上尾市が雇用している3人の弁護士は「何のため」&「 誰のため」ですか?

上尾市では、この5月から教育委員会付けの[法務監]という名目で弁護士が配置されるようになりました。その結果、上尾市で雇用される法務担当の弁護士は3名となりました。
内訳としては、「法務監」という職名の弁護士が、市長部局と教育委員会にそれぞれ1人ずつ、さらに、教育委員会では外部に[スクールロイヤー]を雇っているのです。

しかしながら、この3人は「市民や保護者のための弁護士」ではないようです。
今記事では、「弁護士を3人も雇っているのは何のため?そして誰のため?」という疑問についてお伝えします。長めの記事ですが、資料等も併せてお読みください。

No.395

🔶上尾市に雇用されている3人の弁護士
上尾市に雇用されている3人の弁護士を整理してみましょう。
1人目:市長部局に配置されている[法務監]
2人目:活用事業に基づく[スクールロイヤー]
3人目
:教育委員会付けの[法務監](この5月から配置)

この3人の弁護士、「何のため」&「誰のため」に雇用されているのでしょうか?
結論から先に言えば、
3人の弁護士は、市民のために雇用されているのではありません
ということになります。

具体的に見ていきましょう。

🔶市長部局に配置されている[法務監]とは?
市長部局の[法務監]は、市役所の総務課に配属されていますが、どのような位置づけであるのかを知るには、2024(令和6)年3月に寄せられた「市長への政策提言」と、それに対する回答を見るとよくわかります。

※2024.3.25に市民から寄せられた「市長への政策提言」

※上の「政策提言」に対する市長からの回答(担当課=総務課)

市長部局に配属されている[法務監]の役割は、この「市長への政策提言」に対する市長からの回答を見れば明らかです。つまり、市民のために配置されているのではありません
念のため、市長が言う「市民相談室」の役割を見てみましょう。


問題解決にあたるのは相談者ご自身ですので、ご理解の上ご利用ください」だそうです。
「職員からの相談のために」市長部局内で高給で雇っている[法務監]と比べると、市民には随分と冷たいですね。

では、市長部局の[法務監]への相談はどのようなものなのでしょうか?
以下は、私(当ブログ館主)が情報公開請求した結果の一部です。

      (後略。以下、No.92まで続きます)

こうした相談件数は、令和7年度は全部で92件でした。
その中で、教育委員会各課からの相談件数は1年間に7件しか無かったということも明らかになりました。このことは、「教育委員会付けの法務監という職が本当に必要なのか?」ということにもつながります。

🔶活用事業に基づく[スクールロイヤー]とは?
[スクールロイヤー](以下「SL」と略記します)について、令和8年度の予算は次のようになっています。

単位は(千円)ですから、令和8年度のSLの予算額は 1,456,000円 となります。
では、SLは何のために外部に委託しているのでしょうか?
議会予算特別委員会の席上、学務課長は次のように説明しています。


つまり、SLの業務とは、学校への助言アドバイザー業務教職員への研修業務いじめ防止教室の講師ということになります。
このSL活用事業、令和6年度から始まり、当初の予算は991,890円でした。
制度開始時のリーフレットの中で、今記事の関連では次のように記載されています。




さすがに「いじめ防止教室」年3校では少ない(22校あるので7年以上かかります)と思ったのか、今年度は7校にしたようです(個別相談ではなく一般的ないじめ防止の話)。
また、上のQ&Aでも「SLが保護者向けの講演会を実施することはできません」と明言していますが、「できません」と断言していること自体、おかしな話ですね。
委託先の弁護士と交わした契約書の特記仕様書にでも書いてあるのでしょうか?

🔶[教委付け法務監]配置の「謎」
今年度の議会予算特別委員会でもまったく説明がされていない、市民にとっては全くの「謎」とも言うべき職種がこの5月から新設されました。
それが教育委員会付け[法務監]です。

いきなり4月の教育委員会定例会で[法務監]を置く、という議案が、教育委員の「全員一致・異議無し」で可決されました。なお、教育委員からの質問はありませんでした。

「教育委員会付け法務監とは、いったい何」と疑問が生じた私は情報公開請求しました。
その結果、次の事実が判明しました。


このような形で、上尾市が「弁護士(スクールロイヤー)」を募集していることは、まったく知りませんでした。少なくとも、教育委員会のHPや『広報あげお』には掲載されていなかったように思いますが…?

また、教育委員会付け法務監の業務の範疇に「保護者からの(いじめ問題等での)相談」が含まれているか否かについて情報公開請求した結果、次のことが明らかになりました

このとおり、この文書の発出者である教育委員会は、「保護者からの相談を受ける想定はしておりません」と明言しています。
このことで明らかになったのは、「教育委員会付けの法務監は、市民・保護者のために雇用されているのではない」という事実です。

🔶「謎」は深まるばかり
今記事でお伝えした様々な事実から浮かび上がってきたのは、[法務監]や[スクールロイヤー]は「市民や保護者のための弁護士ではない」、ということです。

さらに、次の点が「謎」となっています。
◆教育委員会から市長部局の[法務監]への相談は、昨年度わずか7件でした。それにもかかわらず、なぜ教育委員会付け[法務監]を新しく置く必要があったので

◆上で示した資料(予算特別委員会での学務課長発言や募集案内)のとおり、[スクールロイヤー(SL)]と教育委員会付け[法務監]とでは、ダブっている業務がいくつもあります。たとえば、
SL=学校の管理運営に係る諸問題に対しての助言アドバイザー業務
法務監=学校等からの法律問題に関する相談
さらに、
SL=教職員への研修業務
法務監=職員向けの法務研修の講師 など、ほとんど同じ業務です。
このように業務がダブっているのは、SLや法務監を計画的に雇用したり配置していない証左ではないでしょうか?

🔶引き続き、全市的な問題として情報公開請求で明らかにしていきます
以上のとおり、[市長部局の法務監][活用事業による外部のSL][教育委員会付けの法務監]については、情報公開請求で入手した資料や、部分的に公表されている資料から、雇用の目的が極めて曖昧であり、三層構造に陥っていることが明らかになっています。
当ブログでは、この3人の弁護士の雇用や業務にかかわる様々な問題については、全市的な問題であると捉え、引き続き情報公開請求をおこなっている最中です。
その結果については、わかり次第、当ブログでお伝えしていきます。

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