傍聴席で違和感(&モヤモヤ感)を覚えた《学校給食運営委員会》とは

昨日(10月26日)、中学校給食共同調理場(場所は上平公園野球場の南側)で開催された《第2回上尾市学校給食運営委員会》を傍聴してきました。
学校給食について私(当ブログ館主)が関心を寄せているのは、市教委事務局が言うところの「持続可能な給食提供体制」がどうなるかについてです。
つまり、現在の給食提供方式(小学校=自校方式、中学校=セントラル&サテライト方式)が維持されるのか、それとも保護者・市民から反対の声が上がっているセンター方式を導入するつもりなのか、ということです。
しかしながら、《学校給食運営委員会》を傍聴してみて感じたのは、労働環境の過酷さや現状の
改善を訴える現場の声に対して、「学校施設更新計画基本計画」の状況を気にしてばかりいる市教委事務局(とりわけ学校保健課長)との「乖離(かいり)」です。
それが傍聴していての違和感&モヤモヤ感につながったのだと思われます。
今記事は、これらのことについてお伝えします。

No.295

🔸そもそも、「学校給食運営協議会」って何?
上尾市の学校給食に関して、様々な立場から意見を聴取する会議」と定義できます。
年度内に4回程度開催されるようで、私が傍聴した「第2回上尾市学校給食運営委員会」(以下、今記事では〖運営委員会〗と表記します)の議題は以下のとおりでした。
(1)令和5年度1学期末 小中学校給食運営状況について
(2)令和5年度1学期末 小中学校給食費未納状況について
(3)令和6年度小中学校給食実施計画について
(4)小学校行事による献立変更及び試食会等の実施について
(5)上尾市学校給食基本方針に基づいた整備項目について
今記事冒頭で述べた「これからの給食提供方式」にかかわるのは、この議題の中では(5)かな、と思いますが、実際には協議されませんでした。

[〖運営委員会〗のメンバーって誰なの?]
今年度4月の教育委員会定例会で承認された運営委員は以下の人たちです(PC閲覧の方は下部にズーム機能有)。
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運営委員の任期は2年間(2025年4月30日まで)です。
注目は備考欄。
何と全員が「新任」なのです。つまり、継続性という点で不安が残ります。

[継続性という視点]
以下は、昨年10月に開催された第3回の〖運営委員会〗の会議録の抜粋です。

このとおり、昨年度の〖運営委員会〗では、「(給食の)各提供方式のメリット・デメリットの提示を願う」「当日渡された資料での判断は難しい」という意見が出されており、その延長線上で、後述する「学校給食基本方針」が策定されたと考えられます。

なお、上記会議録では議長が「次回は」と述べています(事務局は昨年11月を予定していたようです)。ですが、私が検索した限り、昨年度の第4回の〖運営委員会〗の会議録は市教委HPに見当たりませんでした。

🔸市教委事務局提案と現場との「乖離(かいり)」
「上尾市学校給食基本方針に基づいた整備項目について」では、多くの運営委員から意見が出されました。今回提示された「整備項目」とは以下のとおりです。

①衛生管理基準の適合
②作業効率に配慮したレイアウト作成
③省力化・省人化を図った設備等の導入
④空調設備の導入
⑤手作り準備室の設置
⑥炊飯設備の導入
⑦アレルギー対策室の設置

実は、これらの項目は、今年3月に市教委が策定(定例教育委員会で承認)した「上尾市学校給食基本方針」の内容を実現するための「整備項目」であり、現状の過酷な労働条件をどうするかという話ではないのです。
その説明が十分でなかったため、学校現場の教職員からは、現状を改善してほしいという意見が多く出されました。
◎各運営委員から出された意見(抜粋)
*調理室が狭く、動線が悪い。実際に使う立場でレイアウトされていない。
エアコンが必要。スポットクーラーでは対応できない。
*スポットクーラーの排気部が熱い。
 → これについては、ある校長が「(排気ダクトは)ホームセンターで安く手に入る」などと言っていましたが、そもそも、昨年9月議会で、全員一致で《小中学校における特別教室及び給食調理室へのエアコン設置に関する請願》が採択されたことを、この校長は知らないのではないでしょうか。スポットクーラーなどではなく、ただちにエアコンを設置すべきなのです。

現状を改善してほしい、という意見が多数出たことから、あわてて学校保健課長は「これは学校施設更新計画の状況を見て、新しく給食調理室を作った場合の整備計画なのです」と説明していましたが、どうなるかわからない「新しい給食調理室」よりも、給食調理員さんたちの過酷な労働環境を何とかすべきなのです。 

🔸「傍聴者0名」➡「傍聴者7名」の持つ意味
今記事では「上尾市学校給食運営委員会」を傍聴しての感想と問題点をお伝えしてきました。何よりも給食の提供がセンター方式に変更されるかもしれないという危惧から、市民が傍聴に出向いたのは大変意味のあることです。
5月の第1回〖運営委員会〗の際には一人も傍聴者がいなかったにもかかわらず、今回一挙に7名(定員は5名でしたが、2名分の席を増やしてもらいました)の傍聴者があったことから、チラチラ傍聴席を見ている運営委員の方もいました。
次回の〖運営委員会〗は11月の予定と事務局は言っていましたが、日程は今のところ未定となっています。
今後とも、当ブログでは、この問題について高い関心を寄せていきたいと考えています。