の授業を市教委の「指導主事」や他校の校長や教員が参観し、終了後は研究授業者を囲んでの研究協議&全体会での講評、というのが通例のパターンとなっています。準備段階で、発表校の先生方は全員が授業の「指導案」を市教委に提出し、checkを受けます。
このとき、小学校経験しか無い「指導主事」が中学校のベテランの先生の指導案を見るということも起きているのです。
発表前日には指導主事が学校に来て、掲示物や下足箱の来賓表示の位置を確認することもあります。つまり完全に「イベント化」しているのが実態です。

■「主催者」が最も気にすることとは
 主催者である発表校の校長や市教委の最大の心配事は「参観者が集まるかどうか」ということです。なぜなら、せっかく発表するのに、指導主事の人数よりも参観者が少なくては「盛り上がらない」からです。
市教委事務局委指導課が考えた方策は「各学校から強制的に人を集める」ことです。参観者は確保できるかもしれませんが、参加する側は大変です。いくら校長でも、年度内に11回も研究発表を見に行く暇は無いということで、近頃は同一日に2校発表となりましたが、もともと無理筋だったという証でもあります。

■「教員の働き方改革」に逆行する校長の態度
 上平小学校では、研究委嘱を受けるに際し『研究紀要』を作成しています。その冒頭、校長あいさつの中身を見て、ブログ筆者は非常に驚かされました。

(以下、H30・31年度上平小『研究紀要』から一部引用)
とりわけ、本市小学校においては、外国語活動の先行実 施に取り組むこととなり、本校でも、週時程・日課の編成に創意工夫を重ねながら、3・ 4年生においては週1時間、5・6年生にあっては、週2時間の外国語活動の授業をやり 抜いてまいりましたこの実績は、業務の負担軽減には逆行しながらも、教員としての使 命感と授業力の向上に繋がったものと考えております」

 つまり、上平小の校長(石塚昌夫氏)は、教員の長時間勤務を少しでも解消していくことよりも、自分が市教委から受けた委嘱研究を重視し、「業務の負担軽減には逆行」することを自ら認めているのです。
「とにかく四の五の言わず働け。そうすれば教員の使命感につながるから(=校長の思い込みの強要)」というわけです。まさにブラックの働き方であり、こんな横暴な校長の態度が許されるものではありません。しかも、『研究紀要』を受け取った市教委も、校長に対して何も言わないのは同罪と言わざるを得ません。
さらに、先生方に無理を言って「外国語活動の授業をやり 抜いてまいりました」という石塚校長の弁の結果は数字にも表われています。

■文科省の基準を大幅に超えている年間授業数
下の表は、上平小の昨年度の年間授業時数です。

    1学期   2学期   3学期     年間

計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 計画時数 実施時数 年間計画
時数
年間実施
時数
文科省の基準 超過授業時数
1年 275 317 350 369 225 238 850 924 850 +74
2年 312 338 364 380 234 256 910 974 910 +64
3年 335 355 392 403 253 274 980 1032 945 +87
4年 347 369 405 415 263 282 1015 1066 980 +86
5年 347 369 411 415 257 270 1015 1054 980 +74
6年 345 358 409 415 261 271 1015 1044 980 +64

 このデータを見れば、各学年とも明らかに文部科学省の定めた年間授業数を大幅に上回っています
授業時数が多いということは、取りも直さず先生方の負担が増え、授業をこなすのに精一杯で、余裕が無くなるということなのです。結局はひとりひとりの子どもたちに向き合う時間も削られることになります。
一方、学力はどうかと言えば、向上しているという成果は実証的データとして公開されていません。
委嘱研究は、結局先生方の余裕を奪うことに繋がるのです。
校長も市教委事務局も、執拗に「授業数確保を」と言いますが、大幅に超えた授業数に関して言及することはありません。

■研究委嘱は希望制にすべき
 強制的な委嘱研究(特に小学校の英語)は、以上の観点以外にも弊害が認められます。それらのことについては、別の機会にお伝えしたいと思います。

今、上尾市教育委員会として真剣に考えるべきことは「強制的な委嘱研究がもたらしている弊害は何か」を
検証し、学校側からの希望制に変えること
また、委嘱研究発表の際に来校する「指導主事」に対する学校現場側からの評価のシステムを構築すること、すなわち、本当に現場の先生方の授業を「指導」する力のある指導主事が来校しているのかどうかを見極めることではないでしょうか。

 

「指導主事削減」を選挙公約に掲げている候補者が一人だけいました。

 明日は上尾市議選の告示日です。このブログ「上尾オンブズマンの館」で主張してきた「上尾市教委の指導主事の削減」を公約に掲げている候補がいました。

記事No.41

■教員の長時間勤務を解消していくためには
 今や国民的な課題ともいえる「教員の長時間勤務」の問題。上尾市教委事務局によるこの問題へのとりくみは、残念ながらいずれも「対処療法」と言わざるを得ません。なお、
ここでわざわざ「事務局」と言っているのは、「教育委員会=すなわち教育長と教育委員の合議体」から具体的施策提言がされることはなく、事務局案についてほんの少しの質問をするだけで追認しているからです。

 教員の長時間勤務を解消していく最も効果的な方法は、市教委事務局の学校への関与を極力減らしていくことです。具体的には、現在おこなわれている強制的な研究委嘱を、学校の希望制へと変えることです
 そのためには、市教委事務局指導課に11名いる指導主事を5名程度に減らすことです。同時に、学務課の指導主事(課長を含む)3名・学校保健課の指導主事1名(いずれも教員出身)を一般行政職員で充当することも必要です。
 そして、ここが重要ですが、市教委事務局からの関与が薄まれば、学校現場は全く困らないだけでなく、今までよりもずっと余裕が生まれるのは確実です。

■「指導主事」削減を掲げる意味
 今までも上尾市議会で教員の長時間勤務の問題に関連して、研究委嘱発表の行き過ぎを指摘した質問は確かにありました。ただ、そうした質問は、研究指定そのものが強制的に行われていることに対して、希望制にすべきだという主張ではありませんでした

 ブログ筆者は、現在指導課にいる指導主事は、学校に対する「不必要な権威の序列性」を見せつけるために置かれていると考えています。前記事「学校での隠れたカリキュラム(こちら)」でも書きましたが、子どもたちは「今日は先生がペコペコしているな」と感じ、そこで不必要な権威の序列性が刷り込まれることにもつながると考えられます。それは決して担任教師にも子どもにとっても良いことではありません。
しかも、中学校のベテランの先生に対して小学校勤務の経験しか無い指導主事が「指導」できるものではありません。

■「指導主事削減」を公約にしている候補に期待
 宮入勇二候補の法定ビラ(こちら)では、教育政策で「指導主事削減と先生の働き方改革」とあります。
もちろん、他にも大切な公約が掲げられていますが、 
今まで、はっきりと「指導主事削減」を公約に入れた候補者はいなかったのではないでしょうか。
宮入候補が当選した後、本会議で教育施策についての本質的な質問がされることを期待するものです。

■ブログ発信の意味
 このブログは、もともと「上尾市教育委員会の不都合な真実」を市民のみなさんにお伝えし、共有することによって、市民的アクションが起き、そのことで現在の上尾市教委が少しでも改善の方向に向くのではないかということで始めたものです。
 宮入候補が当選すれば、さらに市民と上尾市の教育行政や市政との距離が近くなると確信しています。

 

上尾市教育委員会の不都合な真実 ーいじめ調査委員の選出経緯の闇ー 

 2014(H26)年の9月から「上尾市いじめ問題調査委員会」が設置されました。その委員の選出経緯等について調べていくと、またもや上尾市教育委員会の不都合な真実が浮かび上がってきました。

記事No.40

■いじめ問題調査委員会設置の経緯と委員の役割
 上尾市いじめ問題調査委員会は、もともと2013年に国が「いじめ防止対策推進法」を定めたことを受けて上尾市でも設置されたものです。
調査委員(定員5名)の活動内容は、委員推薦の依頼状によれば次のように説明されています。

 重大事態に該当するいじめが発生し、各上尾市立小・中学校での調査が困難な場合に、当該重大事態について他4名の委員とともに調査をおこなう。

 ただし、結論から言えば、上尾市いじめ問題調査委員会が発足してから丸5年間、実際に委員が「重大事態」を調査したということは、一度もありません。

■委員の中には不可解な人選も
調査委員の任期は2年。2014(H26)の発足時から、2016(H28)・2018(H30)と2年毎に発令されていますが、メンバーはほぼ変わりません。

以下、委員会発足時の調査委員名
○大澤一司氏(アーク法律事務所 弁護士)=「弁護士」枠
○平山優美氏(県立小児医療センター 精神科医=「医師」枠
○相川章子氏(聖学院大学人間福祉部 教授)
=「心理、福祉に関し専門的知識を有する者」枠

○井川    隆氏(元 上尾市立上尾中学校長)=「識見を有する者」枠
○和氣昭祐氏(上尾市人権擁護委員会 委員)
=「その他教育委員会が必要と認める者」枠

 前記の人選については、情報開示の結果、5名の内4名の方は、それぞれ所属されている機関等に推薦依頼を出し、推薦された人物を委員として委嘱しています。たとえば「弁護士」枠であれば、「埼玉弁護士会 会長」宛に推薦依頼を出し、大澤一司氏が推薦されています。
 ただし、ひとりだけ例外がいて、それは「識見を有する者」枠で委員に委嘱された井川 隆氏です。
井川氏については、元 上尾市立上尾中学校長という「役職」になっていますが、校長会(or退職校長会)に推薦依頼は出していないそうです。情報公開開示の担当者(市教委事務局指導課職員)も、どうして井川氏が委員になったのかは不明であると言っています。

 井川氏を除く4名の方は、現在も調査委員として継続しています。井川氏は、2016(H28)年も調査委員となっていますが、その際の「役職」は、「国際学院中学・高等学校 副校長」に変わっています。この時も推薦依頼の文書はありません
2018(H30)年に井川氏の後を継いだのは、柿崎登氏で、「役職」は、井川氏と同じ「国際学院中学・高等学校 副校長」となっています。同様に推薦依頼の文書は無く、不可解な人選と言うほかはありません。
まさに「上尾市教育委員会の不都合な真実」です。

■わずか1時間ほどの会合で15,000円の報酬
この調査委員5名には、年度1回の会合とはいえ、報酬が支払われています。上尾市の「支出命令票」が開示されましたが、それによれば、各報酬支払額は、
委員長の大澤氏には 16,000円、他の4名(出席者)は 15,000円ずつとなっています。
担当の指導課職員に尋ねたところ、会合に要した時間は(正確ではないが)およそ1時間位であろうということですので、委員さんたちは、時給 15,000円ということになります。

■市教委は調査委員の人選について再考を
 5年前に設置されて以来、一度も活動の実績が無いいじめ問題調査委員会。上述のとおり「重大事態に該当するいじめが発生」しない限り、実際の活動をすることはありません。では、「重大事態」とは何か。
「いじめ防止対策推進法」では、次のように定義しています。
◇いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重 大な被害が生じた疑いがあると認めるとき

 もちろん、こうした事態は無いほうがよいですが、以上述べてきたとおり、少なくとも調査委員の不可解な人選を再考し、透明性を確保することが、上尾市教育委員会に求められているのではないでしょうか。

市教委は子どもを守る観点での迅速な防犯情報を

 上尾市教委HPのトップページには、「防犯情報」の見出しがあります。今月になって、それまでの具体的な不審者情報等が表示されなくなりました。それはなぜなのか、今記事では、その経緯を検証します。

記事No.39

■情報公開請求したら消された「防犯情報」
 ある市民の方から、このブログの「お問い合わせ」経由で「上尾市教委HPの防犯情報が、丸5年以上更新されていないが、何か理由があるのだろうか」との指摘を受けました。市教委のHPを見てみると、最新の配信日が2014(平成26)年9月9日になっています。
そこで、館の住人(このブログの筆者)は、
どのような防犯情報が市教委HPに掲載されるのか
5年以上も更新されていない理由
学校から保護者への防犯情報の流し方
それぞれについて判別できる文書・資料等の開示を求めて、
情報公開請求をおこないました。

 ところが、情報公開請求をした数日後、市教委HPから「5年前の防犯情報」が消えてしまいました。

 後日判明したことですが、「5年前の防犯情報」を消したのは、市教委事務局指導課でした。ただ、以下の手順で、消された内容は見ることが可能です。

■HPの内容の復元と、防犯情報が消された理由
HPの内容を復元するには、まず、
国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」を検索します。
出てきたキーワードの枠に「上尾市教育委員会 防犯情報」と入力することで過去の画面を調べることができます(他の全てのデジタル・アーカイブが調べられるわけではないようですが)。それがこちら
「保存日」を選べば、それぞれの時点での記載内容がわかるようになっています。
ちなみにこの調べ方は、上尾中学校の根拠ないHPの文言<地域No.1校 上尾中の取組>が書かれたのはいつかという前記事(こちら)で、harukaさんから教えていただいた方法です。

 では、なぜ市教委のHPから防犯情報の内容が消えたのでしょうか? 公開請求の「処分」の際に、市教委事務局指導課の職員と面談し、事情を聞いたところ、「防犯情報の更新がされていないということを忘れていました」ということでした。つまり、「5年前から
市教委HPの防犯情報を見ていない」というのです。
これは、にわかには信じがたい話ですが、事実です。

■では、現在はどうなっているのでしょうか。
防犯情報の内容が消された今は、「上尾市 安心・安全メールへの登録はこちらから」とあり、教育委員会以外の機関(交通防犯課など)と合わせて、メールマガジンの配信を登録する案内が示されています。

保護者にとって重要なのは、リアルタイムで送られる防犯情報です。この点に関して、情報公開請求の過程で判明したのは、次のようなことでした。

防犯にかかる事案が発生

警察から「市教委学校保健課」にFAXが届く

学校保健課から「各学校」にFAXが送信される

各学校の判断」で保護者に流す(メール配信等)

FAXを使う理由は、「校長(教頭)宛のメールだと、必ず伝わるとは限らない」からだそうです。
ここで問題なのは、「各学校の判断」というところです。場合によっては、学校保健課から流れてきた内容が薄められて伝えられることもあるからです。
たとえば、東の端にある学校が、西の端で起きた防犯情報をあまり重要視せずに、文言を省略して流すということも考えられます。
しかしながら、西の端で起きた不審者の事案でも、移動手段は様々あるわけですから、防犯情報は略されることなく伝えられなければなりません。
あるいは、近隣の地域でも学校によって保護者に流す内容が異なるということもあり得ますが、各学校の「さじ加減」で防犯情報の内容が異なるということはあってはならないことです。

■現在の方法を見直し、防犯情報の改善を望みます。
 保護者や市民にとっては、「防犯情報を市教委や役所のどの課が担当するのか」ということより、「正確な情報を迅速に流してもらいたい」ということのほうが大切です。そのためには、現在のようなやり方をできるだけ早く見直し「一斉に、同じ内容で、迅速に」防犯情報を伝えてほしいものです。

日々の所感 -こんな今だからこそ読んでみたい小説-

 今記事では、明後日(11/10) に東京都内で予定されている、天皇の交代を喧伝するパレードを念頭に置いて読んでみたい小説(柳美里『JR上野駅公園口』)について書いていきます

記事No.38

■小説のあらすじ
 柳美里(ゆう・みり)の小説『JR上野駅公園口』に登場する主人公は、1933(昭和8)年生まれ、福島県相馬郡八沢村出身です(1933年とは、前天皇の〈明仁〉と同じ年の生まれである点に要注目)。
 12歳で終戦を経験し、国民学校卒業後いわき小名浜漁港で住み込みでのホッキ貝採り、北海道浜中での昆布の刈り取り労働などの後、1963(昭和38)年には、東京に出稼ぎに来ています。仕事は翌年の東京オリンピックで使用する体育施設の土木工事でした。
 男には弟妹が7人います。妻の節子との間には浩一と洋子の二人の子がいますが、家族はとにかく貧しい生活を送ってきました。息子の
名前である浩一の「浩」の字は、同じ日に生まれた「浩宮」から一字取ったものです(浩一の生年月日は1960年2月23日、つまり現天皇〈徳仁〉と同じ日の生まれというのがふたつ目の注目点です)。
 この小説は、極貧の生活の中で郷里の家族を養うために出稼ぎを繰り返してきた、ひとりの男の人生を描いています。男にとって、突然訪れた一人息子である浩一の死は到底受け入れられないものであり、続いて妻をも亡くしたことから、生きる意味を失っていきます。
 男はその後上野「恩賜」公園でホームレスとなり、そこで天皇家の人々が博物館や美術展に来る際などに≪山狩り≫と称するホームレス排除を目の当たりにします。そして最期は山手線内回りの電車に飛び込んでの自死、ラストは、孫娘までが東日本大震災の犠牲になる様子が描かれています。小説の最初から最後まで、絶望的な貧困と、生まれながらの環境による〈不条理〉が描かれている作品です。

■上野公園での「山狩り」
 美術館や博物館などが多いこともあり、天皇家は頻繁に上野公園付近を訪れています。この小説の中では次のように書かれています。

 「天皇家の方々が博物館や美術館を観覧する前に行われる特別清掃「山狩り」の度に、テントを畳まされ、公園の外へ追い出され、日が暮れて元の場所へ戻ると「芝生養生中につき入らないでください」という看板が立てられ、コヤを建てられる場所は狭められていった」

 作者の柳美里は、小説の中で、声高に天皇制に対して異を唱えているわけではなく、地道な取材に基づいた事実を淡々と描いています。この作品の「あとがき」で柳美里は次のように述べています。

「2006年に、ホームレスの方々の間で「山狩り」と呼ばれる、行幸啓(注:天皇の外出)直前に行われる「特別清掃」取材を行いました。「山狩り」実施の日時の告知は、ホームレスの方々のブルーシートの「コヤ」に直接貼り紙を貼るという方法のみで、早くても実施一週間前、二日前の時もあるということです」

 このことに関連して、「台東区が路上生活者の避難所利用を拒否」という出来事がありました(概要はこちら)。「明らかな格差で、命に差別をつけている」ということから批判を浴びました。
そして、報道されることはないものの、上述の「山狩り」はいまだに継続されているだろうことは、容易に推測できます。

[追記]NHK NEWS WEB(2019.11.11)より

「上皇ご夫妻は、上皇后さまが皇居で育てられた蚕の繭を使って復元した正倉院事務所所蔵の弦楽器などを紹介する特別展をご覧になりました。特別展「正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー」は、天皇陛下の即位を記念してNHKなどが開いたもので、上皇ご夫妻は、午後4時半前、東京 上野の東京国立博物館に到着されました

 前天皇夫妻が11/11(当日は東博休館日)に東博に行ったことにより、小説の中で描かれているホームレスの人たちを排除する「山狩り」がおこなわれたことは、ほぼ間違いないでしょう。

■天皇交代パレードの陰で
 おそらく、11/10の夜のニュースでは、パレードの様子と、誰が配っているかもわからない(推測はつきますが)日の丸の小旗を振りながら”感激”した観衆の声を流すことでしょう(館の住人=このブログ筆者は、そのような報道は見ないようにしていますが)。
 国民の受け止め方は様々なので、めでたいことであると考える人もいるでしょうが、ブログ筆者にとって、「天皇の交代を祝わなければならない」という空気は、何かとても居心地が悪いように思えます。
華やかなパレードの一方で、路上生活者の生存権が脅かされていることも、忘れてはならないと思います。

■天皇を意識したと思われる、行事などでの「礼」
パレードほどあからさまではありませんが、様々な場面で、天皇を意識したとしか思えない振る舞いが目につきます。例えば、学校行事(入学式や卒業式など)で、ステージの後ろには日の丸が掲げられています。あいさつのために登壇した校長は、まず、そちらに向かって一礼します。明らかに日の丸に「礼」をしているわけです。
「何に向かって頭を下げているだろう?」と思う間もなく、式は「厳粛に」進んでいくので、参列者は疑問を抱く暇もありません。
こうした「儀式的行事」で、参列者が「おかしいのでは?」と声をあげることは、ほとんど無理な空気が支配するのです。

 小説『JR上野公園駅口』は、ホームレスの人たちを排除する事実や、天皇に対する祝意を半ば強制する雰囲気の危うさを、柳美里の淡々とした語り口で私たちに突きつけている小説ではないかと思います。天皇の交代を機に様々な行事が「これでもか」と組まれている今だからこそ、読む価値のある作品です。

これから市議を目指す方に実現してもらいたい、上尾に必要な教育政策

 上尾の池野教育長は、自らは休暇届を出さずに公的予定表には「お休み」などと記入させる一方、学校の教職員には「厳正な服務規律を」などと厳しい通知文を何度も発出し、かと思えば政治的中立が強く求められている立場にもかかわらず「市議会特定会派(旧新政クラブ)との夜の懇親会」に出るなど、「本当に教育長のすることなの?」との疑念が生じていました。
直近では、9月の教育委員会定例会で、なんと、自分の行状について指摘されている議案にもかかわらず、厚顔無恥にも自ら司会進行し、教育委員もそれについて何も言わないという事実が会議録で露見しました。
(これについては、地教行法(※)14条第6項に抵触している可能性が大であると指摘されています)
  (※)地教行法=「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」

 館の住人(このブログの筆者)による住民監査請求の結果、「休む時は休暇届等を提出する」など、当たり前のことが少しだけ改善されるようになりました。そんな態度の池野氏に何も言わず、質問すらしなかったのは、教育委員のお歴々ばかりではありません。
市議会で質問ひとつせずに
<全員一致>で再任を認めた今の議員のみなさん方には失望を禁じ得ません。

 次に市議になる方には、「上尾の教育行政のどこがいけないと言われるのか」をじっくりと検証したうえで「現状を変えるために必要なことは何か」を提案していっていただきたいと思います。

記事No.37

■余裕ある学校現場にするために
 「教員はとにかく忙しすぎるので、何とかならないか」という意見や、「先生方が今よりももっと子どもたちと向き合う時間が必要」という意見は、今や市民はもとより、国民的課題とも言えます。
ただし、その対策はと言えば、残念ながら上尾では「その場しのぎ」(実効性のほとんど無いお盆のときの学校閉庁や、市内で2名だけのスクールサポートスタッフの配置などというのが実態であり、とても根本的な解決策になっているとは言えません

市内の学校の先生方が忙しい原因は、大きく言って次の二つです。

①上尾市教委からの不必要な指示や提出書類が多すぎること。「委嘱研究発表会」とその準備等が典型。

②文科省で定められた標準授業数を大幅に超えての授業数。学力向上の効果無し。成績は横ばい状態。 

<余裕ある学校とするための具体的な施策とは?>

■現在、3年サイクルで市内の各学校に有無を言わせずに実施されている「市教委による委嘱研究発表会を任意の希望制にあらためる」ことです。それには、上尾市教委事務局指導課に現在11名置かれている「指導主事」を6名に減らすことです(減った人員は、制度上自動的に学校に配置されます)。

市教委による「委嘱研究発表」が<希望制>になっても、学校現場は全く困りません。むしろ、学校現場では市教委からのプレッシャーが無くなり、余裕が生まれることは確実です。このことは、残念ながら、現市議の方々からは、一度も提案されていません。

■現在大幅超過状態にある年間授業時数を、文科省が定めた年間授業数まで適正化します(現状は、校長はやたらと「年間授業数」という〈数字〉ばかり気にします)。適正化により、先生方に真の意味で余裕が生まれ、子どもたちと向き合う時間を増やすことができます。なお、「学力」が下がる心配はありません。むしろ今よりも余裕を持って授業の準備に時間を使えるので、「学力」の向上が期待できます。


■市民活動家による教育政策への補足

  今の現職議員たちに期待できないとしたら、市議会には市政や教育行政に対する監視の目が必要です。その代表でもある、図書館問題や住民監査請求で知られる市民活動家の宮入さんの政策(こちら)を補足するとしたら、次のようなことが考えられます。

学校選択の自由について
 すぐ目の前に学校(他市)があるのに、徒歩30分以上かけて上尾市内の学校に通わなければならない地域があります。これは児童・生徒にとって大きな負担です。学区の選択制など、柔軟な対応をするため「上尾市立小・中学校通学区域検討協議会」での緊急の課題とし、市境撤廃を視野に入れた論議の場を設定する必要があります。

■小中一貫校について
従来の市議会等の答弁や見解をよく検証する必要があります。

○2018(H30)年3月 保坂教育総務部長の答弁から
「今後、学校施設更新計画を策定していく中で、魅力ある学校づくりや学校規模の適正化という観点からも検討してまいります」

◎この答弁にある「検討」がどの程度進んでいるのか市教委に確かめることが必要です。柔軟な通学区の実現のためには、まず、小中一貫校のメリット・デメリットの検証をする検討会議の設置が必要です。

■置き勉問題
 これについても、市議会答弁などをよく検証する必要があります。

○2018(H30)年9月 今泉学校教育部長の答弁から
「児童生徒の荷物が登下校の負担となっている場合があることは認識しておりますので、対策について検討してまいります」

◎「その後どう検討し、どう具体化していくのか」を市教委に確認していくことが重要です。児童・生徒の物理的な負担を軽くするために、各教室に鍵付きロッカーを設置するのは、すぐにでも可能です。

 

■<教育機関>としての図書館行政の見直し
 宮入さんの図書館行政の政策は「築39年の図書館本館は、椅子の買い替えやテーブルの配置替えなど、インテリアの変更で滞在空間を広げます。それほど予算をかけずに、高齢者の居場所づくりや、学習をサポートするための機能を充実させます」という内容です。

 図書館行政についての政策は、ブログ筆者は、次のように補足提案したいと思います。

残念ながら、上尾には図書館法による専門的職員としての「司書」&「司書補」が置かれていません(前記事上尾の図書館をもっと充実させるには、法律で定められた専門職員を置き、専門的見地から市民のための〈図書館奉仕〉に取りくむことが重要です。
また、文科省の告示で示されているとおり、専門性を高めるためにも、図書館長には〈司書有資格者〉を配置する必要があります

■カウンター業務担当者については、現行の上尾都市開発(株)への業務委託から、上尾市の直接雇用に改めます(担当者のシフト業務の円滑化のためです)。

■現在、週に1~2回程度の頻度で各小・中学校に配置されている、非正規の「図書館支援員」を、市費負担の正規職員とさせます(岡山市の実践に学ぶことが有効です)。

■『上尾市図書館要覧』から、理由も無く昨年度から突然削除されてしまった「上尾市図書館の基本理念」と「図書館の自由に関する宣言」を復活させます


■「教育長」・「教育委員」選任についての見直し
■以前の記事にも書きましたが、池野和己氏は、逮捕前の島村前市長が指名し、教育長に就任しています。
その経緯について情報公開請求しても、文書不存在として扱われます。就任後は今記事の冒頭にあるような服務関係のデタラメさなどが目立つ人物であり、住民監査の対象となった岩手への「出張」には数々の疑念があります。
ブログ筆者は「9月の教育委員会議案が非公開とされた件で教育長に直接お伺いしたいので、電話を取り次いでほしい」と伝えたところ、市教委事務局(教育総務課)の拒絶にあいました。池野氏は、市民と直接話をするのは拒否しているようです。
教育長として市民から直接話を聞く機会が無いとすると、結局は市教委事務局からの「忖度話」か、あるいは抑制的なことは何も言わない教育委員との話ばかり聞くことになってしまうのではないでしょうか。
教育長には、市民と対話する機会を設けることが絶対に必要です。

■教育委員についてですが、例月の教育委員会定例会の会議録を見てもおわかりのように、会議の中で本質的で活発な議論がされているとは、全く言えません。
また、法定の「点検評価報告書」では「識者の意見」を求めることになっていますが、その「識者」に前の教育委員であった吉田るみ子氏は絶対に充てるべきではありません。教育委員のみなさんは、これが「身内の、身内による、身内のための点検評価報告」になっているのがわからないのでしょうか?
教育委員の資質が問われますが、「教育委員となった経緯が判別できる文書等」の情報公開を求めても、「文書不存在」の処分がされます。
教育委員に就任または再任の際は「教育委員として上尾の教育行政にどうかかわっていくのか」という論文を書いてもらい、市民に公表すべきです。

 とりあえず以上ですが、今後の市議会においては、新しい議員となった方から、以上述べたような観点に立った質問や提言がされることを期待しています。

神戸・教諭暴力事件/上尾との共通点は?

 神戸市立東須磨小学校の教諭4人が、数年間にわたり、同僚の若手教員4人に対して集団いじめ・暴力行為・パワハラ・セクハラ行為を繰り返し、うち1人を休職に追い込んだという事件が表面化しました。
今回は、この事件について、「上尾で起こらないとは言えない」という視点で考えてみたいと思います。

記事No.36

■事件の要因は重層的なもの
 神戸の事件は、多くのメディアやネットで、相手が嫌がる様子を写した動画も含めて流されていますが、事件の全体をおおむね伝えているのは、こちらの記事だと思います。
事件に対しては、識者や世論の大半の意見が「刑事事件なので厳罰に処すべきである」というものであり、また、加害者が「有給休暇」で給与が支払われていることに市民からも批判が噴出し、神戸市長も急遽給与の差し止め条例を市議会に追加提案するという事態になっています(10/28議案提出、10/29成立見込)。

 では、なぜこのような事件が実際に起きたのでしょうか?

 まず、事件の要因として言われているのは、前記事のコメントでも言及されたように、「神戸方式」と呼ばれる、校長同士が相談して、気に入った先生を引き入れ、それを教育委員会に追認させるといった特殊な人事異動システムです。つまり、異動してきた者が、校長の威厳を笠に着て他の職員に強く出る、という構図です。

 言われているように、この「神戸方式人事」が事件の要因となっていることは間違いないでしょう。校長が後ろ盾になっていれば、引っ張られた教員の発言力も増すでしょうし、強く言われた相手が校長に「直訴」しても、校長は味方になってはくれないでしょう。

 さらに、事件に至る要因は次のようなことが考えられます。

*加害者とされる4人の教諭は、学校では「いじめ担当」や「学年主任」、「若手教員への指導役」などを担っていたこと(=主任制や校務分掌など、校内での職員の序列化の問題

*東須磨小は、2017年度に人権教育推進の「研究指定校」となっており、当時の校長が、小学校教員でつくる「人権教育部会」セミナーに積極的に参加していた主犯格のひとりである男性教諭を「神戸方式」で同校に赴任させたと指摘されていること。
(=「研究指定校」の弊害の問題

*現校長も前校長も、同じ学校で教頭から校長になっていること。
(=教頭時代から職員室での加害者の行状を知っており、そのまま校長になったのであれば、加害者には強く指導できないこと)

*被害者の教諭が昨年度、当時の校長に被害を訴えたが、逆に「お世話になっているのだろう」と威圧されたばかりか、逆に被害者に対して高圧的に叱責したり、飲み会への強要などのハラスメントがあったと指摘されていること。
また、複数の同僚教員がこの問題に気づき、昨年度の校長に訴えたが、加害者グループが校長からその指導力を評価されていることなどから、<事実上もみ消しがあった>と指摘されていること。
(=校長の資質の問題

(追記)
 各新聞等報道によれば、神戸・東須磨小の前校長は、現在「体調不良」で休んでいますが、11/1 付けで市教委事務局に異動になる見込みだそうです。何か都合が悪くなると、市教委に「かくまう」のは、常套手段です上尾でも、校長や教頭に何かあれば、市教委事務局にいる「待機組」が着任するのは、市教委内部での言わば「常識」です。
つまり、たえず余剰人員を抱えているとも言えます。

*市の教育委員会事務局の指導主事と、現場の校長の親和性が極めて高いこと。(=指導主事と校長との「ズブズブの関係性」の問題

 こうした重層的なことが、今回の神戸の事件の要因として挙げられますが同様の事件が上尾で起きないとも限らないという視点から考えていきたい思います。

■一般教職員の声は校長や教委に届いているか
 上尾の小・中学校で「日々子どもたちと向き合って授業をしている先生たちの生の声が、果たして市教委に届いているのか」という問いに対しては、残念ながら現状では
“NO” と言わざるを得ません。

 たとえば、2019.03.06の上尾市議会「文教経済常任委員会審査」において、次の質疑がされています。

◆委員(糟谷珠紀)  上尾市では既に中央小学校でタブレット端末を入れて、LAN環境も整備されているところで、実証実験みたいな形で先行してやってきたと思います。これを使っている現場の教員の中で、例えばそれが研修時間がすごく多くて大変だとかいう声は届いているのかどうか(お伺いします)。

◎副参事兼指導課長(瀧沢葉子)  指導課です。まず、教職からそういう声は届いているかということについては、届いておりません

 このやりとりから何がわかるでしょうか。

 糟谷委員が「現場の教員の声が(市教委に)届いているか」という質問に対して、瀧沢指導課長(今年度は学務課長。以前は校長)は、「届いておりません」と答えています。これは「現場の教員の声は、各学校の校長が把握したうえで、市教委事務局に伝える」という、言わば校長と市教委との間での<了解>に基づいての答弁と言えます。つまり、現場の声は校長を通じてしか市教委には届かないし、もし校長が言わなければ、現場の声は反映されないということになります。

 そこで問題になるのは、瀧沢課長もそうですが、上尾市教委事務局には、校長であった者が指導課長やら学務課長やら学校教育部長に就いており、最後に退職する際には(退職金をどこが支払うかということがあるので)学校現場に戻るという、言わば<親和的システム>とでも呼ぶべき仕組みが出来上がっていることです。すなわち、校長は市教委事務局に異動する可能性があるので、自分に不利にならないように立ち振る舞うことになります。

 先の上尾市議会「文教経済常任委員会審査」のやりとりで、「現場の先生の声が届いていない」というのは、「校長からそのような話を市教委事務局は聞いていない」という意味なのです。もし、学校現場の先生から質問なり要望があったとしても、校長がそうした声を市教委事務局に伝えることは、まず無いでしょう。

なぜなら、校長と市教委事務局とは「ズブズブの関係性」となっており、これは上尾も神戸も同様だと思われます。自分が市教委事務局に異動したときのことを考えれば、現場の要望をそのまま伝えることは「自分で自分の首を絞めることにもなりかねない」と校長が考えても、決して不自然ではないのです。

 市教委事務局と校長との関係性が以上のようなものであれば、神戸のような事件が起こっても、最初から全てを校長が市教委に伝えるとは思えません。上尾と神戸の「近似性」が指摘できる所以です。

■「研究指定」の弊害
 神戸の事件で、「やはりそうなのか、上尾と似ているな」と思わ
せることに、「研究指定」の弊害の問題があります。
東須磨小は、2017年度に人権教育推進の「研究指定校」となっており、当時の校長が、主犯格の男性教諭を、人権教育に熱心であるという理由で同校に赴任させたと指摘されています。

 事件を見ても明らかなように、残念ながら「人権教育を推進している者自身が、人権感覚を持ち合わせているわけではない」というのが実態です。いくら人権教育に熱心であっても、加害者としてとった行動は常軌を逸しており、人間としても許されない行為です。

 上尾では毎年、市内の学校数(33校)の3分の1にあたる11校が強制的に何らかの研究指定の発表をさせられています。
3年に一度と言いますが、発表の前年はプレ発表ということですから、たえず「研究指定」のプレッシャーに晒されています。

 また、「指導」に各学校に来る「指導主事」は、たとえば小学校の経験しか無いにもかかわらず、中学校のベテランの先生を「指導」するといった、<指導主事の資質の問題>も指摘できます。

 とにかく、学校現場に余裕を与えない」「校長が何も言わないので、現場の不満や要望など無い」というのが、今の上尾市教委の姿勢であり、教員の長時間労働を(表面的な対処療法ではなく)根本から解決しようとしない教育行政となっているのが現状なのです。

■上尾で必要なことは
 今記事で述べてきたように、事件の要因は複合的なものになっています。では、神戸のような事件が起きないようにするためには、上尾ではどうしたらよいのでしょうか。

(1) 自由にものが言える雰囲気が大切
 教員にとって大切なのは、一にも二にも授業です。校長や教頭は担任として子どもたちの前に立つことはありません(自ら放棄したとも言えます)。学校で最も重要なのは、いかに教員が自由な雰囲気で、しかも余裕をもって子どもたちに向き合えるかなのです。その意味で、学校内での「権威の序列」は必要ありません。校長はあくまでも「職務上の上司」であり、教頭はその補佐役です。
 学校で目指すべきは、「わかる授業」をいかに教員が他の職員とつくりあげることができるか、ということではないでしょうか。

(2) 強制的な「研究指定」を、選択制にすること
校長はその親和性から、市教委事務局が言うことに唯々諾々と従います(情報公開請求で検証済)が、強制的な「研究指定制度」が無くなったとしても、学校は少しも困りません。
校内でお互いに授業を見せ合い、ともに学ぶ必要があることは否定しませんが、その際、「指導者」を呼ぶのでしたら、学校側が選んだ方を呼べばよいのです。
同様に、強制的な「研究指定」などは止めて、希望制にすれば良いのです。「指導主事」がその指導力を見せたいのであれば、手本となるような「世界一受けたい授業」を実際にやって見せることです。
(上尾の指導主事の中にそんな人がいるとは思えませんが)

(3) 学校にもっと余裕を
学校が忙しい根本的な原因は、学校に対する市教委事務局の関与が多すぎる点です。市教委事務局の関与を極力減らすことが、真の意味での「働き方改革」に結びつきます。
また、文科省で定めている年間授業数よりも大幅に授業時間数が超過している現状も何とかする必要があります(これに関しては後日別記事でお伝えします)。
さらに、6年前に夏休みを1週間前倒しをしたことの検証をすべきです。とりわけ、教職員が休みづらくなったというアンケート結果があったはずなのに、それについての検証がおこなわれていません。
夏休みを短くして、「授業数の確保」ばかり言う市教委事務局も、例えば2学期の始業式を8/29に改めるなど、自らの方針を考え直す時期なのではないでしょうか。

 今回の神戸の事件を契機に、上尾市教育委員会としても、上尾でも起こりうる事件であるという観点から
教育行政を見直すことが必要だと考えます。

上尾市教委の不都合な真実 ー何も言わない教育委員たちー

 市民として到底看過できない池野教育長の行状について、9月の定例教育委員会の会議を非公開にして「審議」したにもかかわらず、質問も無ければ意見も全く言わない「教育委員」の方々。あなた方は、自分たちの姿勢に全く疑問を感じないのですか?

記事No.35

■市民にとっての情報公開制度とは
 情報公開制度は「市民の知る権利」や、「市民が積極的に市政に参画すること」を保障する制度です。行政側はこれを最大限尊重する義務があり、その根拠は法令等でも明確に定められているものです。
ここで重要なのは、情報公開制度は、単に「文書の存否」を問うものではなく、情報公開請求を通じて、行政が改善されるひとつの契機になる、という点です。このことは、住民監査請求に対する意見として監査委員も指摘していることで
す。
今記事では、9月の定例教育委員会の会議録が10月18日に市民に公開されたことを受けて、同会議で(個人情報が含まれるため)非公開とされた[議案第49号]≪行政文書非公開決定処分に係る審査請求に対する裁決について≫を
、これまでの経緯なども含めて取り上げます。

■今回の情報公開請求から審査請求に至るまで
2018.08.14[情報公開請求](情報公開条例による)
①教育長は、距離的にどこの範囲まで公用車を使用するのか(あるい
は公用車使用が可能なのか)が判別できる文書・資料等。
※電車ならばずっと安く行けるにもかかわらず、わざわざ都内の自宅まで公用車で迎えに来させ、横浜市の駅前にあるホテルまで送らせ、その日は上尾まで公用車を戻させ、翌日またホテルまで迎えに来させ、自宅まで送らせたという事案。
②池野教育長は、当時の新政クラブとの「夜の
懇親会」に出席したうえ、公用車を使って都内自宅まで送らせている(つまり公務)。その行状が正当化されるには、何らかの文書等があるはず。
※市教委HPに≪教育委員会は政治的中立を維持することが強く要請されている≫ と記載されているにもかかわらず、あえて特定の市議会会派との「夜の懇親会」に出るからには、それが正当化されるための文書があるはず、という事案。

2018.08.27[市教委による処分の通知
「文書不存在により非公開」との処分が通知されました。備考欄への記述は全くありませんでした。

2018.09.21[審査請求](行政不服審査法による)
「このような池野教育長の行状については、文書や資料等が無ければ到底説明がつかないのではないか。文書等は必ずあるはず」ということから、審査請求をおこないました。

2018.10.26[弁明書が届く](市教委による)
「文書や資料等が無いことは事実である」とだけ述べられている「弁明書」が届きました(全く弁明になっていません)。

2018.12.10[弁明書の一部訂正](市教委による)
「上尾市車両管理規程(公用車は公務でしか使用できず、それも勤務時間に限るという規程)がありましたので、それを提出します」という、「訂正文」が届きました(そうであれば、酒席のあと都内の自宅まで送らせるというのも、公務ということになります)。
なぜ最初の情報公開請求の際にこの規程を示さなかったのか、つまりは市民に対してろくに調べもせずに「非公開」としている証です。

2019.01.08[反論書と証拠の提出](請求人による)
 A4版8ページにわたって、いかに池野教育長が恣意的に、かつ合理的な経路を無視して公用車を使用しているか、また、市教委事務局は池野氏をかばうために言いつくろっているか反論し、かかった経費が市民の血税から支払われていることの証拠を提出しました。

2019.03.08[意見陳述と聴取](請求人・市教委)
 口頭意見陳述の機会がありましたが、このときの審査会長の議事の進め方は全くひどいものでした。請求人であるブログ筆者が何か発言しようとすると、「それは文書の存否に関係ありません!」と大声で口を挟み、発言を阻止してきたのです。事前に質問の要旨は文書で伝えてあったにもかかわらず、です。いかに審査会が名ばかりであり、なんとか市教委をかばおうとする姿勢がはっきりと示されました。

2019.07.24 [答申書が届く](審査会長から)
 市教委を全面的に擁護する「答申書」であり、なおかつ「教育長の公用車使用と新政クラブ懇親会に出席したことの適切性については言及しない」というものでした。

2019.08.05[審理手続きの終結](上尾市教委から)
 一連の「審査」の手続きは、上尾市教育委員会がおこなっているので、市教委から「終結しました」という文書が届きました。
 でも、考えたら奇妙な話ですよね。「文書非公開」という「処分」を下すのは市教委(処分庁と言います)。その手続きを審査するのも市教委(審査庁と言います)。審査会を開く事務局は市役所総務課。
市民には、とにかくわかりにくいシステムになっています。
はっきりしているのは、市教委・審査会が「市民に背を向けている」ということが今の上尾の実態であるということです。

やっと今年9月の教育委員会の「非公開議事」に
 審査請求から1年以上経過した2019.09.25、この「事件(審査請求で扱われる事案は「事件」と呼ばれます)」は、教育委員会の会議に「非公開」で審議されました。
この議案について公開されたのは、先週(10/18)のことです。
請求人が審査請求に1年かけた案件ですが、教育委員のお歴々からは質問も意見もゼロでした(会議録はこちら。最後のほうをごらんください)。非公開にする意味がありませんね。

■教育委員の方々は、なぜ、何も言わないのですか?
9月の定例会で、この議案審議についてわざわざ「非公開」としたにもかかわらず、教育委員のみなさんからの質問も意見も無しというのは、どういうことなのでしょうか。大変疑問です。
教育長の公用車使用については、どう決めているのですか?
市議会の特定会派との酒席に教育長が出るのはなぜですか?
などの質問が教育委員から出てもいいと思うのですが、「教育長の行状については、何がなんでも目をつぶる」「怪しいと思っても、そのことについては触れない」という姿勢がはっきりとした会議でした。
住民監査請求の際に、監査委員から教育長に対して様々な事項(市内の教職員に対して厳しいことを言いながら、自らの服務関係の手続きは全くいい加減であったことや、岩手などの遠方に行っても教育委員会に対してなんらの報告もされていなかったことなど)が指摘されたということを、教育委員は全く気づかずにいるということも考えられます。池野教育長や教育委員のお歴々、加えて市教委事務局の、こうした「不都合な真実」は、これからも逐一明らかにしていく必要があります。さもないと、上尾の教育は少しも良くならないでしょう。

 池野教育長や教育委員の方々がこのブログを読んでいたら、「ここが違う」などの反論や反証も含めて、ぜひコメントをいただきたい思います。
また、市教委事務局職員の方で「実は、こういう事実もある」などの情報をお持ちの方は、このブログの「お問い合わせ&情報提供」経由でご連絡ください。
もちろん、情報提供に関する秘密は絶対に守ることをお約束します。

 

上尾市教委の不都合な真実 ー市議会虚偽答弁を放置する市教委ー

今月の定例教育委員会(10/18)の開催告知を、開催前日の夜になってやっとHPに掲載した上尾市教委。
加えて、以前の市議会答弁について「当時の議会答弁は間違いだった」と今になって言い出す始末です。
こんなことが許されるのでしょうか?

記事No.34

■会議開催の1週間前に市民に周知するのは義務
 上尾市の<審議会等の会議の公開に関する指針>では「当該会議を開催する日の1週間前までに、公開・非公開の別等の諸事項を記載した会議開催のお知らせを公表するものとする」とされています。
ところが、10月の定例教育委員会は、10月18日に開催される予定であったにもかかわらず、1週間前になっても上尾市教委のHPに記載されていませんでした。そこで館の住人(このブログの筆者)が市教委事務局(担当は教育総務課)に電話をして、HPに載っていないことを指摘すると、あわてて「教育委員会会議開催のお知らせ」(こちら)を、本日(10月17日)付けで掲載したという経緯となっています(注:まめさんのコメントにあるように、すでに10/18午後の段階で削除されています

つまり、上尾市教委は、市民に教育委員会定例会の開催を知らせる義務があるにもかかわらず、それを完全にサボったことになります。

■「公開指針」に該当しないという「ウソ」
 実は、9月の教育委員会の際にも、市教委のHPに記載したのは開催日の6日前であり、1週間前に公表するという義務は果たされませんでした。そこで、情報公開請求を通じて、その理由が判別できる文書の開示を求めましたが、「文書不存在」との処分が通知されました。
 通知処分が手交される際に確認したところ、市教委事務局の言い訳とは、「教育委員会の会議は<審議会等の会議の公開に関する指針>の適用を受けない」という、にわかには信じられないものでした。
これが「ウソ」であることは、以前の市議会答弁を確認すればすぐにわかることです。

■学校教育部長と教育長の答弁(2013年9月)
上尾市教育委員会の秘密主義が露骨に明らかになった「夏休み大幅短縮問題」では、2013(H25)年1月の定例教育委員会が、こともあろうに≪非公開≫の会議とされました(ちなみに、桶川や秩父は同趣旨のテーマの会議を市民に公開しています)。
そのことについて秋山もえ議員(当時)が市議会で質問し、それに対し、当時の講内学校教育部長と岡野教育長が答弁しています。

Q.(秋山議員) 「夏休みの5日間削減について、ことし1月の教育委員会定例会において、非公開で協議されたのはなぜか伺います」

A.(講内学校教育部長) 「非公開で協議を行った理由についてでございますが、上尾市教育委員会の会議の公開、非公開の扱いにつきましては、上尾市の定めている審議会等の会議の公開に関する指針にのっとって進めているところでございます

A.(岡野教育長)再質問に対する答弁 「先ほど部長が答弁いたしましたとおり、公開、非公開の扱いにつきましては、上尾市の定めによる審議会等の会議の公開に関する指針及び上尾市情報公開条例にのっとって進めてまいります

 市議会でのこのやり取り以降、新たな見解は市教委から示されていません。つまり上尾市教委は<審議会等の会議の公開に関する指針>に基づいて会議の公開・非公開について決めているのです。
それにもかかわらず、「教育委員会の会議は<審議会等の会議の公開に関する指針>の適用を受けない」というのは、明らかに「ウソ」ということになります

■会議の中身はともかく、市民に向けての開催通知は市教委に課せられた義務です。
 一度でも教育委員会を傍聴すればわかりますが、教育長の議事の進め方は、全く教育の本質を問うものにはなっておらず、事務局の説明も表面的なものであり、ましてや「お飾り教育委員」のお歴々は全ての議案に対してうわべだけの質問(果たして、質問と言えるかさえ疑問ですが)を一言二言して、事務局の回答にすぐに納得し、そのうえで採決は必ず全員一致です。そこには教育長に対する抑制効果<レイマンコントロール>の姿勢など、微塵もありません。
たとえ中身の薄い会議であっても、その開催については、市民に知らせる義務は当然あります。
上尾市教委の特質である秘密主義を一日も早く払拭することを強く望むものです

「上尾市民憲章」の 〈象徴〉 が泣いている??

清水九兵衛≪飛立容≫って何だかわかりますか?
正解
は、上尾市役所玄関の前のモニュメントです。
「上尾市民憲章」の〈象徴〉として設置された経緯があるようですが、劣化著しい物故作家の造形作品を、上尾市はこのまま放置するつもりなのでしょうか?

記事No.33

■このモニュメントは、「上尾市民憲章」の象徴だそうですが…
ご存知ない方のために、 以下が「上尾市民憲章」です。

私たちは
 一 ふれあいを大切にし、あたたかい上尾をつくります。
 一 体をきたえ、活気ある上尾をつくります。
 一 きまりを守り、美しい上尾をつくります。
 一 仕事にはげみ、豊かな上尾をつくります。
 一 教育・文化を高め、国際感覚を養い、未来をひらく上尾をつくります。
[ 1988(S63)年7月15日制定]

 作品≪飛立容≫(ひりゅうよう、と読むようです)は、市民憲章の最後の「教育・文化を高め、国際感覚を養い、未来をひらく上尾をつくります」の〈象徴〉として、1991年に設置されたようです。
推測の域を出ないのは、このモニュメントの管理の担当である市の総務課も、設置当時の資料を持ち合わせていないことによります。
以下、総務課とのやり取りから

お問い合わせいただきました、モニュメントについてのご質問でございますが、
①購入担当課は? ⇒ 営繕課(当時の課名)と聞いております。
②維持管理担当課は? ⇒ 総務課です。
③同作品は1991年に購入していると思われますが、購入金額は幾らでしたか?
⇒ 手掛かりとなる文書は見当たりませんでしたが、当時の埼玉新聞の記事には 約3,000万円と記載されています

 

     (今回の記事で挿入した≪飛立容≫の写真は、2019.10.10撮影)

■≪飛立容≫の作者について
清水九兵衛(きよみず・きゅうべえ,1922.5.15-2006.7.21)
彫刻家・陶芸家。日本における彫刻の第一人者である一方、京焼の名家として知られる清水六兵衛を襲名した。
 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 館の住人(このブログの筆者)は、数年前に京都の某芸術系大学(現在、大学の名称で訴訟騒ぎになっている一方の大学)の通信教育課程に在学していた関係で、卒業までスクーリング等で京都に行く機会が何度かありましたが、〈京都市勧業館みやこめっせ〉の前に置かれた作品をみて、同じ作家の造形作品だとすぐにわかりました。

                         (作品名≪朱鳥舞≫ 写真は 京都市勧業館HPより)

■いかんともしがたい <芸術的環境の差>
 みやこめっせの前に設置された作品≪朱鳥舞≫ですが、京都の岡崎公園近くにあり、周囲には平安神宮の朱の大鳥居、京都国立美術館、京都市京セラ美術館、ロームシアター、あるいはブログ筆者が好む細見美術館などが並ぶようにしてあり、清水九兵衛のアルミ造形作品が置かれていても、全く違和感がありません。それどころか、むしろ心地よい空間が出現していると言ってもよいでしょう。

 それに比べると、上尾市役所の前の≪飛立容≫は …???
同じ作家の作品でも、「置かれ方」や周囲の芸術的環境により、救いようのない差がついてしまうのは、仕方がないことなのでしょうか。

 もし、この記事を読んでいる中学校の先生がいて、修学旅行の行き先が平安神宮付近だとしたら、生徒たちに伝えてやってください。
「みやこめっせに行って見てごらん。置かれ方と周囲の環境によって、同じ作家の造形作品とは見えないこともあるんだよ」と。

■これから、上尾市はどうするつもりですか。
 実は、周囲の環境だけでなく、この作品 ≪飛立容≫ は、写真のように表面は塗装が剥げ、作品全体的にくすみ、劣化が著しい状態です。(2019.10.10撮影)

 設置されてから28年経過しているので、やむを得ない点もあるのですが、作家はすでに2006年に亡くなっています。そういう状況でどのように修復したらよいのか、まさかやみくもに塗装業者に依頼するというようなことがあれば、それこそ作品を造った作家のコンセプトを無視することになると思われます。

さて、上尾市としてはこの作品を、どう維持管理していきますか?
今のままだと、自転車を置く目印になっているだけですが…