市長への政策提言:市の「回答」の大半は≪参考にさせていただきます≫でした
以前から「市民との直接の対話」を頑なに拒んでいる上尾市の現市長。
議会の一般質問では、「直接対話する代わりに、市長への政策提言などで市民の意見を聞いているので…」と答弁しています。
では、「市民の意見を聞いている」という市長答弁の実態はどうなのでしょうか?
以前は「市長へのはがき」という制度がありましたが、現在は[市長への政策提言]と[市政への問い合わせ]とに分かれてしまいました。
そこで当ブログでは、昨年度(令和7年度)に市民から寄せられた[市長への政策提言]への「回答」がどうなっているか調べてみました。驚いたことに、「回答」のほぼ9割は<参考にさせていただきます>や<検討いたします>ばかりであるということがわかりました。
今記事では、市長が「市民の意見を聞いている」実態についてお伝えします。
※記事の最後に、「対話の区政」を掲げて圧勝した岸本さとこ杉並区長のライブ配信の予定を掲載しました。
No.397
🔶昨年度の[市長への政策提言]は、全部でわずか49件
市のHPで[市民の声]メニューから、[政策提言、お問い合わせ、ご相談、ご指摘](青字クリックでサイトに飛びます)に進むと[市長への政策提言]が掲載されており、R3年度分以降が「回答集」として掲載されています。
毎年度の提言の件数を見てみましょう。
※各年度の青字クリックでサイトへ
R3年度[市長への政策提言]……7件
R4年度[市長への政策提言]…12件
R5年度[市長への政策提言]…25件
R6年度[市長への政策提言]…47件
R7年度[市長への政策提言]…49件
毎年「微増」ですが、それにしても提言の件数が少ないですね。
[市長への政策提言]が導入される前と比べてみましょう。
🔶以前の制度[市長へのはがき]の時は 年に514件
R2年度以前は、「市長へのはがき」という制度があり、「市長が全部に目を通す」と言われていました。 では、R2年度の件数を見てみましょう。

このとおり、R2年度の[市長へのはがき]は、514件でした。
しかも、「市民の皆さまから寄せられたご提案など」と説明されています。
この「514件」という件数が、R3年度には7件になってしまいます。
まさに「激減」しているのです。
🔶「今後も適切に対応してまいりたい」の意味
2019(R1)年6月の市議会定例会で、市長は次のように答弁しています。
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このように、畠山市長は「市長へのはがきにつきましては、今後も適切に対応してまいりたいと思います」と議会一般質問で答弁しています。
その後まもなく、市民は「適切に対応」の意味を知ることになります。
つまり、市長答弁の「適切に対応する」が意味するところは、「市長へのはがき」を廃止することであり、[市長への政策提言]または[市政への問い合わせ]ということで、広報広聴課が各課に振り分ける制度になってしまったのです。
ですから、「市民との直接の対話」どころか、
市長が市民からの意見・提言に直接目を通す機会は激減した
と言えるでしょう。
🔶R7年度の[市長への政策提言]を検証
当ブログでは、R7年度の[市長への政策提言]の回答を整理してみました。


このように整理してみると、「市長への政策提言」をして採用されたのは、わずかに1件のみであることがわかります。その内容は、「あげお お土産・観光センターでぐるっとくんの回数券を売ってほしい」という要望であり、交通防犯課は「販売できるように上尾市観光協会と協議をしています」と回答しています。
これ以外の回答としては、今記事のタイトルのとおり、「参考とします」「検討します」が圧倒的に多いのが特徴となっています。
🔶教育関係の提言について市長は「教育委員会に丸投げ」
中には、表中の枝番[5-5]のように「考えていません」という回答もあります。。
これは私(当ブログ館主)からの提言で、「参加する生徒や保護者人とって利便性が高いので、例月のイングリッシュサロンの参加者数の公表を」に対する「回答」です。
しかしながら、この提言についての「回答」は、聞いてもいない部活動地域移行について長々と語ったうえで、「毎月の公民館別参加者数の公表は考えておりません」と、たった1行で全否定しています。参加する生徒にとってどうなのか、あるいは保護者にとっての利便性については、何らの見解も示していないのです。しかもこの回答について市長は何も言及していません(教育関連の提言と回答の全文は市HPを参照してください)。
こうした回答が放置されている(=回答になっていないものも「回答」としている)ことも、この「市長への政策提言」の特徴と言えます。
これらのことは「教育関係についての市民からの提言」については、市長は何も言わずに(言えずに)教育委員会に丸投げしている回答が多い」証左となっています。
🔶「改善」された例と「元に戻ってしまった」例
数は少ないですが、少しだけ「改善」された例もありますが、一方で、その時は改善するとの約束をしながら、元に戻ってしまった例もあります。
具体的に2つの例を挙げてみます。
1つ目の例=表中の9-3(市長への政策提言は全文掲載を)
私がこの提言をするまでは、市のHPに掲載される「市民からの提言」は全文掲載されておらず、市の判断で「要約」されていました。
一方で、市からの「回答」(言い訳との見方もできますが)については、全文掲載するという、不公平極まりない状況がまかり通っていました。
市長は公約として「公正な政治・公平な行政の推進~透明でクリーンな上尾市の実現!」を掲げていますが、この状況は明らかに公約と逆行するものです。
この提言を受けて、しばらくしてから市民からの提言内容は原則全文掲載されるようになりました。
2つ目の例=表中の9-7(市交際費について)

(提言への回答)

「回答」では、「9月分の交際費から「親族」へと表記を改めました」とあります。
本当にそうでしょうか。検証してみましょう。
(R7年9月)
私の提言どおり、「親族」に改められました。
ところが……
(R8年4月分)
また以前の表記に戻ってしまいました。どうしてでしょうか。
市民に明言した「約束事」が守られていません。「学校医」の親族の葬儀に市の交際費が支出されることも疑問ですが、少なくとも市民との約束は守るべきではないでしょうか。
🔶「市長への政策提言」は全面的に見直し、市民との直接対話を
今記事では、現市長が「市民との対話の代わりに」と議会で答弁している「市長への政策提言」の実態についてお伝えしました。
最後に示した実例からの教訓としては、
「市が約束したのだから大丈夫だろう」とは考えないほうがよい
ということであると言わざるを得ません。
現行の「市長への政策提言」があてにならないとすれば、この制度を全面的に見直し、一刻も早く市民との直接の対話を望みます(区民との直接対話を掲げて大差で再選された、杉並区の岸本聡子区長を見習っていただきたいものです)。
⦅追記⦆
「区民との直接対話」を掲げて再選された岸本さとこ杉並区長の記者会見が7月9日(木)14:00 からライブ配信されます(後日Youtubeでも配信予定)。
前回187票差という僅差で辛勝した岸本さとこ氏が、なぜ今回対立候補にダブルスコア以上で圧勝したのか、その理由がわかると思います。→ 配信URL
